留守が多い人や大切な貴重品を盗難から守るために、自宅に金庫を設置している方も多いでしょう。しかし、新しい金庫への交換などで使わなくなった金庫はどのように廃棄したらよいのでしょうか?こちらでは金庫の処分にお困りの方のために、金庫の処分方法や処分にかかる費用について解説していきます。金庫処分にあたっては無料での処分も可能です。注意点なども併せてこちらでご紹介していきます。
金庫って処分できるの?金庫の種類と注意点
金庫も処分できますが、耐火金庫のようにゴミとして処分できないタイプもあります。そこで金庫の種類と処分する際の注意点について解説していきます。
金庫の種類とは?
金庫の種類は大きく分けて3種類あります。その3つとは、耐火金庫と防盗(ぼうとう)金庫と手提金庫です。金庫は、金属や特殊な素材で作られていることから、通常の方法で処分できないことがほとんどです。
耐火金庫
耐火金庫は、火災から中身を保護するために、耐熱性に優れた気泡コンクリートを使用しています。火災時に気泡に含まれた水分の気化熱による冷却効果があります。気泡コンクリート以外では、特殊合金、スチール、鋼材などの複数の金属素材が使用されています。JIS規格を満たしている場合でも、20年の使用期限がありますので、その期限が過ぎたら交換が必要です。
耐火金庫は一般ゴミでも粗大ゴミでも処分できません。例えば、東京都練馬区では耐火金庫の収集はできませんとのことです。耐火金庫を処分する場合は、専門業者に処理を依頼してください。
防盗金庫
防盗金庫は、日本セキュリティファニチュア協同組合連合会(日セフ)が耐久性の基準を設けて数値化しています。このタイプの金庫は、さまざまな金属を複合して使用しており、高い耐久性や非破壊性があります。しかし、自治体での回収が不可能で、処分には注意が必要です。
手提金庫
手提金庫は、携帯性を重視した金庫です。こちらは、一般ゴミや粗大ゴミとして受け付けてもらえます。例えば、手提金庫は東京都港区では粗大ゴミとして出す場合は、400円の料金がかかります。ただし、港区のサイトを見ると、手提金庫を自治体に持ち込みするなら処理料金の400円が無料になることが記載されています。
金庫の処分方法6選
これまでご説明したように、金庫は素材によっては、一般ゴミや粗大ゴミでの処分ができません。行政でも引き取りするところはありませんのでご注意ください。無断で廃棄しないように、よく調べたうえで、いらなくなった金庫を正しく処分するようにしてください。
金庫の廃棄処分方法は主に6つありますので順にご紹介していきます。
- 購入店での引き取り
- 金庫専門業者に廃棄を依頼
- 廃品回収業者への引き取り依頼
- リサイクルショップでの買い取り
- ネットオークションやフリマアプリへの出品
- 遺品整理・生前整理業者への引き取り依頼
処分方法 | 有料 or 無料 | 料金相場 |
---|---|---|
購入店で引き取り | 有料 | 5千円〜3万円前後 |
金庫専門業者での廃棄 | 有料 | 1万円〜3万円前後 |
廃品回収業者への引き取り依頼 | 有料 | 3千円〜2万円前後 |
リサイクルショップでの買取 | 無料 | 売却代金? |
ネットオークションやフリマアプリ出品 | 無料 | 売却代金? |
遺品整理・生前整理業者への引き取り依頼 | 有料 | 3千円〜2万円前後 |
1. 購入店での引き取り(有料)5千円〜3万円前後
まず最初に購入店での引き取り依頼を検討しましょう。ただし、有料となることが多く、引き取り費用は5千円〜3万円前後もかかります。同じメーカーや同じ購入店で新しい金庫を購入する場合は、無料での引き取りも可能です。購入店がわからない場合は、メーカーに問い合わせてください。
2. 金庫専門業者に廃棄を依頼(有料)1万円〜3万円前後
金庫専門業者とは、金庫のトラブル全般を専門に取り扱う業者のことです。金庫が開かない場合にも鍵開け対応してもらえます。こちらでも不要になった金庫の引き取りに対応しています。金庫の処分費用は重さによって異なります。大きな金庫の場合は、自宅まで引き取りに来て運搬してくれます。
3. 廃品回収業者への引き取り依頼(有料)3千円〜2万円前後
引っ越しや片付けなどを予定しているなら、まとめて処分できる廃品回収業者への引き取り依頼がおすすめです。しかし、金庫のサイズなどで料金が大きく変わってしまうことがあります。回収後に追加料金が請求されることも多いので、高額請求や詐欺にはご注意ください。
信頼できる廃品回収業者選びが重要で、各社のサイトや口コミ・評判をよく確認し、事前見積もりを怠ることのないようにしてください。
4. リサイクルショップでの買い取り(無料、売却代金?)
