自分の住んでいる自治体にごみ屋敷に関する条例があるか分からないという人も多くいるでしょう。
この記事では条例がある場合にどのようなプロセスで行政が対応してくれるかや条例が無い場合の対応方法を詳しく紹介します。
この記事を参考に自分の自治体でゴミ屋敷問題をどのように対応していけば良いか確認しましょう。
ごみ屋敷に関する条例とは
ごみ屋敷に関する条例とは自治体ごとに定められており、ゴミや不用品などが散乱している状態の建物についての対応方法が定められています。
条例は国の法律などに基づいて決められることが多く、公衆衛生や環境保全など地域の住人の安全を守るために定められるでしょう。
自治体のニーズや要望などに合わせた決議方法なので、自治体によってはゴミ屋敷についての条例がない場合もあります。また、ごみ屋敷についての条例は自治体の規模は関係せず、規模の大きい自治体でもなかったり規模の小さい自治体では条例がある場合も。
ごみ屋敷についての条例は、自主的に片付けをしない人に対して自治体が強制的に改善を求めることもできると記載されています。
全国の条例を紹介
ごみ屋敷についての条例は全ての市町村にあるわけではありません。自治体によって名称が違ったり厳密にはごみ屋敷について制定しているものではない場合もあるでしょう。
こちらでは全国にあるごみ屋敷に関連する条例をいくつか紹介します。
| 市町村名 | 公式URL |
|---|---|
| 東京都足立区 | 足立区生活環境保全に関する条例 |
| 東京都杉並区 | 杉並区生活安全及び環境美化に関する条例 |
| 東京都中野区 | 中野区物品の蓄積等による不良な生活環境の解消に関する条例 |
| 東京都新宿区 | 新宿区空き家等の適正管理に関する条例 |
| 東京都世田谷区 | 世田谷区住居等の適正な管理による良好な生活環境の保全に関する条例 |
| 東京都千代田区 | 安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例 |
| 東京都品川区 | 品川区空き家等の適正管理等に関する条例 |
| 東京都大田区 | 清潔で美しい大田区をつくる条例 |
| 東京都八王子市 | ごみ屋敷条例 |
| 大阪府大阪市 | 大阪市住居における物品の堆積等による不良な状態の適正化に関する条例 |
| 京都府京都市 | 京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例 |
| 北海道長沼町 | 長沼町さわやか環境条例 |
| 北海道ニセコ町 | ニセコ町廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例 |
| 北海道上士幌町 | 上士幌町環境基本条例 |
| 埼玉県八潮市 | 八潮市まちの景観と空家等の対策の推進に関する条例 |
| 埼玉県三芳町 | 三芳町特定居住物件等の環境の改善に関する条例 |
| 埼玉県草加市 | 草加市家屋及び土地の適正管理に関する条例 |
| 埼玉県三郷市 | 三郷市廃棄物の処理及び再利用並びに資源物の持ち去り防止に関する条例 |
| 秋田県秋田市 | 秋田市住宅等の適切な管理による生活環境の保全に関する条例 |
| 秋田県大潟村 | 大潟村をきれいにする条例 |
| 山形県河北町 | 河北町快適な住みよいまちづくり条例 |
| 福島県郡山市 | 郡山市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例 |
| 静岡県袋井市 | 袋井市建築物等における物品の堆積による不良な状態の適正化に関する条例 |
| 静岡県湖西市 | 湖西市における廃棄物の減量及び適正処理に関する条例 |
| 愛知県豊田市 | 豊田市不良な生活環境を解消するための条例 |
| 愛知県蒲郡市 | 蒲郡市住居等の不良な生活環境を解消するための条例 |
| 長野県朝日村 | 朝日村建築物等における不良な生活環境の解消に関する条例 |
| 兵庫県神戸市 | 神戸市住居等における廃棄物その他の物の堆積による不良な生活環境に改善に関する条例 |
| 奈良県十津川村 | 十津川村一般廃棄物の処理及び清掃に関する条例 |
| 岡山県総社市 | 総社市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例 |
| 三重県松阪市 | 松阪市住居等における不良な生活環境の解消に関する条例 |
| 香川県土庄町 | 土庄町美しいまちづくり条例 |
| 福岡県八女市 | 八女市環境保護条例 |
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ごみ屋敷に関する条例がない場合には
市町村の相談窓口に相談する
住んでいる市町村にごみ屋敷に関する条例がない場合、市町村にある窓口に相談することができます。市町村によって相談可能な窓口が変わるので、まずは案内係の方に聞いてみるといいでしょう。
一般的にごみ屋敷について対応してくれる窓口は以下になります。
清掃課・ごみ処理課
清掃課やごみ処理課はごみ問題などについて相談可能な窓口です。ごみ屋敷は家の内外にゴミが長年放置されることが原因で起こる問題ですよね。そのような問題は清掃課・ごみ処理課で対応してくれるでしょう。
福祉課・健康福祉センター
福祉課・健康福祉センターは生活支援や相談支援が必要な人が相談可能な窓口です。ごみ屋敷に住んでいる人が高齢者や障害者である場合は福祉課・健康福祉センターに相談することができます。
環境保全課・環境センター
環境保全課・環境センターは身の回りや住んでいる地域の環境問題に取り組む部署です。そのためごみ屋敷が引き起こす環境問題について相談することができるでしょう。
地域課など自治体によって方法は違いますが、ごみ屋敷問題について相談する窓口を設置していることが多くあります。その他にも地域のボランティア団体が協力している場合もあるので相談してみると良いですね。
ごみ屋敷問題に対して警察は介入できないことが多い
