突然の停電!でもブレーカーは落ちていない…こんなときに考えられる原因7つと自分でできる対処法を解説します。
停電は、ブレーカー自体に原因があることもあれば、外的要因があることも。突然の停電に備えておくと便利なアイテムもご紹介しますので参考にしてみてください。
ブレーカー落ちてないのに停電? そもそもブレーカーとは?
一般家庭におけるブレーカーとは「電気を安全に使うための配線用遮断器」です。
例えば、複数の電化製品を同時に使っていたときに、突然すべての電源が切れた経験がある方も多いのではないでしょうか。(一般的に「ブレーカーが落ちた」と表現します。)
ブレーカーが落ちて電気がストップするのは、過電流による発火や火災を防ぐためです。また、ブレーカーは漏電を検知したときにも電気を遮断し、重大な事故や火災を防ぐ役割も果たしています。
ブレーカーの基礎知識 その1 ■ブレーカーと分電盤のちがい

ブレーカーというと、上の写真のような装置をイメージするかもしれませんが、実はこれは「分電盤」です。そして分電盤の中にある「入・切」のスイッチをそれぞれ「ブレーカー」と呼びます。
・ブレーカー…分電盤の中にあるスイッチ
・分電盤…ブレーカーが入っている装置全体
ブレーカーの基礎知識 その2 ■一般住宅のブレーカーは3種類ある

一般住宅の分電盤には大きく分けて3種類のブレーカーが入っています。
①アンペアブレーカー
②漏電ブレーカー
③安全ブレーカー
それぞれのブレーカーの特徴を解説します。
3種類のブレーカー それぞれの特徴と役割
①アンペアブレーカー(別名:契約ブレーカー・サービスブレーカー)
・分電盤の左側に配置されていることが多いです。
・契約アンペア数を超えた電気量が流れると、ブレーカーが落ちて家全体の電気がストップします。
・過電流による発火・火災を防ぎます。
スマートメーターが導入されている住宅では、分電盤にアンペアブレーカーがない場合もあります。(スマートメーターについては後ほど解説します。)
3種類のブレーカー それぞれの特徴と役割
②漏電ブレーカー
・分電盤の中央に配置されていることが多く、赤や黄色のボタンがついていることもあります。
・漏電を検知すると、ブレーカーが落ちて家全体の電気がストップします。
・漏電による重大な事故・火災を防ぎます。
3種類のブレーカー それぞれの特徴と役割 ③安全ブレーカー
・分電盤の右端に配置されている複数のスイッチのことを指します。
・各部屋の電気のショートや過電流を検知すると、個別にブレーカーが落ちて、該当の部屋や場所の電気がストップします。
次は、ブレーカーが落ちていないのに停電する原因と対処法をみていきましょう。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ①3種類あるブレーカーのうち一部が落ちていた
ブレーカーは落ちていないのに…と思っても、実は全部のブレーカーは落ちていないけど、一部のブレーカーが落ちていたというケースがあります。
先ほどご紹介したとおり、ブレーカーには、アンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカーの3種類があるので、すべてのブレーカーの状態を確認しましょう。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 その1 ■アンペアブレーカーが落ちているときの対処法
アンペアブレーカーが落ちる原因は、電気の使い過ぎです。ドライヤー・洗濯乾燥機・掃除機・電子レンジ・電気ポット・エアコンなど消費電力の多い電化製品は、一度に使い過ぎないようにしましょう。
【アンペアブレーカーの復旧方法】
1: ブレーカーが落ちる原因となった消費電力の大きな電化製品を特定する
2: 電化製品の電源をオフにする
3: アンペアブレーカーのスイッチを入れる
4: 使用する電化製品のみスイッチを入れる
もし、使用する電化製品を減らせない事情がある場合は、契約アンペア数を増やすのも一案です。(ただし月々の電気料金は上がります。)
現在の契約アンペア数がどのくらいかは、電力会社から届く請求書や、アンペアブレーカーに記載された数字でご確認ください。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 その2 ■漏電ブレーカーが落ちているときの対処法
アンペアブレーカーは落ちていないのに停電している…そんなときは、漏電ブレーカーを確認してみましょう。漏電ブレーカーが落ちている場合、住宅内で電流の漏れがあります。感電や火災の恐れがあり、そのまま使用するのは危険です。
【漏電ブレーカーの復旧方法】
1: すべてのブレーカーのスイッチを切る
2: アンペアブレーカーと漏電ブレーカーのスイッチを入れる
3: 安全ブレーカーのスイッチをひとつずつ順番に入れると、どこかで漏電ブレーカーが落ちる
そのタイミングでスイッチを入れた安全ブレーカーの箇所が漏電していると特定
4: 漏電箇所の安全ブレーカーのスイッチは切っておく(漏電箇所の家電のプラグを抜く場合は、
安全のため安全ブレーカーが切れた状態で抜く)
5: それ以外の安全ブレーカーと、アンペアブレーカー、漏電ブレーカーのスイッチを入れる
〈参考〉
漏電ブレーカーは落ちる?知っておくと安心な5つの知識 |電気のトラブルなら東京電力パワーグリッド
上記の手順で、漏電箇所の特定と漏電していない場所の電気の復旧はできます。しかし、漏電箇所の電気の復旧は自力では危険です。電気工事店等に問い合わせて見てもらいましょう。
漏電工事の相場は1万~3万円程度ですが、工事の内容によっても変わります。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 その3 ■安全ブレーカーが落ちているときの対処法
家の中の一部だけ停電した場合、安全ブレーカーが落ちた可能性があるので確認してみましょう。安全ブレーカーが落ちる原因は2つあり、1つは同じ回路で電気を使いすぎていること、もう1つは電化製品の故障によるショートです。
【安全ブレーカーの復旧方法】
1: 安全ブレーカーが落ちた部屋の電化製品の電源をオフにし、電源プラグも外す
2: 安全ブレーカーのスイッチを入れる
3: 電化製品の電源プラグをコンセントに挿す(※)
4: 使用する電化製品を厳選し、電源を入れる
(※コンセントを挿してすぐに安全ブレーカーが落ちた場合、その電化製品がショートを起こしている可能性があります。使用をやめて電気工事業者に修理を依頼しましょう。)
また、電化製品やそのコードに傷があったり、焦げたようなにおいがしたりする場合も、電化製品の故障によるショートの可能性があります。発火やケガの恐れがあるので使用を止めてください。
電化製品のショートで、コンセント交換を業者に依頼する場合、4,000円~7,000円程度が相場です。

