みなさんは、「ゴミ屋敷」という言葉をもちろん聞いたことがありますよね。近年、ゴミ屋敷は社会的な問題となっており、たくさんのメディアでも取り上げられ、社会的にも知名度が上がっています。テレビでそれらを見て、あまりにもひどい家の状態に、まるで他人事のように感じていた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ゴミ屋敷は誰にだって簡単に起こりうる現象です。なぜならゴミ屋敷は、単純にズボラであるとか、面倒くさがりであるといったその人の性格的な問題だけが原因なのではなく、心の病気と深く関係していることがわかってきたのです。「わたしの部屋はきれいなほうではないけれど、ゴミ屋敷ほどひどくはないわ」と安心している方、本当に大丈夫ですか? あなたもゴミ屋敷の予備軍かもしれませんよ。
ゴミ屋敷に隠された6つの心の病気とその対処法について学び、ゴミ屋敷とは無縁の生活を目指しましょう。
片付けられない人の持つ6つの病気

それでは早速、片付けられない人が持つ6つの病気についてみていきましょう。
■1.強迫性貯蔵症(ホーディング)
・強迫性貯蔵症とは
強迫性貯蔵症とは、強迫性障害のひとつです。脳内の特定の部位の障害、もしくは神経系の機能の異常が原因とされており、几帳面で完璧主義な人が発症しやすい病気です。
・強迫性貯蔵症の症状
強迫性貯蔵症の症状には、物を集め過ぎてしまったり、捨てることができなかったり、または片付けることができなかったりといった特徴があげられます。溜めこんだ物やゴミたちが生活空間を脅かし、その状態に対して強い不安や恐怖を感じます。
■2.認知症
・認知症とは
加齢などの様々な要因で、脳の神経細胞が破壊されてしまったり、うまく働かなくなってしまったりして、精神活動や身体活動に支障が出る症状のことです。
・認知症の症状
記憶障害(物忘れ)や見当識障害(時間や場所、人などを認識できなくなる)、認知機能障害(計算力や言語機能の低下など)が主な症状です。認知症を発症すると、同じ物を何度も買ってきてしまったり、ゴミを認識できなくなってしまったり、ゴミ出しの日を忘れてしまったりと、家の中に、物やゴミを溜めてしまう原因になります。
■3.セルフネグレクト
・セルフネグレクトとは
セルフネグレクトとは、自分自身への関心が持てなくなり、どんなことに対しても投げやりになってしまう状態のことです。認知症やうつ病などの精神疾患が原因の場合もありますが、近親者に先立たれた、または身体的な病気が原因で身体を動かすことが億劫になってしまったなど、生活意欲が低下する出来事をきっかけとして発症することもあります。
・セルフネグレクトの症状
必要な食事をとることや、お風呂に入ること、家の掃除をすることなど、自分自身の身の回りのことに無関心になります。さらに、どんなことに対しても投げやりになるため、周りの手助けや支援に対しても拒絶をするようになり、どんどん孤立化してしまいます。
■4.うつ病
・うつ病とは
うつ病の原因ははっきりとは解明されていませんが、脳の神経伝達の働きが悪くなり、それと同時にストレスや環境の変化などの様々な要因が重なって起こる病気とされています。
・うつ病の症状
生活意欲の喪失、そして心の沈んだ状態が、ほとんど1日中、2週間以上毎日続き、日常生活に支障が出ます。何事にもやる気が出ないため、家の中の掃除に対しても当然意欲がわかなくなります。
■5.ADHD(注意欠陥・多動性障害)
・ADHDとは
ADHDとは、何らかの原因で脳の神経伝達物質が正常に分泌されず、年齢や発達に不釣り合いな不注意・多動性・衝動性の3つの症状がみられる発達障害です。
・ADHDの症状
忘れ物が多かったり、じっとしていられなかったり、衝動的な行動が多かったりします。また、身だしなみや身の回りのことに対して無頓着で、片付けや整理整頓が苦手な人が多く、家の中が汚い人が目立ちます。
■6.統合失調症
・統合失調症とは
統合失調症とは、思考と感情と行動に一貫性を欠いてしまう病気です。現実と現実ではないことの区別がつかなくなり、発症していることに気がつかないことも多いです。
・統合失調症の症状
幻覚や幻聴、妄想などが主な症状です。清潔であることに対しても無関心になり、お風呂に入らなくなったり、着替えをしなくなったり、家の中がどんどん汚れていきますが、本人はその異常性に全く気が付きません。
「ゴミ屋敷」に関する病気の改善方法2つ

ゴミ屋敷の原因が精神疾患であった場合、叱咤しようがプレッシャーをかけようが、それは無意味なことです。精神科や心療内科へ受診することが1番効果的です。