ノートパソコンのバッテリー寿命を長持ちさせるには？交換のサインや対処法も

ノートパソコンを使用して2～3年経つと「バッテリーの減りが早くなってきたな…」と感じることはありませんか。バッテリーは使用するたびに少しずつ劣化していく消耗品ですが、使い方しだいで長持ちさせることもできます。

当記事では、
・バッテリーが長持ちする使い方・ダメな使い方
・バッテリーの寿命のサイン
・交換、買い替えなどの対処法
について解説します。

基本的にノートパソコンのバッテリーは消耗品なので、寿命がくると交換が必要になります。バッテリーの寿命は平均で2～3年ほど。

しかし使う頻度や環境により、1年程度で交換が必要になったり、長持ちして4～5年使えたりする場合もあります。

バッテリー交換には数万円かかるので、節約のためにも交換頻度はできるだけ減らしたいですよね。次はバッテリーの寿命を延ばすGOODな使い方、寿命を縮めるNGな使い方をそれぞれご紹介します。

バッテリーの寿命を長持ちさせる使い方は次の5つです。

①バッテリーの種類に適した充電方法をとる
②風通しがよく涼しい場所に置く
③パソコンモニターの輝度を下げる
④作業を一時中断するときはスリープ状態にする
⑤バッテリー節約機能をオンにする

詳しくみていきましょう。

ノートパソコンのバッテリーには、リチウムイオン電池とニッケル水素電池の2種類あります。それぞれに適した充電方法をとりましょう。（2010年以降に製造されたノートパソコンの多くは、リチウムイオン電池が搭載されています。）

【リチウムイオン電池】（バッテリーに"Li-ion"という表記があります）
電池残量が20％～30％くらいになったら充電を開始し、80％程度になるまで充電するのが長持ちのポイントです。

【ニッケル水素電池】（バッテリーに"Ni-MH"という表記があります）
電池を使いきってから充電をするのが望ましいです。80％～100％まで充電しましょう。

ノートパソコンにとって理想的な温度環境は16℃～25℃です。風通しがよく、涼しい場所で作業や保管をしましょう。

マイクロソフトの調査によると、パソコンディスプレイの輝度を40% にすると、輝度100% のときに比べて約23% の節電になるそうです。可能な範囲で輝度を下げることでバッテリーの消耗を抑えられますよ。

＜参考＞
節電しながら賢く PC を使うには? : Microsoft Windows


輝度を調整するときはキーボード上の「お日様のようなマーク」のキーを操作します。
「＋」や「▲」が付いているキー……ディスプレイが明るくなる
「－」や「▼」が付いているキー……ディスプレイが暗くなる

＜参考＞
・画面の明るさを変更Windows
・Macディスプレイの輝度を調節する - Apple サポート (日本)

ノートパソコンの本体に輝度調整ボタンがついている機種もあります。

作業を一時的に中断するときは、スリープ状態にするのがおすすめです。ノートパソコンの電源のつけっぱなしやシャットダウンよりも、動作を抑えられてバッテリーをセーブできます。

ノートパソコンにはバッテリー節約機能や低電力モードがあります。既定では、バッテリーが残り20％になったときに、バッテリー節約機能が有効になっていますが、設定を変更することもできます。

＜参考＞
・バッテリー節約に関するWindows
・Macで電力を節約する - Apple サポート (日本)

続いて、バッテリーの寿命を縮めてしまう【NG】な使い方について解説します。

バッテリーの寿命を縮めてしまうダメな使い方は次の5つです。

①充電しながらノートパソコンを使用する
②頻繁に充電してしまう
③高温 or 氷点下の環境
④放電状態 or フル充電で長期保管する
⑤不要なWi-Fi機能・ソフトの使用

詳しくみていきましょう。

充電しながらノートパソコンを使用すると、バッテリーが熱を持ち、劣化が早まります。充電（電池をためること）と放電（電池を使うこと）、この2つと同時に行わないようにしましょう。また、充電が完了したら電源ケーブルを外すようにしてください。

ノートパソコンに使用されているバッテリーは、充電回数が増えるにつれ劣化していくものです。充電回数が約500回を超えると、バッテリーの容量は50％以下に減少して寿命を迎えます。

「少し減っては充電する」を繰り返すと劣化のスピードが速くなるので、充電回数は減らしましょう。

ノートパソコンによく使われているリチウムイオン電池の許容周囲温度は約45℃です。日本国内であれば問題ないと思われがちですが、次のような場所・環境では高温になりやすいので注意しましょう。

・車の中
・直射日光の当たる場所
・暖房の前・こたつ
・保護ケースにノートパソコンを入れたまま充電

また反対に、氷点下の環境でも充電や放出の能力が低下します。温度差で結露が生まれると、別の故障の原因にもなるため、氷点下での使用・保管もおすすめしません。

先ほど、ノートパソコンにとって理想的な温度環境は16℃～25℃とご紹介しましたが、使用可能な温度環境は5℃～35℃としているメーカーが多いです。この範囲を超えない環境で使用・保管するようにしましょう。

完全放電（0%）やフル充電（100％）でノートパソコンを長期保管すると、バッテリー劣化の原因になります。パソコンをしばらく使わないときは、充電が約50％の状態で保管するようにしましょう。

【完全放電（0%）での保管】
電源を切ったパソコンでも、バッテリーから電力をわずかに消費したり、バッテリー自体が自己放電したりします。過放電状態になり、バッテリーが激しく劣化する or 故障を招く原因に。

