薬品を主原料としている除草剤は環境への悪影響だけではなく、野生生物や昆虫に有害な可能性があります。さらに、子供やペットが遊んでいる場所に使用すると危険な場合もあるため、注意しなければなりません。
化学薬品を使用した除草剤ではなく、家庭で使用している安全なものを利用し、天然成分で作った除草剤を活用する方法が有効です。
除草剤を手作りする際には、クエン酸や重曹や塩など安全なものを使って除草剤を作りましょう。自宅にあるもので除草剤を手作りする際のポイントについて紹介します。
除草剤は手作りできる?
一般的にホームセンターやインターネット通販で販売されている除草剤は、環境や安全性への配慮を排除して開発されており、使用方法を誤らなければスピーディーに分解されて無害になるため、安心して使用できます。
しかし、なかには薬品が茎から吸収され、植物が枯れる可能性があるもの、ペットや子供が口にすると命に関わるものもあるため、除草剤の成分や使用方法を十分に確認することが重要です。
庭や花壇に雑草が生えており除草剤を使用したいものの、安全性が高い除草剤を利用したいというケースも多いでしょう。小さな子供やペットがいると市販の薬剤を使用した除草剤を使いたくないというケースもあります。しかし、雑草を抜くのは非常に手間がかかるものです。
そのような場合、安全な材料を使用して除草剤を手作りしてみましょう。除草剤を手作りする場合、自宅にあるもので作れるケースも多く、天然成分で作れるので無害であり安心です。雑草が気になった場合には、手作りで安全かつ手軽に自宅にあるものですぐできる除草剤を試しましょう。
一番簡単!お湯が除草剤の代わりになる
除草剤の代用で使えるものとして、最も簡単に使えるものはお湯です。日頃、庭や花壇で水やりをする際には使わないものですが、雑草を取り除くためにはお湯を使用する方法が効果的だといえます。
お湯を沸かし、雑草にかけるだけで除草剤の代用として使用可能です。熱で雑草が枯れるので、お湯を使用する場合には雑草の根元までお湯が染み込むようにたくさんのお湯をかけましょう。
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除草剤としてお湯を使いたいなら浴室からお湯を引ける「温水対応・長め」のホースリールがおすすめ。
沸騰したお湯をかけることは難しいものの、火傷の心配なく天然の除草剤であるお湯を大量に雑草にかけることができます。
本当に効く!除草剤の代わりになるもの・雑草対策を効果順に7つご紹介 | タスクル
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除草剤を手作り【酢・クエン酸】
お酢やクエン酸は掃除をする際に活用できるアイテムであり、台所では調味料として自宅にあるものです。そのため、非常に手軽に使用できることがメリットだといえるでしょう。
酢・クエン酸を使った手作り除草剤は濃度が重要 ■酢やクエン酸を使った除草剤の作り方
お酢を使って除草剤を手作りする場合、酢酸濃度5%前後がベスト。市販の調理酢は酢酸濃度が4~5%のものが多いので、水で希釈せずそのまま使うことができます。
園芸用のお酢は20%程度の濃度であることが多いので、5%前後の濃度にしてから使いましょう。
20%のお酢の場合、水で4倍に薄めると濃度5%前後になりますよ。
クエン酸もお酢と同様に濃度5%前後が理想。粉末のクエン酸50g程度を1Lの水に溶かして使いましょう。
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調理に使う酢を除草剤の手作りに使うのは少しもったいなく感じてしまうもの。特濃の酢なら通常よりも少ない量で作ることが可能。
もちろんいつものお料理に使うときも、少なめの量でキリリとした味わいを生むことができます。
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クエン酸 5kg
除草剤の手作りにクエン酸を使うなら大容量がおすすめ。お庭全体の雑草に使う場合、少量ではすぐに無くなってしまいます。5kgの大容量なら1Lのペットボトル100本分の除草剤を手作りできますよ。
酢・クエン酸を使った手作り除草剤はどう使う? ■酢やクエン酸で作った除草剤の使い方
お酢やクエン酸で作った手作り除草剤はスプレーボトルに入れて使います。ペットボトルで手作り除草剤を作って、そのままペットボトルに穴を開けて即席の噴霧器にしても良いでしょう。
お酢やクエン酸で作った手作り除草剤は雑草の葉や根本にたっぷりとかけます。手作り除草剤がしたたるくらいしっかりと噴霧するのが良いです。
クエン酸やお酢と水の割合で濃度に差が生じるため、雑草の量が多い場合にはクエン酸やお酢の割合を増やし、濃度をあげることがポイントです。
