どこからともなく飛んでくるハエって鬱陶しいものですよね。窓は開けていないのに、どこから飛んで来るのだろうと思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ハエが発生する原因や自分でできる駆除方法、ハエを発生させないために気をつけたいポイントをまとめてみました。ハエは季節を問わずやってくるものです。効果的な対策を知っておくことは非常に重要です。
ハエが発生する原因
どこからともなく飛んでくるハエは、とても目障りですし衛生的にも良くありませんね。このハエが発生する原因は一体どこにあるのでしょうか?
ハエは、エサのあるところに飛んできて産卵します。つまり、ハエの発生する原因は「そこにエサになるものがあるから」だと言えます。
この場合のエサとは生ゴミや動物の死骸だけではなく、植木鉢や水たまり等も該当します。急にハエが大量に発生したという場合は、必ずどこかにハエのエサになるものがあるはずです。室内、室外ともによく周りを確認してみましょう。
室内であれば、排水口や冷蔵庫の裏、シンク下等が要注意です。他にも、根菜ストッカーに傷んだ野菜が混じっていないか注意しましょう。
不要になったダンボール箱も、ハエの発生場所として見落としがちなポイントです。ダンボールの内部は適度な湿度と温度が保たれており、虫の生育に適した環境です。特に中古段ボールには、最初からハエの卵が産みつけられていることも。
まさか、と思うような場所が発生地点になっていることもあるので、注意が必要です。
ハエの駆除方法8つ

ハエの駆除は一匹一匹だとさほど難しくありませんが、大量になるとそれなりに厄介なものです。ここでは、自分でもできるハエの駆除方法を8つご紹介しています。
使う場所や環境、安全性によってそれぞれ最適な方法が異なります。その場所に合った方法を選ぶようにしたいですね。
■1 スプレー式殺虫剤で退治
成虫、蛆虫ともに最も即効性が期待できる方法です。見つけた時にスプレーするだけでハエを退治できるので、退治した実感も得られます。
ただし、発生源を断たないと完全にハエを駆除することはできないので要注意です。ハエは、一生のうちで500個もの卵を産むと言われています。目に見えるものだけを退治しても、完全に退治できたとは言えませんね。
ハエが大量に発生している場合は、殺虫剤で出てきたものを退治しつつ、根元を断つ対策を同時に取っていく必要があるでしょう。
■2 ハエ取り紙で駆除
ハエ取り紙とは、誘引剤のついた粘着シートをハエが通りそうな場所にぶら下げておくことで退治する、昔ながらのアイテムです。昔ながらのものとはいえ捕獲効果はかなり高く、しばらく設置しておくことでかなりの数を退治することが期待できます。
ただし、粘着力が高い分、シートが人や家具にくっつくと取り除くのがとても大変です。特にペットを飼っているお家は、動物にシートが絡まると大変危険ですので使用は避けましょう。
■3 ペットボトルハエ取り器で駆除
コストをかけずにハエを退治するなら、自作のハエ取り器を試す方法も。空になったペットボトルを使って、簡単にハエ取り器を作る方法をご紹介します。
用意するものは、ペットボトルとお酒と砂糖、それに穴を開ける道具だけ。
ペットボトルにハエが入れる程度の穴を開けたら、少量のお酒と砂糖を入れましょう。あとはフタを閉めて、ハエの通り道にセットすれば完了です。中に入れるものは、お酢やソース等の匂いが強いものならなんでもOKです。
また、ボトルの上部に匂いを拡散させるための小さい穴も開けておけば、より効果アップが期待できます。腐敗して悪臭が出てしまう前に、定期的に交換するようにしたいですね。
■4 手作りめんつゆトラップでハエを駆除
ペットボトルのハエ取り器よりも簡単に作れるのが「めんつゆトラップ」です。
用意する材料は、めんつゆと紙コップ、中性洗剤だけ。水5:めんつゆ1の割合で薄めたものに少量の中性洗剤を加えるだけ。
