紫陽花(アジサイ)は剪定をしなくとも6~7月に花が咲きます。しかし、大きさをキープしたり、よりキレイに花を咲かせるにはやはり剪定が大切。本記事では、剪定の方法などを解説していきます。
【紫陽花の剪定時期・目的】
・花後の剪定の目的
・休眠期の剪定の目的
・強剪定の目的
【紫陽花の剪定の手順】
・花後の剪定の手順
・休眠期の剪定の手順
・強剪定の手順
業者に依頼する時のポイントやお手入れのコツも解説しているので、ぜひご覧ください。
紫陽花の剪定時期・目的
紫陽花は剪定をしなくとも夏以降に伸びた枝から花が咲いていきます。ただ、放置しておけば大きくなる他、風通しや日当たりが悪くなるので、定期的に剪定するのがおすすめです。
夏の剪定の目的 ■花後の剪定の目的
花後の剪定とは、花が咲いた後に枝を切り戻す作業のこと。花期が終わった後に行いましょう。7月の半ばがベストです。
なぜこの時期に行うのかと聞かれると、紫陽花は夏の終わりから秋にかけて花芽が育つため。この花芽を切ってしまうと、来年の花が咲かなくなってしまいます。誤って花芽を切らないために、花芽が育つ前に剪定をしましょう。
【紫陽花の花が終わるサインは?】
テマリ状(ホンアジサイなど)に咲く紫陽花は、真ん中の小さな粒が開いた状態が花が咲いた状態です。
開花から数日するとガクが色あせてくるので、それが花の終わりのサインだと覚えておきましょう。
ガクアジサイ(ダンスパーティー、城ヶ崎など)はガクが裏返ってうつむいた状態が花の終わりのサインです。
夏に剪定をしておけば、次の年からの花付きが良くなります。
冬の剪定の目的 ■休眠期の剪定の目的
紫陽花は11~12月に休眠期に入ります。この時期には、混み合った枝を整理して風通しをよくするために剪定が必要です。日当たりを良くして、蒸れにくくなるメリットがあります。
ただし、毎年ではなく枯れた枝や混み合った枝が増えて大きくなりすぎたと感じた年にだけ行います。来年のための花芽まで切り落とさないように注意しましょう。
大きくなりすぎた時の対処法 ■強剪定の目的
数年に1度、大きくなりすぎた紫陽花を一定のサイズに保つためには夏に強剪定が必要です。すべての枝を株元近くで切り落とし、コンパクトなサイズに仕立て直すのが目的になります。
枝を切ってしまうので、来年には花が咲くことはありません。ただ、紫陽花は生命力が強いので落とした部分からは脇芽が生えて、翌年に枝が伸びてきますよ。
紫陽花の剪定の手順
それぞれの目的に応じた剪定の方法について解説していきます。なお、毎年推奨なのは夏の花後の剪定であり、冬の剪定は紫陽花が大きくなりすぎた時だけでOKです。
夏はその年に花がついた枝を剪定する ■花後の剪定の手順
開花期が終わった7月の半ば~9月の初旬までには、剪定バサミでの剪定を行います。この時切り落とすのは、その年に花が咲いた枝です。
【夏の剪定の手順】
1:紫陽花の花の2~3節目に目があることを確認する
2:剪定バサミで芽の約2cm上で切る
冬の剪定は枯れ枝・余分な枝を落とす ■休眠期の剪定の手順
11月から翌年3月頃の葉っぱが落ちた時期には、大きくなった紫陽花を小さくするための剪定を行います。
【休眠期の剪定の手順】
1:枯れた枝を剪定バサミで切り取る
2:混み合った枝を剪定バサミで切り取る
枯れた枝を見分けるコツは、色が白っぽくなったかどうか。一部だけ枯れている枝は、枯れた部分だけでOKです。
混み合った枝の剪定は風通しが良くなることを意識して、混み合っている部分だけを剪定していきます。
大きくなりすぎた年は夏に枝を株元から落とす ■強剪定の手順
紫陽花が大きくなりすぎ、コンパクトにしたい時は強剪定を行います。時期は花が終わってからなるべく早い時期がおすすめです。
