シャツにアイロンをかけた際に茶色い汚れがついてしまった、という経験がある人もいるのではないでしょうか。
アイロンを購入した後1回も掃除をしていないとアイロンが焦げ付いたり、蒸気が出る穴が汚れで目詰まりして洋服が汚れる原因になるため注意が必要です。そこで、アイロンについた焦げの汚れを取る方法とアイロンが焦げる原因について紹介します。
アイロンが焦げる原因4個
アイロンが焦げる原因は主に4つ挙げられます。焦げが付く原因を明確にして、汚れを落とす方法を検討しましょう。
■①糊が付着して焦げる
アイロンをかける際、洋服用の糊スプレーの成分がアイロンに付着してしまうためアイロンが焦げることがあります。糊スプレーはシャツをきれいに仕上げる際に便利なアイテムですが、アイロンの焦げを予防するためには使用頻度を少なくすることも検討しましょう。
■②手垢が付着して焦げる
アイロンに触れて熱が冷めているかどうかをチェックした際に、手垢が付着します。アイロン掛けをした後に毎回アイロンに触れていると手垢が蓄積し、アイロンを熱した際に焦げつき汚れにつながります。
アイロンが冷めたかどうかを確認することは重要ですが、触れる面積を少なくする、手で触れた後は拭き取るなどの工夫が必要です。
■③洋服の繊維が付着して焦げる
化学繊維は熱に弱く、アイロンを当てることで焦げたり溶けたりします。特に、防臭効果や速乾性のある繊維で作られた衣服をアイロンがけする際には、洗濯表示をチェックしてアイロンをあてる時間を短くする必要があるでしょう。
■④洗濯物の汚れが付着して焦げる
ナイロンやポリエステルといった水を弾く繊維を洗濯すると、撥水性がある排気ガスや皮脂の汚れを吸着します。細かな排気ガスや皮脂の汚れは、目視で確認できません。
きれいに洗濯できていると思っていても、洗濯物に再度付着した汚れを熱することでアイロンで焦げつきます。汚れが付着する原因として洗剤の量が少ないことが挙げられるため、洗濯するように合わせて洗剤の量を守ることが大切です。
アイロンの焦げを落とす方法5個
アイロンの焦げを取る方法は、自宅の掃除グッズや食品を使用する方法があります。アイロンの焦げの取り方を見ていきましょう。
■①酢と塩を使う方法
お酢と塩を同じ割合で鍋に入れて、塩が溶けるように混ぜて沸騰する前に火から離します。次に、きれいな布をお酢と塩の液体に浸します。
液体は熱いため、ゴム手袋やトングなどを使って火傷を予防しましょう。また作業をする場所を汚さないよう、新聞紙やタオルなどを敷くことも大切です。
次に、アイロンの焦げついている部分を液体を浸した布で拭きましょう。アイロンの蒸気が出る箇所といった目詰まりしている部分を布でこすります。
こすっても汚れが取れない場合には、スポンジを使って落としましょう。ただし、アイロンが傷つくため、タワシは使用しないよう注意が必要です。
■②メラミンスポンジを使う方法
メラミンスポンジを濡らし、アイロンの表面をこするように洗って焦げを落とします。力を入れてこするとメラミンスポンジが原因で細かな傷がついてしまうため、焦げついている部分のみを優しくこすることが大切です。
細かい傷が付くと、傷に汚れや焦げが詰まり、落とせなくなるため注意しましょう。最後に、タオルをしっかり絞り、タオルで表面の汚れをふき取ります。
■③中性洗剤と歯磨き粉を使う方法
中性洗剤と歯磨き粉を使用する方法は、頑固な焦げ汚れが付いている場合に有効です。
まず、中性洗剤とぬるま湯をボウルに入れてきれいな布を浸し、布をしっかり絞ったらアイロンの焦げを拭き取ります。アイロンがどの程度焦げ付いているのかによって、洗剤の量を増やす、もしくは減らしましょう。
特に、アイロンのスチームが出る場所は汚れが蓄積しやすいため、しっかりとこすり洗いをすることが大切です。
中性洗剤で焦げを落としたら、最後に歯磨き粉を少量乗せてタオルで拭き取りましょう。歯磨き粉が残った状態だとアイロンをかけた際に再度アイロンが焦げ付いたり、服にシミがついたりするため注意が必要です。
■④クエン酸を使う方法
粉末状のクエン酸を水で薄めてクエン酸水を作り、布に染み込ませてしっかり絞ります。アイロンの電源を切って一定時間をおいて冷ましたら、クエン酸水を染み込ませた布で焦げをこするようにして拭き掃除をしましょう。
なお、粉末状のクエン酸が溶けていないとアイロンの焦げ付き汚れにクエン酸の成分が浸透しないだけではなく、粉末によってアイロンが傷つくため注意が必要です。