酢・クエン酸を使った手作り除草剤で雑草駆除! ■クエン酸や酢で作った除草剤の注意点
クエン酸やお酢は独特のニオイが残るので、ニオイが苦手な人は他のもので代用しましょう。また、クエン酸やお酢は酸性であり、金属が錆びるケースがあります。
クエン酸やお酢を除草剤として使用する場合は、周辺に金属がないかをチェックしてから使用しましょう。
除草剤を手作り【重曹】
重曹は無害であり安全性が高いので、掃除だけではなく除草剤を手作りする際にも活用できます。重曹は殺菌効果が期待できるので、除草剤として高い効果が期待できるでしょう。
安全な重曹で除草剤を手作りしよう ■重曹を使った除草剤の作り方
重曹を使った除草剤の作り方はとても簡単で、重曹を水に溶かすだけです。
重曹の濃度は5~10%が除草効果が高いと言われています。50g~100gの重曹を1Lの水に溶かして使いましょう。
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重曹 5kg
重曹を使って除草剤を手作りする場合でも、小分けパックをいくつも使うより大容量の方がお得です。
人やペットに無害な手作り重曹除草剤を使う|その1 ■重曹で作った除草剤の使い方
重曹を使用した手作り除草剤は、重曹の殺菌効果がプラスされることがメリットです。
植物を腐らせる原因のカビ病やうどんこ病にも効果が期待できます。そのため除草剤としてはもちろん、植物の病気を予防するために活用することもできますよ。
人やペットに無害な手作り重曹除草剤を使う|その2 ■重曹で作った除草剤の注意点
重曹を使用した手作り除草剤は高い即効性はないため、一度雑草をハサミで傷つけた上で除草剤をかけましょう。つまり、あらかじめ雑草を少し刈っておかなければなりません。
重曹を使った除草剤を使う場合は除草剤を撒くだけではなく雑草を刈る必要があるため、若干手間がかかります。
酢や重曹で除草剤を手作りする際のポイント
除草剤を自宅で手作りする場合 、クエン酸や重曹だけでなく台所用洗剤を少量加えるとさらに高い効果が期待できます。その理由は、台所用洗剤を加えることで手作り除草剤が雑草につきやすくなるからです。
除草剤を手作りする場合のメリットは、自分で作り方を変えられること。一般的に除草剤として効果的な濃度はありますが、植物によってはクエン酸や重曹の濃度が高い方が効果的なこともあります。
混ぜる物と水の割合を変えることによって濃度を上げるといったことも可能なため、除草したい部分をよく観察して割合を調整してみましょう。
なお、手作りの除草剤は効果が現れるまで一定の時間がかかるケースがあります。散布した後一旦様子を見て再度散布するか、他の方法を試すかを検討しましょう。
塩を使った手作り除草剤はやめておこう
塩を水に溶かして雑草にまくと、水分が塩に吸収され根から雑草を枯らすことができます。酢やクエン酸、重曹を使った手作り除草剤に比べると確かに効果は絶大。
しかし塩を使った手作り除草剤は「無害」というわけにはいかないので、使うことはおすすめしません。どうしても塩を水に溶かして手作り除草剤を使いたいという場合は、以下で解説するリスクを理解した上で使用するようにしてください。
強力なだけに注意が必要!塩を使った手作り除草剤 ■塩を除草剤として使うリスクは大きい
塩は「塩害」という言葉があるほど恐ろしい作用を持っています。
例えば配管や住宅の基礎がある場所に塩を使った除草剤をまくとコンクリートが劣化する可能性があります。配管などから離れた場所に塩を手作り除草剤をまいたとしても、雨が降ることによって周辺の土に混ざる可能性も。
塩の残った土では水分が塩に奪われてしまい、植物が育たなくなります。周りに畑があるような場所では他人の畑に迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
配管や住宅の基礎の場所は分かりにくいもの。さらに雨で想定外の場所に流れてしまったときのことを考えると、塩の手作り除草剤を安易に使うのはおすすめできないのです。
手作り除草剤|まとめ
除草剤は雑草を除去するために非常に便利ですが、市販のものはさまざまな薬剤を使用しているので安全性について不安があるというケースも多いでしょう。
市販の薬剤を使った除草剤を使うのが不安な場合には、除草剤を手作りしてみるのもおすすめです。手作りした除草剤は自宅にあるもので簡単に手作りできるので、自宅にある水や重曹などを使って試してみましょう。
手作りした除草剤は、市販されているものと比較すると効果が現れるまでに時間がかかったり、効果が薄い可能性があります。しかし、ペットがいたり小さな子供がいたりする家庭では、安心して使用できることが魅力です。自宅にあるものを使って、安全性の高い除草剤を作ってみましょう。