キャンプやアウトドアがアクティビティとしても人気がある昨今、もしそのようなアクティビティ中にブヨに刺された場合、どのように対処して良いか分からないという人も多くいるのではないでしょうか。適切な対処をすることでその被害を最小限に抑えることも可能です。
また、適切な対策を行うことでブヨに刺される危険性を下げることが可能です。今回はブヨに刺された場合の対処法とブヨを避けるための方法を細かく紹介します。こちらの記事を参考に夏のブヨ対策の方法を学びましょう。
ブユ(ブヨ)の生態と発生時期
出典: Wikipedia
ブユ(ブヨ・ブト)
ブユ(ブヨ)の大きさは2〜7mmで、小さな昆虫です。全体的に丸みを帯びており、羽音が小さいため自分の周りを飛び回っているのに気が付きにくく、咬まれるまで分からないということが多くあります。人に対してだけではなく、さまざまな哺乳類から血を吸います。
また、ブユ(ブヨ)の体の色は全体的に黒く、腹部のみ黄色と黒の縞模様のようになっています。ハチのように敵対心によって攻撃をするのではなく、生きるための食料として吸血します。そのため、吸血するのは産卵時の雌のみとなります。
ブユ(ブヨ)は主に3月~10月にかけて活動を行います。特に一番活動が活発なシーズンは夏になります。しかし、高い気温を苦手とするため夏場で比較的に気温が低い朝や夕方に活動を行います。卵から孵ったばかりの幼虫は川、渓流などの水辺に生息します。夏場のキャンプで水辺にテントを張る場合、朝と夕方には気を付けるようにしましょう。
ブヨに刺された跡の特徴・症状
ブユ(ブヨ)は蚊のように管を刺して血を吸うのではなく、鋭い顎で皮膚を食いちぎって出てきた血を吸います。そのため、ブユ(ブヨ)に刺された跡というのは赤い出血点や流血、水腫れなどが表れます。
また、吸血時には唾液腺から唾液を入れるため、個人差はありますが唾液に対してアレルギー反応が表れ、大きく腫れたり、激しい痛みを伴う症状が出ることがあります。痒みを感じる人が多く、患部が熱を持つだけでなく体全体に熱が広がり、倦怠感を感じる場合もあります。
人によりますがアレルギー体質の場合には症状が重く出やすく、慢性湿疹などになると数か月間も痒みや腫れが引かない場合もあります。
ブヨに刺されたときの痛みや腫れは?
ブユ(ブヨ)に刺された(咬まれた)瞬間は、もし自分が動いている場合には気が付かない程度の痛みです。じっとしている場合にはブユ(ブヨ)に刺された際の痛みに、かろうじて気が付くでしょう。
翌日以降に、骨折した患部のようにぱんぱんに腫れることがあります。狙われやすい肘裏や足首などは、その腫れの影響で歩きにくくなったり肘を伸ばしにくくなったりと大きな影響が発生します。患部の痛みより、その腫れた部分が強く接触したり、関節の曲げ伸ばしによって感じる痛みのほうが大きいでしょう。
ブヨに刺された場合の対処法
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【ステロイド系軟膏を塗る】
ブユ(ブヨ)に咬まれた患部は、強い痒みを伴うためステロイド系外用薬(抗ヒスタミン系軟膏)」を使用すると良いでしょう。病院に行けずに市販薬しか手に入らないという場合には、ムヒアルファEXなどがブユ(ブヨ)以外の虫刺されにも効くため、おすすめです。
【流水でよく洗う】
流水で洗うというのは多くの虫刺されに有効な手段です。ブユ(ブヨ)に刺された(咬まれた)場所をよく洗い流して下さい。傷口から細菌などが入ることを防ぐ効果もあります。水道が近場に無いような森の中などで洗いたい場合は、ペットボトルの水など清潔な水を使用しましょう。
【流水で冷やす】
ブユ(ブヨ)に刺された(咬まれた)患部を、流水で冷やすことによって、痒みや痛みを和らげることができます。氷水や、凍らせた保冷剤は冷たすぎて刺激が強すぎるため、流水、冷たい水が良いでしょう。
ブヨに刺された後に放置して大丈夫?