【フル充電（100％）での保管】
自然劣化が早まり、容量が低下していきます。ノートパソコンの機種によっては、指定した残量で充電をとめる機能もあるので活用するとよいでしょう。

無線LANやBluetoothによる通信、ソフトの使用もバッテリーを消費します。インターネットを使用しない作業ではWi-Fi機能をオフにする、使用していないソフトは閉じる、などの対策でバッテリーの消耗を抑えられますよ。

次は、バッテリーの寿命のサインや対処法を解説します。

ノートパソコンのバッテリーは消耗品です。長持ちするように使っていても、年月が経つと寿命がくるのは仕方のないこと。次のような症状があると、バッテリーの寿命（もしくは寿命が近い）と判断しましょう。

・バッテリーの減りが早くなった
・時間をかけても100％まで充電されない
・ディスプレイに「バッテリーを交換してください」というメッセージが出る
・バッテリー内部から低周波音（ジーッという音）が出ている
・A/Cアダプター無しでは起動しない
・バッテリーが膨張する

バッテリーの充電容量が購入時と比べて50％以下になったら、バッテリーの寿命であると判断します。

【Windowsパソコン バッテリー劣化状況の調べ方】
「Battery report」機能を使うと、バッテリーの劣化が確認できます。

＜参考＞
バッテリー情報の取得 - UWP applications | Microsoft Docs

下記のYouTube動画が参考になります。　

【Macパソコン バッテリー劣化状況の調べ方】
アップルメニュー ＞ システム環境設定 ＞ バッテリー ＞ もう一度「バッテリー」をクリック ＞ バッテリーの状態

「正常」or「修理サービス推奨」のいずれかが表示されます。

＜参考＞
Macノートブックのバッテリーの状態を確認する - Apple サポート (日本)

ノートパソコンのバッテリーの寿命をそのまま放置すると、どうなるのでしょうか。

・どんどんバッテリーの容量が減る
・エラーが出てパソコンが使えなくなる

このような事態が考えられるため、何らかの対処が必要です。バッテリーの寿命がきたら、まず思い浮かぶのが「バッテリー交換」ですね。他にも対処法がありますので、次の章では、バッテリーの寿命がきたときの対処法を解説します。

ノートパソコンのバッテリーの寿命がきたときの対処法として、次の3つが挙げられます。

①（自分で）バッテリー交換する
②（業者に依頼して）バッテリー交換する
③ノートパソコンごと買い替える（古いパソコンの買取・回収も検討）

詳しくみていきましょう。

バッテリーを購入して、自分で交換する方法です。

【メリット】
・バッテリーの交換費用（人件費）を抑えられる

【デメリット】
・失敗して故障する可能性がある
・メーカー保証が失われる可能性がある（自分で分解したという理由で）

ノートパソコンのバッテリーの購入方法は2通りあります。

【メーカーの純正品を購入する】3,000円台～
料金は互換性の商品より高いものの、保証があり安心です。

【通販サイトなどで互換性のある製品を購入する】10,000円～20,000円程度
料金は純正品より安いですが、保証がなかったり非対応の可能性もあります。

ノートパソコンのバッテリー交換におすすめのアイテムをご紹介します。

メーカーや専門業者に依頼して、バッテリー交換する方法です。依頼する前に見積りを取り、比較・検討しましょう。

【メリット】
・プロにお任せできるので安心

【デメリット】
・交換費用がかかる（2万～3万円）

主要なメーカーのバッテリー交換に関するURLをご紹介します。

・NEC
NEC LAVIE公式サイト > サービス＆サポート > バッテリ交換サービス

・富士通
富士通パソコン | バッテリ交換サービス

・東芝
FAQ一覧：バッテリーパックの交換(Windows 10)｜サポート｜dynabook(ダイナブック公式)

・VAIO
内蔵バッテリーパック交換サービス | VAIO(株) サポート

・DELL
デル ノートパソコンのバッテリー - よくあるお問い合わせ（FAQ） | Dell 日本

・HP
HP Notebook /Tablet PCシリーズ - 内蔵バッテリー有償交換サービスのご案内 | HP®カスタマーサポート

・Lenovo
内蔵バッテリー交換サービス | PC・タブレット向け | 保守・サポート | Business with Lenovo

・ASUS
ASUS バッテリー情報センター

・Acer
日本エイサーサポート｜修理料金の目安(パソコン・タブレット）

・Mac
mac の修理 - Apple サポート 公式サイト (日本)

ノートパソコンの寿命は5年程度です。せっかくバッテリーを交換しても、ノートパソコンの寿命がきて使えなくなることも。ノートパソコンの寿命も気になるときは、新たに買い替えるのも一案です。

【メリット】
・パソコンの中身（CPUやOS）も新しくなり、快適に使える

【デメリット】
・バッテリー交換よりも費用がかかる
・データ移行などの手間がかかる

ノートパソコンを買い換える場合、古いパソコンを下取りに出せたり、中古業者で買取・回収してもらえることもありますよ。

通常、ノートパソコンを処分しようとするとリサイクル費用がかかります。古いパソコンが、少しでも値がついたり、値がつなかなくても無料で回収してもらえると助かりますね。

【ノートパソコンを高く買い取ってもらうためには…】
・なるべく早く買い取りに出す（古くなればなるほど価値が下がります）
・付属品もできるだけそろえる（保証書・説明書・アダプター・コード・外箱など）
・掃除をする（見栄えがよくなります）

ノートパソコンの掃除方法はこちらの記事をご参照ください。

買い替えにおすすめのノートパソコンをご紹介します。