テレビを見ている時やエアコンを使っている時、急にブレーカーが落ちたことはありませんか?私たちの生活で欠かせない電気は、ブレーカーが落ちると電流を供給することができなくなります。
通常、ブレーカーが落ちることはあり得ません。なぜなら、ブレーカーは電流を安定させて電化製品を正常稼働させる役目があるからです。ブレーカーが落ちる時のパターンは様々で、頻繁に落ちる場合やブレーカーを上げてもすぐに落ちる場合があります。
今回は、ブレーカーが落ちる原因や予防策などをまとめました。また、ブレーカーが落ちた時、対処の仕方によっては電気事故に発展する可能性もあります。ブレーカーを正しく戻す方法もチェックしましょう。
ブレーカーの種類と役割
最初にブレーカーの種類と役割をご紹介します。どこの家庭にもあるブレーカーは、3種類(アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、安全ブレーカー)あることをご存知でしょうか?
ブレーカーはそれぞれ役割が違い、安全に電気を流すための装置と考えましょう。3種類のブレーカーは全て分電盤(四角形の入れ物)に収まっています。なお、ブレーカーの配列は電気会社によって違いますが、参考までに配列例をご覧ください。
【ブレーカー配列の例:ブレーカーを正面に見た場合】
・左:アンペアブレーカー(色付き、レバーが一番大きいこともある)
・右(真ん中):安全ブレーカー(小さなレバー、黄色や赤色で小さい丸がある)
・下(右):漏電ブレーカー(小さなレバーがいくつも並んでいる)
■アンペアブレーカー
アンペアブレーカーは家庭に電気を流すためのメインブレーカーです。アンペアブレーカーは、分電盤に30アンペア(A)や40アンペア(A)などの記載があります。
アンペア(A)数は建物全体に電気を流す量を指しており、ブレーカー部分は緑色や黄色などで色分けしているのが特徴です。ブレーカー部分の色分けは各電力会社が決めています。
■漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは漏電した時に作動するものです。分電盤に漏電ブレーカーと記載されているため、配置場所はすぐにわかるでしょう。ブレーカー以外に、テスト用ボタンや復旧用ボタン(黄色や赤色で小さい丸)が付いています。
■安全ブレーカー
安全ブレーカーは電気配線がある部屋や場所(風呂場、洗面所、トイレ、玄関、キッチンなど)へ、個別に電流を送っているブレーカーです。
また、安全ブレーカーは部屋や場所ごとにアンペア(A)数が決まっており、全て同じアンペア数とは限りません。例えば、風呂場は20アンペア(A)ですが、玄関は10アンペア(A)などバラバラです。
ブレーカーの落ちる原因【アンペアブレーカー】
エアコン、電子レンジ、ドライヤーなどを同時に使っている時、建物の電気が全て停まったことはありませんか?アンペアブレーカーは契約しているアンペア数(A)を越えると、建物の電気が全て停止してブレーカーが落ちる仕組みです。
ブレーカーの落ちる原因【漏電ブレーカー】
漏電ブレーカーが落ちる原因は、建物に内蔵されている電気配線や、家電製品の配線が漏電すると電流を停止させます。漏電ブレーカーが落ちる時はアンペアブレーカーが落ちる時と同じで、建物全体の電気が全て消える仕組みです。
漏電ブレーカーが落ちる原因は他にもあります。電化製品そのもの故障や配線の劣化も漏電ブレーカーが感知する原因です。原因が何にせよ、漏電ブレーカーが落ちると火災や感電の危険性があります。漏電による被害に遭わないために原因を突き止めないといけません。
ブレーカーの落ちる原因【安全ブレーカー】
キッチンの電気はついていても、洗面所や風呂場の電気が消えることもあるでしょう。安全ブレーカーが落ちると、建物の一部だけ電気がつかない現象が起きます。安全ブレーカーが落ちる原因は、部屋や場所ごとに設定しているアンペア(A)数を越えたことによるものです。
ブレーカーが落ちた時の対処法
ブレーカーが落ちた時の復旧方法をご紹介していきます。特に注意したいのが漏電ブレーカーの対象方法で、慎重に作業を行い復旧させましょう。
【アンペアブレーカー】
