【写真つき】桜の木や枝につく虫・害虫3つと駆除方法｜つかないための対策も

桜は日本を象徴する植物で春になると花に癒される方も多いでしょう。しかし、桜は虫が発生しやすく、思わぬアクシデントに遭遇することがあります。

例えば、”桜の下で花見をしてたら毛虫が落ちて来た”、”桜の幹に虫がいることに気付かないで触れてしまった”、などのケースはありがちです。桜は美しく春のシンボルである一方で、虫による被害が多く寄せられています。

自宅に植えた桜が虫だらけになり、気色悪い光景を目にすることも少なくありません。益虫であれば桜とってプラスになりますが、毒のある虫は悪影響を及ぼします。

本記事では桜によくつく3種類の虫の種類・駆除方法を写真付きで紹介。桜の健康状態を良くして生育を促しましょう。

桜の幹、枝、葉っぱなどに虫がついていた光景を目にしたことはありませんか？桜は虫がつきやすい植物で、たくさんの虫が集まりうごめいている姿を見た方もいるでしょう。桜につく虫は10種類以上いますが、今回は3種類の虫と駆除方法をご紹介します。

アメリカシロヒトリは成虫になると白い蛾になりますが、幼虫は緑色で毛虫のような見た目が特徴です。桜を含め100種類以上の樹木につく虫で、集団で葉っぱを食べます。また、食欲旺盛な虫で知られており、桜の葉っぱを食い尽くすと近くにある植物まで食べるため被害は深刻です。

アメリカシロヒトリの発生時期は年に2回あり、6月上旬～7月中旬、8月上旬～9月中旬になると桜につきます。成虫1匹が1回で産卵する数は約700個～1,000個です。卵は1週間ほどで孵化し、幼虫は自分で糸を吐いて桜の枝や葉っぱに巣を作り、葉脈を残して葉だけを食べます。

【駆除方法】
幼虫は約1.5cmまで成長すると巣から離れて被害が広がるため、巣があるうちに駆除するのがポイントです。巣はクモの巣に似ているため見つけるのは簡単でしょう。幼虫がついている桜の枝や葉っぱを剪定して、虫を焼くか踏み潰して駆除します。

成虫になり拡散した場合は、スミチオンやダイアジノン水和剤を希釈し、噴霧器などでまんべんなく散布してください。自治体によっては、動力噴霧器を無料で貸し出しているところもあります。

マイマイガは成虫になると蛾になり、幼虫の見た目は毛虫に似ています。体色は赤や黒で成長過程で色が変化する虫です。幼虫の頭は、縦長の黒い模様が2つあり目玉のように見えるでしょう。

桜につく蛾の中では約6cmと大きく、夜になると光を求めて照明などにつきます。7月中下旬～秋が活動時期で産卵シーズンは秋です。照明などの明るい場所や外壁などに、約300個～600個の卵を塊（卵塊）で産みます。

なお、マイマイガは10年に1度のペースで大量発生する虫で、一気に虫の数が減ることはないでしょい。約3年かけて少しづつ数を減らしていくため、大量発生後の数年間は駆除が大変かもしれません。

【駆除方法】
・卵塊：卵塊は鱗毛（りんもう）があり、目や鼻への侵入を防ぐためにマスクやゴーグルで保護して、手袋も着用しましょう。卵塊が付いている部分にヘラを入れて優しくそぎ落とし、高所にある卵塊は剪定します。取り除いた後は、袋に入れて燃えるゴミに出すか土に埋めてください。

・幼虫：小さな幼虫は毛虫用の殺虫スプレーで駆除が可能です。通常の幼虫は殺虫剤が効かないため、捕獲して燃やすか洗剤入りの水に漬けて駆除します。

・成虫：成虫の蛾に効く殺虫スプレーで駆除しましょう。

イラガも蛾で、アオイラガやヒメクロイラガなど様々な種類がいます。幼虫の体長は約1.5cm～2.5cm、緑色でずんぐりしているのが特徴です。幼虫は大きくなると食欲旺盛になり、桜の葉っぱがなくなるまで食い尽くすことがあります。

発生時期は種類によって異なり、年に1回～2回、7月～11月です。秋になると、越冬に向けて桜の幹や枝の分かれ目などにまゆを作ります。まゆの形や色も種類によって異なり、うずらのような形や茶褐色など様々です。

まゆは春になるとサナギへ、夏になると成虫になります。夏は産卵シーズンで、桜の葉っぱの裏に約20個～30個の卵を産みつけ、数十個の卵が孵化するタイミングにバラつきはありません。卵が一斉に孵化すると幼虫は集団で桜の葉っぱの汁を吸い、吸った部分は白くなります。

【駆除方法】
・まゆ：桜の幹や枝の分かれ目などで見つけたら、ヘラなどでそげ落としてから潰しましょう。

・幼虫：幼虫のトゲから体を守るために、長袖、長ズボン、手袋をして肌を隠します。幼虫の数が少ない時はを割り箸などで捕獲し、虫を焼くか踏み潰して駆除しましょう。大量発生している場合や高所にいる場合は、オルトラン水和剤を希釈して噴霧してください。

