形見とは遺品の中で「故人との思い出があるもの」「故人が大切にしていたもの」といったものを指す言葉。
遺品を把握・分別・処分するために遺品整理を行った後、形見の品を決めて形見分けをするといった流れになります。
本記事では、形見と遺品との違いや形見に向いている品、形見分けの方法や注意点を紹介した記事です。これから遺品整理をはじめ、形見を探す方におすすめできる内容となっています。
形見と遺品の違い
形見と遺品は違うもののようですが、実は重なっている部分もあります。遺品とは故人の所有物すべてを表す言葉ですので、形見は遺品の一部といった方が正確です。ここでは、まず形見と遺品の境目について紹介していきます。
遺品は故人の所有物・財産の総称
遺品とは故人の所有していたもの・財産のすべてを指します。経済的な価値があるもの・ないものすべてが遺品であり、故人が亡くなった時点で相続人に受け継がれます。
形見や遺産は遺品の一種だということです。
遺産は財産価値があるものの呼び方
遺産とは遺品の一種であり、遺品の中でも経済的な価値があるものの呼び方です。
【遺産の例】
- 現金・貯金
- 有価証券
- 土地・建物などの不動産
- 車
- 貴金属・宝石
遺産は高額な財産なので、相続税の対象になります。そのため、民法でよく使われる表現は「遺産」なのです。
借金・未払い金などのマイナスの財産も遺産と呼ばれることが多いです。
形見は故人との思い出の品を示すことが多い
形見とは遺品の一種であり、故人との思い出の品の呼び方です。故人の愛用の品やコレクション品など、故人を思い起こすような品物も形見に相当します。
着物や宝石・貴金属など高額なものを引き継ぐ場合は、形見分けではなく相続に当たります。1点110万円を超えるのが一つの目安なので、高額すぎるものを形見分けで扱うのはおすすめしません。
形見と呼んでも遺産と呼んでも、高額であれば相続税が発生するということですね。
形見分け・遺品整理の違い
形見は遺品の一種ですが、整理方法や管理の仕方が違います。ここでは、形見分けと遺品整理の違いについて紹介していきます。
遺品整理の目的・時期
遺品整理の目的は故人の所有物を整理し、必要・不要に分別することです。
相続人は「どんな遺品があるか」「総額はいくらなのか」ということを把握する必要があるので、形見分けの前に遺品整理を行うとスムーズです。
整理の後に不用品として分別した遺品は、処分したり、買取依頼へ出すことになります。
遺品整理を始める時期・終わらせる時期に決まりはありませんが、四十九日法要の後から始める方が多い傾向があります。
遺品整理のスケジュール・進め方はこちらの記事で解説しています。お一人だけで進めるとトラブルの元ですので、相続人・親族全員で協力して行うのがおすすめです。
相続税の申告は故人が亡くなった日から10か月以内ですので、不動産や貴重品、有価証券・ローンの把握はその期間に終わらせることがおすすめです。
なお、不動産や現金の相続が年間110万円を超えた場合は、贈与税の対象になります。
形見に当たるような思い出の品の整理は、残されたご遺族の心の整理がついてからでも問題はありません。
形見分けの目的・時期
形見分けとは、故人との思い出の品や、故人が大切にしていたものを親族・友人に譲ること。経済的な価値がある遺品を遺品整理で把握・分別した後に行います。
遺品整理が相続の準備であることに対して、形見分けは故人を偲ぶための行事です。
タイミングは四十九日法要の終わった後や三十日祭または五十日祭の後が一般的。詳しくはこちらの記事で解説しています。
形見分けの対象は、日用品から骨董品・美術品まで相続人と親族、友人の全員が納得できる品ならば多種多様。ただし、高額すぎる品は形見として受け取ることはできず、相続の手続きが必要になります。
高価なものを相続すると相続税の対象になりますし、形見として相続人以外の人が受け取っても、宝石・美術品・骨董品などの高額な品には贈与税がかかります。
洋服や着物などはリメイクをして形見として譲ることもありますし、家具や家電を修理・クリーニングして譲ることもあります。大切なのは故人を大切に思う気持ちであり、供養としての側面が強いです。
美術品・骨董品は「故人は大したことが無いと思っていたけど、鑑定したら高額」ということもあり得ます。形見分けする際は、念のため鑑定しておきましょう。
将棋盤・碁盤など一見高額に見えないものもあるので、注意が必要です。遺品の際で思いがけず高額になる可能性があるものは、こちらの記事で解説しています。
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形見分けに向いている遺品
形見として譲ることに向いているのは、故人が大切にしていた愛用の品です。ここでは、その具体例を紹介しています。
「民法で定められた形見」といったものはありませんので、故人に配慮し、遺された関係者全員が納得できるものならば形見になり得ます。
写真・アルバム
写真やアルバムは「経済的な価値はないけれど、思い出の品」ということで形見に向いています。量が多い際には、ある程度整理してから渡してもよいでしょう。
パソコンやデジカメ内部に印刷していない写真が残っていることもあるので、注意が必要です。
洋服・着物類
故人の洋服の中で、スーツやネクタイなどの余所行きの服は形見分けの対象になりやすいです。その際、クリーニングに出して清潔な状態で渡すようにしましょう。
スーツ類よりよく形見として選ばれるものは着物。親子代々受け継いでいくことがよくあります。汚れや虫食いがあっても、リメイクして形見にすることもできます。
この時注意したいのは、着物は高額なものですと110万円を超すこともあること。作者名の記載があったり、昔から受け継がれているような着物は鑑定に出しましょう。価格によっては相続税の対象になります。
宝石・アクセサリー類
