トイレを流すとゴボゴボと音がなってなかなか水が流れないという経験がある人もいるのではないでしょうか。これはトイレの水が逆流していることが原因です。トイレの水が逆流することで臭いがすることもあります。本記事ではトイレの逆流対処法を詳しく紹介します。本記事を参考にもしもの際どうするかを確認しましょう。
トイレが逆流する原因
トイレが逆流する原因を紹介します。原因が分かることで、正しい対処方法を見つけることができるでしょう。こちらで紹介するトイレが逆流する原因を確認しましょう。
■原因その1:排泄物による便器の詰まり
一度に大量の排泄物を流してしまうとトイレの水では流しきれず、排水管内にしっかりと排泄物が流れていかないという場合があります。ペットなどを飼っている場合、ペットの排泄物も便器が詰まる原因になります。特に猫砂は排泄物を含んで膨張する性質を持っているため、体積が大きくなります。そのため一度に多くの猫砂などを流すことで便器が詰まってしまうでしょう。
また、大量のトイレットペーパーも便器が詰まってしまう原因を作り出してしまいます。トイレ使用時に大量のトイレットペーパーを流さないように注意する必要があります。掃除などでトイレットペーパーを多く使用した場合は一度にトイレに流さず、小分けにして流すようにしましょう。
その他、お掃除シートや赤ちゃん用のおしり拭きシートなども詰まりの原因となります。
■原因その2:排水管の詰まり
便器内の詰まりが排水管に流れていくと、そのまま排水管の詰まりになってしまう場合があります。また便器の中では詰まらない程度のゴミや排泄物などが少しずつ排水管に蓄積し、最後には大きな詰まりとして流せなくなってしまう事例もあります。便器内の詰まりは程度に関係なく即座に対処するようにしましょう。
その他、排水管にゴミや排泄物が詰まる原因としては、トイレを流す際に使用される水の量も関係します。稀にテレビで取り上げられている、トイレのタンクにペットボトルなどを入れて行う節水方法がありますが、元々トイレには流れる水の量が定められています。
無理な節水をするとトイレを流す水の量が減ってしまい、ゴミや排泄物を流す力が弱まり排水管で詰まる原因になってしまいます。
■原因その3:汚水ポンプ・浄化槽の故障
汚水ポンプが故障した場合、トイレの汚水が正常に流れないため汚水が逆流する場合があります。汚水ポンプはトイレの排泄物等の水を一時的に槽に溜めて、ポンプを用いて下水道へ流します。この動作を行うポンプに故障が生じた場合、汚水がうまく下水道へ流れていかないという現象が発生します。汚水ポンプのメンテナンス等は、通常自分でできないので業者に依頼する必要があります。
また、浄化槽の故障が原因で、トイレの水が逆流してしまうことがあります。浄化槽は東京23区や都市部ではあまり使われておらず、地方でよく使用されています。浄化槽は定期メンテナンスが必要で、長い期間放ったらかしにすることで正常に作動しなくなります。
浄化槽が故障することが原因で、トイレの逆流だけでなく臭いや虫の発生など二次災害が発生する場合があるので注意が必要です。
■原因その4:土砂災害や大雨が発生
土砂災害や大雨が発生することで、その地域の下水道に大量の泥や雨水が流入しそれが原因でトイレの水が逆流してしまう場合があります。下水流入した大量の雨水や泥は、排水されないと配管に逆流してしまい、結果としてトイレを流した水が行き場を失いゴボゴボと音を立てながら逆流してしまうのです。場合によってはトイレ内まで浸水してしまうこともあります。
上述したような災害でのトイレ逆流現象は、復旧までなかなか時間がかかる場合が多くあります。災害時には、被害に遭う人などもいるため、下水などの復旧作業は二の次になってしまいます。
また、大きな地震が発生した場合にも、下水管などが破裂したり変形したりなどの影響を受けてしまうことがあります。そして、それが結果としてトイレの逆流を発生させる原因になります。
トイレの逆流対処法5つ
こちらではトイレが逆流してしまった場合の対処法を紹介します。原因によって有効な対処方法が変わるので、こちらで確認をしましょう。
■対処法その1:大量の水を流す
トイレの逆流の原因がトイレットペーパーや排泄物である場合、トイレに大量の水を流し込めばその水圧でうまく流し切ることができる場合があります。
もし、すでにトイレの水が逆流してしまっている場合は、一度便器内に溜まっている水をバケツなどに汲み出す必要があります。便器内の水を限りなくゼロにすることができたら、バケツから勢いよく便器に水を流します。
