ゴミ屋敷の残置物撤去の費用は？特殊清掃に頼むメリット・コツはある？

ゴミ屋敷の残置物撤去は、通常の家よりも高額になりがち。ゴミ屋敷なのでゴミ分別に時間がかかるし、処理に別途費用が掛かることが多いためです。本記事では、ゴミ屋敷の整理と不用品処分にかかる費用や売りに出せる残置物について解説しています。

ゴミ屋敷の残置物撤去の相場は？

残置物を撤去する際には、残置物の量が1平方メートルにつき1万円～3万円程度が相場です。

しかし、ゴミ屋敷の場合には、ゴミの処分費用だけではなく、ゴミを分別する作業料が必要。駐車場から遠かったり、高層階の場合はゴミの運搬費用が上乗せされます。

そのため、ゴミ屋敷の残置物撤去の費用は料金表だけでは分かりづらくなってしまいます。清掃業者や不用品回収業者に見積もりを依頼することで相場を把握していきましょう。

ゴミ屋敷の残置物撤去費用が高い理由は？

ゴミ屋敷の残置物は、分別・搬出の費用が高くなりがちです。ここでは、その具体例を解説していきます。

処分に費用がかかるゴミがある

ゴミ屋敷は処理しづらい不用品が多く、処分に時間と費用がかかります。家電や電池・バッテリーは正しい方法でリサイクルしなければなりませんし、引火のリスクがあるものは他のゴミと分ける必要があります。

大きすぎて粉砕しづらいものも別途処分費用がかかることがあります。

処理困難物の中には、リサイクル料金や粗大ごみの費用を払う必要があるものが多いため、高額になってしまいます。

効率よく処分するためには、不用品回収業者の利用がおすすめです。重度のゴミ屋敷の場合は特殊清掃の方がいいでしょう。残置物の処分の費用や業者に関して詳しくはこちらの記事で解説しています。

不用品の分別に時間がかかる

ゴミ屋敷の中でもゴミが膝上～天井まで積みあがっているような状態ですと、まずは分別が必要になります。特殊清掃業者に依頼をしましょう。

特殊清掃業者であれば、部屋内の分かりやすいゴミを集めた後、ゴミの山の中から「そのまま捨ててもいい物」と「買取で回収できるもの」と「危険なので他のゴミと分けるもの」と「リサイクル料金が必要なもの」などに分けていきます。

この作業に時間と人手が必要なため、ゴミ屋敷の残置物撤去は高額になってしまいます。

不用品の搬出が困難なことがある

ゴミ屋敷は物が多く、動線が悪いため、残置物をうまく持ち出せないことがあります。窓から持ち出すようなことになれば、その分追加料金がかかります。

部屋から持ち出せても、高層階ゆえの吊り上げ作業があったり、駐車場まで距離がある場合はやはり追加料金がかかります。

ゴミ屋敷の残置物の撤去費用を安く抑えるポイント

ゴミ屋敷の残置物は、どうしても処分費用が高くなりがちです。ここでは、少しでも費用を抑えるポイントを解説していきます。

目的に合った業者を選ぶ

ゴミ屋敷の片付けは、害虫や悪臭が出る前であれば自力で行えます。ゴミが腐ったり、カビが生えていたりしないのであれば、不用品回収業者に搬出してもらうだけで間に合います。

悪臭・害虫が発生していたり、ペットの糞尿被害がある場合は、ゴミ分別・整理のことを考えて特殊清掃の方がいいでしょう。

詳しくは後術の「ゴミ屋敷の残置物撤去ができる業者」で解説しています。ゴミ屋敷の程度に合った業者を選ぶことで、少しでも依頼費用を抑えることができます。

自力でできる範囲の片付けを終わらせる

ゴミ屋敷の残置物の中でも、軽いもの・部屋やゴミの山の手前にあるものであれば自力で片付けることができます。クリーンセンターに持ち込んだり、粗大ごみに出したりしましょう。

残置物の処理費用は、量が多ければ多いほど高額になるので、少しでも自力で処分すれば節約になります。

ゴミ屋敷を片付ける際のポイントはこちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください。

売りに出せるものは売りに出す

ゴミ屋敷の片付け費用を安く済ませようと格安業者を選ぶと、後で追加作業・追加料金を求められるトラブルになりやすいです。

安い業者を探すよりも大切なのは、売れる状態の不用品を探すということ。ゴミ屋敷の性質によっては未開封のブランド品が眠っていることもあるので、特殊清掃業者に回収を頼むか、自力で片付けを行ってみましょう。

売却できる残置物はどんなもの？

家電や家具なら3～5年以内の新しいものを売りに出せます。リサイクルショップ・フリマサイトへの出店がおすすめです。

貴金属や着物、骨董品、仏具など鑑定に専門知識が必要なものは、専門店に持ち込んだ方がいいでしょう。

不用品回収業者・特殊清掃業者・遺品整理業者ならば状態のいいものを回収して買い取ってくれますし、貴重品に関する専門家が在籍していることも多いので、買取を考えている人は買取を強化している業者を選ぶとスムーズです。

