植木鉢やプランターの底に敷き詰め、排水性と通気性をアップさせる役割がある鉢底石。
鉢底石はホームセンターや園芸店で購入することができます。
しかし、実はお店に行かなくても簡単に代用できるのです。
ガーデニングに使う小石や土を代わりにすることもできるし、発泡スチロールやコルクなど、本来なら捨ててしまうものを再利用することもできます。
本記事では、代用品におすすめのアイテムと、代用する時のコツを紹介していきます。
鉢底石の役割と代用する時のコツ
鉢底石は黒曜石や軽石でできており、植木鉢やプランターの底から必要な空気を取り入れて、通気性を良くする役割があります。
通気性が悪いと、根腐れや腐敗菌の増殖が起きてしまうので、鉢底石が必要になります。
排水性を良くして、土の湿度を適度にキープする他、土が流れるのを防いでくれる働きもあります。
そのため、スポンジや紙類などの保水性が高いものは、土を湿った状態にキープしてしまうので代用品になりません。
代用品を決めたら、鉢底に鉢底ネットに入れた鉢底石を入れて敷いていきます。その上に培養土を入れて植物を育てましょう。鉢底ネットの代わりとしては、チャック付きの洗濯ネットなどがおすすめです。
鉢底ネットがあると、代用品が汚れて交換する時に便利な他、虫の侵入対策になります。
鉢底石の代用アイデア【園芸用品で代用する】
鉢底石の代わりになるものは、小石程度の大きさで、水を逃がす機能とある程度の保水性を持っていることが条件。園芸用品の中にはいくつか条件を満たすものがあるので、紹介していきます。
ザラザラとした多孔性のある石がおすすめ ■小石や砂利
鉢底石の代わりになるのは、1~3cm程度の小石や砂利。特に、表面がザラザラしたものは適度な保水性があるのでおすすめです。
拾い集めた小石・砂利はキレイに洗い、乾かしてから使います。熱湯で消毒してから天日で乾かすと安心です。
軽石でできた鉢底石よりは重みが出るので、植木鉢に入れて持ち上げる時は注意しましょう。
土の乾燥を防ぐマルチングザイ剤は鉢底石向き ■ヤシガラなどのマルチング材
ヤシガラ・ミズゴケ・バークチップなどのマルチング剤は土の乾燥を防いでくれるので、鉢底石としても使えます。
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マルチング材 コンテナガード S 3L
大きい場合は、1cm程度にカットして使いましょう。植木鉢の底穴から落ちないサイズを意識すればOKです。
ただし、マルチングザイの中でもウッドチップは木のやわらかい部分を使っているために耐久性が低く、あまり長持ちしないことは覚えておきましょう。
軽石に似た構造+通気性が良いので代用しやすい ■ハイドロボール
ハイドロボールは水耕栽培で土の代わりに使われる人工土です。表面に小さな穴が開いた多孔質で、軽石のような形に加工されています。加工される際に高温殺菌されているので、清潔なのも鉢底石向けです。
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最初から鉢底石として使うのではなく、水洗いで汚れが落ちなくなったものを再利用してもOKです。小粒すぎるハイドロボールではなく、使いたい植木鉢の底穴のサイズよりは大きいことを確認しておきましょう。
火起こしに使いづらいカケラ・消臭剤にした後のものでもOK ■木炭・竹炭
木炭・竹炭は保水性・透水性が高いので、土の水はけを良くしてくれます。多孔性なので通気性もあり、鉢底石の代用品にピッタリです。
炭は中性・アルカリ性なので、酸性の土壌を中和させてくれる効果も狙えます。
代用品として使う時は、使用後の消し炭や消臭剤として使った後のものでもOK。ただ、油で汚れてしまったものは使えません。
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大きすぎても通気性が悪くなってしまうので、1㎝程度に砕くか、かけてしまった部分を使いましょう。
一時的な代用品としてならOK ■赤玉土・鹿沼土