クエン酸は保存できる期間が長く、自宅の様々な場所の掃除に活用できることがメリットです。アイロンの焦げ以外の汚れにも活用できるので、クエン酸を持っていない場合には購入しても損はないでしょう。
■⑤重曹を使う方法
重曹大さじ2杯と水1杯を混ぜ、重曹ペーストを作ります。アイロンが焦げている場所により、ムラがないように塗りましょう。
焦げ付き汚れの程度によりますが、少し焦げている程度であれば15分程度時間をおきます。重曹ペーストが茶色く変色していれば、焦げが重曹ペーストに吸収されている状態です。重曹ペーストに汚れが吸収されているのを確認したら、濡らした布でペーストを拭き取ります。
重曹を使用するとアイロンに白い跡がつくケースがあります。湿らせた布で数回拭き取ってきれいにしましょう。最後にアイロンタンクに水を入れ、綺麗なものにアイロンをかけます。
アイロンに汚れが残っていると汚れが服に付く場合があるため、使っていない布で試すことが大切です。アイロンを高い温度に設定し、数分間使用すれば残りの汚れを出せます。数分間アイロンをかけたあとは、アイロンをしっかり乾かしましょう。
アイロンの焦げを予防する方法
アイロン掛けの際に高温で長時間かけると、焦げつく可能性が高いです。シワを伸ばすために高温で長時間アイロンをかけなければいけない場合には、スチームを活用して中温を保つだけで焦げを予防できるでしょう。
さらに、アイロンを使用した後はこまめに拭き掃除をすることで焦げを予防できます。アイロンを使用した後は、濡れた布の上に置いて冷ますのも良いでしょう。
また、冷めているかどうかを確認するために手で触れたくなりますが、不用意に触れないようにするだけで手垢の付着を予防できます。手垢が蓄積しないようにすると、アイロンの焦げの予防にもつながるでしょう。
アイロンの水垢を取る方法
アイロンは焦げ付き汚れだけではなく、蒸気の部分に白い汚れが付着する場合があります。白い汚れは水分の中に含まれているミネラルが蓄積した水垢です。
水垢はこするだけでは簡単に除去できないため、クエン酸を使用する方法が有効です。クエン酸はアルカリ性の性質があり、酸性の性質を持つ水垢を中和して落とす効果が期待できます。
クエン酸を使った水垢の除去方法は、クエン酸小さじ1杯と水500mlを混ぜ、クエン酸水を作ったらキッチンペーパータオルにクエン酸水を含ませ、水垢がついている部分にパックします。
一定時間放置したら、パックをはがして拭き取りましょう。スチームの吐出口から水垢が垂れるケースがあるので、汚れたら困る場所にキッチンペーパーパックをした状態のアイロンを放置しないように注意が必要です。
また、洋服にアイロンをかける前には、使わない布で試す方法もあります。事前に不要な布でアイロン掛けをすれば、アイロンの中に残っている汚れがきれいにしたい洋服に付着することを予防できるでしょう。
アイロンで衣類が焦げた場合の対処法
焦げたアイロンを使い、洋服が黄色く変色すると同時に焦げ付き汚れが付着した場合には、酸素系漂白剤やオキシドールを使用して焦げ付きの汚れの原因である酸素を中和しましょう。
酸素系漂白剤もしくはオキシドールは、ドラッグストア、ホームセンター、スーパーで購入できるうえに、簡単に焦げ付き汚れを除去できます。
オキシドールを使用する場合、輪ジミがつかないように洋服の焦げた部分を霧吹きで湿らせ、布にオキシドールを染み込ませて焦げ付き汚れがついている部分を叩いてオキシドールを染み込ませましょう。
オキシドールが乾燥しないように数回叩き、目立たなくなったら洗濯もしくは自然乾燥させて完了です。
酸素系漂白剤を使用する場合には、酸素系漂白剤をお湯に溶かして汚れがついている部分に浸透させて10分程度放置してから洗濯します。酸素系漂白剤を持っていない場合には、お酢やクエン酸を使う方法も有効です。
ただし、焦げの汚れはオキシドール酸素系漂白剤で落とせますが、衣服そのものが焦げてしまった場合は元に戻せません。そのため、焦げの汚れではなく焦げた場合には、処分するか焦げてしまった部分を別の布でリメイクしましょう。
まとめ
長期間アイロンの焦げを放置し、焦げが取れない場合や洋服を傷めてしまう場合には、焦げ付き汚れを無理にこすって落とそうとするより、買い替えることも検討しましょう。
長期間放置した焦げは簡単に取れず、力をいれてこするとアイロンが故障する原因になるため注意が必要です。
洋服を傷めず安全にアイロンを使うためにも、焦げ付き汚れがついている場合にはすぐに落とし、アイロンをきれいな状態に保ちましょう。