テフロン(フッ素樹脂)加工など、表面コーティングが施されたフライパンは食材がこびりつきにくく便利。しかし、使っているうちに焦げ付くようになり、「もう寿命?」とがっかりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
フライパンの平均寿命がどれくらいなのか、また平均的な寿命前にダメにしてしまっている場合、どうしたらフライパンを長持ちさせられるのか気になりますよね。
そこで今回は、フライパンの寿命について特集!以下の内容を見ていきます。
【本記事の内容】
・フライパンの平均寿命
・フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策
・おすすめの長く使えるフライパン
・フライパンを買い替えるタイミングの目安
「フライパンの寿命が短い!」と感じる方向けに、具体的な解決につながる5つの対応策とおすすめのフライパン3つをご紹介するので、あなたの悩み解決のヒントがきっと見つかりますよ。
フライパンの平均寿命ってどれくらい? コーティングありのフライパンの寿命は1~3年
一般的に、テフロンなどのフッ素樹加工やダイヤモンド加工など、食材を焦げ付きにくくするためのコーティングが施されたフライパンの寿命は1~3年程度だと言われています。
これは、約1~3年でコーティングが寿命を迎えるため。フライパン自体は硬くつくりもシンプルなためそう簡単に壊れるものではありませんが、コーティングは使っているうちに剥がれてきてしまいます。
コーティングがダメになると、こびりつきがひどくなるなどスムーズな調理が困難に。コーティングありのフライパンの場合、コーティングが寿命を迎えた時点で事実上フライパンの寿命となります。
一方、鉄や銅、ステンレスなどのコーティングなしのフライパンの場合は、10年以上使い続けることが可能です。きちんとお手入れして使えば一生ものとして半永久的に使えるものもあります。
フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策1 解決策1:長持ちするコーティングを選ぶ
フライパンのコーティングにはテフロン(フッ素樹脂)加工やダイヤモンド加工などいくつか種類があります。剥げないコーティングはありませんが、フライパンを長く使うにはできるだけ長持ちする加工を選ぶのがポイントです。
加工の種類ごとの寿命の目安をチェックしていきましょう。
■テフロン(フッ素樹脂)加工のフライパンの寿命
テフロン加工をはじめとしたフッ素樹脂加工のフライパンは、表面がツルツルで食材がこびりつきにくいことが特徴。価格も手ごろで購入しやすいのが魅力です。
しかし、フッ素樹脂は熱や摩耗に弱く剥がれやすいのが難点。フッ素樹脂加工のフライパンの場合、寿命は約1年です。
なお、「テフロン加工」とはアメリカのケマーズ社(旧:デュポン社)が持つフッ素樹脂加工の登録商標ですが、テフロン加工にはランクがあります。上位のものほど耐久性が上がるため、購入の際はランクも参考にするといいですよ。
■マーブル加工のフライパンの寿命
マーブル加工は、フッ素樹脂に大理石の粉を混ぜたコーティング。硬い大理石が混ざっているため、フッ素樹脂のみの加工に比べコーティングの耐久性が高いのが特徴です。
一般的に寿命の目安は1~2年ほどですが、層が増えると耐久性が高まり、8層コーティングだと3年以上持つとも言われています。
■ダイヤモンド加工のフライパンの寿命
ダイヤモンド加工とは、フッ素樹脂にダイヤモンド粒子を混ぜたコーティングのこと。ダイヤモンド粒子によって耐摩耗性が高まるため、一般的なフッ素樹脂加工よりもコーティングが剥がれにくいのが特徴です。
寿命の目安はおおよそ2~3年と言われています。
■チタンコート加工のフライパンの寿命
チタンコート加工は、フッ素樹脂に鉄の約2倍もの強度を誇るチタンを混ぜたコーティング加工のこと。コーティングの中でもとくに耐久性が高いと言われていて、寿命の目安は2~3年程度です。
また、酸や塩分にも強くサビにくい特徴もあります。
■セラミック加工のフライパンの寿命
フライパンの表面を陶器などに使われるセラミック粒子でコーティングしたものです。フッ素樹脂の耐熱温度が約280℃なのに対し、セラミックは約400℃と耐熱性に優れ、万が一高温になりすぎても加工が剥がれにくいという利点があります。
ただし、衝撃に弱く欠けやすいというデメリットもあり、ぶつけたり落としたりしないよう扱いにはやや注意が必要です。寿命は約1~2年と言われています。
フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策2 解決策2:コーティングが長く持つ使い方をする
半年~1年など平均的な寿命前にフライパンがダメになってしまっている場合、誤った使い方によってコーティングの劣化を早めてしまっているのかもしれません。