大粒の赤玉土や鹿沼土は、通気性・排水性・保水性共に優れているので、鉢底石の代わりになります。
とはいえ、赤玉土は崩れやすく、粉状になって鉢底に詰まってしまうことがあります。長期間の代用品ではなく、鉢底石を用意するまでのつなぎとして使うのがおすすめです。
鹿沼土に関しては、土壌の酸性度を上げる働きがあるので、アルカリ性を好む植物を育てる時にはNGなことにも注意しましょう。
鉢底石の代用アイデア【捨ててしまうアイテムを再利用する】
鉢底石に必要なのは排水性・保水性・通気性です。それを確保できるアイテムは、園芸用品以外にもあるので紹介していきます。
手軽で使いやすい代用品の代表格 ■発泡スチロール
梱包材や食品トレーに使われている発泡スチロールは、通気性がいいので鉢底石の代用に向いています。
軽くて扱いやすいので、鉢に入れても持ち運びやすいのがメリット。しっかり洗って乾かした後、1~3cmの大きさにカットして使いましょう。丸い形やピーナッツ状のものであればそのまま使うこともできます。
ただ、発泡スチロールはプラスチックなので、土に混ざってしまうと分別が大変です。鉢底ネットから出ないような大きさに抑えておきましょう。
軽くて使いやすいのがメリット ■コルク
ワインを飲む習慣がある人なら、コルク栓での代用もおすすめです。
キレイに洗い、乾かしてから使いましょう。コルク栓は軽いので、鉢やプランターに入れても持ち運びやすいのがメリットです。
大き目の場合はカットする必要があるので、包丁などで切りましょう。切れない場合は一度鍋でコルク栓を煮ると切りやすくなります。
陶器は水分量を調整してくれる便利グッズ ■割れた陶器類・ビー玉
割れた植木鉢や瓦、陶器があるなら鉢底石の代わりに向いています。ビー玉ならばそのまま使ってもOKです。
鉢やプランターに割れ物を入れると重たいことと、割る時に手を切りやすいことに注意しましょう。
鉢底石ネットから出て土と混ざってしまうと土を再利用できなくなるので、細かく砕きすぎないようにするのもポイントです。
土壌浄化&還元されるのがメリット ■貝殻・チキンの骨・クルミの殻
貝殻や骨、クルミの殻があるならネットに入れて鉢底石の代わりとして使えます。特に、貝殻や骨に含まれるカルシウム・マグネシウムは土壌を浄化する効果が狙えます。自然にある素材なので、土に還っていくこともメリットです。
貝の実やお肉部分、クルミ部分が残っているとカビの元なので、しっかりと取り除いてから使うのがポイントです。グリルなどで焼くと乾きやすく、砕きやすくなります。
軽くて加工しやすいのがメリット ■ペットボトルのフタ・ストローなどのプラスチック類
ペットボトルのフタや適度な大きさにカットしたストローも、水を通すので鉢底石の代わりになります。キレイに水洗いをした後に乾して使えばOKです。
自然に土に還ることはないので、鉢底石ネットに入れて土と混ざらないように注意しましょう。
発泡スチロールやコルク同様、軽量なので持ち運びやすいのがメリットです。
土に分解されるまでは便利な代用品になる ■麻紐
荷物を束ねたり、編み物に使った麻紐が余っているのであれば、鉢底石代わりに使うこともできます。紐の状態ではなく、ほぐして綿のような状態にして使います。ほぐす際には繊維が散らばるので、下に紙などを敷いて作業しましょう。
麻は二酸化炭素を多く吸収するので、土壌の改善に役立ちます。その代わり、土に還元されてしまうので長期間の鉢底石にはなりません。
他のアイテムを探すまでのつなぎとして使うのがおすすめです。
鉢底石がいらないケースもあるの?
鉢底石は根腐れや腐敗菌の増殖を防いだり、土が流れるのを防ぐために使います。
そのため、用土自体が水はけが良かったり、根腐れがしないような植物であれば鉢底石はいりません。
植木鉢の中には、通気性をキープするタイプの鉢もあるので、その場合も鉢底石は無くとも大丈夫です。
また、小さい鉢やプランターの場合、鉢底石を入れると土の中が混み合ってしまいます。通気性が悪くなるので、ない方が植物が良く育つかもしれません。特に、手の平サイズの多肉植物などなら、そのまま土を入れてOKです。