気づいたら水槽などのアクアリウムにアオミドロが大量発生していた、という経験を持っている人も多くいるのではないでしょうか。既に大量発生してしまったアオミドロは、適切な方法を知らない場合、駆除するのに時間と手間が掛かってしまいます。
本記事では大量発生してしまったアオミドロの適切な駆除方法から、実際にどのように対策をすれば良いかまで詳しく紹介します。本記事を参考にアクアリウム内に大量発生したアオミドロを適切な方法で駆除しましょう。
アオミドロの発生原因4つ
アオミドロの発生する原因は無数にあります。自分のアクアリウムがどちらの原因でアオミドロを発生させているのかを確認しましょう。
アオミドロ対策の基礎知識|発生原因その1 ■①水槽内に肥料・エサの量が多すぎる
水槽内に残る肥料やエサが多くある場合、アオミドロが発生しやすい環境になっていきます。魚の量に対して多すぎるエサや肥料をアクアリウムに入れていると、アオミドロに栄養を与えることになってしまうので注意が必要です。
アオミドロは水槽内の汚れを分解する、好気性のバクテリアの活動によっても発生します。魚などから出るアンモニアが好気性のバクテリアが分解して排出することで、アオミドロが摂取する栄養としてアクアリウム内に蓄積されます。また微量のアオミドロが外部から混入した場合も、上記のような理由で大量のアオミドロに増殖する可能性もあります。
アオミドロ対策の基礎知識|発生原因その2 ■②魚の数とフィルターが合っていない
フィルターの性能が魚の量に合っていない場合、魚の排泄量に対して浄水能力が足りていないため富栄養化状態になります。魚の排泄物はアオミドロにとっては栄養価が高く、排泄物が十分に残ってしまっている状態がアオミドロを繁殖させてしまう原因になります。
魚の排泄物をカバーできる程度の能力があるフィルター選びは、アオミドロの繁殖を抑えるためには大変重要になります。魚が大きい場合もその排出量は必然的に多くなります。魚の大きさに合わせてフィルターの能力も調節する必要があります。
アオミドロ対策の基礎知識|発生原因その3 ■③日当たりが良すぎる
アオミドロは植物の一種なので、強い日差しを浴びているとその分早く成長してしまいます。南向きで日当たりのいいベランダなどに置いていると、一週間程度で水槽の中が見えないほどのアオミドロ大量発生が起こります。日当たりの光量を調節することは大変重要になります。
野外に置いている水槽の場合などは、光を遮る屋根などを設置することで日当たりの強さを調節することができるでしょう。しかし、全く光が当たらない環境はアクアリウム内にいるアオミドロ以外の生物にも影響がありますので注意が必要です。
アオミドロ対策の基礎知識|発生原因その4 ■④照明時間が長すぎる
照明時間が長すぎることは上述した日当たりの過剰照射と同じ理由で、アオミドロの大量発生を助長してしまいます。加えてビオトープなどの場合は水の流れもないことが多く、照射時間が長いことでアオミドロが無限に増えてしまいます。ビオトープを使用してメダカなどを飼っている場合はさらに注意が必要です。
アオミドロ対策|駆除方法3つ
アオミドロの駆除方法はいくつもあります。自分のアクアリウム内のアオミドロの発生状況などに合わせて最適な方法を選びましょう。
アオミドロ対策|駆除方法1 ■①エビなどアオミドロを食べる生物を入れる
アオミドロを駆除するために、アオミドロを主食とする生体をアクアリウムに入れましょう。エビの場合、ヤマトヌマエビが最適です。ヤマトヌマエビは食欲旺盛なため、かなりの勢いでアオミドロを駆除してくれます。一般的な他の生体ではモーリーを入れることでもアオミドロの駆除に役立ちます。モーリーを入れるとアクアリウム内も賑やかになり一石二鳥となるでしょう。
