昔ながらの暖房器具として愛され続けている「湯たんぽ」。体をじんわりと温めてくれて冷え対策に役立つことや、お湯を入れるだけの手軽さ、エコの観点から再注目されています。
今回は、湯たんぽの使い方を特集!安全に使うための基本から、シーン別の効果的な使い方、シーズン後のメンテナンスまでまとめてチェックできるので、湯たんぽを上手に使いこなせるようになりますよ。
また、記事後半ではおしゃれな湯たんぽのおすすめ商品も紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
湯たんぽの正しい使い方【基本】
まずは、湯たんぽを安全に使うための使い方の基本をチェックしていきましょう。
湯たんぽの使い方|お湯の温度 ■湯たんぽに入れるお湯の温度は約70℃が目安
一般的に、プラスチック製の湯たんぽに入れるお湯は約70℃が適温。金属や陶器製であれば70~90℃、ゴム製の湯たんぽには70℃以下のお湯を入れて使います。
沸騰したばかりのお湯は100℃近いため、そのまま湯たんぽに入れると危険です。時間をおいて冷めてから入れるか、水を加えて温度を下げましょう。
なお、耐熱温度は商品によっても異なります。使用する湯たんぽの取扱説明書を確認してから使用しましょう。
湯たんぽに適した70℃のお湯の作り方
季節によって水温が変わるので一概には言えませんが、700mlの水を沸騰させて300mlの水を加えれば、おおよそ70℃のお湯を1L作れます。また、水を入れたやかんの底から立つ小さな泡が増えてきたら約70℃と判断する方法も有名です。
これらの方法を知っておけば、温度計なしでも湯たんぽに適した約70℃のお湯を簡単に用意でき、湯たんぽの準備がラクになりますよ。
湯たんぽの使い方|お湯の量 ■湯たんぽに入れるお湯の量は種類によって異なる
プラスチック製の湯たんぽのお湯の量 お湯は満タンに入れる
プラスチック製の湯たんぽの場合、お湯はキャップの口元まで満タンに入れましょう。お湯が少ないと冷めたときに内部の気圧の変化で本体が変形したり、キャップが開かなくなったりする原因になります。
ゴム製の湯たんぽのお湯の量 お湯は3分の2くらいまで入れる
ゴム製湯たんぽの場合、お湯は3分の2くらいまで注ぎます。お湯を注いだら湯たんぽを平らに寝かせた状態で注ぎ口部分を上に向け、お湯を湯たんぽの口元まで押して空気を抜きましょう。
空気を抜かないと破損のおそれがあり、お湯が冷めるのも早いです。
金属製の湯たんぽのお湯の量 お湯は満タンに入れる
トタン、ステンレス、銅などの金属製湯たんぽでは、お湯は口元ギリギリまで入れます。お湯の量が少ないと空気層ができ、変形の原因になるので注意しましょう。
陶器の湯たんぽのお湯の量 保温性や重さを考慮しお湯の量を調節
陶器の湯たんぽでは、自分好みにお湯の量を調整できます。たとえば、最大3リットル入る湯たんぽでも、1リットルもお湯が入っていれば十分温か。ただし、お湯の量が多いほど保温時間は長くなります。
湯たんぽの使い方|カバー ■専用カバーや布で覆って使う
お湯を入れた湯たんぽは熱くなります。かならず専用カバーやブランケット、タオルなどの厚手の布で全体を覆って使いましょう。
湯たんぽの使い方|置く位置 ■湯たんぽは直接肌に触れないようにする
カバーなどで覆った状態でも、湯たんぽが体に長時間触れたままだと低温やけどの危険があります。湯たんぽは体に直接触れない位置に置いて使用しましょう。
【シーン別】湯たんぽの効果的な使い方
湯たんぽというと、寝るときに布団に入れる使い方をイメージする方が多いかもしれませんが、就寝時以外にもさまざまな使い方があります。どんな使い方があるのかや、シーンごとの効果的な使い方を見ていきます。
湯たんぽの使い方1【寝るとき】 ■寝る30分前に布団のお尻の位置に入れておく
湯たんぽの使い方の定番といえば、寝るときの寒さ対策。寝る30分ほど前に湯たんぽを入れ、布団を温めておきましょう。
湯たんぽを置く場所はお尻の位置がおすすめ。お尻から太ももにかけては全身の筋肉が多く集まる場所で、熱を蓄えやすく効率よく体を温めることができます。
布団に入ったら、湯たんぽは足元やおなかの少し離れた位置に移動させましょう。冷えるからと湯たんぽに足を載せたり抱えて寝たりすると低温やけどのおそれがあり危険です。心配な場合は寝るときは湯たんぽを布団の外に出すといいですね。
湯たんぽの使い方2【冷えが気になるとき】 ■日中の冷え対策にはお腹や太もも前面を温める
体の冷えは、肩こりやむくみ、生理不順など体のさまざまな不調の原因になります。体をじんわり温めてくれる湯たんぽは、効果的な冷え対策グッズ。デスクワークや読書、勉強、リラックスタイムにも湯たんぽを活用して体を温めましょう。
足が冷えるからと足元を暖めるよりも、お腹を温めた方が効果的。お腹にはさまざまな臓器があり、流れる血液の量が多いです。湯たんぽで温まった血液が全身に届けられ、体全体を効率よく温めることができます。
