お庭の雰囲気を良くし、癒やしを与えてくれる庭木。しかし、種類によってはグングン成長して高くなりすぎてしまうことがあります。高くなりすぎた木はお手入れがしにくいですが、放置するとさまざまなトラブルの原因になりかねません。
今回は、高くなりすぎた木の剪定について特集!以下の内容を見ていきます。
【本記事の内容】
・自分で剪定できる木の高さはどれくらいまでか
・高い木を自分で剪定するのに必要な道具
・業者に剪定を頼むメリット&料金相場
・高くなりすぎた木を小さくする剪定方法
・種類別|木の剪定に適した時期
・高くなりすぎた木を放置するリスク
高くなりすぎた木の剪定を自分でするか業者に依頼するか悩んでいる方必見です!
高くなりすぎた木の剪定は自分でできる? 高さ3m以内の木であれば自分でも剪定可能
背丈の低い木の剪定であれば自分で行う方も多いですが、高く成長した木の場合、失敗や作業中のケガのリスクが高くなります。そのため、高くなりすぎた木の剪定では、自分で剪定を行うか業者に依頼するかの判断が必要です。
自分で剪定できる木の大きさは高さ3m程度までが目安になります。また、幹の太さが直径20cm以上あるところも素人が自分で切るのは難しいです。これ以上高い木や太い木の場合は専門の業者に剪定を依頼したほうがいいでしょう。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具は?
高くなりすぎた木の剪定では、剪定に使う道具の用意についても考える必要があります。
道具が揃っていればいつでも自分で剪定できるというメリットはあるものの、用意の手間や保管場所の確保の問題から業者に剪定を依頼することを検討したほうがいいケースもあるでしょう。
高い木の剪定でどんな道具が必要になるのか見ていきます。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具1 ■高枝切りばさみ
高くなりすぎた木の剪定では、高枝切りばさみがあると便利です。脚立に乗らなくても手の届かない高い場所の枝の剪定ができ安全に木を切ることができます。
高い場所の枝を剪定すると切った枝が落下してきて危険ですが、剪定した枝をそのままつかんでおけるキャッチ機能付きのものも。また、力を入れずにラクに切れる電動タイプもあります。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具2 ■太枝切りばさみ
太い枝を一般的な剪定ばさみや高枝切りばさみで切ろうとすると、どうしても断面がキザギザになり切り口から木が傷む原因に。太枝切りばさみは直径40mm程度までの枝に対応した両手バサミで、太い枝もスパッとキレイに剪定できます。
太枝切りばさみは基本的にあまり高いところの枝を切るようには作られておらず、80cmほどの長さのものがほとんどです。しかし、なかにはハンドルが伸縮して高いところの枝まで切れるタイプもあります。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具3 ■高枝のこぎり
太い枝の剪定では剪定のこぎりも使用されますが、高く成長した木の場合、脚立に乗って作業するのはたいへんです。高枝のこぎりがあれば、高い場所の剪定を地面から行うことが可能になり、ケガや失敗のリスクを減らすことができます。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具4 ■脚立
高くなりすぎた木の剪定では、手持ちの高枝ばさみで長さが足りないなど脚立が必要になるケースも多いです。少しだけ高さが足りないからと木に登ったり手を伸ばしたりして作業すると失敗やケガの原因になるため注意しましょう。
また、脚立は剪定後の切り口に癒合剤を塗ってケアする際などにも必要になります。
高くなりすぎた木の剪定に必要な道具5 ■癒合剤(ゆごうざい)
癒合剤は植物の自然治癒力を高めるために使われる薬剤です。
剪定は木にとってダメージが大きい作業。切り口をそのままにしておくと雑菌が入るなどして木が弱ってしまうことがあります。剪定の際はあらかじめ癒合剤を用意しておき、剪定後の切り口に塗ってケアするようにしましょう。
高くなりすぎた木の剪定道具はレンタルも便利 道具をレンタルして自分で剪定するのもアリ
高枝切りばさみや高枝のこぎり、脚立など高くなりすぎた木の剪定に使う道具は使用頻度がそれほど高くなく、また保管に場所も取るため購入をためらう方もいるでしょう。
道具の用意や保管が大変な場合は業者に木の剪定を頼むのも賢い選択ですが、剪定に使う道具をレンタルするのもひとつの手段。剪定に役立つ道具はホームセンターなどでレンタルされている場合があるのでチェックしてみましょう。
木の剪定では剪定道具が不衛生な状態だと切り口から雑菌が入り木が枯れるなどのトラブルにつながるおそれもありますが、レンタルであれば保管状態が悪くうっかりサビさせてしまうといったこともありません。
たとえば、ホームセンターのカインズでは、高い枝の剪定に便利なポールチェーンソーが1日1,000円でレンタルできます(2022年5月20日時点)。
<参考>
「CAINZのレンタル工具」
高くなりすぎた木の剪定を業者に頼むメリットや料金相場 剪定を業者に頼むメリットや料金相場は?
