カビは身近な存在で、黒カビや白カビなどを1度は見たことがあるでしょう。例えば、お気に入りの服にカビが生えていて、ショックを受けた方もいるのではないでしょうか?
服にカビが生えることは珍しくなく、むしろよくあることです。例えば、”しまっている服を着ようと思ったらカビが生えていた”、という話はよく聞きます。服にカビが生えてしまうと、落とし方がわからず捨てる方もいますがもったいないです。
服にカビが生えても落とす方法はあるため諦める必要はありません。カビを落とす方法をチェックしてカビをなかったことにしましょう。服にカビが生える原因や、カビの種類別に落とす方法をご紹介していきます。
服にカビが生える原因2つ
服にカビが生える原因から見ていきましょう。カビやカビの胞子は目に見えなくても空気中に舞っており、一定の条件が揃うと季節に関係なく服にカビが生えます(以下参照)。
服にカビが生える原因|その1 ■①高温多湿が好き
服をクローゼットや押し入れに収納している方は多いでしょう。クローゼットや押し入れは締め切っていることが多いため高温多湿になりやすく、服にカビが生えることは珍しくありません。
カビは、温度25度以上、湿度75%以上になると活発になるのが特徴で、クローゼットや押し入れは繁殖する条件が揃っています。また、水分を含んでいる服をクローゼットや押し入れにしまうのも、カビが生える原因です。
服にカビが生える原因|その2 ■②栄養源になるものがある
服にカビが生える原因は素材なども関係しています。カビは特にタンパク質や炭水化物を好み、羊毛、綿、麻、革、絹製品の服は要注意です。他にも、カビは服の繊維に付着している皮脂、汗、フケ、水分、ホコリなどを栄養源にして増殖します。
服にカビが生える原因をなくすアイテム ■サーキュレーターつき除湿器でカビ知らず!
クローゼットや押し入れが湿気のたまりやすい空間になっていると、今はカビが生えていない服にも今後カビが生える可能性があります。
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服に生えるカビ4種類
カビは世界で3万種類存在していますが、服に生えるカビは、白カビ、黒カビ、緑カビ、茶カビの4種類しかありません。中でも服に生えやすい種類は白カビと黒カビで、両者は定番のカビと言えます。では、4種類のカビの特徴を見ていきましょう。
服に生えるカビ|その1 ■①白カビ
白カビは綿のように白くてフワフワしている見た目が特徴で、手で払うと落とすことができます。基本的に服の表面だけに生えていることが多く、取り除く作業に手こずることはないでしょう。
カビの種類によっては服の繊維の奥までビッシリ根を張りますが、白カビは根深くないケースがほとんどです。ただし、大量発生している場合は服の繊維の奥まで根を張っていることもあります。
服に生えるカビ|その2 ■②黒カビ
服に生えるカビの中で1番厄介な種類は黒カビです。黒カビは服の繊維の奥まで根を張り、1度生えると簡単に落とすことができません。服の表面の黒カビを落とすことができても、繊維の奥にある根を完全に除去するのは難しい場合もあるでしょう。
服の繊維の奥に黒カビの根が残っていると再び黒カビが生えてくるため、根こそぎ除去することがポイントになります。
服に生えるカビ|その3 ■③緑カビ
緑カビは地中によくいるカビ(ツチアオカビの種類)で、樹木や落ち葉を分解するのが特徴です。もともと、野外に存在するカビのため服に生えるケースは少なでしょう。とはいえ、緑カビが服に生えないとも言い切れず、窓を開けたタイミングなど何かの拍子で室内に侵入することがあります。
緑カビが室内に入り込み服に付着すると、人体や家具などに悪影響を及ぼすこともあるため軽視することはできません。人体への影響は緑カビを吸い込んだ時に表れ、アレルギーや喘息などを発症する恐れがあります。緑カビによる家具の影響は木材の部分の劣化や腐敗です。
服に生えるカビ|その4 ■④茶カビ
服に茶カビが生えるケースは、通気性が悪く、高温多湿の環境で長期保管していた場合に多く見られます。茶カビはカビが酸化したものですが、カビではなくシミの可能性もあるため確実に断言するのは難しいかもしれません。
茶カビではなくシミの場合はサビと皮脂の酸化が原因です。サビは、金属部分(服に付いているボタンやファスナーなど)の劣化や腐食、水道管の鉄サビが原因で茶色いシミになります。
皮脂の酸化は服の繊維の奥にある皮脂が浮き出たものです。服をしまう前に洗濯をしても繊維の奥に皮脂汚れが残っている場合、最初は黄色いですが酸化すると茶色くなります。
服に生えたカビの取り方【黒カビ】