剪定や虫の駆除に不慣れな方は業者に依頼しましょう。理由は以下の3つです。

・自分で駆除してもお金はかかる
・虫が苦手は方にはかなり辛い作業
・自分で行う場合はケガのリスクも

それぞれ詳しく解説します。

「業者に依頼するより自分でした方が節約になる。」と思うかもしれませんが、道具をゼロから揃える場合意外にも費用がかかります。

桜に限らず木の虫駆除には以下の道具が必要です。

・噴霧器
・殺虫剤
・軍手
・ゴーグル
・はしご
・枝切り鋏

桜の木が大きいと10,000円前後する大容量の噴霧器が必要ですし、ハシゴはしっかりした強度のものだと10,000円以上かかります。

もちろん今後もこれらのアイテムは使えるので、庭作業を定期的に行う方であれば初回の購入で元は取れますね。

しかし自分で庭作業をする予定のない方だと業者に頼んだ方が安くなる可能性が高いです。

桜の木に1匹虫を見つけたら、木全体にはその何十何百倍も虫がいる可能性があります。

虫が嫌いな方にとっては、葉の裏などにビッシリ群生している虫を見るだけでもかなり辛いですよね。

また殺虫剤で駆除した虫や、大量に虫や卵のついた枝などは自分でゴミ袋に入れて処分する必要があります。

頑張ってゴミ袋に回収して袋をしばったあと、モゾモゾと動くゴミ袋を目にする可能性もあるでしょう。

「虫が苦手。触るのはもちろん見るのも嫌」という方は駆除からゴミの回収まで全て依頼できる業者にまかせましょう。

大きな桜の木となると噴霧器や枝切りはさみを持ってハシゴに登る必要も出てきます。

どれだけしっかりしたハシゴでも、慣れていない人が登ると実はかなり左右に揺れるのです。

自分で桜の木の虫駆除をしてもし転落・骨折したら、治療費だけでなく治るまで働けないという状況に陥ることも考えられます。

余分なお金で家計を苦しめないためにも、適正価格でプロに駆除作業を依頼しましょう。

桜に虫がついた時の被害や虫別に対処方法を見ていきましょう。桜に虫がつくと多くの場合は病気になり、虫が出す分泌液、虫が保有している糸状菌や病原細菌などが原因で様々な被害を受けます。

なお、桜の病気は虫によるものを含めて約40種類ありますが、当然ながら病気の症状は同じではありません。虫によって病気の症状は異なり、1本の桜が2種類～3種類の病気を併発することもあります。

桜に虫がつくことで発症する病気の種類、原因を以下にまとめました。

【膏薬病（こうやくびょう）】：カイガラムシの分泌物が原因で、桜の枝にまるで膏薬を貼ったようなカビが生える。

【こぶ病】：病原細菌が原因で、土、幹、枝から感染してこぶができる。生育不良を起こしたり桜の木が枯れる。

【せん孔褐斑病（せんこうかっぱんびょう）】：糸状菌が原因で桜の葉の中央に穴が開く。

【根頭かんしゅ病（こんとうがんしゅびょう）】：細菌が原因で、桜の根や幹にこぶができたり生育不良を起こす。

【幹心材腐朽病（みきしんざいふきゅうきん）】：糸状菌が桜の幹の中央に侵入して腐って枯れる。また、腐った部分は亀裂が入りキノコが生える。

【幼果菌核病（ようかきんかくびょう）】：糸状菌が原因で新梢（しんしょう）を枯らす。

【てんぐ巣病（てんぐすびょう）】：糸状菌が原因で桜の花が咲かなくなる。また、枝が部分的に膨張し、膨張部分から枝が無数に生える。

桜は蛾の幼虫を含め毛虫がつきやすく、他にもイモムシやアオムシもつきます。毛虫、イモムシとアオムシから桜を守るための対処方法は以下の通りです。

【毛虫の対処方法】
毛虫は拡散する前に対処することが桜を守ることにつながります。毛虫を発見した時は桜の枝や葉の剪定を行い、孵化して間もない毛虫は薬剤を散布しましょう。

孵化したばかりの毛虫は、薬剤による駆除が効果的でオルトラン水和剤を使います。なお、オルトラン水和剤に展着剤を混ぜると水で希釈した時に混ざりやすく、虫への定着もよくなるためおすすめです。

【イモムシやアオムシの対処方法】
イモムシやアオムシは割り箸などで捕獲して燃やすか潰して対処します。基本的に体長が大きい虫が多く見つけやすいでしょう。イモムシやアオムシを薬剤で対処する時も、オルトラン水和剤を使います。

桜にカイガラムシがついている時は、歯ブラシやティッシュなどで地道に1つ1つ取り除いてもいいでしょう。ただ、手作業による虫の捕獲作業は以下のデメリットがあります。

【手作業でカイガラムシを捕獲するデメリット】
・桜についている虫を、手作業で全て捕獲するのは難しく取り残す可能性が高い。また、高所にいるカイガラムシを捕獲するのも難しい。

