マダニはペットだけでなく人間にも影響が出る恐ろしい感染症を媒介する厄介な寄生虫です。吸血による貧血やアレルギー性皮膚炎を引き起こす可能性があるほか、バベシア症やライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)も引き起こすこともあります。
飼っている犬・猫についたマダニを見つけたら、できればすぐに動物病院に連れて行き治療を受けましょう。しかし、すぐに獣医にかかれない場合などは家にあるアルコールや酢を使う方法なども効果があります。
- 動物病院に行き獣医さんに診てもらう
- アルコールで取る
- お酢で取る
- ダニ用の除去器具で取る
今回は犬・猫についたマダニの取り方について特集!マダニを自分で取るメリット・デメリット、またアルコールを使う方法などマダニを自分で取る取り方3つと注意点を紹介します。マダニの予防対策も見ていくのでぜひ参考にしてください。
犬・猫のマダニの取り方は動物病院で?自分で? マダニを自分で取るメリット・デメリット
ペットにマダニがついた場合、できるだけ自分で取り除こうとせず動物病院で適切な処置を受けることが推奨されています。
吸血中のマダニはセメントのような物質を出して強固にくっついているため、かんたんには取れません。無理に引っ張るなどして失敗すると、ちぎれてマダニの口だけがペットの体内に残り、化膿や皮膚炎の原因になります。
また、マダニは体内にさまざまな細菌やウイルスを持っているため、取り除く際にうっかりつぶしてしまうのも危険です。
マダニを自分で取る方法には、費用を抑えられることや動物病院に行く時間が取れない場合でもすばやくマダニを駆除して感染症などのリスクを軽減できるなどのメリットがありますが、デメリットも踏まえた上で慎重に判断しましょう。
マダニの取り方1:アルコールで取る
犬や猫についたマダニを自分で取り除きたい場合はアルコールを使う方法が効果的です。アルコールを使うとマダニが外れやすくなり、無理に引っ張って口を体内に残してしまうリスクを軽減できます。
新型コロナウイルス感染拡大以降、手指消毒用にアルコールを常備している家庭も増えているためすぐに実践できるでしょう。
■マダニの取り方|アルコールを使う場合の手順
①消毒用アルコールをコットンにたっぷり染み込ませる
↓
②マダニを包み込むようにコットンをそっと押し当てる
↓
③しばらくするとマダニが自然に離れる
↓
④離れたマダニをピンセットや毛抜きでつぶさないようつまんで取り除く
↓
⑤取ったマダニはガムテープなどに貼りつけ、ぴったりと閉じ込めて処分する
■マダニの取り方|アルコールを使う場合の注意点
・マダニがちぎれて口が残る可能性があるため、自然に離れるのを待ち無理に引っ張らない
・コットンで押さえる際や取り除く際にマダニをつぶさないように注意
・顔まわりについたマダニを取る際は、ペットの目や鼻にアルコールが入らないよう気をつける
・消毒用アルコールがない場合は、度数の高いお酒でも代用可能
マダニの取り方2:お酢で取る
犬・猫についたマダニを取るには、アルコール以外にお酢も有効です。ダニは酢の匂いを嫌うため、噛みついていた口を離して移動してくれることがあります。
■マダニの取り方|お酢を使う場合の手順
①酢と水を1:1の割合で混ぜる
↓
②用意した酢水をコットンにたっぷりと含ませ、マダニを包み込むようにそっと押し当てる
↓
③しばらくするとマダニが自然に離れる
↓
④離れたマダニをピンセットや毛抜きでつぶさないようつまんで取り除く
↓
⑤取ったマダニはガムテープなどに貼りつけ、ぴったりと閉じ込めて処分する
■マダニの取り方|お酢を使う場合の注意点
・マダニがちぎれて口が残る可能性があるため、自然に離れるのを待ち無理に引っ張らない
・コットンで押さえる際や取り除く際にマダニをつぶさないように注意
・顔まわりについたマダニを取り除く際は、目や鼻に酢が入らないよう注意
マダニの取り方3:マダニ用除去器具で取る
ティックツイスター 大小2本セット
マダニはピンセットや毛抜きで取る方法もありますが、体をつぶさないように取り除くのはなかなかたいへんです。
釘抜きのようになっていてねじりながらマダニを外せるものなど、マダニの体をつぶさずに除去できるよう工夫されたツールも市販されているので、頻繁にマダニがついて困っているような場合はひとつ用意しておいてもいいでしょう。
アルコールや酢でマダニが上手に取れない場合 うまく取れないときなどは迷わず動物病院へ
アルコールなどを使ってもスムーズに外れてこない場合や、失敗して口が残ってしまった場合は迷わず動物病院に連れて行って診てもらいましょう。
また、マダニを駆除したあとでもペットに元気がないときなど、トラブルが見られた際は動物病院に行って診察を受けることをおすすめします。
マダニから愛犬・愛猫を守るための予防法は?
マダニの取り方以上に重要なのがマダニの予防方法。大事な愛犬・愛猫にマダニを寄せつけないための予防対策を4つ紹介します。
犬・猫につくマダニ対策1 ■マダニのいる草むらを避ける
マダニは草むらや茂みに潜み、吸血するために動物や人が通るのを待っています。散歩の際は、コースを工夫したりリードの長さを調整したりしてできるだけマダニが多く生息していそうな草むらにペットを近づけないことが大切です。
マダニの活動が盛んな春から秋にかけてはとくに注意しましょう。
犬・猫につくマダニ対策2 ■散歩前にペットの全身に酢水をスプレーする
マダニの取り方でもご紹介しましたが、ダニはお酢の匂いがニガテです。お酢と水を1:1で混ぜたものをスプレーボトルに入れ、散歩前にペットの全身に吹きつけるとマダニを寄せつけにくくなります。
また、酢水スプレーに虫除け効果のあるラベンダーの精油を混ぜるのもおすすめ。香りが良くなり虫除け効果もさらにアップします。
犬・猫につくマダニ対策3 ■散歩後に全身をチェックする
マダニは寄生する相手を見つけると、吸血しやすい場所に移動して噛みつき吸血が終わるまで離れません。吸血前のマダニは3mmほどの大きさですが、吸血後には1cmほどまで膨らみ、その時点でマダニが発見されることも多いです。
散歩から帰ったら、全身をくまなくチェックしてマダニが付着していないか確認することが重要。噛みつく前であれば簡単に駆除できますし、早期発見することで感染症などのリスクも減らすことができます。
【マダニがつきやすい場所】
「目のまわり」「鼻まわり」「耳」「おなか」「肛門まわり」など被毛の少ない場所
犬・猫につくマダニ対策4 ■マダニの予防駆除薬を定期的に投与する
マダニ対策にはフロントラインなどマダニの予防駆除薬の定期的な投与も有効です。
マダニが媒介する感染症にはSFTSなど犬や猫だけでなく人にも伝染し、命に関わる恐ろしい病気もあります。費用はかかりますが、ペットの健康のためだけでなく、人間の健康のためにもマダニ対策はしっかりと行ったほうがよいでしょう。
マダニの予防薬には皮下に滴下するスポットタイプやおやつタイプなど種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。また、副作用が出る可能性もあるため、かかりつけの獣医師に相談して処方してもらうといいでしょう。