一般的にごみ屋敷問題について警察は介入できないとされています。ごみ屋敷問題について明確に制定されている法律がないため、警察が動くための法的根拠がないことが理由です。
しかしごみ屋敷問題が直接的な原因となって、地域の住人やごみ屋敷の住民などに生命の危機があると考えられる場合に警察は適切な措置をとることができます。
他人のごみ屋敷を勝手に片付けるのは違法行為
迷惑だからと他人のごみ屋敷を片付けするのは違法行為になります。ごみ屋敷でも全てその居住者の所有物になるので勝手に捨ててしまうことができません。
ゴミを処分しなくても勝手な片付け作業をおこなうことで他人の財産にあたるものなどを壊してしまうと、民事訴訟や刑事事件に発展する可能性もあるので注意しましょう。
条例があることのメリット
条例に基づき行政措置をおこなえる
ごみ屋敷問題を自主的に片付けることはかなり難しいですよね。ごみ屋敷の所有者と個人的に話をつけようとしても、交渉はなかなかうまくいかないでしょう。
また上述したように、ごみ屋敷問題についての法律が制定されていない以上警察も動いてくれません。そのため、ごみ屋敷に関する条例がある自治体では条例に基づいて強制代執行をおこなえます。
条例があるだけでゴミ屋敷の発生を防げる
ごみ屋敷についての条例が自治体にあるだけでごみ屋敷の発生を防ぐ効果があります。身近な友人や家族も、ゴミの片付けがあまり得意でない人に条例をがあるからと注意喚起することもできますよね。
条例は各市町村の公式ホームページで確認することもできるので、まずは住んでいる地域の自治体にごみ屋敷について定めた条例があるかどうかをチェックしましょう。
ごみ屋敷問題から発生する環境破壊を防げる
ごみ屋敷が放置されることで、ごみが腐敗したり不法投棄があったりと環境問題に発生する可能性がありますよね。
ごみ屋敷に関する条例があることで、それらの環境破壊行為を防げるので地域の環境保全につながります。
ごみ屋敷の行政代執行とは
ごみ屋敷の行政代執行とは、ごみ屋敷に関する条例に基づき自治体が強制的におこなう処分のことです。
基本的には、ごみや不用品の放置により周囲の環境や衛生を損ねるおそれがある場合に強制代執行がされます。
最初の手続きとして、まず放置されているごみ屋敷の所有者や権利者に改善勧告がおこなわれるでしょう。しかし改善が見られない場合や、ごみ屋敷の所有者が応じなかった場合に、強制代執行に進みます。
強制代執行には費用が掛かる場合が多くあり、その費用は土地や建物の所有者に請求されるでしょう。請求に応じない場合は後日改めて費用の請求のための手続きが取られます。
条例では、
国土交通省「空き地・空き家等外部不経済対策について」
・ 所有者や管理者への管理義務
・ 適切に管理されない場合の指導、助言、勧告 等を定めるほか、命令、氏名公表、代執行等の強い 措置を定めるものもある。
ごみ屋敷強制代執行の流れ
ごみ屋敷の強制代執行がおこなわれる際は、まず地域の住民からの情報提供が必要です。通報や目撃情報を受けて行政の職員がごみ屋敷を確認します。
次に自治体はごみ屋敷に対して注意や指導を書面でおこない、ごみ屋敷の責任者が対応しない場合は勧告や命令をおこなうでしょう。ごみ屋敷の所有者が命令に従わないと、自治体によってごみ屋敷を強制的に片付けます。
基本的に片付けは専門業者に委託しますが、ボランティアを募ったり行政の職員が参加することもあるでしょう。
全ての作業が完了したら費用をごみ屋敷の所有者に請求し、支払いを受けられない場合は裁判所から財産差し押さえなどが強行されます。
ごみ屋敷条例がない自治体がある理由は？
ごみ屋敷が今まで問題になっていない地域
ごみ屋敷に対応する条例についてはごみ屋敷が問題になった地域で初めて話し合いが行われます。ごみ屋敷が存在しなければごみ屋敷対策の条例は必要無いからです。
逆に言えば、まだ条例が制定されていない地域は、ごみ屋敷問題が発生してから条例が検討されるため対応が遅れてしまうでしょう。
自治体による行政の状況によって難しい場合も
基本的に条例は議会での議決によって決まります。自治体の議会は地方自治法に基づいて設置されますが、自治体の代表たちが地域の問題についてなどの話し合いをしますよね。
そのためごみ屋敷について問題視されていても実務として対策や対応ができない場合は決議に至らないこともあります。人員不足が問題となっている自治体では条約の制定が難しいでしょう。
条例についての住民の意見
ごみ屋敷についての条例は、住民にとっても賛否両論あるのが実情です。ごみ屋敷に困っている近隣住民にとっては大きな問題ですが、一部の人々からは条例によって強制代執行が行われることを心配する声もあります。
ゴミ屋敷の条例に関するよくある質問
- ごみ屋敷に関する条例とは？
-
ごみ屋敷に関する条例とは自治体ごとに定められており、ゴミや不用品などが散乱している状態の建物について詳しく書かれています。条例は国の法律などに基づいて決められることが多く、公衆衛生や環境保全など地域の住人の安全を守るために定められるでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
- ごみ屋敷に関する条例がない場合は？
-
ごみ屋敷に関する条例がない場合は市町村の窓口に相談すると良いでしょう。ごみ屋敷について制定された条例がなくてもごみ屋敷問題に対応できる他の条例があることもあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
- 条例があることのメリットは？
-
条例があることのメリットはすでに問題化しているごみ屋敷に対して行政措置をおこなえるということです。また条例があるだけで新たなごみ屋敷が発生しないための抑止力にもなるでしょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
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