機械のメンテナンスや工場のお仕事をされている方、趣味で自転車やバイクの整備をされる方にとって、機械油の汚れはつきものですね。
当記事では、服・手・コンクリートについた機械油の汚れの落とし方を、汚れの難易度別に解説します。おすすめの洗剤や、汚れ防止アイテムもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
機械油の汚れはガンコ 服についた機械油の汚れを落とすコツ
服についた機械油の汚れは、とてもガンコ。ふつうの洗濯ではなかなか落としにくいですよね。他の洗濯物と一緒に洗ってしまうと、汚れが移ってしまうことも。
機械油がついた服は、単独での手洗い(予備洗い)+洗濯機洗いがおすすめです。
【機械油がついた服の汚れを落とすコツ】
①水ではなくお湯で洗う
②界面活性剤入りの洗剤や石鹸を使う
③しっかりこすり洗い、もみ洗いをして汚れを押し出す
④オキシクリーンや重曹は効かない?予備洗いにはOK
詳しくみていきましょう。
機械油の汚れを落とすポイント① ■水ではなくお湯で洗う
油汚れは、水よりもお湯の方が落としやすいです。手洗いする場合は40℃~60℃で洗うと効果的ですよ。洗濯機を使う場合は、耐熱温度が50℃までのものが多いので、40℃~50℃までにとどめておきましょう。
機械油の汚れを落とすポイント② ■界面活性剤入りの洗剤や石鹸を使う
界面活性剤は、機械油の汚れを洗濯物から引き離す力があります。機械油の汚れ落としには、界面活性剤入りの洗濯洗剤のほかに、食器用洗剤やクレンジングオイルも使えますよ。
機械油の汚れを落とすポイント③ ■しっかりこすり洗い、もみ洗いをして汚れを押し出す
機械油の汚れは、つけ置き洗いだけではキレイになりません。強くもみ洗いしたり、歯ブラシなどでこすることで、汚れをより落としやすくなります。
機械油の汚れを落とすポイント④ ■オキシクリーンや重曹は効かない?予備洗いにはOK
通常オキシ漬けといわれる酸素系漂白剤でのつけ置き洗いや、重曹での洗濯は、ガンコな機械油の汚れには効果が十分ではありません。
ただし、服には機械油だけでなく、その他の油や皮脂汚れ、また食べ物や飲み物の汚れがついていることもありますよね。全体的な汚れの予備洗いとして使うのは効果がありますよ。
服についた機械油の汚れの落とし方1 〈服の汚れ〉軽い汚れは【お湯+洗剤+こすり洗い】で落とす
【準備するもの】
・40℃~60℃のお湯
・洗面器
・古いハブラシ
・界面活性剤入りの洗剤など
【洗い方】
①洗面器にお湯を入れ、洗剤を溶かす。
②1~2時間置いて、しっかりもみ洗いする。
③汚れが落ちにくい部分は歯ブラシでこする。
④汚れが落ちたらすすいで、洗濯機で本洗いをする
その他、固形石鹸やクレンジングオイルで機械油の汚れを落とす方法や、デリケート素材への対処法、出先で汚れたときの応急処置についてはこちらの記事をご参照ください。
服についた自転車の油汚れを落とすには?応急処置や時間が経った汚れの対処法も | タスクル
作業服の油汚れの落とし方は、こちらの記事が参考になります。
作業服の油汚れの落とし方は?石鹸・洗剤の使い方を解説 | タスクル
服についた機械油の汚れの落とし方2 〈服の汚れ〉ガンコな汚れは【専用洗剤 or ベンジン】で落とす
しっかり手洗いしても、ガンコでなかなか落ちない機械油の汚れもありますよね。そんなときは、専用洗剤を使ったり、ベンジンでしみ抜きに挑戦する方法もありますよ。
おすすめの専用洗剤とベンジンをご紹介します。
服についた機械油を落とす おすすめの専用洗剤1 ■オイル・グリス・機械油汚れに【作業服スッキリ 500g】
長い研究と実験、そして自動車部品工場での試用を経て商品化された、機械油の汚れに強い洗剤です。
【使用方法】
①バケツに42℃程度のお湯と洗剤15gを入れてよく溶かす。(手の保護のためゴム手袋をしてください)
②汚れた服を入れて軽くもみ洗い後、30分以上つけ置きする。
③つけ置き後、再度もみ洗いしてすすぐ。
④ガンコな汚れの場合は①~③を数回くりかえす。
⑤洗濯機で洗う。
「作業服スッキリ」の使用方法はこちらのYouTubeも参考になります。
服についた機械油を落とす おすすめの専用洗剤2 ■機械油・オイル・食べ物汚れに【花王プロフェッショナル 液体ビック】
作業中に服についた機械油などのガンコな汚れを、しっかり落とします。蛍光増白剤は入っていないので、きなりや淡い色の服も洗えます。
【使用方法】
①汚れた部分に洗剤を塗布し、時間を置かずそのまま洗濯機に入れる。
②洗剤30g/水30Lを洗濯機に入れて、洗う。
服についた機械油を落とす おすすめのベンジン ■服についた機械油のしみ抜きに【Aベンジン (500mL)】
【使用方法】
①作業は手袋をし、換気のよい場所で行う。
②服の汚れた部分の下にタオルを敷く。(服は濡らさないのがポイント!)
