相続税とは、相続財産を取得した際に支払う税金のこと。
相続を知った翌日の10か月以内に被相続人の居住地にある税務署へ申告します。
No.4105 相続税がかかる財産
出典: https://www.nta.go.jp
相続や遺贈によって取得した財産(本来の相続財産)
相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。
この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。
故人から相続する高額な遺品の多くは相続税の対象になるので、10か月以内に把握しておくとよいでしょう。
中には相続から控除できる債務もあり、相続税を抑えられることもあります。
本記事では、相続税の対象や債務控除の対象になる遺品について紹介しています。実際の計算方法も紹介しているので、これから相続税の申請が必要な方にお勧めできる記事となっています。
遺産整理の費用は相続税の債務控除に当てはまる?
相続税を申請する際、故人の債務は債務控除によって遺品総額から差し引くことができます。債務ではありませんが、葬儀の費用も控除の対象です。
債務に関して注意したいのは「被相続人が死亡した時にあった債務で確実に認められるもの」のみが控除の対象であること。
故人が生前に購入したお墓やお墓の未払代金など、非課税に関する債務は含まれません。
「葬儀が対象になるなら、遺品整理もいいのかな?」と控除しようとする方もいるでしょうが、遺産整理の費用は対象外になります。
ゴミ処理の費用・遺品整理業者へ依頼する費用の他、税理士・司法書士など税金の申請を手伝ってくれる業者への報酬も対象外なことに注意しましょう。
葬儀の費用だけが例外で「故人が亡くなった後の相続人のための作業に関わる費用」は控除の対象外だと考えると分かりやすいですね。なお、葬式費用には香典返し・盛籠の費用や四九日法要などの法事費用が含まれないことにも注意してください。
相続税から控除される債務の例
- 公租公課
- 故人の借入金・買掛金
- 故人の死亡後の固定資産税
- 故人の税金や公共料金の未納分
- 故人の入院・治療費の未払い
- …その他「故人に関わる債務(マイナスの財産)のうち、確実に認められるものが対象になる。
故人が亡くなった状況によっては、特殊清掃業者による原状回復が必要になるケースもあります。
この時、基本的には相続人負担ですが入居の際の契約書に「居住者が原状回復費用を負担すべき」という記述があれば、債務控除の対象になることもあるようです。
特殊清掃に依頼することになった時は、契約書をキチンと読み、税理士・司法書士などに相談しましょう。原状回復費用の分担でトラブルになった時は、弁護士に仲介を依頼することがおすすめです。
相続税の対象になる遺品・ならない遺品は?
相続税とは故人から相続した財産・遺贈を取得したことでかかる税金です。ここでは、遺品の中で対象になるもの、対象にならないものを紹介していきます。
相続税の対象になる遺品
相続税の対象になるものは、経済的な価値のあるすべての遺品です。
【故人の財産】
- 預金・預貯金
- 有価証券
- 土地・家屋など不動産
- 貸付金・特許権・著作権などの金銭に見積もることのできるもの
- 宝石・美術品・骨董品など鑑定の必要な貴重品
- ……等、経済的価値のあるすべての品物
金額が曖昧なものは鑑定に出し、経済的な価値のすべてを把握できたら課税遺産総額を出しましょう。
この時、みなし相続財産も忘れずに加算していきます。
No.4105 相続税がかかる財産
出典: https://www.nta.go.jp
【みなし相続財産】
(1) 死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金など
(2) 被相続人から生前に贈与を受けて、贈与税の納税猶予の特例を受けていた農地、非上場会社の株式や事業用資産など
(3) 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた場合の管理残額(死亡日において受贈者が23歳未満であるなど一定の場合を除きます。)
(4) 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた場合の管理残額
(5) 相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合(一定の特例を受けた場合を除きます。)
(6) 被相続人から、生前、相続時精算課税の適用を受けて取得した贈与財産
(7) 相続人がいなかった場合に、民法の定めによって相続財産法人から与えられた財産
(8) 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額で確定したもの
経済価値のある遺品とみなし財産の合計金額が基礎控除と呼ばれる一定の額を超えていた場合、相続税の申請が必要になります。
生前贈与されたものも対象になる場合があるので、不安な場合は税理士などに相談しましょう。
詳しい計算方法は後述します。
相続税の対象にならない遺品
遺品の中には相続税の対象にならないものもあります。
日常礼拝しているもの
墓地・墓石・仏壇・仏具・神棚などが該当します。
骨董的な価値があったり、投資の対象になっていたり、商品として所有していたものは課税対象です。
ご遺族への弔意金もここに含まれます。
生命保険・退職金の一部
生命保険金や退職金は、相続財産に含まれます。ただし、一定の金額までは非課税になります。
500万円×法定相続人の数=相続税の対象外
公益法人などへの寄付
相続税の申告期限までに国を始めとする公益法人へ寄付した金額は相続税の対象にならないことがあります。
相続税の課税対象外である寄付先
- 国
- 地方公共団体
- 交易を目的とする認定NPO法人
- 特定の公益信託の信託財産とするための支出
特定の公益法人については条件があります。詳しくは国税局の公式サイトでご確認ください。