・カイガラムシは種類によって産卵場所が異なり、桜の葉の裏など見つけにくい場所へ産みつける種類もいる。

【カイガラムシの対処は薬剤散布で効率良く】
カイガラムシの対処はマシン油乳剤（薬剤）を散布しましょう。カイガラムシは呼吸孔があり、マシン油乳剤を散布すると穴を塞ぐことができるため防除が可能です。

なお、カイガラムシは殻などに守られており、殺虫剤が効きにくい虫と言われています。しかし、しぶとい虫も呼吸孔を塞がれてしまうと太刀打ちできません。

アブラムシは春～秋頃に発生する虫で、特に大量発生しやすい時期は春です。春は繁殖時期で、産卵してから成虫になるまでのスピードが早くあっという間に数が増えます。

アブラムシが桜につきやすい理由は、アリがアブラムシを運ぶことや飛ぶタイプのアブラムシは飛来して桜につくからです。繁殖時期は拡散しやすく、桜にウィルス病を運ぶこともあるため薬剤やの木酢液などで対処しましょう。

【スミチオン乳剤や木酢液を散布する】
桜につくアブラムシは、スミチオン乳剤や木酢液を散布して対処します。スミチオン乳剤を使う場合は、水で1,000倍に希釈し数回にわけて散布しましょう。

一方の木酢液は、桜にアブラムシを寄せ付けないための忌避剤です。木酢液も水で薄めてから桜や土に散布しますが、希釈量が少ないと忌避効果が高まる一方でニオイも強くなります。ニオイは風の影響に左右されやすく、周辺に強烈な匂いを放つことがあるため注意してください。

桜についている虫に触れた時の正しい対処方法をご存知でしょうか？虫に触れた時は、適切に処置を行い患部を悪化させないようにしましょう。

【虫に触れた時の対処方法】
1.）毛虫などに触れてしまい皮膚に毛が刺さったら、水でよく洗い流すか粘着テープ（セロハンテープなど）で毛を取ります。毛が刺さった状態で皮膚を強く擦ると、摩擦でさらに毛が食い込むため注意が必要です。
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2．）毛を取り除いた後はそのままでもいいですが、気になる方は虫刺されに効く塗り薬などを使いましょう。虫に触れたことによる炎症は時間と共に自然と落ち着きます。しかし、炎症の範囲が広く症状が酷い場合や、かゆみや腫れなどが治まらない時は病院で診察を受けましょう。

【虫に触れた時は早めに処置を行う】
毒がある虫は主に毛虫などで、皮膚に毛（毒針毛）が触れると激しいかゆみや痛みを発症します。炎症を重症化させないために早めに処置を行いましょう。

一方で、毒を持っていない虫もいます。基本的に毒がない虫に毛は生えていませんが、毒を保有している種類もおり油断は禁物です。虫に詳しくないと毒の有無は判断しにくいため、桜についている虫に触れた時は早めに処置を行いましょう。

自宅の桜に、毎年虫がついて困っている方もいるのではないでしょうか？仕方がないと諦めている方もいるかもしれませんが、虫を防ぐ方法は3つはあります。桜を健康にして、美しい花を咲かせるためにも3つの虫対策を行いましょう。

【不要な枝や混み合っている枝を間引く】
不要な枝や枝が混み合っている部分を剪定して、風通しや日当たりを良くしましょう。桜の枝を剪定した後は、腐敗を防ぐために切り口に防腐剤を塗ってください。桜は腐敗しやすい植物で、剪定した切り口から菌が侵入すると腐敗して枯れることもあります。

【桜の剪定は11月～2月がベスト】
桜は冬になると休眠する植物で、剪定は桜の木に負担がかかりにくい11月～2月に行いましょう。春～秋は虫がつきやすく病気になるリスクがあります。また、虫がつきやすい時期は桜の健康状態が悪くなる可能性があり、体力を温存している冬に剪定を行うのが最適です。

桜や土に薬剤を散布すると虫の発生を防ぐことができます。薬剤選びのポイントは、桜についている虫に合う薬剤を選び樹木や土にまんべんなく散布し、虫がつかない状態にすることです。

薬剤の効果を十分発揮するために、駆除したい虫に合った薬剤を選ぶようにしましょう。

木酢液は、希釈量によって濃度が変わるため虫除け効果にバラつきがあり、雨や水にも弱く安定性に欠けます。桜の虫除けで木酢液を使いたい方は、少し濃いめに希釈して雨や水で木酢液が流れたら散布しましょう。

桜の生育を良くして毎年花を咲かせるためには虫対策が欠かせません。11月～2月に枝の剪定を行い、薬剤や忌避剤も利用して桜に虫がつかないようにしましょう。虫対策をしっかり行うと桜は健康を維持することができるため、丈夫は樹木となり毎年花が咲きます。