ガスコンロに火がつかない時の症状として、カチカチ、チチチと音がするだけで火がつかないケースはよくあります。お湯を沸かす、焼く、煮る、蒸すなど、様々な用途で使うガスコンロに火がつかないと、困ってしまう方は多いでしょう。
中には、”ガスコンロが壊れた”と思う方もいるのではないでしょうか?ガスコンロの調子が悪いと故障を疑う方もいますが、必ずしも故障とは限りません。ガスコンロに火がつかない理由は様々で、ちょっとしたことが原因で着火しないこともあります。
ガスコンロに火がつかない時は、故障と断定しないで原因を知り対処しましょう。今回は、何をしても改善しない時のために、修理費用や交換費用もご紹介していきます。
ガスコンロの火がつかない11個の原因と対処法
ガスコンロに火がつかないトラブルが起きた時、故障を疑う方は少なくありません。ガスコンロに火がつかない原因は12個あり、1つずつ確認して調子が悪い元凶を探しましょう。では、原因と対処方法をご紹介していきます。
■原因① ガスコンロ本体の電池残量が少ないか切れている
ガスコンロの火がつかない原因でよくあるのが電池です。ガスコンロは電池で稼働しており、電池の残量が少ない、電池が完全に切れていると火がつきません。
ガスコンロの機種によっては、電池の残量が少なくなったり完全になくなると教えてくれます(コンロ本体の下に小さなランプがあり、点灯や点滅で知らせてくれます)。なお、ガスコンロの電池が少ない状態や完全になくなると、カチカチ、チチチという音の間隔が長く鳴る機種もあります。
【対処法】
対処法は新しい電池に交換するだけです。機種によって異なりますが、多くのガスコンロは本体の下端に電池が内蔵されているケースがあります。つまみを引っ張るなどして電池交換を行いましょう。
■原因② バーナーキャップの炎口の汚れ
バーナーキャップの炎口を確認してみると、油などの汚れが付着していませんか?バーナーキャップが汚れていると、ガスコンロの安全装置が作動するため火がつきません。バーナーキャップとは火を出すパーツのことで、五徳の内側にある円形の金属のことを言います。
【対処法】
バーナーキャップ全体を掃除して油などの汚れをしっかり落としましょう。掃除方法は、バーナーキャップを外し、食器用洗剤を含ませた小さなブラシや歯ブラシなどで炎口などを擦ります。
汚れが落ちにくい時は研磨を使った方法が良く、クレンザーや重曹ペースト(重曹2に対して水1で溶かしたもの)で擦りましょう。バーナーキャップの表面に汚れがこびり付いていない場合は、食器用スポンジや雑巾などで拭きます。
バーナーキャップの掃除は定期的に行い汚れは放置しないことです。汚れが蓄積されるとガスコンロに火がつかないトラブルが度々起こり、故障する恐れもあります。
■原因③ バーナーキャップ・炎口・点火プラグが濡れている
バーナーキャップや点火プラグが濡れているのも、ガスコンロに火がつかない原因でよくある事例です。バーナーキャップ、炎口、点火プラグは水分に弱く、鍋の噴きこぼれや濡れているまま使うと火がつきません。点火プラグは火を起こす部分で、白いローソクのような見た目が特徴です。
【対処法】
バーナーキャップ、炎口、点火プラグが濡れている状態で、ガスコンロを使用するのはやめましょう。ガスコンロの使用中に鍋が噴きこぼれた時は、火がつかない現象と故障を避けるために一旦使用をやめます。
できるだけ早くガスコンロを使いたい時は、バーナーキャップなどの熱が冷めてから水分を拭き取ります。急を要さない時は、パーツを掃除してから使用しましょう。パーツを掃除した後は乾いた布巾などで水分を拭き取るか、自然乾燥させてからガスコンロを使用します。
なお、鍋やフライパンの外側が濡れていても火がつかないため、水分を拭き取るか自然乾燥させましょう。
■原因④ バーナーキャップが正しく設置されていない