参考:国税局 No.4141 相続財産を公益法人などに寄附したとき
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遺品整理の際の相続税の計算方法
ここまで相続税の対象になる遺品・ならない遺品と控除について解説してきましたが、耳慣れない用語・計算が多いので「具体的にはよくわからない」という気持ちになりやすいです。計算方法と一緒に考えていくと分かりやすいので、紹介していきます。
国税局が配布している「相続税のあらまし」と合わせてご覧になることをおすすめいたします。
1.遺品の総額を把握する
まずは遺産整理を終了させ、相続した財産を計算します。
この時、借金や債務など、マイナスの財産も引き継ぐことに注意しましょう。
遺品整理の際は、思い出の品などの資産価値のないものは一度保管し、契約書類や貴金属などの貴重品を探して遺品総額を把握すると分かりやすいですね。
2.基礎控除額を算出する
遺品の中から経済的価値があるものの総額を出した後は、基礎控除を計算していきましょう。
遺産の総額が基礎控除を超えない場合は、相続税の申告は必要ありません。
3,000万円 +(600万円 × 相続人の人数)= 基礎控除額
相続した遺品や現金・預金が最低3,600万円を超えない場合は申請しなくてもOKと覚えておきましょう。
3.課税遺産総額を算出する
基礎控除額を計算した後は、課税対象額を計算していきます。計算式は下記の通りです。
遺品の総額 - 基礎控除額 = 課税遺産総額
課税価格の合計額…9,000万円
配偶者・子供2名が相続人
9,000万円 -(3,000万円 +(600万円×3人))=4,200万円
4.相続税の早見表と比較する
遺品総額を把握できたら、国税局が公表している相続税の税率区分の表と照らし合わせましょう。
区分 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | – |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超え | 55% | 7,200万円 |
例えば、課税対象額が4,200万円ならば税率は「5,000 万円以下」の20%、控除額が200万円になります。
相続税を計算する
課税対象額を計算し、税率と控除額を調べたら相続税を計算することができます。これまで出した金額を下記の計算式に当てはめていきましょう。
課税対象額 × 税率 - 控除額 = 相続税
「3.課税遺産総額を算出する」で出した課税対象金額が4,200万円の場合
4,200万円 ×0.20 -200万円 = 640万円
今回は「把握すべき金額」を分かりやすくするために簡略化していますが、実際は遺産の分配金額によって計算が複雑になっていきます。
高額な資産を把握する必要がありますので、税理士などの専門家に相談しながら申請するのがおすすめです。
遺品整理後の相続税のための相談先
遺品整理で相続税を把握しようとしても、不動産の価値を計算するのは大変ですし、美術品や骨董品があると額が高額になっていきます。申請を相続人のみで行うのは大変なので、ここで相談先を紹介していきます。
公共機関
財産の把握・計算に自信があるのであれば公共機関に相談して疑問点だけを解決するのがおすすめ。
手軽に相談できることと、無料であることがメリットです。
国税局は電話とチャットで対応してくれますし、市役所・区役所にも相談窓口があります。
一度公共機関で相談した後、ご自分に合った相談先を紹介してくれることもあります。「なにから相談したらいいのか分からない」という時にも利用しましょう。
税理士
税理士は税金の相談・申告の専門家。税務署への申告や相続税の計算のみを依頼したいのであれば税理士がおすすめになります。
不動産の価値を出すならば司法書士が向いていますし、すでに起きた相続トラブルの解決は弁護士の領分になります。車などの名義変更が多いのであれば、行政書士への依頼が必要です。
ただし、税理士は税全てを専門としていますし、企業向けの法人税をメインにする方が多いことに注意が必要。
公共機関によって「優良な税理士です」と紹介されたものの、相続は不得手といったケースもあり得ます。
依頼の前に「相続税に強いかどうか」を確認しておきましょう。
司法書士
司法書士は法務局、家庭裁判所などへ提出するための書類を作成してくれます。
不動産や有価証券、預貯金を相続する方は司法書士への相談がおすすめです。
土地・建物の相続の登記登録の手続きや、有価証券、預貯金の名義変更を行ってくれます。
遺言状が見つかった時、法的な効力があるかを確認してくれますし、必要ならば相続放棄申述書を作成できます。
ただ、司法書士には相続税の申告ができません。相続税の申請は別途税理士に依頼しましょう。
もし遺産の分配方法でトラブルがおきているのであれば、弁護士が必要になります。
行政書士
行政書士と司法書士は業務が似ていますが、行政書士には官公庁への申請ができるという違いがあります。ただし、裁判所への申請はできないので相続放棄申述書が必要な時は行政書士への依頼になります。
行政書士が担当しているのは、自動車や農地の名義変更、有価証券の名義変更です。許認可に関する手続きが必要な時に依頼しましょう。
相続税の申告はできないので、税理士へ依頼することになります。
相続登記もできないので、こちらは必要ならば司法書士に依頼しましょう。
弁護士
遺品の分配など相続人同士でトラブルが発生しているのであれば、弁護士への依頼が必要になります。
相続税の申請は、国税局長に税理士業務を行う旨を通知した弁護士ならばできます。この場合も、税理士や司法書士・行政書士に依頼するより割高になる傾向があるので、各専門家への依頼がおすすめです。
遺品整理において、弁護士は親族トラブル・金銭トラブルの相談先と覚えておきましょう。
遺品整理の相続税に関するよくある質問
- 遺産整理はいつまで終わらせるべき?