毎日の調理の中で以下の5つの使用上の注意点を守れば、コーティングが長持ちしフライパンの寿命を伸ばすことにつながります。
フライパンのコーティングの寿命を伸ばすコツ1 ■空焚き・強火(高温)での調理をしない
コーティングありのフライパンで絶対に避けたいのが空焚き。コーティングは熱に弱いため、食材を入れずに空焚きをすると温度が上がりすぎてコーティングが著しく劣化する原因になります。
また、同じ理由から強火での調理も望ましくありません。火加減に注意し、弱火~中火での調理を心がけましょう。
フライパンのコーティングの寿命を伸ばすコツ2 ■使用後の熱々のフライパンに冷水をかけない
コーティング加工が施されたフライパンの場合、調理直後の熱々の状態で冷水をかけるのは厳禁です。急な温度変化でフライパンの金属が歪み、コーティングが剥がれる原因になります。調理後はきちんと冷めてから洗うようにしましょう。
フライパンのコーティングの寿命を伸ばすコツ3 ■金属製のヘラやフライ返しを使わない
硬いものがぶつかると、フライパンに施されたコーティングが剥がれたり傷ついたりする原因になります。コーティングフライパンでヘラやフライ返しなどを使う場合は、金属ではなく木製やシリコン製のものを選ぶようにしましょう。
フライパンのコーティングの寿命を伸ばすコツ4 ■洗うときにタワシやクレンザーを使わない
フライパンを洗う際にタワシや研磨剤入りのクレンザーなどを使うと、コーティングが剥がれたり劣化したりする原因になります。洗うときはやわらかいスポンジを使い、中性洗剤でやさしくなでるように洗うようにしましょう。
フライパンのコーティングの寿命を伸ばすコツ5 ■料理を入れたまま長時間放置しない
フッ素樹脂加工のフライパンの表面にはたくさんの小さな穴が空いています。調理後の料理をフライパンに長時間入れっぱなしにしておくと、油や調味料などが染み込みコーティングにダメージを与える原因に。
フライパンを長持ちさせたい場合は、料理はできるだけ早くお皿に移し、なるべく早く洗ってきれいにすることを習慣にするといいですね。
フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策3 解決策3:業者に再コーティングを依頼する
コーティング加工が施されたフライパンの平均寿命は1~3年ほどですが、それはコーティングの寿命によるもの。再びコーティングを施せば寿命を伸ばすことができます。
テフロン加工などフライパンのフッ素樹脂加工の再コーティングを請け負う業者もあるので、コーティングをし直して復活させるのもひとつの手段です。
業者やフライパンのサイズによっても異なりますが、再コーティングにかかる費用はおおよそ2,000円前後。これに別途往復の送料もかかります。
フライパンを買い替えたほうが安い場合もありますが、お気に入りのフライパンを手放したくないときなどは利用を検討してみるのもいいでしょう。
フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策4 解決策4:コーティングなしのフライパンを使う
コーティング加工なしのフライパンであれば、寿命は10年以上とだいぶ長く使用できます。
表面加工されているものに比べると焦げ付きやすくお手入れにもやや手間がかかりますが、強火で調理できるなどのメリットもあり、つい高火力で調理してコーティングをダメにしてしまうという方にはぴったりです。
コーティング加工のフライパンの寿命の短さが気になる場合は、思い切ってコーティングなしのフライパンに挑戦してみるのもいいでしょう。
寿命が長い「鉄のフライパン」ってどうなの? ■鉄のフライパンの特徴
鉄のフライパンは寿命が長いだけでなく、使うほどに油がなじみ食材がこびりつきにくくなるのが特徴。はじめのうちは焦げ付きが気になりますが、徐々にストレスなく使えるフライパンへと育っていきます。
高温に強く熱伝導率にも優れているため、炒め物やチャーハンなどをおいしく調理できるのも魅力です。また、鉄のフライパンを使うことで、少量ですが現代人に不足しがちな鉄分を補えます。
ただし、重いことや油慣らし(シーズニング)などお手入れにやや手間がかかる点は覚悟しておきましょう。
フライパンの寿命が短いと感じるときの解決策5 解決策5:最終手段!安いフライパンを使い捨て
どんなに性能に優れたフライパンであっても、うっかり空焚きをしてしまうなど使い方が悪いとすぐに寿命が来てしまいます。
耐久性に優れたコーティングが施されたフライパンは、その分高額になりがち。いっそのこと、ダメになったら気兼ねなく買い替えできる安いフライパンを選ぶというのも選択肢のひとつです。
寿命が長いフライパンで悩みを解決! 長く使えるフライパンおすすめ3選