便器内の水が少しずつでも流れている場合は、一度全て流れきるまで待ってから水を勢い良く流し込みましょう。お湯を用意することができる場合は、お湯を使用すると良いですが、
便器は陶製のため熱湯を掛けると変形してしまう危険性があります。温度は最高でも50℃程度にしておきましょう。お湯を使用する場合も水と同じ手順で行います。
■対処法その2:ラバーカップを使う
ラバーカップを使用して水圧を加えることで、便器内もしくは排水口内の詰まりを解消することができる場合があります。特に硬い異物などによって詰まりが発生している場合に有効です。ラバーカップを使用する場合は、便器内の水が跳ね返ってトイレ内が汚れてしまう場合もあるのでしっかりと準備しましょう。
ラバーカップの使用方法は、もし便器内に水が大量に残っている場合は水量を減らすことから始めます。ラバーカップの真ん中部分が便器の排水口部分にしっかりと被るようにセットします。そしてゆっくりと柄の部分を押し込んでカップ部分を密着させると良いでしょう。そして一気に引っ張り上げることで排水溝内の水を引き上げることができ、これを繰り返すことで異物が流れてくれます。
■対処法その3:重曹とお酢を使う
お酢と重曹を混ぜた水溶液で便器内の詰まりを解消することが可能な場合があります。この水溶液を便器に流すことで、便器内部や排水管内部に溜まった汚れや詰まりの原因を溶かすことができます。やり方は簡単で、便器内の水を可能な限り汲み取ります。そこにぬるま湯をしっかりと溜めます。重曹を4分の1、酢を2分の1の比率で混ぜたものを便器に流し入れます。
その後2~3時間程度そのままで放置します。便器内や排水管のつまり解消に2時間は必要なため、必ず待つようにしましょう。水に溶けた重曹はアルカリ性のため、酸性の汚れに反応して溶かすことができます。
しかし、詰まりの原因が酸性でない場合や、固形の異物などの場合はこちらの方法で溶かすことはできないので注意が必要です。
■対処法その4:真空式パイプクリーナーを使う
詰まりの原因がトイレットペーパーや排泄物の場合、真空式パイプクリーナーが有効です。真空式パイプクリーナーはラバーカップのように吸引力で便器内や排水管内のつまり原因を引き上げます。やり方はラバーカップと同じように、真空式パイプクリーナーを排水口にしっかりと密着させます。そしてレバーをゆっくりと押し込んで、すばやく引き上げます。
真空式パイプクリーナーもラバーカップと同様、何度も上述した動作を行うことで排水管内に圧力が加わり詰まりが解消されます。この作業を行う際にはトイレの周りを汚れて良いようにしっかりと養生するようにしましょう。
また、固形物が詰まりの原因である場合、うまく解消することができない場合もあるので注意が必要です。
■対処法その5:ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシを使用することで、便器の奥や排水管に蓄積した詰まりの原因をこそぎ落とすことができます。基本的にこの方法で解消できる詰まりの原因は、トイレットペーパーや猫砂などが排水管に詰まっている場合です。一般家庭での仕様の場合、5m程度の長さがあれば十分でしょう。また、ワイヤーブラシで詰まりの原因を取り除く場合は、細心の注意を払って行いましょう。
詰まりがある便器にワイヤーブラシのブラシヘッドを差し込みます。ブラシヘッドが詰まりの原因に当たったら、ワイヤーブラシの柄を回して詰まりを削っていきます。そのまま奥に差し込んでいき、ワイヤーブラシが届く範囲で詰まりの原因をこそぎ落とすと良いでしょう。埋まりが削れていけば、少しずつ水が流れていきます。
台風などの災害時に逆流を防止するための対策
台風などの災害時には、大雨で水が逆流する可能性が高くなります。下水で排水する量を上回る雨が降れば、簡単に起こり得るでしょう。その場合、トイレの水が逆流してしまうので対策を講じなくてはいけません。
大雨での水の逆流は勢いもあり、水を流さなくても大量の水が逆流してくる場合もあります。そのような場合は水嚢を用意してその逆流を防ぐ必要があるでしょう。
【水嚢の作り方】
40Lのビニール袋を使用し、ビニール袋に半分くらいの水を入れます。空気を抜いて口をしっかりと塞ぎ、そしてできた水嚢を便器内に置きます。それによって便器からの水の逆流を防ぐことが可能です。40Lのビニール袋が用意できない場合には、プラスチック製のタンクなどを代用品とすることができるでしょう。
まとめ
トイレの逆流の原因はいくつもあり、その原因を理解することで適切な対策を取ることが可能です。本記事を参考にその正しい方法を確認し、適切な処置をしましょう。