まだ痛んでいないし…お気に入りだったから…と捨て時に悩んでいる服はありませんか?食品のように明確な消費期限のない衣類は、寿命を見極めるのが難しいもの。
ですが、一生着れる服はありません。処分をせずに置いておくとクローゼットがいっぱいになり管理が行き届かなくなってしまうこともあります。
そこで寿命を見極める3つのポイントを解説します。寿命のポイントとお持ちの服の状態を照らし合わしながら、この機会に思い切って断捨離してみましょう。
さらに、寿命を迎えた服の活用方法や環境に配慮した処分方法も紹介するので参考にしてくださいね。
服の寿命は素材・状態・流行りの3つで見極める
一般的な服の寿命は平均2~4年と言われています。ですが、すべての服がこの年数に当てはまるわけではありません。
何回着たら・何年着たらという寿命の明確な基準はなく、短い寿命の服もあれば長持ちする服もありさまざまです。また、購入時期を思い出せず捨て時を迷っている服もあるのではないでしょうか。
そこでポイントになるのが、素材・状態・流行りの3つの項目。この項目について、1つずつ解説しますね。
ぜひ、今クローゼットにある洋服を手に取り、時には着てみて照らし合わせながら、寿命チェックをしてみてください。
服の寿命の見極め方その1【素材】
衣類の平均的な寿命は2~4年ですが、中には長く持つ服や長持ちしにくい素材があります。代表的な素材が下記の3つ。
・麻(リネン):3~10年
・毛(ウール):3~5年
・ポリウレタン:製造から2~3年
麻は水分に触れると強度が増します。丈夫な素材なので長いと10年もの間持つ場合もあります。ウールは、3~5年の寿命と言われています。お手入れが必要ですが、こちらも丈夫で長持ちする素材です。
対して、ポリウレタンは2年から3年と平均寿命と比べて短くなっています。それは、ポリウレタン生地を作るときに結合させた成分が、紫外線や熱など外からの影響を受けて分解してしまうからです。
そのため、着用していなくても製造から2~3年経つと、ひび割れしてきたり表面にべたつきが出ることも。服の寿命を考えるときは、使われている素材にも注目してみてください。
服の寿命の見極め方その2【状態】
服の寿命は、その服の状態によって見極めることができます。
・破れている
・虫食いがある
・取り切れない毛玉がある
・ベタベタしている(化学繊維など)
・取れないシミがある
・黄ばみが出てきた
・色あせている
・ひっかけやほつれがある
・袖や襟繰りが伸びている
・取れない匂いがある
「言うまでもない項目ばかり」と思われるかもしれませんね。
確かに実感として分かる劣化なので、捨て時の目安として分かりやすいものが多いです。とはいえ、毛玉や色あせは室内だと意外と劣化に気づきにくい場合もあります。
そんなときは、外に出てチェックしてみてくださいね。
服の寿命の見極め方その3【流行り】
服の寿命の見極め方3つ目は、流行りです。ここで言う流行りは、世間でのトレンドはもちろんですが、自分自身の中の流行りが過ぎた服を指します。
・世間の流行りから外れた服
・自分に似合わなくなった服
・体系に合わなくなった服
・その服を見ても心が弾まなくなった服
世間の流行りから外れた服は、新鮮味が薄れてきてしまいます。ベーシックな服でも、数年経つと微妙にディティールが変化するため、何だかしっくりこないといった現象が起きてしまうのです。
ブランドの服など手放しにくいものもあるかもしれませんが、この服を選んでも「心が弾まなくなった」「気分が上がらなくなった」と感じたら、寿命を迎えたサイン。
また、年齢が上がって似合わなくなってきたり、体系が変わってきれいに着られなくなったときも、服を手放すタイミングですよ。
服の寿命を延ばす方法 選び方・着方・洗濯・お手入れ・収納の5つで服の寿命は延びる
服の寿命を解説しましたが、見た目の劣化による寿命については延ばすことができます。
