アクセサリーやメガネなどの金属製の物や、硬貨といった銅製の物に緑色の汚れが付着していることがあります。
金属や銅に付着している汚れは緑青(ろくしょう)と呼ばれる汚れであり、青錆とも言われます。落とさずに放置するとアクセサリーや硬貨そのものが変色するため注意が必要です。
そこで、金属製の物や銅製の物に付着した緑青の汚れの落とし方と、緑青の発生を予防する方法を紹介します。
緑青(青錆)とは?毒性は?
緑青とはサビの一種であり、青錆(青サビ)と呼ばれることもあります。緑色で有害な汚れのように見えますが肌に少し触れる程度であれば健康を害することはありません。1984年に、厚生労働省が「緑青は無害である」と毒性がない旨を発表しています。
緑青が原因で健康を害するリスクは極めて低いですが、見た目が悪く、他の物にサビが付着することがあるため注意しましょう。
緑青が発生した直後で、金属製や銅製の物にサビが定着するまでの間は、緑青が触れた布に色移りします。そのため、日常的に使用する物に発生した緑青は放置せず、すぐに拭き取るようにしましょう。
なお、緑青が発生してから時間が経っており、金属製や銅製の物に定着した後であれば色移りすることはありません。真鍮の風合いを出したい場合には、あえて緑青を拭き取らずに使用することもあります。
緑青の発生原因
緑青が発生する原因の1つは、金属製や銅製の物に塩分や水分が付着すること
です。例えば、銅でできている硬貨、真鍮や金属でできているアクセサリーは肌に触れる機会が多く、汗や皮脂が付くことで緑青ができます。
汗や皮脂が付着したアクセサリーや硬貨をメンテナンスせずに放置すると、すぐに緑青ができてしまうでしょう。
緑青そのものは、金属製や銅製の物を劣化させることはありません。反対に、酸化を予防する効果が期待できます。
しかし、緑青が付着したままの状態では金属や銅の輝きがなくなるうえに、服に色移りすると除去するのに手間がかかるため、緑青ができないように予防することも大切です。
緑青の落とし方【服】
金属製や銅製のパーツ部分を除き、服そのものに緑青が発生することはありません。しかし、緑青が発生したアクセサリーを身に付けていると、服に緑青が付着します。
服に付いた緑青の汚れは、下処理をせずに洗濯機で洗っても落とせない可能性が高いです。そこで、服に緑青が付着した場合に落とし方を紹介します。
■①道具を準備する
服に移った緑青の汚れは、以下の道具を使って下処理をします。
・綿棒
・レモン汁もしくはクエン酸
レモン汁やクエン酸は、緑青が付着している範囲に合わせて量を調整しましょう。
■①服が色落ちしないかをチェック
服に付着した緑青は、レモン汁もしくはクエン酸を使用して下処理します。レモンやクエン酸といった強い酸性の成分は緑青の汚れを溶かす作用が期待できますが、色柄物は色落ちする可能性があるため注意が必要です。
そのため、綿棒にレモン汁やクエン酸を付けて、服の裾といった目立たない箇所に塗って色落ちをしないか確かめましょう。
■②レモン汁かクエン酸で下処理
服が色落ちしていないことを確認したら、下処理をします。緑青が付着した場所にレモン汁、もしくはクエン酸を溶かした水を塗りましょう。
浸透させたレモン汁やクエン酸が乾く前に、水で洗い流します。
■③洗濯機で洗う
下処理をした服を洗濯機に入れ、通常通りに洗濯します。服を乾かしたら完了です。
緑青の落とし方【風呂や蛇口】
風呂や蛇口に緑青ができた場合は、重曹を使用して除去しましょう。重曹をペースト状にして塗ると、高い除去効果が期待できます。
■①道具を準備する
風呂や蛇口にできた緑青を落とすための道具として、以下の物を準備します。
・重曹:大さじ2
・水:大さじ1
・容器
・スプーン
・使用済み歯ブラシもしくは掃除用ブラシ
重曹と水は2:1の割合で使用します。
■②重曹ペーストを作る
容器に重曹と水を入れて、スプーンで混ぜてペースト状にします。重曹は研磨作用が期待できるため、風呂や蛇口に発生し、長期間放置することで定着した緑青も浮かせて除去することが可能です。
