コニファーとは、針葉植物の総称のこと。暑さ寒さに強い、庭木向けの植物ですが、剪定をしないと大きく伸び続けてしまいます。病気の原因にもなるので、定期的な剪定が必要です。
本記事では、コニファーの剪定方法・時期・注意点について解説していきます。
・コニファーの主な品種と剪定のポイント
・コニファーの剪定時期
・コニファーの選定の基本的なポイント(切り戻し剪定・芯止め・枝抜き・刈り込み・手での剪定のコツ)
・コニファーの選定を業者に依頼するポイント
・コニファーのお手入れのポイント(植える場所・時期・水やり・肥料のポイント・害虫・病気対策・増やし方のポイント)
コニファーの主な品種と剪定のポイント
コニファーとは針葉樹の総称です。庭木だけではなく、生垣によく使われます。
【ゴールドクレスト】
黄色がかった葉っぱが特徴のゴールドクレストは生育が早いので、高さを抑えたい時には剪定が必要。円錐形に整えるのが基本ですが、丸やらせん状に刈り込む方法があります。
【エメラルドグリーン】
光沢のあるグリーンの葉っぱが特徴のエメラルドグリーンも、生育が早いので剪定するのがおすすめです。日本の気候と相性がいいので、生垣によく使われています。
コニファーは基本的に生育がゆるやかなので、剪定しない方が良い種類もあります。その代表的な品種は下記の通りです。
【剪定に向かない品種】
ブルーヘブン・ブルバード・レッドスター・シルバースター・グリーンコール・ブルーアイズ
コニファーの剪定時期
コニファーの選定におすすめな時期は3~5月。樹形を整える大規模な剪定は休眠期である冬の終わりがぴったりです。
枝の切り口も乾燥しやすいので、細菌対策にもなります。
枯れた枝や伸びすぎた枝を整えるだけであれば、6月、または9~10月がおすすめ。
この時期の選定はハサミを使わず、手で細い枝や葉っぱを摘み取ります。
選定に向かない時期は、夏季である8月。コニファーは暑さに弱いので、剪定で弱ってしまうリスクがあります。夏は枝葉が伸びやすいので、樹形を整えるにも不向きです。
コニファーの剪定の基本的なポイント
コニファーは剪定の道具によっては茶色く変色してしまうトラブルが起きる他、方法を間違えると弱って行ってしまいます。ここでは、剪定の目的別におすすめの方法、注意点を紹介していきます。
コニファーの剪定に金属製ハサミはNG ■剪定におすすめの道具
コニファーは背の高い品種が多いので、脚立が必要になります。大規模な強剪定を行うなら、ゴミ袋も用意しておくのがおすすめです。
剪定ハサミを選ぶときに注意したいのは、金属製はNGだということ。コニファーは金属に触れると茶色に変色してしまうことがあります。ハサミはセラミック製であることを確認して選びましょう。
コニファーの形を大幅に整える方法 ■切り戻し剪定の目的とコツ
コニファーの樹形を整えるのであれば、切り戻し剪定がおすすめ。伸びすぎた枝を短く切る強剪定の一種です。
切り戻しにおすすめな時期は3~4月。葉っぱよりも枝を根本から切っていく必要があります。枯れた枝だけではなく、垂直の伸びすぎた枝を中心に切り落としていきましょう。
葉っぱを刈り込んでも枝が残っていると湿気が残っているので、風通しを良くすることを意識して枝を落としていくのがポイントです。
それ以外の時期には、軽めの切り戻しにしておきましょう。
枝ではなく内側の葉っぱを切り落としておくことで、枯れ葉が詰まるのを防げます。
コニファーの高さを抑える方法 ■芯止めの目的とコツ
コニファーの高さを固定したい場合は、芯止めと呼ばれる剪定を行いましょう。
おすすめの時期は時期は3~4月。中心にある主枝を切って、その高さに合わせて樹形を整えていきます。
縦に伸びることはなくなりますが、横の周辺の枝は伸びるので毎年の手入れが必要です。
コニファーの横の成長を抑える方法 ■枝抜きの目的とコツ
横に伸びたコニファーは、枝抜きと呼ばれる剪定が必要になります。別名は間引き剪定で。密集しすぎている枝や枯れた枝を落とす方法です。
おすすめの時期は3~4月。枝の付け根から切ることで、横に広がったコニファーの形を整えることができます。
コニファーの全体の形を軽く整える方法 ■刈り込みの目的とコツ