またあまり知られていないのですが、サイアミーズフライングフォックスもアオミドロを駆除してくれる生体の一つです。個体によってアオミドロを食す量は多少変わりますが、基本的に雑食なのでなんでも食べます。しかし、このサイアミーズフライングフォックスは成長すると最大12cm程度まで成長します。小さなアクアリウムだと持て余す可能性があるので注意が必要です。
アオミドロ対策|駆除方法2 ■②リン酸を除去する薬を入れる
アオミドロはコケのため水草の一種です。そのため窒素分やリン酸分を摂取して成長しています。そのためリン酸過多で大繁殖することになります。つまりアクアリウム内のリン酸濃度を減少させることで、アオミドロの繁殖を止めることが可能です。ここでリン酸除去剤をフィルター内に追加投入し、アクアリウム内のリン酸濃度をへらすことができるでしょう。
また一般的に使用されるコケの除去剤を活用することでアオミドロを除去することも可能です。しかしモスグリーンなどの藻を入れている場合は、育成に影響を及ぼす可能性がありますので多用しないように注意をしましょう。
アオミドロ対策|駆除方法3 ■③日光・照明を2週間前後シャットダウンする
日光や照明が当たらない環境を10日~14日程度作り出すことで、アオミドロは死滅します。この方法は他の生体を追加したり、薬剤を投入することなくアオミドロを駆除することができる大変おすすめな方法です。
光を遮断することで水草への影響を懸念することもあるでしょうが、アオミドロの場合5日程度から量が減っていき14日程度でほとんど除去できます。それに比べて水草は葉が黄色くなったりなどの変化は起こりますが、2週間程度では枯れないので安心です。
日光を遮断または照明を消している間は、水替えを週に1~2回行いましょう。
アオミドロ対策|予防方法3つ
アオミドロの対策や予防策を正しく行えば、大切なアクアリウムの景観を崩さずに維持することが可能です。こちらでは有効な対策や予防策を3つ紹介します。
アオミドロ対策|予防方法1 ■①水草を入れる
アオミドロが大量発生する原因として、アクアリウム内に栄養素が過剰にあるということが一番に挙げられます。そのためアクアリウムにある過剰な栄養素を消費してしまえば、アオミドロが増えてしまう原因を無くすことができます。そこでおすすめなのは、アナカリスやマツモなどの水草をアクアリウム内に入れる方法です。アナカリスは成長速度が早く、栄養の吸収率が大変高いのが特徴です。
マツモもアナカリスと同じく成長速度が早く、加えて水槽底面に植え付けなくて良いという点でもアクアリウムへ入れやすい水草になります。スターティングプランツとして人気なハイグロフィラやポリステルマなども成長速度が他の水草より早いという点から、アオミドロの対策として有効な水草になります。
アオミドロ対策|予防方法2 ■②直射日光を避ける
アオミドロは光合成によって成長します。アクアリウム内でも光量が多く当たる部分にアオミドロが多く発生します。そのため、アクアリウムを設置する場所に直射日光を当てないことでアオミドロの発生や増殖を減らすことが可能です。既にアクアリウムに直射日光が当たっている場合は、場所を変えるか直射日光を遮る物を用意しましょう。
アオミドロ対策|予防方法3 ■③照明時間を減らす
室内ではアクアリウムに照明を当てているという人も多くいるのではないでしょうか。照明を当てているだけでアオミドロは光合成をします。特に青い光と赤い光で光合成が進み、そのためアクアリウム用の照明ではこのような色が含まれている照明が多く使われます。そのため照明の時間を減らすことでもアオミドロの繁殖を抑えることが可能です。
アオミドロ対策のまとめ
適切な対策方法を知らずにアオミドロをそのままにしていた場合、気づいたらアクアリウム内がアオミドロでいっぱいになっていたということにもなりかねません。本記事で紹介した対策や駆除方法を有効に活用して、適切な方法でアオミドロ対策を実施しましょう。