緑青が頑固なサビとして定着している場合は、重曹の割合を多くして重曹ペーストを作りましょう。
■③重曹ペーストを塗って放置
風呂や蛇口に重曹ペーストを塗ったら、2~3時間程度放置します。2~3時間放置しても緑青の汚れが浮いていないようであれば、重曹ペーストを塗って放置する時間を延ばして様子を見ましょう。
■④ブラシでこすり洗いをする
重曹ペーストを塗って放置した後は、使用済み歯ブラシや掃除用ブラシでこすって緑青を落とします。素材を傷つける可能性があるため、力を入れずに少しずつ緑青を落とすようにしましょう。最後に重曹ペーストを洗い流して完了です。
緑青の落とし方【硬貨やメガネ】
硬貨やメガネに発生した緑青は、布で拭いたりメガネを洗浄する機械を使用したりしても落とせません。そのため、重曹をシャーベット状にした洗浄剤を作り、丁寧に落としましょう。
■①道具を準備する
硬貨やメガネなど、小さい物や造りが複雑な物に発生した緑青を落とすための材料は以下の通りです。
・重曹
・容器
・綿棒
・布2枚
容器の中で重曹と水を2:1の割合で入れて、重曹がシャーベット状になるように混ぜます。硬貨の緑青を落とす場合には重曹小さじ2杯に水小さじ1杯、メガネの緑青を落とす場合には重曹大さじ2杯に水大さじ1杯が目安です。
■②緑青をこすり洗いする
重曹と水を混ぜた洗浄剤で、硬貨とメガネをこすり洗いします。特にメガネについては、使用済み歯ブラシや掃除用の小さなブラシを使用すると傷つく恐れがあるため、綿棒を使用して丁寧にこすることが大切です。
硬貨は多少傷ついても問題ないので、緑青の頑固な汚れが付いている場合にはブラシを使用しても良いでしょう。
■③重曹を拭き取る
硬貨やメガネに付いた緑青をこすり洗いして落としたら、最後に水拭きをします。水で濡らしてしっかり絞った布で、重曹を拭き取りましょう。
次に、乾いた布で乾拭きをすることが重要です。水分が残った状態になっていると、再度緑青が発生します。乾拭きをした後に湿っている感覚が残っているようであれば、ドライヤーを使用して乾かしましょう。
緑青の落とし方【電池など】
乾電池は化学反応が起こって電気が流れる仕組みであるため、乾電池の電解液が漏れるケースも少なくありません。電解液が漏れた状態で放置すると、緑青が発生することがあります。
電池そのものや、電池ボックスに付いている緑青の落とし方をチェックしていきましょう。
■①道具を準備する
電池や電池ボックスの緑青を落とす場合の道具は以下の通りです。
・お酢
・綿棒
・布2枚
■②綿棒とお酢で緑青を落とす
電池ボックスや電池そのものに発生した緑青に、お酢を付けてこすります。お酢を垂らすだけでも緑青が浮きますが、電池ボックスの細かい部分は綿棒を使用してこすりましょう。数分で緑青を落とすことが可能です。
■③お酢と緑青を拭き取る
水で濡らしてしっかり絞った布で、お酢と緑青を拭き取ります。最後に乾拭きをして完了です。
緑青を予防する方法
緑青はサビの一種であり、金属製や銅製の物に塩分が付くこと、湿気が溜まる場所に置いていることで発生します。
アクセサリーについては、使用後に汗を拭き取ることが大切です。ただし、皮脂は拭いただけで落とせない可能性が高いため、水洗いしてしっかり汚れを落とす必要があります。
また、緑青は空気中の酸素に触れるだけでも発生することがあるため注意が必要です。空気に触れないよう、アクセサリーやメガネはケースに入れて保管しましょう。
蛇口や硬貨など、金属製や銅製の物は重曹やお酢を使用して定期的に拭き掃除をすることで、緑青の発生を予防することが可能です。
まとめ
緑青の汚れが付いている物によって、落とし方や掃除に使用する道具は異なります。例えば、服に移った緑青の汚れは、洗濯前にひと手間かけることで洗い流せる可能性が高いです。
また、蛇口や硬貨をきれいにしたい場合には、緑青を浮かせて落とす効果が期待できる重曹を使用するとスムーズに汚れを落とせます。
見た目や手触りが不快な緑青の汚れを落としたら、緑青が再度発生しないように、金属製や銅製の物をこまめに手入れしましょう。