樹高3m以下かつ切りたい枝の太さが直径20cm以下であれば自分で剪定することも可能です。しかし、プロの業者に剪定を頼むと以下のようなメリットがあります。
【高い木の剪定を業者に頼むメリット】
・剪定道具の用意や保管が不要
・剪定の失敗リスクが少ない
・高所の作業でケガをする危険性がない
業者に剪定を頼むと費用がかかる点は気になりますが、とくに高くなりすぎた木の場合はメリット・デメリットを踏まえてプロに剪定を依頼することも検討したほうが良いでしょう。
業者に剪定を頼む際にかかる費用は樹高で決まることが多く、以下が一般的な料金相場になります。
【庭木の剪定費用相場】
0m~3m未満:約3,000~4,000円
3m~5m未満:約5,000~9,000円
5m~7m未満:約13,000~20,000円
高くなりすぎた木を小さくする剪定方法は?
高い木の剪定作業は大変です。高くなりすぎた木は小さくなるよう剪定して管理しやすくしていきましょう。
木の高さを抑えコンパクトにする剪定方法としては「切り戻し」や「芯止め」が有効です。
高くなりすぎた木の剪定方法1 ■切り戻し
切り戻しとは伸びすぎた木の枝を全体的に剪定して樹形を整える剪定方法で、樹形をコンパクトにして木の高さを抑えることができます。
切り戻しで古くなった木や弱った木を剪定することで、新芽や花などに養分が行き届き木を若々しい元気な状態にできる点もメリットです。また、枝がスッキリして木の内部まで風が通るようになり病害虫の予防にもつながります。
切り戻し剪定では、不要な枝を2分の1~3分の1あたりで切り落としていきましょう。その際、新芽(枝の途中の少し膨らんでいる部分)のすぐ上を切るのがポイントです。
高くなりすぎた木の剪定方法2 ■芯止め
芯止めとは、木の頂点の枝を切り上に伸びる生長を止める剪定方法です。木を小さくして管理しやすくできるだけでなく、脇から伸びる芽や枝葉が充実して全体のバランスが良くなるというメリットもあります。
芯止めのやり方は、木の中心にある主幹を理想とする高さで切り落とすだけです。ただし、芯止めをしても次第にまわりから枝が伸びて新しい成長点ができてくるので、定期的に剪定を行うようにしましょう。
高くなりすぎた木の剪定の注意点 剪定後は切り口のケアも忘れずに
高くなりすぎた木をコンパクトにするような大掛かりな剪定は、木にとってダメージが大きい作業。剪定後の切り口をそのままにしておくと、そこから雑菌が入ったり水分や養分が流出したりして木が弱ってしまうことがあります。
切り戻しの場合も芯止めの場合も、剪定後は切り口に癒合剤を塗ってケアするのを忘れないようにしましょう。
高くなりすぎた木の剪定時期 種類別|木の剪定に適した時期
剪定の失敗を防ぐために気をつけなければならないのが剪定の時期。木にとって枝を切ることはストレスになるため、なるべくダメージが少ない時期を選んで行うことが大切です。
品種によって剪定に適した時期が異なるため、それぞれの木に合ったタイミングで剪定を行いましょう。
高くなりすぎた木【常緑広葉樹】の剪定時期 ■常緑広葉樹:3月~4月または5月下旬~6月頃
一年を通して緑の葉っぱをつけ、広い葉を持つ「常緑広葉樹」。常緑広葉樹の剪定に適した時期は、新芽が出る前の3月~4月頃または新葉が落ち着く5月下旬~6月頃です。
夏に出る芽の生育が止まる9月頃にも剪定できますが、常緑広葉樹は寒さに弱い種類のため冬前に強めの剪定を行うのは避けましょう。
