”庭の木にツルが巻き付いて困る”、”ツルを切ってもすぐに伸びる”など雑草の悩みを抱えていませんか?ツルが巻き付く雑草はおそらくヤブガラシでしょう。
ヤブガラシは土の中で根を広げてツルは伸びていき、駆除しなければヤブガラシで覆われてしまいます。ヤブガラシは雑草の中でも生命力が強く、できるだけ早く駆除するのがいいと言われている植物です。
厄介な雑草ランキングを見るとヤブガラシのしぶとさがわかるでしょう。わずかな根が残っているだけでも生きることができる強さや、他の植物を巻き込むことから上位に君臨しています。ヤブガラシでお困りの方は、駆除方法や予防策をチェックして二度と生えてこないようにしましょう。
ヤブカラシの生態とは?
最初にヤブガラシの生態をご紹介します。ヤブガラシはブドウ科のヤブガラシ属の雑草で、ビンボウカズラ・ビンボウグサ・ビンボウヅル・ビンボウカヅラとも呼ばれている植物です。林や森・やぶの近く・庭などに生えており身近な植物と言えるでしょう。
ヤブガラシは地中茎とツルを伸ばして成長するのが特徴です。地中茎は土の中で根を伸ばして他の植物の根に絡み付き、ツルはフェンスや木に巻き付いて約2m~3mまで伸びます。
土の中に地中茎がわずかに残っていると、ツルを切り取っても再び芽を出すため非常に厄介な雑草です。また、ヤブガラシは花や実を付ける植物で、7月~9月になると淡い緑色の小さな花が咲きます。花が咲き終わると濃い紫色をした小さなブドウのような実を付けるのが特徴です。
ヤブガラシは、北海道・本州・四国・九州・沖縄などで確認されており、海外では東アジアから東南アジアで生息していることがわかっています。
ヤブガラシが及ぼす被害
”所詮、ヤブガラシは雑草でしょ?”などと甘く見ていると、とんでもない事態になるかもしれません。ヤブガラシは生育旺盛でありつつも頑丈な雑草で、被害は一般家庭に留まらず農家も頭を悩ませるほどです。
被害をもたらす大きな原因はツルで、他の植物に巻き付いて最終的には枯らします。では、ヤブガラシが他の植物を枯らす流れを見てみましょう。
■ヤブガラシの根は他の植物に絡み付き、ツルは四方八方に伸びて他の植物に巻き付く
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■根はますます絡み付き、ツルも巻き付いている範囲が広がる
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■他の植物はヤブガラシの葉で覆われて日が当たらなくなる
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■他の植物は光合成ができなくなって枯れる
ヤブガラシの被害に遭わないためには、芽が出た時点やツルの範囲が広がる前に駆除するのが良いと言われています。また、ヤブガラシの範囲が広くなると駆除作業が大変で、手間と時間がかかるため早めに対処しましょう。
ヤブガラシの駆除方法3つ
"ヤブガラシは厄介な植物で”駆除が難しい雑草”と言われていますが、ポイントをおされば駆除することができます。ヤブガラシの駆除作業はツルや虫から身を守るために、軍手と長袖長ズボンのスタイルで肌の露出を少なくし虫避けスプレーも用意しましょう。
ヤブガラシの駆除方法1|除草剤を使わない方法 ■①根から抜き取る
ヤブガラシを手で抜き取って駆除する時は根を残さないようにするのがポイントです。ヤブガラシはしつこい雑草で根が残っていると芽が出てきます。三角ホーや草取りフォークなどの道具があると便利で、土を掘り起こしながらヤブガラシを抜き取りましょう。
ヤブガラシの駆除方法2|除草剤なら手軽 ■②除草剤を散布する
手作業でヤブガラシの根を抜き取るのが面倒な方や、ラクして駆除したい方は除草剤が便利です。
ヤブガラシ全体に除草剤を散布すると根を枯らす効果があるため、根から引き抜く手間がありません。ただし、除草剤は成分が強く素手で触れると肌荒れを引き起こしたり、ヤブガラシの近くにある植物も枯らしてしまいます。ヤブガラシの駆除で除草剤を使う際は取り扱いに注意しましょう。
ヤブガラシの駆除方法3|巻く!? ■③ツルを巻いて地面に置く
除草剤以外でヤブガラシを駆除するならツルを巻き付ける方法があります。
やり方は、ヤブガラシのツルが切れないように注意しながらクルクル巻きましょう。イメージはコードを巻き付ける感じや植物で王冠を作る感じです。
ヤブガラシのツルがフェンスや他の植物に巻き付いている場合は、解く時に切れやすいため慎重に行いましょう。ヤブガラシをクルクル巻いたら地面の上に放置します。
即効性がある駆除方法ではありませんが、ヤブガラシの根から引き抜く方法よりもラクなうえに簡単です。ツルを巻いて地面に置くだけで駆除できる理由は水分が行き届かなくなるからです。巻いたツルは約20日で黒くなり、さらに10日程経つと乾燥して茶色くなります。
ヤブガラシの地下茎や根を枯らせる方法
ヤブガラシを駆除するためには地中茎や根を枯らさないといけません。地中茎や根を枯らす方法は2つあり、除草剤を使うかツルを巻いて地面に置きます。
薬剤で駆除することに抵抗がなければ除草剤が手っ取り早いでしょう。除草剤には様々な種類がありますがヤブガラシは栄養分を根に溜め込む植物のため、根を枯らすタイプを選ぶのがポイントです。おすすめはグリホサート系の除草剤で、サンフーロンやラウンドアップなどを散布して駆除します。
植物を栽培しているなどの理由で除草剤を使いたくない方は、ヤブガラシのツルを巻いて地面に置きましょう。
ヤブガラシにはスズメバチが集まる?