バーナーキャップがグラグラしていたり裏返しの状態で設置していませんか?バーナーキャップを間違った方法で設置すると、カチカチ、チチチと鳴るだけでガスコンロに火がつきません。
ガスコンロの種類によっては安全センサーが感知するタイプもあり、少しでもバーナーキャップが浮いていると火がつかないことがあります。バーナーキャップにグラつきがある時は、溝にハマっておらず浮いているためすぐにわかるでしょう。
【対処法】
バーナーキャップを外した後はツメをしっかりハメて、表を上にした状態で設置します。特にバーナーキャップを掃除した後に起こりやすいトラブルで、設置状態をしっかり確認するのがポイントです。
■原因⑤ 純正品以外のパーツを取り付けている
純正品以外のパーツを設置すると火がつかないことがあります。ガスコンロに火がつかなくて調子が悪い時は、純正品以外のパーツを取り付けていないか確認しましょう。
【対処法】
ガスコンロに火がつかないトラブルを避けるなら、純正品パーツの使用をおすすめします。例えば、五徳周りの汚れを防ぐアルミ製の受け皿は定番で、100円ショップやホームセンターなど見かけたことがあるでしょう。
純正品以外のパーツは安価で手に入る一方、ガスコンロの火がつかないなど調子が悪くなる原因になる場合もあります。
■原因⑥ 焼き網で調理しようとしている
ガスコンロに焼き網を置く使い方をすると、機種によっては火がつきません。ガスコンロの故障や破損を防ぐために、安全センサーが反応したことによるものです。カチカチ、チチチと音は鳴りますが火がつかない仕組みになっています。
【対処法】
ガスコンロの取り扱い説明書を見て、焼き網を使うことができるか確認しましょう。また、焼き網対応のガスコンロかを知りたい時は、焼き網を置いてレバーやボタンを押します。火がつかない場合は焼き網対応のガスコンロではないため使用をやめましょう。
■原因⑦ ガスコンロにロックがかかっている
ガスコンロに火がつかない時はロックがかかっているかもしれません。日頃からガスコンロのロックや解除を行う習慣がない方にありがちなケースで、何かの拍子でロックがかかってしまった可能性があります。
ガスコンロの機種にもよりますが、ロック状態でレバーやボタンを押しても完全に押すことができません。普段使っている感覚と違うため、ロックがかかっているとわかるでしょう。
【対処法】
ロックのつまみを動かすと解除され火がつきます。ロックの場所や解除方法はガスコンロによって異なるため、わからない場合は取り扱い説明書などで確認しましょう。
■原因⑧ ゴム管の不具合
ガスコンロに火がつかないとバーナーキャップなどに気を取られがちですが、ゴム管の不具合も考えられます。
ゴム管が折れ曲がっている、一部が焦げている、緩んでいるなどの不具合があると、カチカチ音がしたりチチチと鳴るだけで着火しません。なお、ゴム管に不具合がないように見えても、7年ほどで経年劣化します。
【対処法】
ゴム管が折れ曲がっている、緩んでいる場合は、一旦抜いて折れ曲がり正してから接続しましょう。ゴム管の接続後、必要があればバンドなどで固定してください。ゴム管が焦げている、7年以上交換していない場合は、新しいゴム管に交換します。
■原因⑨ ガス栓・ガスメーターの栓が開いていない
ガスコンロはガス栓やガスメーターの栓が開いていないと、ゴム管にガスを送ることができないため火がつきません。
特に引っ越してきたばかりの部屋、新築、別荘などにあるガスコンロを使う時などによくある事例です。ガスメーターの栓が開いていないケースも、新居へ引っ越してきた時によくあります。
【対処法】
ガス栓があるタイプは栓のつまみをひねってガスを通しましょう(ガス栓がついていないタイプは行う必要がありません)。なお、ガス栓を開けてもガスコンロに火がつかない時は、ガスメーターの栓が閉じている可能性があります。
ガスメーターの栓もガス栓と同じように、栓を開けて開通してください(ガスメータは屋外にあることが多いです)。