そこでポイントとなるのが、選び方・着用の仕方・洗濯方法・お手入れ方法・収納方法。購入してすぐにダメになったり、平均寿命よりも早く傷んでしまった!といったことにならないようチェックしてみてください。
では、それぞれ解説しますね。
服の寿命を延ばす方法①選び方 ■耐久性のある素材を選ぶ
服の寿命を延ばしたいなら、長持ちする素材を使った服を選ぶといいでしょう。
例えば、天然素材のリネン。水に触れると強度が増す素材なので、日々の洗濯による傷みが抑えられます。デニム素材も、作業着というルーツも持つほど丈夫です。
このように耐久性のある衣類を選ぶことで、服の長持ちにつながりますよ。今注目のサスティナブル(持続可能)な暮らしにも近づけますよね。
服の寿命を延ばす方法②着用の仕方 ■服の摩擦と休息がポイント
着用方法に気を付けると服の寿命を延ばすことができます。
・摩擦を軽減する
・ポケットに手を入れるときは下に力を入れすぎない
・壁にもたれない
・服を休ませる
服を着ている最中は、できるだけ摩擦や伸びに気を付けましょう。
例えば、カバンによる摩擦が起きないようショルダーバッグを控えてみたり、待ち合わせのときに壁などにもたれかからないようにするだけでも対策になりますよ。
ポケットに手をいれるときは下に向かって力をかけすぎないことも大切です。
また、服は続けて着ると傷みが早くなってしまう傾向が。ですから、着用後、1~2日は休ませるようにしましょう。
あまり服を持たない人も、ローテーションできるくらいの枚数は用意しておくといいですね。
服の寿命を延ばす方法③洗濯方法 ■大切なのは服に負担をかけないこと
服の寿命には洗う・干すといった洗濯方法が大きく関わってきます。
・洗濯表紙を確認する
・服を洗濯する基準を見直す
・洗濯機に合った量で洗う
・冷たい水で洗う
・乾燥機は使わない
・素材に合わせた洗濯方法にする
・汚れに合わせた洗濯方法にする
・首回りが伸びないように干す
・重さのある服は平置きで乾かす
服の寿命を延ばすには、上記の点に注目してみてください。
少し着ただけで洗濯していた服を、2回着てからにしょう!など自分で基準を作ってみるのもいいでしょう。洗濯の回数を減らすことで、劣化は確実に遅くなります。
さらに洗濯機に押し込み過ぎないのも大切なポイント。衣類同士が絡まってシワになっていると負担がかかり劣化を速めてしまいます。
また、冷たい水で洗うことで劣化しにくいとも言われています。乾燥機にかけることも、色あせや縮みの原因になる可能性があるため、特におしゃれ着やお気に入りの服はできるだけ乾燥機なしで仕上げましょう。
デリケートな衣類ならネットに入れたり押し洗いがおすすめ。裏返しにしてから洗うと毛玉予防にもなります。食べこぼしが付いてしまったときは中性洗剤で予洗いしておくと跡が残りづらいですよ。
そして、干すときは服が伸びてしまわないように工夫しましょう。便利なアイテムもあるので、紹介しますね。
便利な洗濯グッズ 襟を伸ばさないハンガー
襟が伸びない ハンガー 10本
U字型のハンガー。襟ぐりから肩に向かってU字のへこみを差し込みます。その後、もう片方の
肩部分に入れるとハンガー付け完了。
首元が詰まっていても、あっという間に伸びることなくハンガーを付けることができる便利グッズです。
便利な洗濯グッズ 洗うと平干しがこれひとつで完結できる
平干しネットを一体化した洗濯ネット
おしゃれ着やお気に入りの服を型崩れせず洗濯・平干しが完結する洗濯ネットです。
使い方は、簡単。まず広げたネットに洗濯物を入れてくるくると巻きます。洗濯機で洗ったら広げて、手持ちのハンガーやピンチでそのまま干すだけです。
これでニットなどの重さのある服も型崩れを防げます。
服の寿命を延ばす方法④お手入れ方法 ■日ごろからこまめにお手入れしよう
服の寿命を延ばすには日ごろのお手入れが大切。
・ブラッシング
・毛玉とり
・消臭
スーツやコートは毎回洗濯しないことが多いです。ですから、汚れやホコリを取り除くためブラッシングをしましょう。
