遺品整理士になるには?資格取得の流れを解剖

資格の需要は、時代の背景とともに絶えず変化しています。近年、高齢化社会が急速に進んでいく中で、医療関係や福祉関係などの資格とともに注目を集めている資格として、遺品整理士があげられます。その名の通り、故人の遺品を整理するための資格です。故人の大切な遺品を扱う業務のため、専門性や信頼性を求めて依頼を受けることが多く、遺品に対する心構えや遺族に対する配慮を必要とします。

需要が高まっている中で、資格取得者を徐々に増やしている遺品整理士。遺品整理士の仕事について理解した上で、資格取得までの流れを解剖していきましょう。

目次

遺品整理士とは

遺品整理士という職業をあなたは知っていますか?近年、高齢化社会が急速に進み、さらに核家族(夫婦と未婚の子供で成立する家族のこと)が一般的な家族形態となっている日本において、大変注目を集めている職業です。岡田将生と榮倉奈々が主演した映画、「アントキノイノチ」で遺品整理士について取り上げられ、記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

まず、遺品整理士という職業について知っておきましょう。

1.遺品整理士とはどんな職業?

遺品整理士とは具体的にどんな職業なのでしょうか。

遺品整理士は、遺族と相談し、要望をしっかりと確認しながら、亡くなった方のお部屋の片づけや清掃、不用品の正しい処分・回収を行うことを主な業務内容としています。これまでは遺族によって行われることが一般的だった遺品整理ですが、現在のわたしたちのライフスタイルにおいては、時間も人手も足りていないのが現状です。

そのため、遺品整理業界は今後も需要が高まり、今後20年の間は確実に収益を上げることができる職業として、とても注目を集めているのです。

2.遺品整理士の仕事内容

遺品整理士の仕事は、単なる不用品回収とは異なり、多くの場合、高い信頼性と専門性が必要とされます。遺品整理士の仕事内容をみていきましょう。

1.遺品の仕分けをする
時間や人手が不足していたり、その他さまざまな事情で故人の遺品整理を行うことができない遺族に代わって、遺族と相談しながら、遺品を「残すもの」「処分するもの」「供養するもの」に仕分けします。

2.不用品や廃棄物の処分
遺族と相談した上で廃棄することになった不用品を、自治体のルールに従って正しく処分します。ほとんどのものが可燃ゴミや粗大ゴミとして処分をすることになりますが、遺品によっては自治体で処分ができない場合もあり、不用品回収業者へ回収を依頼したり、リサイクルに回したりすることもあります。

3.供養をする
遺品によっては遺族から供養を依頼されることもあります。通常は菩提寺で供養しますが、最近では菩提寺がない家も増えてきています。その場合は遺品整理士が供養できる施設を紹介します。

4.遺品整理以外の仕事
遺品整理士が遺品の整理を行うとき、さまざまな現場に立ち会うことになります。遺族がいない人の遺品整理を行うこともあります。お部屋の掃除、消臭や除菌をする必要がある場合もあります。どんな現場に立ち会うことになっても、故人に敬意をはらった上で遺品を整理していくことが、とても大切です。

遺品整理士の資格取得までの流れ

わたしたちが遺品整理士として活躍したいと思った時、まず一般社団法人遺品整理士認定協会の運営する遺品整理士の資格を取得する必要があります。遺品整理士の資格は、2011年につくられた比較的新しい資格ですが、徐々に人気を高め、年々資格取得者数は増加傾向にあります。ここでは遺品整理士の資格を取得するまでの流れを説明していきます。

1.講座の申し込みをする

遺品整理士認定協会へ電話、もしくはweb上から、遺品整理士養成講座の申し込みをします。受講資格は特にありません。誰にでも受講ができます。目安としては約2カ月の間、通信講座を受講することになります。これを短いと感じるか長いと感じるかは個人差があると思いますが、気合いをいれて挑みましょう!

2.受講を開始する

申し込み手続きが完了すると、教本、資料集、問題集、DVDが届きますので、受講を開始します。受講内容は、遺品に接する際の心構えについて、そして廃棄物を処理するための法律についてなどです。受講期間を延長したい場合は、遺品整理士認定協会へ連絡をしてみましょう。無料で受講期間を延長してくれます。

3.課題レポートを提出する

講座の受講を終えたら、問題集に沿って遺品整理士認定協会へ課題レポートを提出します。レポートは郵送、もしくはweb上で提出ができます。合否を決定づけるレポートです。しっかりと解答し、仕上げていきましょう。そして、合否通知を待ちます。合否通知が出るまで約2カ月ほどかかりますので、ドキドキしながら待ちましょう。

4.合格通知が届く

合否通知が届きます。晴れて合格していたら、指示に従いながら、認定手続きを行っていきます。さあ、遺品整理士の資格取得まであともう少しです。

5.認定証書の発行

おめでとうございます! 認定証書が発行され、これで晴れて遺品整理士の資格を取得することができました。今後、遺品整理士として活躍していく上で役に立つ資料も一緒に届きますので、今後の活動に役立てましょう!