③歯ブラシに少量のベンジンをつけ、汚れた部分をたたく。
④その上から食器用洗剤をつけ、もみ洗いする。
⑤汚れが落ちたらすすぎ洗いをし、いつも通り洗たくする。
※ベンジンは機械油のしみ抜きとして優秀ですが、特殊な溶剤なので取り扱いに注意が必要です。詳しくはこちらの記事もご参照ください。
服についた自転車の油汚れを落とすには?応急処置や時間が経った汚れの対処法も | タスクル
続いて、手についた機械油の汚れの落とし方を解説します。
手についた機械油の汚れの落とし方1 〈手の汚れ〉軽い汚れ or 手荒れが気になるときは【クレンジングオイル】で落とす
機械油がついて真っ黒になった手は、家庭にあるハンドソープではなかなか落ちませんね。
化粧品として売っているクレンジングオイルは、油分を浮かせて落とす働きがあり、機械油にも有効です。もともと顔に使うものなので、手肌にも優しいですよ。手荒れが気になる方や、軽い汚れにはおすすめです。
また、外出時にはオイル入りのメイク落としシートがあると便利です。手をすぐに洗えないときでも、サッと取り出してふくと、ある程度までは汚れが落ちますよ。
おすすめのクレンジングオイル・メイク落としシートをご紹介します。
手についた機械油を落とす おすすめのクレンジングオイル ■花王 ビオレ メイク落とし パーフェクトオイル
手が水にぬれていても使えるクレンジングオイルです。油分をぐんぐん浮かせて、しっかり落とします。フレッシュなフルーツの香り。
手についた機械油を落とす おすすめのメイク落としシート ■コーセーコスメポート ソフティモ メイク落としシート オイルイン
洗い流し不要!サッと拭くだけのメイク落としシートです。肌をいたわる美容成分を配合しています。
手についた機械油の汚れの落とし方2 〈手の汚れ〉爪まで真っ黒!ガンコな汚れは【お湯+研磨剤入り洗浄剤+爪ブラシ】で落とす
手のシワや爪の中まで深く入り込んだ機械油の汚れは、クレンジングだけでは落ちないこともあります。そんなときは、研磨剤入りの洗浄剤(石鹸)や爪ブラシを使いましょう。
洗う時は、水ではなくお湯を使うのが洗浄力アップのポイントです。
おすすめの研磨剤入り洗浄剤・石鹸・爪ブラシをご紹介します。
手についた機械油を落とす おすすめの石鹸 ■工場・現場でも人気【ピンク石鹸(粉せっけん)】
研磨剤入りの粉せっけんで、指や手のひらの油汚れ落としにおすすめです。手だけではなく、部品や換気扇の掃除など、幅広い用途に使えます。
手についた機械油を落とす おすすめの洗浄剤 ■呉工業 ニューシトラスクリーン ハンドクリーナー
天然のオレンジ抽出成分とスクラブ成分が、手肌についた油汚れをスッキリ落とします。保湿剤入りで肌のうるおいも守ってくれますよ。
手についた機械油を落とす おすすめの爪ブラシ ■サラヤ 爪ブラシ
爪の間をしっかり洗う、爪専用ブラシです。粘着式タイプの専用ハンガーがついています。
手についた機械油を落とした後の保湿に ■薬用ハンドクリーム アトリックス メディケイテッド エクストラプロテクション チューブ
研磨剤入りの洗浄剤や石鹸の使用後は、肌が乾燥し荒れやすくなっています。薬用ハンドクリームでしっかり保湿・保護しましょう。
ヒビ・あかぎれを防ぐ薬効成分と、保湿成分ヒアルロン酸が入っています。
次の章では、コンクリートについた機械油汚れの落とし方を解説します。