■原因⑩ ガスメーターの安全装置が作動している
ガスコンロに火がつかない時は、ガスメーターの安全装置が作動した可能性も考えられます。安全装置が作動するのは、震度5度以上の大きな地震やガスの異常などを感知した時です。安全装置が作動するとガス漏れを防ぐために、ガスの供給がストップするため着火しません。
【対処法】
安全装置が作動しているガスメーターは赤いランプが点滅しており、復帰ボタン(ガスメーターの上の方にある)を押すと解除されます。特に異常がなければ正常稼働し、ガスコンロに火がつくはずです。
ただし、安全装置の解除方法はガスメータによって異なるため、取り扱い説明書などで確認しましょう。また、プロパンガスの場合はガスが不足している可能性があります。プロパンガスを契約している会社へ確認してください。
■原因⑪ ガスコンロが壊れている
何をしてもガスコンロに火がつかない時は、ガスコンロの故障を疑いましょう。ガスコンロの寿命は約10年で、寿命を超えたものを使っている場合は壊れているかもしれません。
【対処法】
ガスコンロのメーカーや購入店舗などへ修理依頼するか、新しいガスコンロへ買い替えましょう。
ガスコンロの火がつかない時の2つの注意点
ガスコンロに火がつかないからと言って、躍起になって対処すると危険な目に遭う可能性があります。ガスコンロに火がつかない時は、2つの注意点を守りながら安全に対処しましょう。
1.【ライターなど火をつける道具は使わない】
バーナーキャップの炎口や点火プラグに、ライターやチャッカマンなどで直接火をつけてはいけません。無理に点火しようとすると、ガス漏れにより火柱が高く上がる恐れや、爆発する危険性もあります。
ガスコンロに火がつかない状態でも、カチカチ、チチチと音がしている時はガスが出ているサインです。なお、ガスが漏れ出る量は、ガスコンロのレバーやボタンを押すほど増えます。
2.【自分で修理しない】
ガスコンロに火がつかない時は自分で修理を行うのはやめましょう。ガスコンロにはガスが通っており、素人が修理を行うと事故に発展する恐れがあるため危険です。必ずガスコンロのメーカーやガス会社などへ依頼しましょう。
ガスコンロの修理交換費用の目安は?
壊れているガスコンロ、経年劣化したガスコンロは修理で直る場合もあります。修理で直らない場合は新しいガスコンロに交換しないといけません。では、ガスコンロの修理費用の目安、交換費用の目安、問い合わせ先などを見ていきましょう。
【修理費用の目安は約30,000円:リンナイと東京ガスの場合】
・部品代は約8000円~20000円、出張費、技術料込みで約30,000円。
・修理依頼をして復旧しない場合でも、基本料金、出張費、点検料、出張料は発生。
・基本的に保証期間は1年間。保証期間内の修理でも完全無料になるとは限らない。機種、修理箇所、修理範囲によっては料金が発生。
【連絡先】
・リンナイ:0120-054321
(平日9:00~18:00 / 土日祝日 9:00~17:00)
・東京ガス:03-6838-9011
(平日9:00~19:00 / 土日祝日 9:00~15:00)
【交換費用の目安は約20,000円台~約200,000円以上:業者の場合】
・基本的な機種は約20,000円台~。
・使い勝手がいい機種は約80,000円台~。
・機能性に優れている機種は約200,000円台~。
・交換費用には、設置費用、工事費、撤去費用が含まれているのが一般的。
【連絡先】
・コンロ交換専門業者 ハッピーコンロ:0120-341-506
(9:00~17:30 日祝日除く)
・生活堂:050-3533-0303
(10:00~17:00 土日祝日除く)
まとめ
ガスコンロに火がつかない原因は12個あり、ガス栓が開いていないなど単純なケースもあれば故障しているケースもあります。まずは、12個の原因項目をチェックして、火がつかない理由を突き止めて対処しましょう。