クスノキの剪定は業者に頼むことが一般的ですが、剪定方法やタイミングを判断できれば、自分で剪定することも可能です。しかし、クスノキの剪定方法にはコツがあり、クスノキそのものの特徴を押さえたうえで剪定をしなければなりません。
大切なクスノキが枯れてしまうリスクや注意点についても確認し、正しい方法でクスノキの剪定をしましょう。
クスノキの特徴
クスノキは非常に大きく成長することが有名な常緑高木です。幹が10cm以上になる大きな木もあります。緑地や公園、マンションの敷地内、神社といった様々な場所で植えられていますが、都心部の一軒家の庭では植えられることは少ないといえるでしょう。
初夏に花が咲き、秋には実がなりますが観賞用として楽しむ人は少ないといわれていますが、明るい色味の葉っぱが魅力です。葉っぱ1枚は1年ほどで寿命を迎え、新しい芽が出る初夏には葉が落ちます。葉っぱにはダニ室と呼ばれる部分があることが特徴です。
幹は緑色から少しずつ褐色に変化し、傷がつくことで香りを発します。成長が早く、剪定しなければ大きくなる丈夫な木であり、若いうちは半分日陰の状態でも育つものの、一般的には日当たりが良い場所で成長します。
湿度が高い場所で成長しやすいですが寒さには強く、植えるのは初夏から梅雨の時期もしくは秋であり、移植が難しいことも特徴です。
クスノキの剪定時期とは
芽吹く前の春に剪定をするケースが多く、クスノキの剪定に最適なタイミングですが、すぐに成長してしまうため剪定の間隔が短くなります。
また、4月に剪定を行うと花を見れなくなってしまう点にも注意が必要です。夏に剪定をする場合、枝先を剪定するだけであれば良いですが、幹が見えるほど剪定をすると一部が枯れてしまう場合があります。
夏は強剪定をすることによって日光で木が焼けて弱ってしまうため、剪定をしすぎないようにしなければなりません。基本的には、春と夏に剪定するよりも秋に剪定した方が良いでしょう。
10月中頃から11月中頃までにクスノキの剪定をすることで、剪定の回数を一年に一回で済ませることが可能です。秋の剪定は強剪定をしても良く、夏とは異なり日差しも弱いため枝透かしをし過ぎても木が焼けることはないでしょう。
さらに、太い箇所から切って形を作るのであれば冬の休眠期に作業をした方が良いといえます。ただし、冬に剪定をする場合、成形するだけであれば良いですが枝先を剪定することで枯れてしまうため注意が必要です。
クスノキの剪定時期は基本的にはいつでも良いといえますが、タイミングによっては強剪定や枝を整える剪定だけなど、剪定方法を変える必要があります。
クスノキの剪定時期を見極めるのは簡単なことではありませんが、これらのことを踏まえると、初秋に剪定をするのが最適だといえるでしょう。
クスノキの剪定方法
クスノキは高さがあり、クスノキの剪定をする際には高い場所で作業をするための車を使用するケースが一般的ですが、個人で行う場合には木に登って剪定をしなければなりません。個人で行うクスノキの剪定方法について3つのステップで紹介します。
【クスノキは上の部分から剪定 】
クスノキを剪定する場合には、木の上から下に向かって徒長枝、絡み枝、枯れ枝を抜きながら徐々に下に向かって剪定作業を行います。
木に登ってしまうと枝を確認しにくくなるため、1人で作業せず木の下から第三者に見てもらい、どのように剪定を進めれば良いのか声をかけてもらいながら作業をすると良いでしょう。
クスノキは非常に枯れ枝が多いため折れやすく、簡単に折れてしまうので注意しましょう。さらに、古くなった枝は枯れ枝と区別することが難しいため、しっかり確認しながら登る必要があります。
【不要な枝を剪定する】
剪定作業の状況をチェックしながら、次にどの部分を剪定すれば良いのか慎重に行えば見た目が綺麗に仕上がります。不要な枝については、枝が生えている根元からしっかり切りましょう。
不要な枝を見分ける方法としては、周囲の枝と交差している枝、もしくは入り組んでいる枝です。例えば、枝が3箇所から同じ方向に伸びている場合、中心の枝を剪定しましょう。