強剪定のコツは、すべての枝を枝元から1~2節の脇芽の上で切ること。根本からの高さ30cm前後付近を切るのがおすすめです。
葉を無くすと枯れてしまう種類もあるので、剪定前に確認しましょう。すぐに枯れてしまう種類は、一番下の葉っぱの付け根の芽の上を剪定して、葉っぱを残すようにすると大丈夫です。
紫陽花の剪定を業者に依頼するポイント
紫陽花は花芽を落としてしまうと来年には花が咲かないので、自信がない時は専門家に頼むのも手。剪定の費用は樹高の高さや幅で決まることが多いです。
【庭木の剪定費用相場】
0m~3m未満:約3,000~4,000円
こちらは木のサイズによる費用の相場なので、ここに人件費・ゴミ処理代が追加されていきます。
業者を選ぶ時には、無料で見積もりをだしてくれる業者を選びましょう。その中から日時・費用が適切な業者を選べばOK。
口コミを参考にするのも大切です。
紫陽花のお手入れのポイント
紫陽花は初心者でも育てやすい生命力の強い花です。ここでは、キレイに楽しむお世話のコツを解説していきます。
紫陽花は苗で植えるのがおすすめ ■植える場所・時期のポイント
紫陽花を庭に植えるなら、3~4月か9月がおすすめ。
良く育つのは適度に日が当たり、水はけが多い場所です。明るい日陰や日の当たる時間がある日陰がおすすめです。品種によって微妙に差があるので、植える前に確認しましょう。
この時注意したいのは、風よけがあるかどうか。花芽は冷たい風が当たると枯れてしまうので、注意しましょう。
【植える土の注意点】
紫陽花は酸性の土壌で青色系、アルカリ性の土壌でピンク系になる特徴があります。好みの色に合わせて土壌を作りましょう。
紫陽花の大敵は乾燥 ■水やり・肥料のポイント
紫陽花は乾燥に弱い植物です。庭木なら夏は朝と夜に土を観察しましょう。土の表面が乾いたらたっぷりと水をやればOKです。品種によっては加湿に弱い場合があるので、確認しておきましょう。
冬であれば一日一度、根元にジョウロでたっぷりと与えておけばOKです。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたタイミングで与えるのがおすすめ。ジョウロで鉢底から水が流れ出るまで水やりしておきましょう。
肥料を与えるなら、緩効性の有機質肥料がおすすめ。3~4月と7~8月、12~2月上旬に一回ずつ与えましょう。
紫陽花は加湿・雑菌に弱い植物 ■害虫・病気対策のポイント
紫陽花は害虫にも病気にも強い植物ですが、加湿や雑菌で病気にかかることはあります。剪定で風通しをよくして予防しましょう。
病気になった部分は早めに切り落とし、切り落とした部分に殺菌剤をまくと安心です。
かかりやすい病気は黒点病と炭そ病。葉っぱに斑点ができるので、見つけ次第切り落としましょう。葉っぱが白くなるうどんこ病のリスクもあるので、その場合も葉っぱを切り落として対処します。
注意したい害虫は葉の裏につハダニや幹の中にいるカミキリムシです。葉っぱや株が枯れた時に斑点がなければ、カミキリムシを疑いましょう。穴が開いた茎があればカミキリムシの可能性が高いです。
ハダニに関しては、葉裏に水を吹きかけると予防と除去になるので、葉っぱが変色した時に試してみましょう。
挿し木で増やすのがおすすめ ■増やし方のポイント
紫陽花を増やす時は、挿し木がおすすめです。剪定で出た枝を再利用しましょう。
【挿し木の手順】
1:夏剪定で出た枝を10~15cm程度に切りそろえる
2:葉っぱを2枚残す
3:切り口をカッターで切る(枝全体を7~8cmにするイメージ)
4:1~2時間ほど水に切り口を浸す
5:土を入れた容器に割りばしで穴を開ける
6:枝を土に2~3cmに挿し込む
7:日陰で1~2か月育ててから地面・植木鉢に植える
挿し木を育てる時は、土が乾燥しないように気をつけましょう。土は赤玉土がおすすめです。