比較的新しくて使用可能な金庫ならリサイクルショップでの買い取りができます。しかし、金庫には20年の耐用年数がありますし、状態が悪い商品は売れないでしょう。運良く値段がつけば、店舗に持って行ったついでに売ってしまったほうがいいでしょう。
また、処分するにも結構なお金がかかりますので、引き取りを拒否される恐れもあります。大きくて重い金庫でも出張買取を利用して、まずは査定してもらう方法があります。
5. ネットオークションやフリマアプリへの出品(無料、売却代金?)
ネットオークションやフリマアプリを利用すれば、思った以上の高値で売却することができます。リサイクルショップと異なる点は、希望する売却額を自分で設定して売却できる点です。最低価格も決められますので、買い叩かれる心配もありません。
しかし、取引トラブルには十分に注意し、売れたのでラッキーだった、といった感じで素早く取引を終わらせたほうが無難です。
6. 遺品整理・生前整理業者への引き取り依頼(有料)3千円〜2万円前後
終活などの遺品整理・生前整理をやっているなら、金庫も生前にしっかりと処分しておきましょう。注意点は、不用品回収業者や廃品回収業者が兼業で遺品整理・生前整理業者を請け負っている場合があることです。金庫専門ではないので、不当な額の引き取り料金を提示されないようにご注意ください。引き取り料金も他の方法と大きく変わることはありません。
金庫を処分する場合の料金相場一覧比較
前項では、代表的な6つの金庫処分方法についてご紹介しました。各業態によっての料金相場の違いはありますが、さらによく見るとその処分料金が変動している点にも注目してください。つまり、金庫を処分するにも料金相場があるという意味です。
こちらでは、料金相場一覧を表にしてまとめていますので参考比較資料としてご利用ください。金庫を出張処分(回収)する場合は、1kgあたりおおよそ200〜300円の費用がかかります。
金庫の重量(kg)やサイズ(cm) | 料金相場 | 作業人員など |
---|---|---|
30~50(幅30×奥行30×高40) | 1万〜1万3千円 | 1名 |
60~75(幅40×奥行40×高50) | 1万5千〜2万円 | 2名 |
100~150(幅50×奥行50×高75) | 2万5千〜3万5千円 | 2名と台車 |
200~299(幅55×奥行55×高90) | 4万1千〜5万円 | 専門運搬業者 |
300~400(幅60×奥行60×高120) | 5万〜5万9千円 | 専門運搬業者 |
401~500(幅65×奥行65×高150) | 5万9千〜6万8千円 | 専門運搬業者と油圧リフト |
作業別に異なる料金が加算される場合もありますのでご注意ください。※お住まい地域や各業者によって異なりますのであくまでも目安料金です。
金庫の重量 | 200~299kg内 | 300~399kg内 |
---|---|---|
石段(6〜10段)の段差があるケース | +2,500円 | +6,000円 |
エレベーター利用 | +1,000円 | +2,000円 |
階段作業が必要 | +12,000円 | +20,000円 |
階増し(階が上になるほど料金↑) | +8,000円 | +10,000円 |
金庫処分業者の選び方5つ
金庫処分を専門に取り扱う業者は、さまざまな方法を使って探せばたくさんあることがわかります。しかし、優良業者を選ぶことは難しいので、こちらでは重要な選び方のポイントに絞って解説していきます。また、不用品回収業者選びにも似たところがありますので参考として知っておいてください。
1. いつでも見積もり無料!
