2011年に地上デジタルテレビ放送に完全移行したのを機に、ブラウン管テレビから薄型テレビに買い替えた方は多いのではないでしょうか。
当時は「壊れていないしもったいないから」と、とっておいたブラウン管テレビ、処分にお困りではないですか?
ブラウン管テレビは家電リサイクル法の対象機器となっているので、適切に処分する必要があります。
こちらではその処分方法や費用、注意点などについてお伝えしていきます。
ブラウン管テレビを処分する5つの方法

ブラウン管テレビはただ粗大ごみなどに出すことはできないので、購入先の小売店や家電リサイクル受付センターなどに引き取ってもらう、ご自身で指定引取場所に持ち込むなどご自身の都合に合った方法で処分してください。
■購入先の小売店で処分
買い替えの予定がない方は購入した小売店に処分を依頼してください。
小売店によって異なりますが、直接店に持ち込むか、自宅まで回収にきてもらうことができます。
店舗に持ち込む場合にはリサイクル料金と収集運搬費がかかりますが、自宅まで回収に来てもらうと別途訪問回収費がかかりますので、持ち込んだ方が安く済みます。
通信販売やネット、テレビショッピングなどで購入された製品も販売元に回収義務があり、その回収義務は店舗ごとではなく会社ごとになりますので、引っ越しをされている場合でも転居先の店舗に持ち込むことができるので安心です。
■買い替え先の小売店で処分
買い替えの場合、購入する小売店に処分を依頼することができます。
住所が同一であれば、購入した品を届けてもらう際一緒に回収してもらえるので、訪問回収費がかからずお得です。
また、テレビを1台購入した場合でも、リサイクル料金は台数分かかりますが複数台の処分を依頼することができます。
収集運搬費も台数ごとにかかることが多いようですが、店舗によって異なるようので確認してみてください。
ブラウン管テレビから薄型テレビへの買い替えのように、同種であれば引き取ってもらえますが、洗濯機を購入してブラウン管テレビの処分依頼など、家電リサイクル法の対象であったとしても異種家電の処分は義務の対象外となり断られる可能性がありますので、事前に店舗へご確認ください。
■家電リサイクル受付センターなどで処分
東京23区内にお住まいで、購入した小売店が不明、閉店、近隣にないなどの方は、家電リサイクル受付センターに処分を依頼することができます。
申し込み方法は以下のようになります。
①電話で不要家電収集の申し込みをする
許可を受けた収集運搬会社、連絡先、収集予定日、料金(リサイクル料金、収集運搬費等)が案内されます。
②収集日前日から当日にかけて収集業者より確認の連絡がくる
③当日、玄関先(集合住宅の場合は1階)で引き渡す
この時にリサイクル料金等を収集業者に現金で支払い、リサイクル券の排出者控えを受け取ります。
重くて一人では運べないなどの理由で玄関先、もしくは1階までブラウン管テレビを運べない場合には、収集業者からの電話があった際に相談してみてください。
別途費用はかかりますが、搬出してもらうことができます。
東京23区以外にお住まいの方は、各自治体にお問い合わせ頂くと許可されている収集業者を紹介してもらえます。
■自分で指定引き取り場所に持ち込み処分
指定引取場所とは、家電リサイクル法の対象家電を引き取り、一時保管する場所です。
下記の手順で処分してもらうことができます。
①最寄りの指定引取場所を確認する
家電リサイクル券センター(以下RKC)のホームページで確認することができます。
あまりにも自宅から遠い場合には、家電リサイクル受付センターなどに依頼した方がいいかもしれません。
②処分するブラウン管テレビの画面サイズ、メーカーをメモし、リサイクル料金を調べる
リサイクル料金もRKCのホームページで確認することができます。
③最寄りの郵便局でリサイクル料金を振り込む
郵便局券に上記のメモを元に必要事項を記入し、窓口もしくはATMで振り込みます。
振込1件につき、窓口の場合130円、ATMでは80円の手数料がかかります。(振込額が5万円未満の場合)
窓口の場合は、日付印を押印してもらった振替払込受付証明書、ATMの場合は、ご利用明細票の写しを郵便局券の<⑤現品貼付用>片に貼り付けし、ブラウン管テレビと一緒に指定引取場所へお持ちください。
忘れると振込の確認が取れず、引き取ってもらえないのでご注意ください。
④家電リサイクル券を製品に貼る
家電リサイクル券の<①排出者控>を切り取り、保管します。
残りの家電リサイクル券をテレビ右側面上部に貼ってください。
⑤指定取引場所に持ち込む
ブラウン管テレビと振替払込受付証明書(もしくは、ご利用明細票)を持参し、担当者に引き渡します。
指定引取場所は大型トラックなどが多く出入りしますので、係の方の指示に従い、十分に注意して持ち込んでくださいね。
■欲しい方を探して譲る
壊れていないテレビを処分するのがもったいない、とりあえず置いておく場所はあるという方は、誰か欲しい方を探して譲るという方法もあります。
チューナーを繋ぐことでデジタル放送を見ることができますし、DVDやゲームのモニターとして探している方がいるかもしれません。
まずは知人にあたってみて、誰もいないようであればフリーペーパーやインターネット上などの「譲ります・譲ってください」のコーナーを利用してみてはいかがでしょうか。
受け渡しは着払いで送るか、近隣の方であれば取りに来てもらうようになりますが、思わぬトラブルを避けるために、自宅ではなく近くの人目のある駐車場などで受け渡しをするといいかもしれません。
ブラウン管は大きく3種類
家庭にあるブラウン管の製品のほとんどは下記の3種類です。
①ブラウン管テレビ
②ブラウン管ディスプレイ
③ブラウン管一体型パソコン
テレビとディスプレイの違いは、テレビが映るか、パソコン用として発売されていたかという2点になりますが、悩まれた方はRKCのホームページにブラウン管テレビとして載っているかどうかで判断すると確実です。
テレビの処分方法は上記でご紹介したものになりますが、ブラウン管ディスプレイとブラウン管一体型パソコンは「PCリサイクル法」に基づいて処分しなければなりませんので、リサイクル料(パナソニック、ソニー、富士通、東芝など主要メーカー品は税込4320円)を支払い、製造パソコンメーカーに回収してもらいます。
現存しないメーカーの製品はパソコン3R推進協会か、三洋製であればパナソニックなどのように合併先の企業が回収してくれます。
■処分時の注意点
データのバックアップ、消去を確実に行ってから回収に出してください。
メーカーでは、HDDを物理的に破壊してからリサイクルを行うので安心ですが、輸送中や一時保管中の事故などについては保障していないので、不正に個人情報を使用されないためにもデータ消去を確実に行いましょう。
ご自身でデータ消去を行う場合には、専用ソフトを使用するかHDDを物理的に破壊することになりますが、破壊する場合には、パソコン自体を解体してしまうと回収してもらえなくなる恐れや破壊する際にガラス片等が飛び散り危険なので、良く分からない場合には業者に依頼したほうがいいかもしれません。
不要品買取業者に依頼することもできますが、ブラウン管一体型パソコンは回収していないところが多く、回収していても、高額な回収料金を請求されたなどのトラブルが多々ありますのでご注意ください。
処分方法別、メリットとデメリット

それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身に一番都合のよい方法で処分してください。
■購入先での処分
メリット
・引っ越し先の店舗にも処分を依頼することができる
デメリット
・持ち込みができない場合、訪問回収費がかかり割高になる
■買い替え先での処分
メリット
・購入と同時に処分依頼も出来るので手間がかからない
・購入したテレビの届け先と同一住所、同日であれば訪問回収費不要で回収してくれる
デメリット
・同種の買い替えでないと回収してくれない場合がある
■家電リサイクル受付センターなどで処分
メリット
・いつでも処分することができる
デメリット
・収集運搬費が高くなる場合が多い
■自分で指定引き取り場所に持ち込み処分
メリット
・収集運搬費がかからない
デメリット
・自分で料金を調べ、郵便局で振り込み、持ち込むという手間がかかる
・振込手数料がかかる
・最寄りの郵便局で郵便局券を取り扱っていない可能性がある(ゆうゆう窓口、ATMコーナーでは取り扱っていない)
■欲しい方に譲って処分
メリット
・リユースすることができる
デメリット
・いつ処分できるか分からない
・知らない人に譲る際、個人情報を知られてしまう可能性がある
処分費用まとめ

ブラウン管テレビを処分する際、排出者が負担する費用には以下のようなものがあります。
■リサイクル料金
リサイクルプラントに運ばれた製品が適正に処理されるためにかかる費用です。
シャープ、ソニー、パナソニック、日立、東芝など代表的なメーカーの場合
16型以上 2916円(税込)
15型以下 1836円(税込)
■収集運搬費
搬出場所(小売り店等)から指定引取場所までの運搬費です。
収集運搬費は各小売店等で独自に決められていますが、
540~1080円(税込)
に設定している店舗が多いようです。
■訪問回収費
自宅まで回収に来てもらう場合にかかる費用です。
3000円ほどかかります。
■搬出費
訪問回収時、引き渡し場所である玄関先や1階までテレビを運べない場合、部屋から搬出してもらうのにかかる費用です。
処分時の注意点

軽トラックで回っているような不要品買取業者の中には、不適切な廃棄物処理や不法投棄などを行う業者も多く、環境汚染や海外輸出時に出火するなどの事故が報告されています。
また、積み込んだ後に高額な請求を受ける、搬出時に家屋を傷付けられたりするなどのトラブルも後を絶たないので、正規の業者に依頼しましょう。
リサイクル券の排出者控えで、処分を依頼した店舗やRKCのホームページ等であなたが排出したブラウン管がきちんとメーカーに引き渡されたかを確認することができます。
適切な処理をされたのかを確認することも、環境を守る大切な一つの取り組みになるのです。
まとめ
ブラウン管テレビを処分するには費用も運ぶ手間もかかります。
しかし、いつかするのであれば、今、重い腰を上げて処分してしまいましょう!
ブラウン管テレビを正しく処分・リサイクルすることで、限りある資源を有効に使い、次世代へ少しでも良い環境を繋いでいきたいですね。