また、ニットなどすぐに毛玉ができてしまう服は毛玉とりをこまめにしておくと風合いを保てます。
洗濯回数を少なくすることで劣化スピードが緩やかになりますが、匂いや菌が心配になることもあるでしょう。その場合は、仕上げに衣類の消臭スプレーを使うといいですよ。
便利なお手入れグッズ 衣類がなめらかになる洋服のケアブラシ
洋服ブラシ 天然馬毛100%
柔らかい馬の毛が使われた洋服のケアブラシです。カシミヤなどのデリケートな衣類にもOK。
柄は手に馴染み持ちやすく、コスパも良いと高評価です。ホコリなどを落として衣類がなめらかな手触りになります。
プレゼントにも良さそうですね。
便利なお手入れグッズ コンパクトだけどパワフルな毛玉取りクリーナー
電動 毛玉クリーナー LEDライト付き USB 充電式
コロンと丸い形がかわいい充電式の毛玉取りクリーナー。切れ味のいい大きな6枚刃で毛玉をしっかり取り除きます。
コンパクトながらパワフルで、毛玉の取れ方に満足といった口コミも多いですよ。使う際のポイントは平らな場所で使うこと。そうしないと、まれに穴がしてしまうことがあります。
充電しておけば90分間の使用が可能なのもおすすめポイントです。服のこまめなケアに持っていて損はないアイテムです。
服の寿命を延ばす方法⑤収納方法 ■風合いを損なわない収納で長持ちさせる
上手な収納方法で、服の寿命を延ばしましょう。ポイントは2つ。
・ハンガーにかける
・重ねない
畳むことによって、シワが付きやすい服はハンガーにかけて収納するようにしましょう。また、ニットなどのふんわり感が魅力の服は、畳んだ後に重ねず立てて収納することで質感を損ないません。
ハンガー収納や立てる収納は、パッと見てすぐに着たい服を見つけられるというメリットもありますよ。
寿命を迎えた服の第2の活用方法2つ
服も大切な地球の資源を使って作られています。寿命を迎えた服があるなら、処分する前に活用できる方法がないか考えてみましょう。
持続可能な社会を目指す動きが、今世界中で高まっています。着なくなった服にも第2の活用方法が見つかれば、資源を無駄にしないこと・環境を守ることにもつながるはず。
そこで今回は、寿命を迎えた服を使って簡単にできる2つの活用方法を紹介します。
寿命を迎えた服の第2の活用方法 ■キッチングッズやおもちゃなど小物にリメイクする
キッチンで使う鍋つかみや小さい子のガラガラやお手玉といったおもちゃなどの小物にリメイクがおすすめ。小物なら、破れやシミがあってもその部分を避ければ十分作れますよ。
とてもかわいい小物作りをされている方の動画を載せておきます。ぜひ着ない服があるならトライしてみてください。
寿命を迎えた服の第2の活用方法 ■はたきやウエスなどの掃除道具にリメイクして使う
もうひとつは、掃除道具にリメイクして活用する方法です。おすすめは、ウエスやはたき。寿命で着なくなった服を作り直して活用してみましょう。
そうすることで、お掃除シートやペーパー類の消費が減り、エコにつながります。ひと手間ありますが、簡単に作成できて便利ですよ。
作り方が紹介されている動画があるので参考にしてください。
寿命を迎えた服の処分方法6つ
もうボロボロでどうしようもない服やまだ着れるけれどタンスの肥やしになってしまっている服など寿命を迎えた服にもさまざまな状態があります。また、リメイクなどの活用が難しい場合もあるでしょう。
そんなときに、利用できる処分方法を6つ紹介します。環境にも配慮された方法を中心に解説していきますね。
寿命を迎えた服の処分方法その1 ■寄付する
自分自身で、施設などに直接寄付するか、もしくは寄付を行っている団体に送付する方法があります。どちらの場合も「まだ着れる服の寄付」「事前連絡」が前提です。
寄付された服は、発展途上国・難民キャンプ・孤児院など衣類を必要としている人に届けられます。
