ゴミ屋敷の解決方法は？業者に頼む目安・相談先・家族にできることは？

ゴミ屋敷は放置すると火災や病気、ご近所トラブルのリスクがあります。

本記事では、解決のために住人がするべきことや、業者に頼む目安、業者の選び方や相談先を解説。

家族や友人がゴミ屋敷に住んでいる人には、説得の役に立つ知識をお知らせしていきます。

これからゴミ屋敷の解決を目指したい人におすすめの記事になっているので、今困っている人はぜひご覧ください。

ゴミ屋敷を解決しないとどうなる？

ゴミ屋敷をそのままにしていると健康面・精神面共に危険です。悪臭や害虫の発生により、ご近所トラブルに発展することもあるからです。

健康被害の詳細はこちらの記事で解説しています。

生ごみを放置し続けるとゴミが腐り、ゴミが接していた床や壁も腐らせることにより物件の不動産価値も下がってしまいます。

ゴミ屋敷を放置する期間が長いほど高額な特殊清掃が必要になるので、少しでも早く対応しましょう。

ゴミ屋敷は放置すればするほど危険ですし、掃除が難しくなります。また重度のゴミ屋敷は特殊清掃業者でなければ対処できず、数十万円の費用が必要になってしまうことも。

ゴミ屋敷の清掃は早ければ早いほど作業量が安くなるので、思い立った今から対処しましょう。

ゴミ屋敷の解決方法【住人の場合】

ゴミ屋敷に住んでいる人が自力で片付けを目指すのであれば、ゴミの種類と害虫の有無を確認しましょう。

大まかにいえば生ごみの放置が無く害虫がいないのであれば自力で対処可能です。

ゴミ屋敷というと床がゴミで埋まっていたり地層のようにゴミが積もっている状態をイメージしがちですが、この時注目したいのはゴミの量ではなく種類。

足の踏み場がないほどでも未開封の服やバッグ・書類や本など乾いたものが散乱しているだけなら、ハウスクリーニング・家事代行業者などに頼めばOKです。

毎日着た服が散乱して生乾き臭がしていたり、紙が湿気を含んでしまっている状態ならば特殊清掃の方がいいかもしれません。

自力で掃除ができるのは放置されているゴミが空のビニール袋やダンボールなどの場合です。害虫が出る前ならば自分で対処できるので、ゴミの腐敗が始まる前に対処しましょう。