ブヨに刺された直後から半日程度に、痒みなどを感じることがなければ放置してしまいがちです。しかし、腫れが徐々にひどくなり、その後に痒みや熱が出ることがあります。痒みの症状が悪化し、しばらくの間症状が引かなくなってしまう可能性もありますので放置しないようにしましょう。
ブヨに刺されたことによって死に至ることはありませんが、痒みや腫れの症状が慢性的に続き、数ヶ月から半年以上も続いた例があります。特にアレルギー体制が弱く、症状が出やすい体質の人は注意が必要です。
ブヨに刺されないための予防対策5個
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ブヨに刺された場合の対処方法は上述しました。しかしブヨに刺されなければその対処も必要なくなります。ここではブヨに刺されないための予防策を紹介します。
【肌の露出を抑える】
蚊やハチに刺されないためにも有効な対策です。夏場などはやはり暑さや熱中症対策を目的として涼しい恰好を選択する人も多くいるでしょう。しかしブヨに刺されないためには肌の露出を抑えることが大変重要になります。
長袖長ズボンで全身を覆うようにしましょう。スリッパやサンダルも避けて、長めの靴下を履くように心がけると良いでしょう。また、首元などが露出してしまいがちですが、首元には注意が向きにくいのでスカーフなどで覆うことがおすすめです。油断してしまう手元もグローブなどを付けていれば安心でしょう。
【虫よけスプレーを使用する】
山や森などの虫が多いところでは虫よけスプレーが必需品です。ブヨは蚊やハエなどと同じように、虫よけスプレーの成分が苦手なので大変効果があります。虫よけスプレーは肌の露出部分だけではなく、衣類にもしっかりと噴射しておくと良いでしょう。
ディートやイカリジン配合の虫よけスプレーがブユ(ブヨ)に効果があります。小さい子供などに使用する時は、濃度の低い商品を使って、何度か塗り直すと良いでしょう。また、汗をかくと効果が落ちますので、常に携帯してまめに塗ると良いでしょう。
【明るい色の服を着る】
蚊の対策でも言われていることですが、ブヨに刺されやすい人の特徴として、白など明るい色の服と、黒など暗い色の服を着た人を比べた場合、黒など暗い色の服を着た人が多く刺されるという傾向があります。
日光の紫外線対策で暗い色、濃い色の服を選ぶ人もいますが、これはブユ対策としては適切ではありません。また、濃い赤色や濃い青色、紺色の服も、ブユ(ブヨ)には黒っぽく見えてしまうことから、避けた方が良いです。白色、黄色や薄いオレンジ色、薄いピンク色などの服がブヨ対策としては良いでしょう。
【ハッカ油を用意する】
ハッカ油はブヨだけではなくハエなどにも広く効果があります。ブヨはハッカの成分、ニオイが苦手なためハッカ油の周りには近寄りたがらないという習性があります。ハッカ油は小さなボトルで販売しているので山登りや森に入る際にもスペースを取ることなく持ち運びができるでしょう。
しかし、ボトルのままでは全身に使用するのは難しいため、自作のハッカ油スプレーを作成することをおすすめします。精製水9に対して無水エタノール1の割合で混ぜ合わせ、そこにお好みのハッカ油を入れます。濃度は好みで良いのですが、大体20滴以上入れられれば効果はあります。もしもっと強い効果が欲しい場合は40滴程度までいれることが可能です。
【朝夕のブヨが活発な時間帯には水辺を避ける】
ブヨは朝夕の時間帯に、最も活発に活動します。そのため朝夕にブユが活動している水辺付近に近寄らないようにすれば、ブユに刺される(咬まれる)ことはありません。キャンプ場やゴルフ場などでも朝夕の水辺は注意しましょう。
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ブヨとアブの違い
アブとブユ(ブヨ)は混同されてしまいがちですが、実際には見た目に大きな違いがあります。ブユ(ブヨ)は全長が2〜7mm程度なのに対して、アブは2〜3cmほどあります。アブも、人を刺して血を吸うのはメスだけです
また、アブに刺された際、ブユ(ブヨ)と違って強烈に痛みます。その後、アブも唾液によるアレルギー反応で腫れて痒くなります。流水や清潔な水で洗い流し、患部を冷やすことで腫れや痛み、痒みが早く引きます。
写真提供:有限会社モストップ 白井博士
虻(アブ)の仲間:キノシタシロアブ
まとめ
ブヨの生態や生息場所をしっかりと把握し、対策をして刺されないように工夫をしましょう。また、今回紹介したように刺されてしまったらどのように対処すべきかしっかりと確認し、万が一のために備えましょう。