めんつゆの匂いに惹かれてやってきたハエの足に、洗剤の成分が付着することで退治するというシステムです。市販の「コバエホイホイ」等も同じ仕組みです。これは紙コップ等でも簡単に作れるので、アウトドアや庭仕事の時にも活躍する方法です。ぜひ覚えておきたいですね。
ただし、ペットや小さなお子さんのいる環境では思わぬ事故に繋がる可能性があります。目を離さないようにすることと、誤飲を防ぐ工夫を施すようにしましょう。
■5 ファブリーズやリセッシュをスプレーしてハエを退治
ハエが気になるけど手元に殺虫剤がなかったり、拭き取れない素材の近くのときはファブリーズやリセッシュ等の消臭スプレーが活躍します。
布製品用の除菌消臭スプレーには、界面活性剤が含まれています。この界面活性剤がハエの気道に入って塞ぐことで、窒息させられるという原理なのです。殺虫剤よりは環境への影響も少ないので、いざという時のハエ退治アイテムとして備えておくのも良いですね。
■6 アルコールをスプレー
ファブリーズよりも、より周囲への影響が少ないのがアルコールスプレーを使う方法です。これも、アルコールの成分がハエの気道を塞いで窒息させられるという原理を利用したものです。アルコールは短時間で蒸発してしまうので、周囲への影響を最小で抑えられるのが魅力です。
アルコールスプレーにはさまざまな濃度のものが販売されてますが、濃度50%以上のものを使うのが最も効果的だと言われています。スーパー等で販売されているものは10%~20%と低めの濃度がほとんどです。薬局等で販売されている「無水エタノール(80%)」を利用すると良いでしょう。
■7 蚊取り線香でハエを駆除
夏のアウトドアや庭仕事に大活躍の蚊取り線香ですが、ハエにも効果はあるのでしょうか?
実は、蚊取り線香に含まれる「ピレスロイド」という成分は蚊以外の害虫にも効果を発揮することで知られています。
普通のものでも効果を期待できますが、「太巻」タイプのものはパッケージにでもハエに効果があることを謳っています。ハエを重点的に退治したい場合はこちらを選ぶと良いでしょう。
ただし、蚊取り線香は密室で焚きすぎると喉を傷めるだけでなく、部屋全体にヤニが付着してしまいます。換気を充分にして、開けた場所で使うようにしましょう。
■8 蛆虫は熱湯で退治
うねうねと動く白い蛆虫は視覚的にも気持ち悪いものですよね。これらの蛆虫は殺虫剤でも退治することができますが、食材を置いている場所で殺虫剤を使うのは控えたいものです。
そういった場合は、少量の熱湯をかけるだけで簡単に退治することができます。使う熱湯は少しで良いので、根菜ストッカー等に湧いた蛆虫の対策にぴったりですね。拭き取るだけで済むので簡単です。
ハエの予防方法4つ

ハエ対策には「ハエを発生させない対策」が必要不可欠です。ここでは、ハエを予防するために守りたい4つのポイントをご紹介しています。ひとつひとつは小さなことですが効果は非常に高いので、ぜひ家族全員が習慣づけるようにしたいですね。
■1 生ゴミは毎日処理
ハエ予防の基本中の基本は「ハエのエサになるものをできる限り排除する」ということです。
調理の過程で出た生ゴミは、その日のうちに必ず処理しましょう。排水溝のゴミやゴミ箱はもちろん、レンジ周りの油汚れもハエにとって食料になります。
家の中にハエがいないように見えても、食料となる生ゴミがあるとハエはどこからともなく侵入してきます。そして、生ゴミや汚れに産卵して数を増やしていくのです。
毎日のことですから最初は多少面倒かもしれませんが、生ゴミ類はその日のうちに片づけるクセをつけることが大切です。また、気密性の高いゴミ箱を使うのも効果的です。
■2 腐葉土を入れた植物は屋外へ
ガーデニングに欠かせない腐葉土も、ハエ対策という観点から見ると注意が必要です。
腐葉土とは、土壌を改善するための堆肥を指します。米ぬか等と混ぜて発酵させることでより効果が期待できますが、ハエの繁殖にとっても理想的な環境になってしまいます。