そこでポイントになるのが、寄付後の服の行方がクリアになっている団体を選ぶということです。なぜなら、現在先進国から発展途上国への服の寄付が飽和状態になり、大量にゴミになってしまうという問題が起きているからです。
衣類は、そのすべてが生分解性(土にかえる性質)ではありません。そのため、あふれかえり山積みになった衣類が放置されることになり環境に負荷をかけているのです。
服を寄付する場合は、寄付先がしっかり分かる団体を選ぶようにしましょう。
寿命を迎えた服の処分方法その2 ■地域の資源回収に出す
着なくなった服の処分は、地域の資源回収の利用でも可能です。
地域の資源回収で集められた服は、国内外でリユースされたり工業用ウエスにリサイクルされることが多いようです。
地域によって決められているルールがあります。資源回収を利用する場合は従ってくださいね。
寿命を迎えた服の処分方法その3 ■ショップの回収ボックスを利用する
アパレル業界でも、数年前から不要になった衣類の積極的なリユースやリサイクルへのムードが高まってきています。
そのような流れから、店舗に行くと無料回収ボックスなどが設置されているショップも多いです。例えば下記のショップが無料回収を実施していますよ。
・ユニクロ
・ジーユー
・無印良品
・エイチアンドエム
・ザラ
・アーバンリサーチ
・ユナイテッドアローズ
・洋服の青山
常設の回収ボックスがある店舗では、その中に入れるだけでOK。自社ブランド以外の服でも回収に対応しているショップや、クーポンが配布されるショップもあります。
これら回収された服は、古着として寄付や再販売されたり、繊維や布にリサイクルされ新たな市場で再利用されるのです。
ショップのホームページにて、回収した服がどのようなルートをたどるのかが説明されているショップもあります。
また、リサイクルに特化したショップもあるので、しっかりチェックし必要としているところへ渡るであろうショップを選ぶことも大切ですね。
寿命を迎えた服の処分方法その4 ■リサイクルショップに持って行く
リサイクルショップを利用する方法です。リサイクルショップに持ち込むと、まずスタッフの方による鑑定ののち価格が付けられるものがあれば買取ってくれます。
その後は、店頭に出すものとリサイクルや寄付に回るものとに仕分け。店頭にも寄付にも回らない服は、ウエスなどに加工されるのです。
例えばダウンなどの買取りを依頼した場合、季節的に売れる時期ならすぐ店頭に。そうでなければ、需要のある季節まで保管されることもあります。
買取り金額は、ビンテージものやブランドものといった場合なら高額になることも。ほとんどの場合は、それほど高い金額で買い取りされることは少ない印象です。
ですが、着なくなった服だからと捨ててしまうよりは、少ない金額の買取りで合っても新たに活用される方がいいのではないでしょうか。
こちらも寄付の行方がクリアなリサイクルショップを選びたいですね。
寿命を迎えた服の処分方法その5 ■フリマアプリを利用する
フリマアプリを使って寿命を迎えた服の処分をする方法もあります。
この場合は、金額の設定や写真掲載などネット上にアップロードする作業は、自分ですることに。また、購入者とのやり取りや発送作業なども自分自身で行います。
無料回収ボックスなどとは違って、まだ着れる服やブランド服などを出品する方が売れる可能性が高くなるでしょう。
フリマアプリの良いところは、自分で価格設定をするのでリサイクルショップより売り上げ金額が多くなるところ。またやり取りを自分でするので、出品した服を着てくれるであろう人が、なんとなくメージできるところです。
寿命を迎えた服の処分方法その6 ■下着などは可燃ごみに出す
最後は、可燃ごみに出す方法です。
特に使用済みの下着や靴下などは、ここまで紹介した方法すべてで回収・寄付の対象外となっていることが多いため、可燃ごみに出さざるを得ません。
その場合は、自治体のルールに従って出すようにしてくださいね。