見積もり対応は、いつでも無料で対応しているのかどうかを確認してください。自宅に呼んだだけで交通費などの料金を取られたり、その場で引き取りを始めたりして高額な料金が請求されることもありますので、無料見積もりは処分費用を安くするための基本条件です。また、返信が遅い場合もあまり良い金庫処分業者とはいえません。
2. キャンセル料や追加料金の有無
キャンセル料金や追加料金の有無もしっかりと確認してください。引き取り当日に予約取り消しをしたら、キャンセル料金がかかる場合もあります。また、追加料金の有無の確認も重要です。全て含んだ作業料金で見積もりが提案されているのかどうかが問題です。例えば、全ての作業が終わった後に、無断で作業を行ったことが発覚し、追加料金を請求されるようなケースです。
金庫処分にあたっては、特殊な作業も多いので、後から高額な追加料金が請求されてもそのまま支払う方も多いとは思いますが、見積もり段階で記載のなかった作業については、必ずしも支払う必要はないでしょう。少なくとも、作業をする前に依頼主との相談が必要です。金庫処分費用をできる限り抑えるためにも、キャンセル料、追加料金の有無については要確認事項です。
3. 口コミや評判の確認
簡単に捨てることができない金庫も多いので、金庫処分業者を利用している方もいるはずです。そこで、ネットを利用して口コミや評判を確認してみましょう。実際に利用した人の感想を確認することが重要です。公式サイトに記載されている情報は、業者にとって都合の良い情報ばかりです。実際に依頼した人の素直な感想やスタッフの対応、具体的な運搬方法について、口コミで知ることができます。
全く情報が掲載されていない、なぜか悪い口コミが多い、といった場合は、少し注意が必要でしょう。
4. スピーディーで親切な対応
金庫処分においても、スピーディーでなおかつ親切な対応ができるかどうかはとても重要です。このような対応ができるかどうかを判断するには、実際に作業する前の段階である、相談や見積もりの時です。メールやLINEなどで写真を見せれば全て事前に段取りが完了できるようなら、経験豊富な業者であるため、当日はスピーディーに対応できます。
金庫処分で無駄な時間を使いたくないなら、口コミや評判を参考にしながら、作業でもたついたり、トラブルが発生したりするケースが多いかどうかをよく確認しておきましょう。
5. 誰もが納得の明確な料金設定
まずは金庫処分業者のサイトを見て、明確な料金設定になっているのかどうかを確認してください。
- 料金設定がよくわからない
- 相場からかけ離れている
- 他のところでは有料だった作業料金の記載がない
といった場合は、作業内容と作業にかかる料金の確認を行いましょう。記載事項が不明瞭な部分が多いなら、あまりよい金庫処分業者ではありません。また、極端に安すぎる料金設定の場合も注意が必要です。公開されている料金設定の情報が古くなっている場合もあります。
実際に現地に来て見積もりしてもらったら、全く異なる高額な見積もり料金が提案されるような場合は、すぐにお断りしたほうがいいでしょう。金庫処分業者の言い値で契約すると、処分料金が高くなってしまうこともありますので、他社との相見積もりなどを利用して、できる限り料金を抑えるように努力すべきです。
金庫を処分するときの注意点5つ
無料あるいは手頃な料金できちんと適切な方法で金庫を処分してもらえる方法や良い金庫処分業者などが見つかったら、次は具体的な金庫処分作業へと移っていきましょう。金庫処分は、業者に全てお任せするわけではありません。依頼主も金庫を処分する前にやっておくべき重要なポイントがいくつかありますので、こちらでご紹介していきましょう。
1. 金庫の中をよく確認し全て取り出しておく
金庫の処分の際には、その重さにご注意ください。金庫の中に何かが入っていると、重量で料金を計算している業者の場合は、処分費用が高くなることがあるからです。そのため、処分前には金庫内を確認し、中のものを全て取り出しておきましょう。現金や重要書類なども忘れずに取り出しておいてください。