寿命が長めなティファールのフライパン|IH対応 ■ティファール史上最高ランクの耐久性を実現
T-fal/ティファール
IHルージュ・アンリミテッド 28cm
コーティングフライパンの定番ブランド「ティファール」のフライパン。フィニッシュ層にハードクリスタル素材を使用した「チタン・アンリミテッドコーティング」によって、優れたこびりつきにくさと耐久性を実現したモデルです。
チタンコーティングはフライパンのコーティングの中でも耐久性に優れていることで有名ですが、こちらは従来のチタンコーティングと比較し6倍の耐久性があるといわれています。長持ちするコーティングフライパンがほしい方におすすめです。
コーティングありでも寿命が長いフライパン ■メーカーの自信の表れ!安心の10年保証付き
SCANPAN/スキャンパン
フライパン Classic 26cm
デンマークの調理器具メーカー「SCANPAN」のフライパン。コーティングのあるフライパンは一般的に消耗品とされますが、チタン層を立体的に組み合わせる独自技術によって剥がれや摩耗に強いコーティングを実現しているのが特徴です。
耐久性への自信から、10年保証が付けられるほど。加熱のしすぎによる焦げ付きや傷は保証対象外ですが、万が一フッ素樹脂加工の剥がれや摩耗が認められた場合は新品と交換してもらうことができ、安心して使用できるでしょう。
寿命が長い鉄のフライパンのおすすめ商品 初心者でも使いやすい鉄のフライパン
RIVER LIGHT/リバーライト
極JAPAN フライパン 20cm
「コーティングフライパンはすぐにダメになってしまう‥‥」と悩む方にぜひ試してほしいのが鉄のフライパン。使いはじめこそ焦げ付きが気になりますが、次第に油がなじみ卵料理だって焦げ付かなくなります。
こちらは鉄に特殊熱処理を施しサビにくしたフライパンで、従来の鉄のフライパンに比べお手入れがラクで扱いやすいのが特徴。サビ止め塗装がされていないので、使いはじめの空焼きも不要です。初めての鉄のフライパンにおすすめですよ。
フライパンの寿命の見分け方 フライパンの買い替え時を報せる4つのサイン
フライパンの寿命が来ていることを見分ける4つのサインについて見ていきます。買い替え時の判断の参考にしてくださいね。
フライパンの寿命を報せるサイン1 ■食材がこびりつきやすくなった
テフロン加工などコーティングが施されたフライパンの場合、コーティングが剥がれはじめてくると焦げ付きが気になるようになります。以前と同じように使っているのに焦げ付きやすくなったと感じたら、買い替え時のサインです。
ちなみに、コーティングがダメになったフライパンを使うことで剥がれたフッ素樹脂コーティングが口に入るリスクを心配する方もいるかもしれませんが、万が一体内に入ってもそのまま排出されるため健康上の影響はないと言われています。
フライパンの寿命を報せるサイン2 ■目に見えてコーティングが剥がれている
コーティングが傷つき、表面が浮き上がるなどコーティングが剥がれてきている場合もフライパンの寿命が来たサインです。買い替えや再コーティングを検討しましょう。
フライパンの寿命を報せるサイン3 ■サビが見られる
とくに鉄製のフライパンに多く見られますが、フライパンにサビが生じてしまうことがあります。状態によってはお手入れや修理で改善する場合もありますが、もとに戻すのはなかなか困難。寿命が来たと考えて買い替えをしたほうが無難です。
フライパンの寿命を報せるサイン4 ■取っ手が壊れている
フライパンの取っ手がグラつくなど、持ち手が壊れてしまった場合そのまま使い続けるのは危険です。フライパンの寿命と捉え、買い替えを検討しましょう。
ただし、お気に入りのフライパンや高級フライパンなどであれば修理を依頼するのもひとつの手段です。修理業者のほか、メーカーでも修理対応してくれる場合があるので問い合わせてみるといいですね。
よくある質問
■フライパンの寿命は平均何年くらいですか?
テフロン(フッ素樹脂)加工やダイヤモンド加工など、食材をこびりつきにくくするコーティングが施されたフライパンの寿命は一般的に約1~3年と言われています。コーティングなしのフライパンであれば、10年以上使い続けることが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
■フライパンを長持ちさせる方法は?
フライパンを長く使うには、「長持ちするコーティングのフライパンを選ぶ」「コーティングが長持ちする使い方をする」などがポイントになります。またコーティングが剥がれてしまったときに、業者に再コーティングを依頼するなどの方法もあります。記事では、「フライパンの寿命が短い」と悩む方向けに5つの解決策とおすすめのフライパンを紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。