さて、ここまで遺品整理認定協会公認の遺品整理養成講座による資格取得方法について説明をしてきましたが、ほかにもさまざまな通信講座を運営する会社により、遺品整理養成講座のカリキュラムが用意されています。出題傾向の対策問題集などを取り扱っている場合もありますので、そちらを活用してみるのもいいでしょう。

遺品整理士の合格率は65パーセントと、決して低くありません。通信講座なので家で手軽に受講をすることができますし、比較的取得しやすい資格と言えるのではないでしょうか。

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資格取得でできること

遺品整理業界は近年、需要が徐々に高まり、リサイクル業や不用品回収会社、運送業などもこの業界に参入してきています。実は、遺品整理士の資格をもっていなくても、遺品整理の依頼自体を受けることは可能なのです。では、遺品整理士の資格をもっているからこそできることとは、どんなことなのでしょうか。

1.遺品整理の専門家としての信頼を得ることができる

遺品整理業の需要が高まっていく一方で、遺品整理業に関する法整備はほとんど整っていません。不要品を不法に投棄したり、遺品を粗末に扱ったり、不当に高額な料金を請求したり、到底信頼をすることができないような悪徳な業者も存在しているのが現状です。

遺品整理士認定協会は、この遺品整理業界におけるモラルの低下を是正することを目的として、違法整理士の資格制度を導入しました。つまり、遺品整理士の資格を持つことにより、遺品整理の専門家としての信用度が高まり、利用者から信頼を得ることができます。

2.遺品を正しい心構えで扱うことができる

遺品整理士認定講座では、遺品に対する心構えを学びます。この心構えこそ、遺品整理士と単に不用品回収を行う業者との一番の違いと言えるのではないでしょうか。遺品に対する扱い方に、遺品整理に関する専門家としてのプロ意識を持ち、大切な遺品を供養する気持ちで、丁寧に扱うことができます。

3.不用品や廃棄物を正しく取り扱うことができる

遺品整理士認定講座では、不用品や廃棄物処理に関する法律を学ぶため、正しい知識を持った上で不用品や廃棄物の処分を行うことができます。不用品とはいえ、大切な故人の所持品であったものです。正しく処分をしてあげることが故人への供養であり、遺族に対する配慮でもあるのです。

高齢化社会に求められる資格

高齢化社会とは、具体的には総人口に占める65歳以上の高齢者の人口が増大した社会のことを言います。近年、日本では、総人口に占める65歳以上の高齢者が4人に1人を超し、大きな社会問題となっているのです。

そんな中、遺品整理士と同じように、高齢化社会だからこそ需要が高まっている資格があります。資格の需要はその時代のニーズにより、絶えず進化しているのです。高齢化社会に求められる資格についていくつかあげていきましょう。

1.福祉関係の資格

・介護福祉士
介護が必要な人の身体介護や生活支援を行う専門職です。高齢化社会が進むにつれて大変需要が高まっており、現場はまだまだ人手不足であると言われています。公的認定資格であるホームヘルパーの資格とは違って国家資格であるため、就職や年収の面で有利です。

・ケアマネージャー
介護保険利用者と相談しながら、適切な介護サービスの計画を作っていく専門職です。介護保険施設において、ケアマネージャーを1人以上配置することが法律により義務付けられ、ケアマネージャーの資格はより一層人気が高まっています。

2.医療関係の資格

・理学療法士
理学療法士とは、リハビリが必要な人に、マッサージや歩行訓練など、社会復帰ができるようにお手伝いをする専門職です。主に筋肉の機能回復を目的とします。

・作業療法士
作業療法士とは、筋肉の機能回復をお手伝いする理学療法士とは異なり、指先の動きの回復をお手伝いする専門職です。絵画や手芸などを通して指先の動きの機能回復を目指します。

・言語聴覚士
言語聴覚士は、言語機能や聴覚機能の回復をお手伝いする専門職です。コミュニケーションに関するリハビリはもちろん、嚥下障害を持つ人に対して食べ物をうまく飲み込むことができるようリハビリを行います。

最近では、事故や病気が原因によるリハビリではなく、加齢が原因によるリハビリの必要性が急速に高まっており、これら3つの資格は医療施設において大変需要が高まっています。

3.お金や法律に関する資格

高齢者は身体の問題とは別に、資産の運用や遺産相続の問題など、お金や法律に関する問題を抱えています。それらはどれもややこしい内容ばかりで、とても高齢者ひとりで処理できるような問題ありません。そのため、行政書士や税理士、ファイナンシャルプランナーなどお金や法律に関する資格も、高齢化社会が進む中で非常に需要が高まっているのです。

まとめ

遺品整理士のお仕事と資格取得までの流れを理解していただけましたでしょうか。今後どんどん需要が高まるとされている遺品整理業界。この業界を目指す方は、遺品整理士の資格を取得しておくことをおすすめします。遺品整理の専門家としてのプロ意識を持ち、正しい方法で遺品整理を行い、依頼者の信用度を高めていくことが成功の秘訣と言えるでしょう。

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