ゴミ屋敷の解決方法【親族・周辺住人の場合】

ゴミ屋敷に住む本人が片付ける気になってくれるのであれば解決方法はシンプル。業者に依頼すればOKです。

厄介なのは本人がゴミ屋敷を苦にしていないケース。親族ならば片付けを手伝ったり、業者の手配をすることになります。

この時注意したいのは、ゴミ屋敷に住んでいる本人の許可を取ること。ゴミ屋敷を片付けたくない理由が費用であれば、自治体の補助金などを紹介して説得していきましょう。

周辺住人の場合はゴミ屋敷になっている理由について考える必要はありません。どんな理由であれ、住人に直接コンタクトを取るのは危険だからです。

管理会社や大家さんに連絡し「適切な解決方法を探してほしい」と依頼しましょう。

自分の家の近くにゴミ屋敷があると文句を言いたくなるかもしれませんが、高い確率でご近所トラブルに発展するので止めましょう。

外にはみ出ているゴミや木についても、直接捨てない方が安全です。

ゴミ屋敷の解決方法【賃貸オーナーの場合】

賃貸物件がゴミ屋敷になってしまったら、オーナーはまず住人にコンタクトを取ります。ゴミ屋敷の解決方法を提示し、協力するという形で話を持っていきます。

話し合いが決裂してしまった場合は自治体に相談することがおすすめ。

ゴミ屋敷規制のための法律はありませんが、各自治体ごとに条例を定めていることがあります。

条例がなくとも対処法についてアドバイスをもらえることがあるので、一度問い合わせてみましょう。ゴミ屋敷に強い弁護士に相談することも有効です。

第三者からアドバイスを受けたあとは裁判を見越して内容証明郵便を送りましょう。口頭のやり取りは裁判上の証拠には残らないためです。

内容証明郵便には下記の内容を記載することが大切です。

ゴミ屋敷解決のための業者の費用相場

ゴミ屋敷の解決のための費用は依頼する業者で変わります。ゴミの放置時間や季節も重要な要素になるので、一度見積もりを作成してもらわないと費用が分かりづらいのです。

害虫が発生したり市販の洗剤では落とせない汚れがある場合、特殊清掃が必須。

特殊清掃は最低でも5万円から見積もりがスタートし、少なくとも10万円程度かかることが多いです。

ゴミが天井近くまで積まれているようなお部屋は80万円を超えるケースもあるので、いずれにせよ早めの対処が必要となります。

解体やリフォームまで入るとさらに高額になる傾向があります。

特殊清掃は一見高額ですが、清掃や消臭・リフォームまで一手に引き受けてくれるのが強み。複数の業者に別々に頼むより安く済む場合もあるのです。

ただし格安業者は悪徳業者であるリスクが高いので、安さだけで業者を選ぶのはやめておきましょう。

さほど重度のゴミ屋敷でないのであれば、ハウスクリーニングや家事代行業者でもOK。費用は作業時間で決まるので、3万円前後を目安にしておくと良いですね。

片付けを依頼できる業者の種類や相場については、下記の記事でも詳しく解説しています。

ゴミ屋敷解決のための業者の選び方

ゴミ屋敷を解決するためには業者の種類を決め、相見積もりを取っていきます。ここではその方法を詳しく見ていきましょう。

依頼する業者の種類を決める

ゴミ屋敷を片付けるための業者は害虫の有無やゴミの放置時間で変わります。業者を呼ぶ前に部屋のゴミの種類と状況を把握しましょう。

例えば生ごみを放置して1ヵ月以上たっているなら、見えないところにも害虫が発生しているかもしれません。

放置時間が長いと腐敗臭が家にしみつき、悪臭を好む害虫が寄って来るのも問題です。

害虫が大量に発生したりゴミが腐って嫌な臭いがしているようなレベルなら、特殊清掃を呼んだ方がいいでしょう。

ためこんだゴミが地層状になって重なっていたり、キッチン・トイレ・浴室などに汚れがこびりつき本来の使い方ができないような場合も特殊清掃をおすすめします。

ここまで悪化しておらず「自分でも掃除ができる汚れだけど、誰かに手伝ってほしい」というケースなら、家事代行業者やハウスクリーニングでも構いません。

相見積もりで料金を比較する

業者の種類が決まったら、相見積もりをとって相場を把握していきましょう。

ゴミ屋敷解決のための料金は部屋の状態に合わせて作業が追加され、状態が悪ければリフォームも必要になります。

そのため業者の提示している料金表のみでは分かりにくいのです。

最低でも3社程度は見積もりをとって料金を比較すると安心できます。

見積もりを取る際には、下記の項目をチェックしていきましょう。

ゴミ処理のためには一般廃棄物収集運搬許可証が必須です。必ず確認しておきましょう。

部屋に悪臭や落とせない汚れが染みついている場合は解体・リフォームが必要になるので、解体工事登録を持っていることも大切です。

業者が必要な資格を持っていることを確認したら、次に料金体系をチェックしていきます。

ゴミ屋敷の清掃は高額なため安い業者を選びたくなってしまいますが、格安業者は悪徳業者である可能性が高いです。

値段ではなく料金体系をチェックすることが最重要。

見積書に作業内容が提示されていて、各作業の必要性を説明してくれる業者ならば安全です。

ゴミ屋敷解決のために使える制度・相談先

ゴミ屋敷を解決したいと考えたとき、条例や補助金の確認をすることは大切です。お住いの自治体の役所を訪ねてみましょう。

全ての市町村に条例・補助金があるわけではありませんが、市町村の規模に関係なく設定している可能性があるので一度問い合わせをすることがおすすめです。

ゴミ屋敷に関する条例がなかったとしても、市役所の総合窓口に問い合わせをすれば適切な窓口に案内してもらえます。

地域のゴミ屋敷の解決のために活動しているNPOを紹介してくれることもあるので、ぜひ相談してみましょう。

紹介した条例、補助金を説明してもゴミ屋敷の住人が解決を嫌がる場合は先に説得することが必要になります。

ゴミ屋敷専門のカウンセリングやゴミ屋敷で悩む人のNPO法人もあるので、積極的に活用していきましょう。オンラインでカウンセリングを行う先生もいるので、住人に合った相談先を探すことが大切です。

ゴミ屋敷に逆戻りしないための習慣

ゴミ屋敷が解決できたら逆戻りしない習慣を作りましょう。ここでは、そのポイントを解説しています。

定期的に掃除する

ゴミ屋敷を再発させないためには、掃除の頻度を決めることがおすすめ。

「毎日5分はモップをかける」や「週に１度は床の物をどかして、掃除機をかける」といった形で、無理のない目標を立てていきましょう。

続かないようであれば、1カ月に1度から始めるのでもOK。自分の達成できる目標を立てることが大切です。

定期的にゴミを出す

掃除同様、ゴミ出しも定期的に行うことが大切です。週に1～２度がおすすめですが、難しいようであれば２週間に1度でも構いません。

生ゴミについて

ゴミ出しの頻度に関わらず、生ごみは密閉できるゴミ箱などにまとめておくと安心です。食べ物などが腐った臭いはゴキブリやハエが好むので、ゴミ屋敷に逆戻りしやすくなってしまいます。