ゴミ屋敷の残置物を売りに出す際に注意したいのは、売却できる状態なのかということ。

悪臭がしみついていたり、汚物やカビが生えているものは安価でも引き取ってもらえません。「ゴミの山があるので、その中に貴重品が埋まっているかも」ということは稀ですので、もしゴミの山がある時は業者に整理・分別を頼みましょう。

ゴミ屋敷の残置物は自分で処理できる？

ゴミ屋敷の残置物を自分で整理できるかどうかは、ゴミ屋敷の程度によって変わります。

通常の清掃業者・家事代行業者でも片付けられるレベルのゴミ屋敷であれば、自力でゴミを分別・処分することができます。「不潔ではないけど、家具や家電が多くて大変」というケースなら不用品回収業者に依頼しましょう。

自分での対処が難しいのは、下記の表のような重度のゴミ屋敷です。

自分で掃除可能	レベル1：ゴミが床面積の50％ 放置されているゴミが空き箱や空の袋などの乾いたゴミならば、汚部屋状態でもまだ簡単に対処できます。生ゴミを放置してしまう前に片づけましょう。
自力・あるいは清掃業者	レベル2：生ゴミの放置がある 生ゴミなどの腐るものが放置されて悪臭が発生するレベルになると、片付けがやや難しくなります。衣類や生活用品もゴミの中にあるので、生活も困難です。カビ・腐敗・ゴキブリなどが出る前に対処できれば特殊清掃を呼ぶのを免れます。
要・害虫駆除業者	レベル3：床がゴミで埋まる・探さなくとも害虫が見つかる 床のほとんどがゴミで埋まり、いたるところでゴキブリやハエが発生している状態になると、自力では対処できません。特殊清掃を呼ぶか、ハウスクリーニングを呼んだ後の害虫駆除業者が必要です。目に見えないところにも、シロアリなど家にダメージを与える害虫が発生しているリスクもあります。
要・特殊清掃業者	レベル4：床・壁・家具がカビている 床が見えない状態で放置すると、部屋や家具がカビが発生してしまいます。このレベルになると、害虫のほかにネズミも発生している可能性が高いので、必ず業者を呼びましょう。片付け・害虫駆除・カビのある部分のリフォームを請け負ってくれる特殊清掃業者がおすすめです。

ゴミの山が膝上～天井までできてしまっているようなレベルであれば、ゴミが腐敗したり、かびていたりする可能性があります。こうなるとゴミの回収そのものが健康被害を与えかねないので、業者に依頼した方が確実です。ペットの糞尿・傷があるようなペット屋敷の場合も同様です。

もう一つゴミ屋敷特有のゴミで自力での対処が困難なものは、ペットボトルに入った尿やトイレ・洗面台などに詰まった大便。

少量であればトイレに流して処理をしていくことになりますが、大量にある時は個人での対応は困難です。排泄物が散乱しているようなゴミ屋敷は、他の場所もカビや腐敗の被害が予想されるので、特殊清楚業者に依頼しましょう。

解体業者でも残置物を回収してくれますが、残置物処理の費用を上乗せされます。他の業者よりも高額になりがちですし「ゴミ屋敷の場合はゴミを処分するまで依頼は受けない」という解体業者もあるので、先に不用品回収業者か特殊清掃業者に残置物の処理を頼む方法をおすすめします。

ゴミ屋敷の残置物撤去ができる業者

ゴミ屋敷の残置物を撤去するためには、特殊清掃業者がおすすめ。しかし、ゴミの状態が悪化する前なら、不用品回収業者・ハウスクリーニング業者・遺品整理業者のいずれかでも可能です。ここでは、それぞれの業者が必要になる目安を解説していきます。

特殊清掃業者

ゴミが膝上～天井まで積みあがっているようなレベルのゴミ屋敷でしたら、特殊清掃業者が必要です。台所やトイレ、浴室にゴミが積まれているなど、部屋が本来の使い方ができていなかった場合も同様です。

これ以外にも、部屋全体に悪臭がしみついていたり、家財や床・壁にカビや腐敗があるようであれば、残置物の回収が難しくなります。ゴミ屋敷の経験が多い特殊清掃業者に依頼をしましょう。

ゴミ屋敷を清掃して、これからも住み続けたい場合も特殊清掃が適切です。染みついた悪臭は通常の洗剤では落としきれませんし、猫などが入り込んでいる場合は糞尿被害への対処が必要です。特殊清掃業者は、オゾン脱臭機やフェロモン臭を分解する器材が豊富なので、どんな臭い・汚れにも対応してくれます。