スズメバチと聞くと花をイメージする方も多いのではないでしょうか?ヤブガラシの花は蜜が多いことで知られており、蜜が大好きなスズメバチはヤブガラシに集まります。
また、スズメバチの目的はヤブガラシの蜜だけではありません。ヤブガラシには様々な昆虫が付いており、幼虫のエサにするために集まることもあります。
スズメバチと聞くと巣が気になる方もいるでしょう。スズメバチはヤブガラシの花の蜜や虫を目当てに集まりますが巣を作ることはありません。ただ、ヤブガラシがあるだけでスズメバチは集まるため、駆除作業を行う際は注意が必要です。
ヤブガラシの駆除に成功|予防策もぬかりなく
ヤブガラシを駆除した後は二度と発生しないように2つの対策を行いましょう。
ヤブガラシ駆除に成功したあとの予防策1 ■①防草シートで成長を阻害する
ヤブガラシの発生防止でよく使われるのが防草シートです。防草シートを地面に敷くと、日光が遮断されヤブガラシの発育を阻害することができます。
防草シートは隙間を作らないように敷きましょう。隙間があるとヤブガラシの種子が入り発芽する可能性があるため、隙間ができないように敷くのがポイントです。
ヤブガラシ駆除に成功したあとの予防策2 ■②砂利も使える
砂利も日光を遮る効果がありヤブガラシの予防対策に役立ちます。砂利は隙間なく敷き詰めて、土に日光が当たらないようにするのがポイントです。
ただし、砂利は防草シートのようにピンで固定することができないため、砂利の量や使用状況によって土が露出することもあるでしょう。
砂利でヤブガラシ対策を行う際は、防草シートの上に砂利を敷く方法がおすすめです。砂利は重しの代わりになり、防草シートを保護しながらヤブガラシの予防対策ができます。
ヤブガラシは実は食べられる?
山菜など植物の中には食べることができるものもありますが、ヤブガラシはどうなのでしょうか?ヤブガラシの場合、生食は不向きで調理すれば食べることができます。
ヤブガラシを食材として活用する場合は、アク抜きをしてから調理するのが基本です。ヤブガラシはアクは強いため、茹でた後は一晩置いてしっかりアク抜きをしましょう。
ヤブガラシ料理の一例は、胡麻和え・味噌汁・おひたし・大根おろし和え・天ぷらなどがあります。おすすめは天ぷらで、ヤブガラシのえぐみやクセがなく美味しいそうです。ヤブガラシ料理はアレンジ次第で様々な食べ方ができるため、気になる方はSNSなどをチェックしてみましょう。
ヤブガラシ駆除業者の料金目安
”ヤブガラシの駆除作業は面倒”と思っている方はいませんか?ラクして確実にヤブガラシの駆除をするなら業者へ任せましょう。ヤブガラシの駆除を業者へ依頼すると、どれくらいかかるのか料金目安をご紹介します。
ヤブガラシの駆除料金は1㎡あたり500円が目安です。基本的に駆除料金は範囲で決まりますが、土の状態や巻き付いている状況などによって料金がプラスになることもあります。
また、ヤブガラシの駆除以外に、予防対策も依頼する場合の料金目安は1㎡あたり2,000円です。次の料金目安を参考にしましょう(全て1㎡の料金)。
・防草シート(ピン止め込み):2,000円~
・人工芝(ピン止め込み):4,500円~
・砂利:2,000円~
・ウッドチップ:4,000円~
・固まる土の施工:(草取りや整地代込み):8,000円~
ヤブガラシの駆除や予防対策の料金は業者によって違います。見積もりは複数社とり料金などを比較してから決めましょう。
ヤブガラシ駆除のまとめ
ヤブガラシは本当に厄介な雑草で、駆除しないと根は土の中で広げていきツルも伸びます。ヤブガラシは放置すると他の植物を枯らしたり、外観を損ねる原因にもなるため放置厳禁の雑草です。
自分で駆除することもできますが、手がつけられないほど範囲が広い場合や確実に駆除したい方は業者に依頼しましょう。