外に飛んでいるハエが産卵することも問題ですが、腐葉土によっては購入時点でハエの卵や蛆虫が混入していることがあります。これは腐葉土の性質上避けられないことではありますが、そのまま室内に持ち込むのは避けましょう。
殺虫剤や農薬を使えばハエが湧くことは避けられますが、ペットや子どものいる家庭では危険ですし、植物への影響も気になりますね。基本的に、腐葉土を入れた植物は屋外で育てることと、定期的に蛆虫等がいないかをチェックすることが大切です。
■3 掃除をこまめに
これもハエだけでなく害虫駆除全般に大切なことですが、部屋の掃除をこまめにすることは基本です。
先に挙げたキッチン周りだけでなく、浴室やトイレ等の水周りは排水溝からハエが侵入しやすいところです。髪の毛や水垢を定期的に取り除いたり、パイプの清掃をすることで常に清潔に保ちましょう。
また、子どもやペットのいる部屋は食べこぼしが床に落ちていないかも気をつける必要があります。根菜ボックスの中身も定期的に確認して、砂や皮の切れ端等が溜まっていたら、洗ってきちんと乾燥させるようにしましょう。
■4 野外で昆虫は飼育する
昆虫飼育のための環境は、当然のことながらハエの生育にもぴったりです。昆虫を飼育する時は、くれぐれも清潔に保ってハエが混入しないようにしましょう。屋外で飼育するのがベストですが、昆虫によっては温度差に弱い種類もたくさんあります。決して無理をしないようにしましょう。
やむを得ず室内で飼育する時は毎日環境や温度をチェックして、エサや水を置きっぱなしにしないことが大切です。
ハエの駆除を業者に依頼する場合の料金相場

ハエは自分でも駆除できますが、発生源が見えづらい場所にある場合や家具や機材をたくさん置いてある部屋では、根絶することが非常に困難です。そんな時は、プロの駆除業者の手を借りて一網打尽にしてしまうことも検討したほうが良いでしょう。
ここでは、ハエの駆除を専門業者に依頼した場合の相場や依頼時に注意するべきことをまとめています。依頼する前に、必要なポイントを押さえておくようにしましょう。
■業者に依頼したときの相場
ハエ駆除は、その建物の広さや内容によって料金が大幅に変わってきます。
地域によって差はありますが、一般的には以下のような価格帯が多いようです。
・アパートのキッチン周りで10,000円~16,000円
・一軒家の水周りで15,000円~20,000円
・建物一棟で50,000円~100,000円
発生したハエの種類や周辺環境によっても異なるので、事前調査を必ず依頼するようにしましょう。業者によるハエの駆除は、その周囲を閉鎖して燻煙剤や薬剤によってハエを退治します。プロの使う薬剤は、ハエの卵がふ化するのを抑制する成分が入っており、以後の繁殖を抑える効果も期待できます。心配な場合は、アフターメンテナンスも依頼しておくと良いでしょう。
業者に依頼する時は、必ず事前に現地調査をしてもらったうえで支払総額が記載された見積書を出してもらうことが鉄則です。また、あまりにも相場からかけ離れた金額の業者は避けたほうが無難です。ご近所や知り合いの口コミ等も参考にして探してみることをおすすめします。
■ハエは健康被害を引き起こす場合も
ハエはただぶんぶんと飛んでいるだけでなく、人間に健康被害を引き起こす可能性があります。ハエの手足には大量の雑菌が付着しているので、食べ物に止まったりすることで食中毒の原因になるのです。特に、そのまま食べる野菜や果物、お菓子類には特に注意が必要です。
それ以外にも、チョウバエの卵が体内でふ化することで起きる「ハエ症」という病気もあります。抵抗力の強い成人はそこまで重症化することはありませんが、高齢者や子ども、身体の弱っている人は注意が必要です。
ハエくらい、と軽く考えていると思わぬ被害に見舞われることもあるので、見つけたら適切に駆除するようにしたいですね。
まとめ
いかがでしたか?清潔ですっきりした暮らしのためには、日常的なハエ対策が欠かせません。ひとつひとつはちょっとしたポイントですが、その積み重ねがハエのいない環境を作ります。
発生する原因と対策を知って、効率良く清潔な環境を手に入れましょう。