特殊清掃の費用相場や選び方はこちらの記事で詳しく解説しています。

不用品回収業者

ゴミが床に散乱しているだけだったり、腐敗やカビ、悪臭の被害がないのであれば自力で片付けることができます。

自力で片付けたゴミは不用品回収業者に回収してもらうのがおすすめです。

残置物の中から買取対象になるものを探して買い取ってくれる業者も豊富ですので、買取に強い業者を探しましょう。

不用品回収業者の探し方はこちらの記事で解説しています。

遺品整理業者・ハウスクリーニングなど

カビが生えたり、腐敗している不用品が無いゴミ屋敷でも、残置物の量によっては自力での清掃が困難です。

「自力でも片付けられる種類の残置物だけど、誰かに手伝ってほしい」というときはハウスクリーニング業者への依頼がおすすめです。

もし人が亡くなり、遺品を整理してほしいのであれば遺品整理業者の方が向いています。ハウスクリーニング業者は不用品を買い取ってはくれませんが、遺品整理業者は遺品に関する知識が深く、適切な価格で買い取ってくれます。

ハウスクリーニングも遺品整理業者も特殊清掃業者より安いので、さほど重症ではないゴミ屋敷ならば一度見積もりを依頼してみましょう。

残置物撤去業者の選び方

カビや腐敗、悪臭により残置物の撤去が難しいのであれば、業者に依頼して片づけましょう。ここでは、選ぶコツを解説していきます。

業者の種類を選ぶ

ゴミ屋敷の残置物は、通常の清掃業者や解体業者では断られるケースがあります。

家全体に悪臭がしみついていたり、残置物・床・壁にカビや腐敗が見られるようであれば、特殊清掃業者に頼んだ方が確実です。

自力でも片付けることができるレベルの残置物であれば、不用品回収業者に依頼すればOK。タンスの引き出しや金庫の中などを確認して、貴重品の捜索だけは終わらせておきましょう。

住人が亡くなった場合であれば、遺品整理業者が適切な場合があります。どんな品物も遺品として丁寧に扱ってくれますし、貴金属・着物類などの鑑定が必要なものに対する知識も豊富です。

このように代行業者を決めたら、相見積もりをとって費用の相場を把握していきます。

相見積もりをとって料金を比較する

依頼する業者を決めたら、相見積もりを取って相場を把握していきます。

ゴミ屋敷の残置物を処分するためには、どんな作業が必要になるか分からないため、部屋の間取りだけでは費用を把握しきれません。一度業者に状況を伝え、見積もりを作成してもらいましょう。

無料見積もりに対応している業者の中から、ゴミの処理のため一般廃棄物収集運搬許可証を持つ業者に依頼しましょう。ゴミ屋敷からの回復を目指しているのであれば、解体・リフォームをするための解体工事登録を所有していることも大切です。

ゴミ屋敷の片付けに適切な資格・許可を持っていることを確認したら、見積書の料金体系をチェックしていきます。

合計金額のみしか記載されていいなかったり、金額が極端に安いのであれば、悪徳業者である可能性が高いです。契約後に許可なく作業を追加し、高額な費用を請求するトラブルがよく発生するためです。見積書に必要な作業を全て記載してくれる業者を選びましょう。

費用面以外に確認したいのは、依頼したい状況に近い実績があること。ゴミ屋敷に強い業者であるほど、残置物の搬出がスムーズですし、買取に関する知識も深いです。

他にも、管理会社・大家などのオーナー側とゴミ屋敷の住人側のコミュニケーションをサポートしてくれる業者がおすすめです。業者に頼む費用は高額になりやすく、その負担額でモメがちであるためです。これもゴミ屋敷清掃の経験があればあるほどスムーズですので、WEBサイトなどで過去の実績を確認しましょう。

ゴミ屋敷の残置物の撤去費用に関するよくある質問

ゴミ屋敷の残置物を撤去する費用は誰負担？

もう使うことはできない状態のゴミでも、家の中の物はすべて住人の財産です。そのため、残置物を撤去する費用は住人負担になります。

ゴミ屋敷の残置物撤去はどんな業者がおすすめ？

重度のゴミ屋敷であれば特殊清掃業者、そうでないなら不用品回収業者に依頼しましょう。解体業者に依頼すると残置物撤去の費用が高くなるので、先に残置物を片付けてから依頼するのがおすすめです。

詳しくは記事上部の「ゴミ屋敷の残置物撤去ができる業者」で解説しています。

ゴミ屋敷は残置物があるまま解体できる？

残置物があるまま解体はできますが、その分料金が上乗せされます。状態がいい残置物があっても買い取ってはくれないため、先に残置物を撤去してから解体を依頼する方がおすすめです。

ゴミ屋敷の残置物撤去の費用は安くなる？

相見積もりをとって費用が安い業者を探すことは可能です。他と比べて不自然に安い場合は、悪徳業者であるリスクが高いので止めましょう。契約後に突然高額請求されないためには、料金体系がしっかりしている業者であることが大切です。

ゴミ屋敷になった時点で残置物の撤去費用は高額になり勝ちですが、自治体によっては補助金が出ているので役所に確認しておくことが大切です。状態のいい残置物を売りに出して費用を回収する方法もあります。

詳しくは記事上部の「ゴミ屋敷の残置物の撤去費用を安く抑えるポイント」で解説しているので、ぜひご覧ください。