服に生えた黒カビは根が深く張っているケースが多く、とても頑固で落とすのはかなり根気がいります。衣服の奥にまではびこっている黒カビをいかに根絶させることができるか、黒カビ落としのポイントになります。カビが再発しないように、しっかりと以下の手順で黒カビを取っていきましょう。
服に生えた黒カビの取り方|ステップ1 ■①準備物
・粉末や液体の酸素系漂白剤
・洗面器やバケツ
・綿棒
・マスク
・ゴム手袋
酸素系漂白剤は液体タイプもありますが、服に生えた黒カビを落とす時は粉末タイプがおすすめです。粉末タイプは洗浄成分が強く、しつこい黒カビにしっかりアプローチしてくれます。ただ、洗浄力が強いと服に負担がかかるため、デリケート素材の服は液体タイプが安心です。
一方、液体タイプの酸素系漂白剤は洗浄力は控えめですが、黒カビを落とすことができないわけではありません。色や柄物の服、デリケート素材の服にも使うことができる他、扱いやすいという利点もあります。
服に生えた黒カビの取り方|ステップ2 ■②やり方
服に生えた黒カビを取るには、『ポイント洗い』と『浸け置き洗い』の二刀流が最適です。少し手間はかかりますが、服の繊維の奥まで入り込んだカビの根までしっかり落としましょう。
<手順>
1.)換気をしながら、綿棒に酸素系漂白剤を含ませ黒カビ部分に当てて優しく擦ります。液体タイプは直接綿棒に含ませて、粉末タイプはお湯で溶かしてから綿棒に含ませましょう。
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2.)洗面器やバケツに、黒カビが浸る量のお湯と酸素系漂白剤を入れてよく混ぜます(酸素系漂白剤とお湯の分量はパッケージを確認してください)。
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3.)約1時間〜6時間浸け置きして、30分~1時間おきに黒カビの落ち具合を確認しましょう。黒カビが落ちたら服を洗濯機へ入れていつも通り洗濯します。
服に生えたカビの取り方【白カビ】
服に生えた白カビを落とす方法は黒カビを落とす時よりも簡単です。ただ、白カビの発生状態などによっては熱湯や酸素系漂白剤を使うため、洗濯表示を確認してからカビの除去作業を始めましょう。
服に生えた白カビの取り方|ステップ1 ■①準備物
・アルコール除菌スプレーか消毒用のエタノール
・粉末や液体の酸素系漂白剤(必要があれば)
・タオルやいらない布
・マスク
・ゴム手袋
アルコール除菌スプレーと消毒用のエタノールは、白カビ除去や除菌に最適です。服に白カビが大量発生していなければ、アルコール除菌スプレーや消毒用のエタノールだけでカビを落とすことができます。また、服にかけても繊維への負担が少なく、気軽に使うことができるのもポイントです。
服に生えた白カビの取り方|ステップ2 ■②やり方
服に生えた白カビを落とす時は、雨が降っていて風も弱い日に行うことをおすすめします。理由はカビや胞子はとても軽く、簡単に空中に舞ってしまうからです。雨による湿気と風が弱い日の方が、白カビや胞子が舞うリスクを軽減することができます。天気予報をチェックしてから白カビ除去を行いましょう。
<手順>
1.)白カビが生えた服を外へ持って行き、手で白カビを優しくはたいて落とします。服をはたく際は洗濯物や布団がない状態で行い、他の服にカビが付着しないようにしましょう。
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2.)タオルやいらない布に、アルコール除菌スプレー、もしくは消毒用のエタノールを染み込ませて白カビを優しく拭き取ります。服を強く叩いたり擦ると白カビが繊維の奥に入り込むため、優しく拭き取るのがキレイに落とすコツです。
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3.)服に白カビが大量発生している時や、少量の白カビでも気になる方は洗濯機で洗いましょう。洗濯機へ酸素系漂白剤とお湯を入れていつも通り服を洗濯します。
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4.)服を洗濯した後はしっかり乾かして、水分を残さないようにしましょう。なお、アルコール除菌スプレーや、消毒用のエタノールのみの場合も乾かします。
服に生えたカビの取り方【緑カビ・茶色カビ】
服に緑カビと茶カビが生えることは少ないですが、万が一の時のために除去方法を頭に入れておきましょう。基本的に緑カビや茶カビを落とす時も、黒カビの除去方法とほとんど変わりません。服に生えた緑カビや茶カビを落とす前に、洗濯表示をチェックしてください。
服に生えた緑カビ・茶色カビの取り方|ステップ1 ■①準備物
・粉末や液体の酸素系漂白剤