宝石やアクセサリーも形見の代表です。指輪・ネックレスはデザインやサイズを直して使いつづけることができますし、宝石のみを残してリメイクするケースもあります。
【形見になりやすいアクセサリ】
ピアス・イヤリング・カフス・ネックレス・ブローチ・指輪・タイピン・眼鏡のフレーム
宝石やアクセサリーを譲る場合は、汚れを落としてから渡しましょう。高額な場合は相続税の対象になるので、値段を把握してから形見分けをすることが大切です。
時計類
時計の中で、腕時計はよく形見として選ばれます。文字盤・ベルトの汚れを落としてから渡すことがマナーです。
なお、時計は日用品の範囲内の値段であれば課税対象外ですが、ブランド品・高級品は相続税の対象になります。値段を確認してから形見分けをしましょう。
家具・家電
家電はまだ使える状態であれば、形見の品に向いています。
家具も同様にまだ使えるのであれば、形見として使い続けることができます。
なお、飾り棚や小箪笥、菓子箱や手箱などの木工工芸品のような家具、黄楊、紫檀、黒檀を使った家具は高級品ですので、取り扱いに注意しましょう。
骨董品・美術品・故人のコレクション品
骨董品・美術品・故人のコレクション品は同じ趣味を持つ方へ形見として譲るのがいいでしょう。キレイな状態に整えてから譲ります。
特にコレクション品の価値は同好の士でなければわかりづらいもの。興味がない方に譲っても取り扱いに困ってしまうので、止めましょう。
骨董品・美術品・コレクション品を譲る際に注意したいのは。鑑定してから譲るということ。高額であれば相続税の対象になるので、値段を把握してから形見分けをしましょう。
形見分けの注意点・確認事項
形見分けは金銭・精神的なトラブルに発生しやすいもの。注意点を確認してトラブルを回避しましょう。注意点の詳細は、こちらの記事で解説しています。
形見の価格を把握する
形見の中には高額のものも少なくありません。あまりに高額な品ですと、受け取る側が負担に感じることもあるので、配慮が必要です。
なお、日用品は相続税の対象外ですが、高額・高級品は相続税や贈与税の課税対象になり得えます。着物・骨董品・美術品・コレクション品・腕時計・高級家具など、高額の可能性があるものは鑑定・査定をしておきましょう。
この場合、形見分けではなく相続に当たります。遺産分割協議書が必要になる場合もあるので、行政書士への依頼がおすすめです。
司法書士も遺産分割協議書を作成できますが、司法書士の強みは不動産の取り扱い。遺品の取り扱いは行政書士の方が向いています。
遺品整理に関する相談先については、こちらの記事で詳しく解説しています。
梱包せずに渡す
形見はプレゼントではないので、包装はマナー違反になります。
形見が壊れないための箱・梱包は必要ですが、汚れを落とした後に裸のまま渡すだけで大丈夫。どうしても気になる時には、半紙で包むのがおすすめです。
故人の意思を尊重する
形見分けで大切なのは故人の意思です。遺書は勿論、エンディングノートがあればその内容を尊重しましょう。
遺書やエンディングノートは、お部屋の中だけではなくパソコン・スマホなどのデジタル機器から発見されることもあります。遺品整理の前に、しっかりと探しておきましょう。
遺品整理と形見分けに関してよくある質問
- 形見は相続税の対象になる?
-
日用品は基本的に相続税の対象外ですが、高級品とみなされると課税対象になります。よって、高額な場合は、相続税の対象になります。
また、相続人以外の人が高額な遺品を引き取る場合は、贈与税の対象になります。控除の関係上、1点で110万円以上の品かどうかを一つの目安としましょう。
なお、遺品整理の際に関係ある法律については、こちらの記事で解説しています。
- 遠方の人に形見を送りたい時はどうする?
-
形見は手渡しの方が望ましいですが、遠方であれば郵送でも構いません。形見が傷ついたり、壊れたりしないように梱包して送りましょう。その際、一筆添えるとトラブルを回避しやすいです。
- 形見はいつまで渡すべき?
-
形見を渡す期間に制限はありません。四十九日法要の後が一般的です。遺品の中には思いがけず高額のものが見つかることもあるので、相続税の申請期間である10か月以内に遺品整理・総額の把握を終え、ゆっくりと形見分けをすることがおすすめです。
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遺品整理を考えている方の中にはこんな不安を持つ方も多くいらっしゃいます。
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- 有資格者在籍の業者を紹介
- 明確な料金設定の業者を厳選
- チャットでのやり取りで記録を残す
また遺品整理を考えるときには「不用品回収業者じゃだめなの?」という疑問もよく上がってきます。
まずは不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼しなければ損してしまう可能性について解説するので参考にしてください。
遺品整理業者ではなく不用品回収業者だと損をする可能性
実は遺品整理では家具の中などから現金が見つからないことの方が多いという事実があります。
タンスの中など分かりやすい場所だけでなく、ソファの中から3000万円の現金が見つかったという事例もあるのです。
実績の多い遺品整理業者はこの事実を知っているので、遺品の中の違和感に即座に気づくことができます。
しかし不用品回収業者は遺品整理のプロではないので、現金が入ったままの家具や家電でも気づかず回収してしまう可能性が高いです。
故人が大切に貯めた資産を間違えて捨ててしまわないためにも、遺品整理は不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼するのが最適なのです。
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