【図解付き】モッコウバラの剪定方法を解説！おしゃれな誘引実例も

モッコウバラは中国原産のつる性のバラ。白や黄色の可憐な花をたくさん咲かせ、アーチやフェンスに誘引して楽しむこともできお庭を華やかに彩ってくれます。

モッコウバラはトゲがなく、丈夫で育てやすいためガーデニング初心者にもおすすめの植物。しかし、生長がとても早いのが特徴で、キレイに管理するには剪定が欠かせません。

今回は、モッコウバラの剪定について特集！剪定時期や方法を図解付きで分かりやすく解説していきます。 また、誘引の仕方やおしゃれな仕立ての実例も紹介。増やし方、水やりなどの管理についても見ていくのでぜひ参考にしてください。

モッコウバラは一季咲き性で、開花時期は4月～5月頃。剪定は花が終わってすぐの5月～6月頃に行ないます。秋には花芽がつきはじめるため、剪定の時期が遅れると花芽を傷めたり落としたりして花数が減ってしまうので注意が必要です。

モッコウバラは基本的に冬の剪定は必要ありません。しかし、枝が伸びてきて樹形を整えたいときや、春の剪定がうまくいかず翌年の開花姿が不格好になるのを避けたい場合などは12月～2月中旬頃に剪定を行ないます。

ただし、冬の剪定は花芽をつけたあとに行なうことになるため、花つきに影響が出る恐れがあるので注意が必要です。伸びてしまった枝や古い枝を切り落とす程度にとどめ、本格的な剪定は春の花が散ったあとのタイミングで行ないましょう。

モッコウバラは生長がとても早いことが特徴。大きくなりすぎてジャマになったり、伸びっぱなしで不格好になったりしないよう適切な時期に剪定をして整えておきましょう。

また、剪定をせずにそのままにしておくと、グングンと伸びる枝など不要な部分に栄養が取られて花つきが悪くなる原因にも。モッコウバラを大きくしたい場合でも、適度に剪定を行なうといいでしょう。

モッコウバラの剪定を成功させるには、あらかじめ理想とする樹形をイメージしておくことが大切です。イメージができたら、伸びすぎてしまった枝や混み合った枝、弱った枝など不要な枝を切り落としていきましょう。

モッコウバラの春の剪定では、花が終わったタイミングで今年花が咲いた枝を半分ほどの長さに切り落としましょう。剪定することで枝数が増え、翌年の花芽の数を増やす効果が期待できます。

太いけれど3年ほど経ったような古い枝や、細くて元気がない枝は花がつかないことが多いです。必要な枝に栄養が行き渡るよう、枝元から切り落としましょう。

株元や枝から新しく伸びてきた太い枝を「シュート」と呼びます。シュートはフェンスなどに仕立てる際は伸ばして誘引するのに使用しますが、誘引に使わない樹形を乱すシュートは切り落としましょう。

太いシュートを剪定すると、それだけでかなりすっきりとした印象に。勢いよく伸びるシュートを剪定するのはややためらうかもしれませんが、切るとそこから細い枝が伸び花がつくようになります。

シュートを途中で切ると小枝がどんどん増えるため、増えすぎたなと思ったらシュートの根元で切りましょう。

モッコウバラが大きくなりすぎて樹形を小さくしたい場合は、まず伸びてきた新しいシュートをすべて根元から切り落とします。その後、全体の大きさが半分から3分の1くらいになるように剪定し整えましょう。

地面から1m～1.5mくらいの高さにしておくと管理しやすくなります。

モッコウバラの剪定を自分でするのが難しいと感じたら、業者に頼むのもおすすめ。庭木の剪定費用は樹高の高さで決まることが多いです。

【庭木の剪定費用相場】
低木（0m～3m）：約3,000～4,000円
中木（3m～5m）：約5,000～9,000円
高木（5m～7m）：約13,000～20,000円

上記は基本の作業費で、これに剪定した葉っぱの処分費用や出張代などの諸経費が追加されます。また、アーチや生け垣などの場合は料金設定が変わるケースもあるので注意しましょう。

まずは見積もりを取り、費用や具体的な内容、アフターフォローなども確認してから依頼する業者を選ぶといいですね。信頼できる業者を選ぶには、口コミを参考にすることも大切です。