・塩素系漂白剤(必要があれば)
・洗面器やバケツ
・マスク
・ゴム手袋
服に生えた緑カビや茶カビを酸素系漂白剤で落とすことができない場合は、塩素系漂白剤を使います。
ただし、使用することができる服の色は『白のみ』です。塩素系漂白剤は服の染料を分解して白くするため、色や柄物の服はもちろん、アイボリーなど白っぽい色の服への使用も避けましょう。また、シルク、ナイロン、ポリウレタン、アセテートの服も使用することができません。
服に生えた緑カビ・茶色カビの取り方|ステップ2 ■②やり方
最初に酸素系漂白剤で試してみましょう。ほとんどの場合、緑カビや茶カビは酸素系漂白剤で落とすことができます。やり方は、『服に生えたカビの取り方【黒カビ】』をご覧ください。酸素系漂白剤で緑カビや茶カビを落とすことができず、塩素系漂白剤を使う場合のやり方をご紹介します。
<手順>
1.)洗面器やバケツに塩素系漂白剤とお湯を入れてよく混ぜましょう。塩素系漂白剤とお湯の分量は、パッケージを見て確認してください。
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2.)約30分〜2時間浸け置きします。塩素系漂白剤は漂白力が強いため白くなるのが早いです。服の繊維へのダメージを減らすためにも、15分や20分おきにチェックして服が白くなったら取り出しましょう。
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3.)服を洗濯機に入れてすすぎと脱水を行い、しっかり乾かせば緑カビや茶カビの除去作業は終わりです。
※塩素系漂白剤は酸素系漂白剤と混ぜて使ってはいけません。一緒に使うと化学反応を起こし有毒ガスが発生するため、必ず別々で使うようにしましょう。
服に生えたカビの取り方【革製品】
革製品の服にカビが生えた時は2つの方法を実践しましょう。革を使った服は白カビの巣窟になりやすいですが、状態に合わせて除去作業を行うとキレイになります。
革製品の服に生えたカビの取り方|ステップ1 ■①準備物
【カビが少し生えている場合】
・革用のブラシ
・革用の掃除クリーナー
・革用のケアクリーム
・タオルや布
【カビが大量発生している場合】
・アルコール除菌スプレーか消毒用のエタノール
・革靴用のブラシ
・革用の掃除クリーナー
・革用のケアクリーム
・ティッシュ
・タオルや布
革製品の服に生えたカビの取り方|ステップ2 ■②やり方
革製品の服に生えたカビを落とす時、特に注意すべきなのはカビが大量発生している場合です。革はアルコールに弱いため慎重に除去作業を行う必要があります。
【カビが少し生えている場合】
1.)カビが生えた服を外へ持ち出したら革用のブラシで優しくカビを払い、ある程度落としましょう。
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2.)革用の掃除クリーナーをタオルや布にとり、カビに当てて落とします。次は、革用のケアクリームを革全体に薄く塗り込み、服を日陰に置いて約1時間待ちましょう。
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3.)革にツヤを出したい時は乾いたタオルや布で拭き、服を風通しがいい日陰に半日~1日置いて乾燥させます。
【カビが大量発生している場合】
1.)カビが生えた服を外へ持ち出したら革用のブラシで優しくカビを払い、ある程度落としましょう。
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2.)革はアルコールを含むと変色する恐れがあるため、目立たない場所でテストを行った方が安心です。アルコール除菌スプレーや消毒用のエタノールをティッシュに含ませて、革やカビを優しく拭き取り約5分待ちましょう。
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3.)問題がなければテストと同じ要領で作業を行い、アルコール除菌スプレーや消毒用のエタノールが乾いたことを確認します。
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4.)革用の掃除クリーナーを革全体に薄く塗り込みカビを落としましょう。革用のケアクリームも同じように革全体へ薄く塗り込み、約1時間待って成分を浸透させます。
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5.)革にツヤを出したい時は乾いたタオルや布で拭き、服を風通しがいい日陰に半日~1日置いて乾燥させましょう。
服に生えたカビはオキシクリーンで落とせる?