冷蔵庫など常に電気を使っている電化製品を除き、全て電源を切ってから落ちたブレーカーを上にあげます。電化製品の電源を切る理由は、ブレーカーを上にあげた時、再びアンペア(A)数を越えて落ちるのを防ぐためです。
【漏電ブレーカー】
漏電ブレーカーが落ちた時は、漏電している場所を探りながら復旧させないといけません。最初に全ての安全ブレーカーを切ってから、漏電ブレーカーを上にあげます。
次に安全ブレーカーのスイッチを1つずつ入れていき、安全ブレーカーが落ちる部分があった場合は漏電の可能性が高いです。安全ブレーカーが落ちた部屋や場所を確認して、電化製品の故障や配線の破損を確認しましょう。
【安全ブレーカー】
安全ブレーカーの復旧方法はアンペアブレーカーと同じです。
ブレーカーが落ちないための予防策
例えば、ドライヤーで髪の毛を乾かしている時、ブレーカーが落ちるとストレスを感じる方もいるでしょう。電気のある生活を快適に過ごすために、ブレーカーが落ちるのを防ぐ方法をご紹介します。
【1度に大量の電力を消費しない】
同時に複数の電化製品を使わないようにして、アンペア(A)数を越えないようにしましょう。例えば、電子レンジを使っている時はドライヤーとエアコンを使わないようにします。アンペア(A)数の範囲内であれば、アンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちることはありません。
【アンペア(A)数をアップさせる】
ブレーカーが落ちる原因は、アンペア(A)数が不足していることも原因の1つです。アンペア(A)数を増やすと、今よりもブレーカーが落ちる頻度は少なくなります。
アンペア(A)数を増やすことに躊躇する方は、電化製品を分散して使いましょう。結果次第でアンペア(A)数を増やしてもいいかもしれません。
ブレーカーが落ちないためのアンペア(容量)目安一覧
ブレーカーを落とす原因を作らないために、家庭でよく使う電化製品のアンペア(A)数を確認してみましょう。ただし、あくまでも目安であり、アンペア(A)数はメーカーや製造年月日などによって変わります。
【エアコン暖房冷房】
・共に10畳用エアコンの平均値
・暖房:6.6アンペア(A)/起動時:20アンペア(A)
・冷房:5.8アンペア(A)/起動時:14アンペア(A)
【テレビ】
・液晶4型:2.1アンペア(A)
・プラズマ42型:4.9アンペア(A)
【冷蔵庫】
・450L:2.5アンペア(A)
【掃除機】
・強:15アンペア(A)
・弱:2アンペア(A)
【IH】
・ジャー炊飯器5.5合で炊いた時:13アンペア(A)
・クッキングヒーター200V:20~58アンペア(A)
【電子レンジ】
・30L:15アンペア(A)
【乾燥機】
・ドラム式洗濯乾燥機で洗濯と脱水容量は9kg
・洗濯:2アンペア(A)
・乾燥:13アンペア(A)
【食器洗い乾燥機】
・100V卓上式:13アンペア(A)
【ドライヤー】
・12アンペア(A)
電化製品は起動させた時が最も電力を消費し、アンペア(A)数は稼働している最中よりも高くなります。特にエアコンは電化製品の中でも起動時の消費電力が高いです。冷暖房を多く使うシーズンは、ブレーカーが落ちる原因になる代表的な電化製品と言えるでしょう。
また、稼働中でも電力をたくさん必要とする電化製品は、ブレーカーが落ちやすいです。例えば、IHクッキングヒーターや電子レンジなどが挙げられます。
ブレーカーの落ちる原因が不明の時
ブレーカーが落ちる時は必ず原因がありますが、わからないケースもあるでしょう。ブレーカーが落ちる原因がわからない時は、早急に対応しないといけません。素人では対応することができないため、契約している電気会社や電気工事を行っている業者へ依頼しましょう。
ブレーカーが落ちる原因がわからないまま放置するのは危険です。原因が漏電ブレーカーにある場合は、電気事故を引き起こす可能性があります。
まとめ
ブレーカーは電気を安全に正しく使うことができているかを判断する、バロメーターのような存在です。通常、ブレーカーが落ちることはありませんが、何かしらの原因で落ちた時は適切に対処して復旧させましょう。