つる性のモッコウバラは、フェンスやアーチ、壁などに誘引して仕立てることも楽しみのひとつ。剪定と合わせてモッコウバラの誘引の仕方もチェックしておきましょう。

モッコウバラの誘引は、基本的に春の剪定後に行ないます。新しく伸びた太いシュートを誘引していくため、剪定のときにうっかり切り落とさないように気をつけましょう。

【準備するもの】
・麻ひも（または園芸用のやわらかいワイヤー）
・アーチフェンス、トレリスなど（必要な場合）

【誘引の手順】
①伸びたシュートをフェンスやアーチなどに絡ませる
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②麻ひもや園芸用のやわらかいワイヤーなどで結び固定する
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③細い枝を太い枝の隙間に埋めるように絡める
↓
④誘引しにくい太い枝や余った枝を剪定して整える

【モッコウバラ誘引のポイント】
縦ではなく横方向に誘引すると花つきがよくなる

モッコウバラをどんな樹形にしていきたいかイメージを固まっていれば、剪定や誘引はスムーズです。SNSに投稿されたみんなのモッコウバラの実例を紹介するのでぜひ参考にしてみましょう。

モッコウバラをフェンスに誘引した実例です。開花の時期にはお庭全体をモッコウバラが囲い、とても華やかになります。

モッコウバラを壁面に這わせて仕立てた実例です。レンガ調の外壁にモッコウバラが映えておしゃれ！お庭にあまりスペースがなくてもこれならモッコウバラをたっぷり楽しむことができるでしょう。

モッコウバラを玄関のアーチに仕立てた実例です。かわいらしい黄色の花の下をくぐり抜けると、なんだかエレガントな気持ちになれそうですね。

こちらはモッコウバラを玄関のひさしに誘引した実例です。枝をひもで引っ張って雨樋にくくりつけているそうですが、白い可憐な花が頭上から降り注いでくるかのようでステキ！

アーチフェンスを購入して仕立てるのもいいですが、活用できるひさしなどがある場合はぜひマネしてみたいアイデアです。

支柱を使い、モッコウバラをまるで一本の木のように仕立てた実例です。黄色の花が垂れ下がってくるようすがかわいらしいですね。

こちらは、窓の面格子にモッコウバラを誘引した実例です。窓の目隠しとしても役立つでしょう。

モッコウバラは挿し木で増やすことができます。剪定で切った枝も使えるので、モッコウバラの数をもっと増やしたいという方はぜひ挑戦してみましょう。

モッコウバラを挿し木で増やしたい場合、適した時期は花が咲き終わったあとの5月～7月上旬頃です。冬の時期に挿し木をすることもできますが、初根しにくいので注意しましょう。

【手順】
①花が咲き終わったあとの枝を、切り口が斜めになるようにして枝先から10～15cmほどの場所で切り落とす
↓
②水の蒸発を防ぐため、葉を半分残してカットする
↓
③切り口を2時間ほど水に浸して給水させる
↓
④挿し木用土などに挿し、たっぷりと水やりをする
↓
⑤半日陰で土が乾かないよう管理する
↓
⑥2カ月ほどでポットの裏から根が見えたら植え付けできる

【モッコウバラの挿し木のポイント】
初根促進剤を切り口に塗ると初根が早まる

ここからは、モッコウバラの剪定以外のお手入れのポイントを見ていきます。

【地植えの場合】
モッコウバラを地植えにしている場合、雨だけで十分育つため基本的に水やりは不要です。ただし、夏場に雨が降らない日が続き土が極端に乾いている場合や、葉に元気がないときは早朝の涼しい時間に水やりをしましょう。

【鉢植えの場合】
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢全体に行き渡るように水やりを行ないます。ただし、水の与えすぎは根腐れの原因になるので気をつけましょう。

モッコウバラは多肥を嫌うため、肥料の与えすぎには注意が必要です。元気がないときには、花が咲いたあとと新芽が伸びはじめる時期に適量の緩効性粒状肥料を与えるといいでしょう。

肥料を与えるのは多くても月一回程度まで。また、9月以降は肥料を与えるのは控えましょう。

モッコウバラを鉢植えで育てている場合、数年に一度はひと回り大きな鉢に植え替えを行ないましょう。鉢のなかで根詰まりを起こすと、花つきや生育の妨げになることがあります。

モッコウバラは丈夫で病気にかかりにくい植物です。害虫にも比較的強いのが特徴ですが、アブラムシやハダニが発生することがあります。

もし害虫が発生してしまったら、葉を切り落とすなどして取り除きましょう。また、害虫の数が多い場合は薬剤を使って駆除します。

これらの害虫の発生を予防するには、日当たりや風通しを良くしておくことが大切。しっかりと剪定を行ない、枝や葉の混み具合を減らしておきましょう。