悪臭自体ストレスなので、臭いが漏れない容器を購入しましょう。

段ボールなど空き箱について

通販でたまりがちな段ボールの空箱もゴミ屋敷の温床です。置きっぱなしにしておくとゴキブリが住み着いたり、卵を産み付けるリスクがあります。

自治体の分別ルールに従い、早めに処分しましょう。時間的に難しい場合は、スーパーマーケットなどの回収ボックスを利用するのがおすすめです。

「ゴミの回収日に合わせてゴミを出すことができない」という場合は、都合のいい日時間に自治体のゴミ処理施設に持ち込むようにしましょう。予約・処分費用が必要ですが、好きなタイミングでゴミを処分することができます。

物の定位置気を決める

ゴミ屋敷を予防するためには、物の定位置を決めることが大切。収納場所や定位置を決められないほど物があるなら、減らしていきましょう。

定位置を決める際には、よく使うものほど取り出しやすい場所に置くのがおすすめ。使いにくい位置に置いたものは「一年以内に使ったかどうか」で処分を検討しましょう。

物の定位置を決める時に注意したいのは、収納アイテムを増やさないこと。「収納アイテムを買えば置く場所ができる」という考え方は、収納アイテムの買いすぎにつながるのでおすすめできません。

収納家具の数を決め、そこに収まるだけの物を集めるように意識すると安心です。

人を呼ぶ習慣をつける

キレイな部屋を維持する自信がない時は、人を呼ぶ習慣をつけるのがおすすめ。

家に人を入れるのが嫌ならば、新聞の集金や通販の受け取りでも構いません。

人目を意識するようになると、ぐっと逆戻りしにくくなります。

毎日窓を開ける

重度のゴミ屋敷であるほど、窓が開けられない状態であることが多いです。

換気とゴミ屋敷への逆戻りを防ぐため、１日１度は窓を開ける習慣をつけましょう。

カーテンが空いているだけでも人目を意識することにつながるので、部屋が散らかるのを防ぐことができます。

朝の起床時や掃除のタイミングなど、窓を開ける時間を決めて習慣にするのがおすすめです。

ゴミ屋敷の解決方法に関するよくある質問

ゴミ屋敷解決に必要な業者の種類は？

ゴミ屋敷の解決には特殊清掃・家事代行業者・ハウスクリーニングのいずれかが必要。

大量の害虫が発生したり、市販の洗剤では落とせない汚れがついていたり、悪臭が家に染みついてしまっている場合は特殊清掃への依頼がおすすめ。

そこまでは悪化しておらず「自分でも掃除はできるけど、誰かに手伝ってほしい」という時は家事代行業者やハウスクリーニングで構いません。

ゴミ屋敷の片付けに関する業者については、下記の記事で解説しています。

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ゴミ屋敷解決にかかる費用は誰負担？

ゴミ屋敷の解決にかかる費用は「通常の使い方をしないケース」のための原状回復費用なので、住人側の負担になります。

しかし、実際は経年劣化などを考慮して貸主も費用を負担することになります。細かい査定が必要になるので、状況によって負担額が変わると思っておきましょう。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

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ゴミ屋敷解決に役に立つ法律・条令はある？

ゴミ屋敷の解決に関する法律はまだありませんが、各自治体で条例が設置されはじめています。

すべての市町村にあるわけではありませんが、お住いの地域にゴミ屋敷に関す条例・補助金があるかもしれないので、市役所などに問い合わせてみましょう。

詳しくは下記の記事で解説しています。

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ゴミ屋敷解決を嫌がる住人をどうやって説得するの？

ゴミ屋敷を片付けるためには、住人の同意が必要です。親族、友人であれば片付けを手伝ったり、補助金を紹介したりしましょう。

親しい人の説得でも「全部必要だから捨てたくない」という人は、ゴミ屋敷専門のカウンセリングを受けるのがおすすめ。オンラインで行ってくれる先生もいるので、住人に合った人を探してみましょう。

親の住む実家がゴミ屋敷化している場合は、こちらの記事もおすすめします。

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もし近所の人である場合は、自分で説得しようとするのはNG。管理会社や大家さんに依頼しましょう。

管理会社・大家さんなどのオーナーは、自治体や弁護士などと協力しながら、慎重に対処していく必要があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

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ゴミ屋敷に逆戻りしない方法はある？

ゴミ屋敷が解決したら、掃除やゴミ出しを定期的に行うことが大切。毎日窓を開けることもおすすめです。

物を増やしすぎることも危険なので、ゴミ屋敷に戻らない自信が出るまでは「部屋に収まる分だけ購入する」ということを意識しましょう。

詳しくは本記事の「ゴミ屋敷に逆戻りしないための習慣」で解説しています。