機械油の汚れの落とし方 〈コンクリートの汚れ〉油シミは【チェーンクリーナー等】で落とす
自転車のチェーンオイルがコンクリート壁についてしまったり、車やバイクのエンジンオイルがガレージ床についてシミになってしまった!という経験がある方もいるのではないでしょうか。
コンクリートについた機械油のシミを完全に取り去るのはむずかしいのですが、チェーンクリーナーやキャブレタークリーナーを使うとやや改善しますよ。
【使用時の注意点】
・屋内で作業をするときは、換気をしながら行う。
・刺激臭があるので、マスクをつける。
コンクリートの油シミを落とすときに、おすすめのアイテムをご紹介します。
コンクリートについた機械油を落とす おすすめのチェーンクリーナー ■WAKO'S(ワコーズ) CHA-C チェーンクリーナー A179
頑固な油、グリース汚れを素早く洗浄します。乾燥しない成分を配合しているので、少ない量で洗浄できますよ。特殊界面活性剤が入っており、水で流せます。
こちらのYouTube動画で、WAKO'Sチェーンクリーナーを使ってコンクリートの油シミを落とす様子が紹介されています。チェーンクリーナー以外に、クリームクレンザーでも多少汚れが落ちますが、時間と労力を考えるとチェーンクリーナーに軍配が上がります。
コンクリートについた機械油を落とす おすすめのキャブレタークリーナー ■【ヤマハ純正】 スーパーキャブレタークリーナー 泡タイプ
泡タイプの溶剤が出るスプレーです。機械油のシミをじわじわと浮かせて落としやすくします。
こちらのYouTube動画では、YAMAHAスーパーキャブレタークリーナーを使って、コンクリートの油シミを落とす様子が紹介されています。
コンクリートについた機械油を落とす おすすめのブラシ ■お掃除ブラシ ステンレス
ガンコな汚れ落としにぴったりなステンレス製のブラシです。頑丈な持ち手と、毛先が抜けにくい構造でハードな作業に適しています。
機械の油汚れをブロック! 機械油の汚れ防止には【フッ素入り 防水スプレー】が便利
機械油の汚れは、ついてしまうと落とすのにとても手間がかかります。防水スプレーが使える素材には、あらかじめスプレーしておくと汚れがつきにくくなりますよ。
防水スプレーには、フッ素系とシリコン系がありますが、機械油の汚れ防止には油分をはじく「フッ素系」が有効です。
■防水スプレー「フッ素系」と「シリコン系」の違い
【フッ素系】
・油成分をはじく
・衣類、靴(革靴・運動靴)、小物などさまざまなものに使用可
・素材がシミになりにくい
【シリコン系】
・油成分をはじかない
・レインコート、傘、テントなどにおすすめ
・染み込みやすく、素材によってはシミになる
機械油の汚れ防止におすすめのスプレーをご紹介します。
機械油の汚れ防止におすすめの防水スプレー1 ■洋服や革製品の防汚に【アメダス 防水スプレー】
防水・撥油・防汚の効果のあるフッ素系防水スプレーです。革靴・スニーカー・カバン・ジャケット・ズボンの裾など幅広く使えます。
機械油の汚れ防止におすすめの防水スプレー2 ■外壁や住宅内の防汚に【友和 Tipo's 弾き 水回り用超撥水コーティング剤】
フッ素樹脂とシリコンの両方が配合された、新タイプのコーティング剤です。水回り(バスタブ・洗面所・キッチンなど)にスプレーしておくと玉のように水を弾き、水垢や汚れがつきにくくなります。外壁やコンクリートブロックの汚れ防止にも活躍しますよ。