金庫の処分では、中身は空っぽの状態にしておくことが基本です。また、金庫が開かない場合もありますので、解錠方法を確認してください。
2. 金庫の種類の再確認
金庫の種類の再確認を行います。主な金庫の種類といえば、耐火金庫・防盗金庫・手提金庫の3つでした。自治体のゴミとして処分可能なケースが多いのが手提金庫です。しかし、業務用や耐火・防盗金庫の処分費用は高めに設定されています。簡単に捨てられるものではありませんのでご注意ください。
金庫の種類がわからない場合は、販売業者、メーカーに確認してください。取扱説明書で確認できる場合もあります。
3. 金庫の大きさと重量の再確認
金庫処分業者に依頼する場合、リサイクル・個人売買などで売却する場合などでは、処分前に金庫の大きさや重量を測っておきましょう。大きさは、縦・横・幅の3種類の数値が必要です。金庫の大きさや重量が正確にわかると、訪問前に処分業者も正確な料金での見積もりができるからです。
人が持てないような重さの場合は、大きさだけを測って伝えるだけでも構いません。
4. 査定前にはよく清掃する
リサイクルやフリマアプリなどで金庫の売却処分を検討している場合は、査定に出す前にしっかりと清掃しておくことが重要です。金庫も新しくて使える状態ならリサイクル品・リユース品として販売・利用可能です。清掃をしっかりと行うことで、きれいな金庫だということなら買取金額がアップします。
買取相場はあくまでも参考価格です。汚れたままの金庫なら査定額もダウンしてしまうでしょう。しっかりと清掃し、金庫の内側も外側もきれいな状態にしておきましょう。
5. 複数社への相見積もりを取ること
金庫の買取相場は、あくまでも全国平均です。お近くのリサイクル店や買取業者の種類によっては、思った以上に高い値段がつくことがあります。現在時点での実際の買取相場を知りたいのなら、複数社に査定依頼すべきでしょう。見積もりを取らないでたまたま見つかった業者に査定を依頼すると、値段がつかなかったりすることがあるからです。
また、見積もり時には、できる限り正確で金庫のメーカーや現在の状態がよくわかるように工夫して情報提供を行うようにしてください。正確な情報が欠けていると、正確な査定額が出ずに買い叩かれてしまう恐れがあるからです。
金庫の寿命は?処分のタイミングを解説
金庫には寿命があります。半永久的に使用できない点にご注意ください。耐火金庫であっても、有効耐用年数は製造後20年としています。(日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会)その理由は、耐火材である気泡コンクリートに含まれている水分が長期使用によって気化してしまうからです。水分が失われると本来の耐火性能が発揮できなくなってしまいます。
耐火性能が低下した金庫は、突然の火災から収納物を守ることはできません。これでは金庫を利用している意味が全くありません。そのため、新品購入後20年を目安に古い金庫の処分と新しい金庫への買い替えが必要となるでしょう。
まとめ
金庫を購入した後にメンテナンスをする人は少ないと考えられます。しかし、金庫にも耐用年数があります。古い金庫は本来の性能を発揮できなくなっている恐れがありますので、新しい金庫に入れ替える必要があるでしょう。今回は、金庫の処分方法について解説し、その種類や注意点についても併せて解説を行いました。
この記事のまとめとして下記にポイントを整理しました。
- 金庫の6つの処分方法
- 金庫処分の料金相場の目安
- 金庫処分業者の選び方の5つのポイント
- 金庫処分の際の5つの注意点
- 金庫の寿命と処分のタイミング
これらの事項を再度確認して、長い間大切な貴重品を守ってくれた古い金庫を適切な方法で処分してください。