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ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ②分電盤 or ブレーカーが故障している
分電盤またはブレーカーの故障により停電している可能性があります。分電盤・ブレーカーの寿命は10年~15年。故障する前の交換が望ましいので、10年ごとの点検&交換がおすすめです。
分電盤をすべて交換する場合は5万~10万円程度、ブレーカー単体の交換で1万円前後~が相場となります。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ③スマートメーターが作動した

10秒ほど停電してすぐに電気が復旧した場合は、スマートメーターが作動した可能性があります。
【スマートメーターとは?】
アンペアブレーカーの機能を内蔵したメーターです。電気の使用量を30分ごとに計測し、データ通信ができます。2024年度末までに国内の一般家庭への導入が完了予定です。
【自宅のメーターがスマートメーターかを確認する方法】
メーターの電力量の表示方式で確認します。
・スマートメーター…「デジタル表示(液晶)」
・従来のメーター…「アナログ表示(回転式)」
スマートメーターは、電気を使いすぎた場合に一時的に電気をストップし、10秒後に自動復帰します。30分間に連続して電気の「入」「切」が続くとロックがかかって自動復旧しません。電気が入らない場合は、電力会社へ連絡してください。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ④照明機器が故障している
家の中の特定の照明機器だけ電気がつかない場合は、照明機器そのものの故障や寿命が考えられます。
電球や照明器具を交換する際は、ずれたり緩んだりしないよう、しっかりはめてください。ブレーカー、電源、スイッチの確認もしましょう。
交換後も電気がつかない場合は電気配線のトラブルの可能性もあるので、電気工事業者へ連絡しましょう。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ⑤自然災害(地震・雷)による周辺一帯の停電

地震・雷・台風・水害などの自然災害によって、電柱が倒れたり、電線が切れて停電することがあります。自宅だけでなく、周辺の家やマンションも停電している場合が多いでしょう。電力会社による復旧まで、しばらく時間がかかります。
各電力会社のホームページで、停電情報の確認ができます。
〈参考〉
・停電情報 - ほくでんネットワーク
・停電情報|東北電力ネットワーク
・停電情報|東京電力パワーグリッド株式会社
・北陸電力送配電 停電情報
・中部電力パワーグリッド|停電情報
・停電情報 | 関西電力送配電株式会社
・停電情報│中国電力ネットワーク
・停電情報 現在の停電地域(当社管内)|四国電力送配電
・九州電力送配電 停電情報
・沖縄電力 停電地図表示
地震後の停電中に自宅を離れるときは、ブレーカーを落としましょう。電気が復旧したときの「通電火災」を防ぐためです。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ⑥電柱から家への電線が切れている
自宅だけの停電でブレーカー等にも異常がない場合、電柱から家へつなぐ電線が切れてしまったことによる停電の可能性があります。
この場合は、電力会社へ復旧工事を依頼してください。自然災害が原因の場合は原則無料ですが、事故や故意の場合は有料になることもあります。
ブレーカー落ちてないのに停電 原因と対処法 ⑦住宅周辺の工事

電柱や電線の修理など、計画的な工事による停電の可能性もあります。この場合は、自宅だけでなく周辺一帯が停電となることが多いでしょう。
工事の場合は、事前にチラシで日時や場所についてのお知らせがあります。郵便受け等を確認してみてください。
次は、突然の停電に備えておくと役立つものをご紹介します。
ブレーカー落ちてないのに停電 便利アイテム 突然の停電に備えておくと便利なもの
停電はある日突然やってきます。もしものときに備えて、懐中電灯やポータブル電源、防災グッズなどを用意しておきましょう。
ブレーカー落ちてないのに停電 おすすめアイテム ■停電時におすすめのアイテム
停電時にあると便利なアイテムを3つご紹介します。
停電時におすすめのアイテム その1 LED ランタン 防災 充電式 照明 キャンプ 折りたたみ式 懐中電灯

折りたたみ式の5面LEDランタンです。懐中電灯、スタンド照明、吊り下げ式、ランタンとして、さらに緊急用バッテリーとしても使えますよ。
停電時におすすめのアイテム その2 Jackery ポータブル電源 240 大容量67200mAh/240Wh

停電時の緊急電源としてはもちろん、キャンプ、車中泊、屋外のテレワークなどさまざまなシーンで活躍するポータブル電源です。
・67200mAh/240Whと大容量で、1~2日程度使用できます。
・AC100Vコンセント…1口、スマホ充電できるUSB-A…2口、シガーソケット…1口を搭載。
・3.1kgと軽量で、手軽に持ち運べます。
停電時におすすめのアイテム その3 防災セット 2人用 防災士監修

インテリアに溶け込む、デザイン性に優れた防災リュックサックです。防災士が監修した、災害時に必須のアイテムが揃っています。(2人用21種42点)
女性や高齢者でも持ち運びやすいコンパクトサイズ。十字マークのないデザインも選べます。

ブレーカーが上がらないときの対処方法を紹介!原因別に詳しく解説 | タスクル
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