高くなりすぎた木の高さを抑えるのに芯止めをしたい場合などは暖かい時期に行い、9月頃の剪定では夏に伸びた分を軽く整える程度にするといいですね。ただし、枯れ枝は病気のもとになるため、季節を問わず剪定して取り除きましょう。
【庭木に人気のおもな常緑広葉樹】
シマトネリコ、キンモクセイ、オリーブ、ツバキ、ミモザなど
高くなりすぎた木【常緑針葉樹】の剪定時期 ■常緑針葉樹:3月~4月頃
年間を通して葉を落とさない常緑樹の中でも細くとがった葉を持つ「常緑針葉樹」。常緑針葉樹の高さを抑えるような本格的な剪定は新芽が出る前の3月~4月頃がベストです。
常緑針葉樹は寒さに耐性があるため、夏に伸びた枝を軽く透く程度の弱剪定であれば9月~11月頃も可能です。
【庭木に人気のおもな常緑針葉樹】
マツ、スギ、コニファー、ゴールドクレストなど
高くなりすぎた木【落葉樹広葉樹】の剪定時期 ■落葉広葉樹:12月~2月頃
冬に葉を落とす落葉広葉樹の場合、剪定は12月~2月頃の休眠期に行うのが基本です。この時期であれば太めの木を切断するような強めの剪定でも木にあまり負担をかけずにすみますし、葉がない状態で全体のバランスを見ながら剪定できます。
休眠期以外で伸びすぎた枝葉を整える弱めの剪定をしたい場合は、活動期を避け3月、6月、9月、10月に行いましょう。
梅雨の時期は活動が活発なため、剪定すると切り口から樹液が流れ出て木がダメージを受けてしまいます。また、気温が高い時期の剪定も枝葉が減って蒸散量が少なくなり木が弱る原因になるため控えましょう。
【庭木に人気のおもな落葉広葉樹】
アオハダ、アオダモ、ヤマボウシ、ハナミズキ、シラカバ、イチョウなど
高くなりすぎた木を剪定するべき理由 高くなりすぎた木を放っておく3つのリスク
高くなりすぎた木の剪定作業はたいへんですが、そのままにしておくとさまざまなトラブルに発展するおそれがあります。以下のようなリスクも踏まえ、高くなりすぎた木は早めに剪定することが大切です。
高くなりすぎた木を剪定するべき理由1 ■伸びた枝葉や落ち葉で隣近所に迷惑がかかる
木が高くなりすぎると、隣近所の敷地内まで枝葉が伸びて侵入してしまうことがあります。落ち葉で敷地内を汚してしまったり、日当たりや風通しを悪くしてしまったりと迷惑をかけ、近隣トラブルに発展するケースも考えられるでしょう。
あまりに枝葉が伸びて大きくなりすぎると、剪定のために隣家の許可を取らなければならない場合もあります。早めに剪定を行うようにしましょう。
高くなりすぎた木を剪定するべき理由2 ■害虫が発生しやすくなる
高くなりすぎた木はお手入れが行き届かず、害虫がつくなどのトラブルが起きやすくなります。害虫がつくと木が弱る原因になるほか、フンで庭が汚れるなど対処が大変。隣家にまで害虫被害が及びクレームにつながるおそれもあります。
また、害虫によって木が弱ると、剪定ではなく伐採しなければならなくなる可能性もあるため注意しましょう。
高くなりすぎた木を剪定するべき理由3 ■倒木で自宅損壊や他人にケガを負わせる危険も
成長して高くなりすぎた木は、台風の強風や積雪の重みなどで倒木してしまう危険性があります。自宅の損壊につながるおそれがあるほか、隣家の損壊や通行人にケガをさせるなど取り返しがつかない事態になる可能性も否定できません。
安全のためにも高くなりすぎた木は放置せず、早いうちに剪定を行うことが大切です。