6月、あるいは9~10月には刈り込みによる軽剪定がおすすめ。外側に長く伸びて樹形を乱す葉っぱや枝を切り落とす方法です。
完成した樹形をイメージしつつ、セラミック製のハサミを使って、丁寧に仕上げていきましょう。
【円錐形に整えるコツ】
・最上部の枝から切り始める
・上から下に剪定していく
・株上部は深めに切り詰める
・最後に株下部を整える
【丸に整えるコツ】
・葉っぱがない位置まで切り詰めるのはNG
・刈り込み可能な枝を確認してから剪定を始める
・球形をイメージしつつ上から下に剪定していく
夏の終わりの軽い剪定方法 ■手での剪定のコツ
コニファーの茶色くなった葉っぱが戻に戻ることはないので、枝には手をつけずに、軍手で葉だけを摘み取りましょう。
樹形を乱す葉っぱも軍手で摘み取っていくのがおすすめ。6月・あるいは9~10月は3~4月よりも生育スピードが遅いので、手での作業の方が向いています。
コニファーの剪定を業者に依頼するポイント
コニファーは背が高くなりやすい樹である他に、金属製のハサミが使えないという注意点があります。
手で摘むのもセラミック製ハサミを使うのも、時間がかかるので、業者に頼むのもおすすめ。費用は樹高の高さで決まることが多いです。
【庭木の剪定費用相場】
0m~3m未満:約3,000~4,000円
3m~5m未満:約5,000~9,000円
5m~7m未満:約13,000~20,000円
【生垣の剪定費用相場】
1m未満:約2,000~4,000円
1m~2m未満:約4,000~7,000円
2m以上:約6,000~10,000円
こちらは木のサイズによる費用の相場なので、ここに人件費・ゴミ処理代が追加されていきます。
業者を選ぶ時には、無料で見積もりをだしてくれる業者を選びましょう。その中から日時・費用が適切な業者を選べばOK。
口コミを参考にするのも大切です。
コニファーのお手入れのポイント
コニファーには多くの種類がありますが、お手入れのポイントはある程度同じです。ここでは、お世話のコツを解説していきます。
コニファーは寒さに強いが日当たりが大切 ■植える場所・時期のポイント
コニファーのほとんどの品種は、日当たりの良い場所でよく育ちます。ある程度日陰でもOKですが、黄色系・青系の葉色の品種の発色を良くするためには、日照時間が大切です。
室内で育てる場合は、窓際などの明るく風通しの良い場所に置きましょう。
基本的に寒さには強いので防寒対策の必要はありませんが、品種によって許容温度は違うので購入時に確認しておくことが大切です。
植える時期は3~4月がおすすめで、苗から育てていきます。枝が太く、株元がしっかりとしているものがおすすめです。
コニファーは乾燥しやすいことに注意 ■水やり・肥料のポイント
コニファーは乾燥しやすい樹木です。土の表面が白くなったタイミングでたっぷりと水やりをします。水不足になると、葉っぱが茶色くなってしまうトラブル例もあるので注意しましょう。
庭木・鉢植えともに夏場は朝か夕方の涼しい時間帯に水やりするのがおすすめ。冬は土の表面が凍ってしまうことがあるので、午前中に水やりしましょう。
適切な肥料に関しては品種によりますが、鉢植えなら3月・6月に与えるのがおすすめ。庭木なら3月頃に油かすなどを与えるのが一般的です。
コニファーの害虫・病気対策には剪定が有効 ■害虫・病気対策のポイント
コニファーを育てる時に注意したい害虫はハダニやアブラムシ。暑さと乾燥を好む虫で、葉水や薬剤で対策できます。
3~10月頃にはスス病・赤星病・葉枯病のリスクもあります。高温多湿が原因なので、剪定で風通しを良くするのがおすすめ。殺菌剤を使ったり、風通しの良い場所に移動するのでもOKです。
コニファーの剪定後の枝は挿し木に使える ■増やし方のポイント
コニファーを増やしたい時には、3~6月頃に挿し木をするのがおすすめ。剪定で切り取った枝をそのまま使えます。
10㎝ほどの枝を選んで、植木鉢で育てていきましょう。その際、下の葉は取り除き、切り口は斜めに切り落とします。
水に1時間ほどつけた後に育苗ポットに植えて、4~6か月間発根を待ちます。ある程度成長した後は植木鉢で育て、十分に育てば庭に植えることも可能です。