万能漂白剤として知名度があるオキシクリーンは、服に生えたカビも落とすことができるのでしょうか?もともとオキシクリーンは布製品の汚れを落とす漂白剤のため、服に生えたカビを落とすことができます。
オキシクリーンは酸素系漂白剤で、『40度~60度のお湯で溶かして使うのが基本』です。お湯に反応すると酸素の泡がたくさん発生し洗浄力が高まります。酸素の泡はカビなどを含む汚れに反応する仕組みで、色や柄物の服などに使用することができるのもポイントです。
なお、オキシクリーンは洗浄力が高いアメリカ版と、肌や服への負担が少ない日本版があります。両者の違いは界面活性剤の有無にあり、アメリカ版は界面活性剤(青い粒)が含まれているおかげで、泡立ちが良く高い洗浄力が特徴です。
一方の日本版は界面活性剤が含まれていませんが、酸素の力で服に生えたカビを落とすパワーはあります。
服のカビを防ぐ対策3選
服に生えたカビを落としたら、再びカビが生えないように3つの予防対策を行いましょう。特に梅雨や夏は高温多湿になるため服にカビが生えやすいです。カビの予防対策をしっかりおさえてカビから服を守りましょう。
服のカビを防ぐ対策|その1 ■①1度着た服は洗濯するかクリーニングに出す
あなたは1度着た服を洗濯していますか?服をカビから守るなら、1度しか着ていなくても洗濯するかクリーニングに出しましょう。服の繊維は、汗、皮脂、ホコリなどが付いており、目に見えなくても意外と汚れています。
汚れが付いた状態の服をクローゼットや押し入れにしまう行為は、カビに栄養を与えるようなものです。カビはわずかな汚れも栄養源にして増殖するため、少しでも服が汚れていたらカビが生えると思いましょう。
また、洗濯後の服は完全に乾いてからからしまうのもポイントです。服に水分が残ったままクローゼットや押し入れにしまうと、高温多湿によりカビが生えやすくなります。
服をクリーニングに出した後は、袋を外して温度や湿気がこもらないようにしましょう。どうしても袋を外したくない場合は、袋全体にたくさん穴を開けて熱や湿気を逃がします。
服のカビを防ぐ対策|その2 ■②2ヵ月に1回は洗濯槽を掃除する
服のカビ対策では洗濯槽の掃除も重要です。2ヶ月に1回を目安とし、市販の洗濯槽クリーナー、重曹、セスキ炭酸ソーダ、オキシクリーンなどで洗濯槽の汚れを落としましょう。
洗濯槽の裏側は洗剤カスや水垢などで汚れており、カビの温床になりやすいです。せっかく服を洗濯しても、カビが生えた洗濯槽で服を洗うとカビが付着するため意味がありません。服にカビが付着した状態でクローゼットや押し入れにしまうと、服だけでなく収納スペースにもカビが生えます。
服のカビを防ぐ対策|その3 ■③収納スペースの湿気対策
服にカビを発生させないために、クローゼットや押し入れの中を定期的に掃除しましょう。クローゼットや押し入れの隅、手が届きにくい奥は、クイックルワイパーなどの掃除グッズを使ってホコリを取ります。
クローゼットや押し入れは掃除をすることも大切ですが、高温多湿の環境を防ぐ対策も欠かせません。マメに扉を開けて空気を入れ替えたり、新聞紙、除湿剤、除湿器を設置して除湿効果を高める方法もあります。
まとめ
服にカビが生えると焦るかもしれませんが、まずはカビの種類を見極めることが大事です。カビの種類に合わせた方法を行えば、服は元の見た目を取り戻し臭いもなくなります。服に生えたカビを落とす際はマスクとゴム手袋をして、体内に取り入れないように注意しながら除去作業を行いましょう。