細かな部分はY字になるように剪定をすることがポイントです。ただし、一箇所枝を剪定しただけで見た目がすっきりと仕上がらないのであれば、残った枝の先を少し切る方法も有効でしょう。
【葉も取り除く】
剪定の際は、不要な葉っぱも取り除かなければなりません。葉っぱの上の部分は少なく、下の部分を多く残すことによって全体の形がきれいに仕上がります。切る部分、残す部分を判断して作業することが大切です。
クスノキの剪定する際の注意点
クスノキは葉っぱや枝が非常に柔らかいため、折れやすいことが特徴です。さらに、高い木の上に登って作業をするため、木から落下すると大きな怪我を負ったり命に関わる場合もあるため、クスノキに登って剪定をするのは非常にリスクが高いことを認識しておく必要があります。
そのため、木に登って剪定作業する場合には下から全体の状態を確認する人を配置し、役割分担をしながら剪定をすることでリスクを軽減しましょう。
クスノキは成長が早いため剪定費用がかかりますが、個人でクスノキの剪定をする場合には怪我を負う危険があるため無理をせず、不安な場合には業者に依頼する必要を依頼することが大切です。
クスノキが枯れる原因とは?
クスノキが枯れる原因は冬に枝の先を細い枝の先を切ってしまうこと、夏に強剪定をして木の肌が焼けて弱ってしまうこと以外にも、病害虫による被害が挙げられます。
クスノキが枯れる原因になるのは、クスサンとビロード病です。クスサンは、クスノキだけではなく様々な広葉樹に寄生する小さな黒い虫ですが、成長すると体長はおよそ10cm程度の大きな虫に成長します。木の割れた部分や分枝に卵を産むため、幼虫や成虫、卵を取り除く必要があり、群れになっている場合には枝を切り落として除去しなければなりません。
ビロード病は、病原菌が原因でフシダニによって起こる被害です。葉っぱの裏に褐色の斑点ができ、葉の形が悪くなり全体の見た目が悪くなります。生えている葉っぱだけではなく、落ち葉も全て焼いて処分しなければなりません。
業者に依頼する場合の費用目安
業者に依頼する場合、日当制、時給制、単価制など業者ごとに費用の設定が異なります。日当制と時給制の場合は地域によって異なりますが、作業人数が1人の場合、1日1万5,000円~3万円が相場です。
都心の場合は高く地方は安い傾向にあります。時給制の場合は1時間2,000円~3,000円程度が相場であり、時給制や日当制の業者は料金に若干幅があるためしっかりと比較して選ぶことが大切です。
単価制の場合は、クスノキ1本○○円といった料金設定であり、クスノキの大きさによって単価が異なります。
高さ0~3m未満:3,000円程
高さ3~5m未満:6,000~7,000円程
高さ5~7m未満:1万5,000~1万7,000円程
一般的に、クスノキの剪定費用だけではなく剪定を行うことによって出たゴミの処分費用もかかるため注意しましょう。相場は45Lのゴミ袋でが500円ほど、軽トラック1台分のゴミであれば5,000円が相場です。
業者によっては、クスノキの剪定費用の中にゴミの処分代が含まれているケースもあります。ゴミの処分費用が別途必要な場合でも、自分で処分するのであれば業者に支払う費用はかかりません。
また、剪定業者によっては作業に使う車の駐車代や遠くから作業に来る場合には出張費用といった様々な費用がかかるケースもあるため、費用の内訳を事前にしっかり確認することが大切です。
まとめ
クスノキは1年の間で非常に成長することが特徴であり、毎年剪定を行わなければなりません。しかし、いつ頃剪定をすれば良いのか分からないというケースがあります。
また、クスノキは全体が大きいため、どの部分から剪定作業を行えば良いのか分からないというケースも多いです。しかし、順序を守って作業を行えば難しいものではありません。
タイミングを見極めて、安全に配慮しながらクスノキの美観を維持しましょう。