-
相続税に関係する経済価値のある遺品は10か月以内に整理しておきましょう。思い出の品の整理は後回しにしてもかまいません。遺品整理の詳しい手順やおすすめの時期下記の記事で解説しています。
遺品整理の基本的な手順やコツはなに?自分で遺品整理をするときの注意点とは – タスクル いざ遺品整理をしようと思っても何から手をつけて良いか分からないという人も多くいるのではないでしょうか。手順やコツをしっかりと把握していれば遺品整理で迷うこともな… - 相続人とは誰を指すの?
-
民法により原則は配偶者、子供、兄弟姉妹と定められています。状況によっては故人の親・孫が相続人に含まれる場合もあります。
遺言状があればその限りではありません。法的な効力がある遺言状であれば、民法より優先されます。
- 被相続人とは誰を指すの?
-
故人のことです。
- 続税を安く抑える方法はある?
-
生前贈与などの節税対策はあります。生前から税理士などに相談することで、他の方法を教えてもらえることもあります。
- 相続税のトラブルを予防する方法は?
-
相続に関すること、遺品整理を相続人全員が集まれる日に行うことが一番です。計算方法などが不安な時は税理士・司法書士などの専門家に相談しましょう。
遺品整理をめぐるトラブルについては、下記記事でも解説しています。
遺品整理をする前に!親族トラブルの例・予防策は?相談先はどこ? – タスクル 遺品整理にはトラブルがつきもの。業者とのトラブルは悪質な業者を避ければ良いものの、親族同士ではどうしてももめてしまうこともあります。本記事では、親族とのトラブル…
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遺品整理を頼みたいけど選び方もわからないし、ちゃんとした業者っているの?
遺品整理を考えている方の中にはこんな不安を持つ方も多くいらっしゃいます。
確かに、周りに利用した事がある人も少ないサービスだけに「ぼったくられないかな?そもそも相場がわからないんだけど」と思ってしまうもの。
タスクルではきちんとした遺品整理業者とお客様をつなぐために、以下の取り組みを行っています。
- 有資格者在籍の業者を紹介
- 明確な料金設定の業者を厳選
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また遺品整理を考えるときには「不用品回収業者じゃだめなの?」という疑問もよく上がってきます。
まずは不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼しなければ損してしまう可能性について解説するので参考にしてください。
遺品整理業者ではなく不用品回収業者だと損をする可能性
実は遺品整理では家具の中などから現金が見つからないことの方が多いという事実があります。
タンスの中など分かりやすい場所だけでなく、ソファの中から3000万円の現金が見つかったという事例もあるのです。
実績の多い遺品整理業者はこの事実を知っているので、遺品の中の違和感に即座に気づくことができます。
しかし不用品回収業者は遺品整理のプロではないので、現金が入ったままの家具や家電でも気づかず回収してしまう可能性が高いです。
故人が大切に貯めた資産を間違えて捨ててしまわないためにも、遺品整理は不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼するのが最適なのです。
タスクルは有資格者在籍の業者を紹介
遺品整理士という資格をご存知でしょうか?
一般財団法人 遺品整理士認定協会が認定している正式な資格で、モラルはもちろん遺品整理に関する法規制についても学んでいます。
例えば上記のように「遺品の中から現金が見つかった」というようなケース。
法規制や遺品整理のルールを何も知らない人が大量の現金を発見した場合と、遺品整理士の資格を持ち実績も多数ある人が発見した場合とでは現場の状況が変わってくると思いませんか?
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分かりにくい見積もりや使途不明金などを請求するような業者とは提携しておりません。
タスクルはチャットでのやり取りで記録に残す
チャットはよく分からないし不安。
こんな声もあるかもしれませんがタスクルではあえて、原則チャットでやり取りのシステムを構築しております。
なぜならチャットでのやり取りは全て記録に残るため、万が一業者とのトラブルが発生した際「言った言わない」の水掛け論を防止できるからです。
トラブルの起きない優良業者のご紹介を第一にしておりますが、仮にトラブルが起きた際もチャットの記録でお客様を守ることができます。
またチャットを使用していただくことで、正式に遺品整理を依頼するまでお電話番号などの個人情報が業者に公開されない仕組みとなっております。
お客様の個人情報を守り、やり取りの記録が残るタスクルのシステムをぜひご利用ください。
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