また、筋肉量が多い太もも前面に湯たんぽを置くのもおすすめ。しばらくすると、足元までポカポカ温かくなってくるはずです。
湯たんぽの使い方3【入浴前】 ■入浴前に湯たんぽで温めれば体が芯まで温まる
寒い時期の入浴では、体が十分温まる前にのぼせてしまうことも多いもの。入浴前に湯たんぽを使って体を温めておくと、短時間の入浴でも芯までしっかり温まることができます。
イスに座った状態で湯たんぽを太ももの上に乗せ、数分間抱き抱えるようにするとお腹と太もも前面の筋肉をまとめて温めることができ効果的です。
湯たんぽの使い方4【肩こりのとき】 ■肩甲骨まわりを温めて肩こりを軽減
スマホの普及やデスクワークで肩こりに悩む方は多いです。湯たんぽを使って肩甲骨まわりを温めると、血行が良くなり肩こりが軽減されます。
うつぶせに寝て湯たんぽを乗せたり、服のフードに入れて背負うようにしたりして当てましょう。なかには首にかけられる肩用の湯たんぽもありますよ。
湯たんぽの使い方5【キャンプのとき】 ■キャンプでも活躍!寝袋の保温や簡易こたつにも
電源不要で使える湯たんぽは、キャンプの防寒対策にも大活躍。火気を使わないため、テント内でも一酸化中毒などの心配をせず安心して使用できます。
寝袋に入れる際は、布団のとき同様に就寝の30分ほど前に湯たんぽを入れて温めておきましょう。ローテーブルに厚手のブランケットや筒型の寝袋を広げ、中に湯たんぽを入れて簡易のこたつにする使い方もあります。
湯たんぽは何時間持つ?長持ちさせる使い方
湯たんぽの温度を長持ちさせる使い方1 ■持続時間の長いタイプを選ぶ
お湯を入れるタイプの湯たんぽ
商品にもよりますが、一般的にお湯を入れるタイプの湯たんぽの場合、4時間程度は温かさが持続します。
温かさを少しでも長持ちさせたい場合は、ミニ湯たんぽではなく2Lくらいある容量の大きな湯たんぽを選びましょう。お湯の量が多いほど熱が逃げにくく、湯たんぽが長持ちします。
充電式湯たんぽ
お湯を沸かす必要がなく手軽に使える充電式の湯たんぽ。充電式の湯たんぽは6~8時間ほど温度が持続する商品が多いです。
温度はやや低めですが、長時間使えるものがいいというときは充電式を選ぶのもいいでしょう。
電子レンジ式湯たんぽ
電子レンジで温めるタイプの湯たんぽは、商品によって持続時間が大きく異なります。なかには8時間近く温度をキープできるものもありますが、小豆やセラミックビーンズを使ったタイプは数十分しか持たず、就寝時などには不向きです。
湯たんぽの温度を長持ちさせる使い方2 ■カバーにくるむなどして湯たんぽを保温する
湯たんぽの温かさを長持ちさせるには、冷たい空気に触れないようにすることもポイント。カバーを使う、厚手のタオルにくるむ、布団の中で使うなど工夫すれば長く温度をキープできますよ。
湯たんぽの使い方の注意点「低温やけど」とは?
便利な湯たんぽですが、気をつけたいのが「低温やけど」。万が一の際に慌てないよう、低温やけどについての知識も確認しておきましょう。
湯たんぽの使い方の注意点|低温やけどについて1 ■低温やけどとはどんな状態?
低温やけどとは、体温よりも少し高めの温度(44℃~50℃)のものに長時間接触していることで発生するやけとです。44℃で3~4時間、50℃だと2~3分を目安に低温やけどになると言われています。
軽度であればヒリヒリとした傷みとうっすらとした赤みが生じる程度ですが、ダメージが深刻だと水ぶくれができたり跡が残ったりすることも。また、皮膚の奥でじっくり進行してしまうため、通常のやけどよりも治りにくいと言われています。
湯たんぽを使う際は、肌に触れた状態が長く続かないよう十分注意しましょう。
湯たんぽの使い方の注意点|低温やけどについて2 ■低温やけどを負ってしまったときの応急処置
湯たんぽを使っていて低温やけどになってしまったら、すぐに冷却をしましょう。常温の水道水などを流水で当て、20分ほどを目安に冷やします。
衣類はムリに脱がせる必要はなく、上から流水を当てて構いません。また、冷却スプレーなどはやけどの治療に効果がないため使わないようにしましょう。
水ぶくれになった場合、潰すのは禁物です。雑菌が入り悪化するおそれがあります。万が一低温やけどを負ったら、応急処置をして早めに病院を受診しましょう。
湯たんぽの正しい使い方【お手入れ編】
湯たんぽの正しい使い方|お手入れその1 ■シーズンオフの湯たんぽのしまい方
お湯を入れて使うタイプの湯たんぽは、シーズンが終わったら内部を完全に乾かしてから保管しましょう。水を抜いたあと、ふたを開けた状態で風通しのよい場所に数日置いておくとしっかりと乾きます。
水が残ったまま片付けると、内部でカビや雑菌が繁殖したり、金属製のものだと内側がサビだらけになったりする原因になるので注意しましょう。
湯たんぽの正しい使い方|お手入れその2 ■ゴムパッキンが劣化したら交換を
キャップの内側についているゴムパッキンは使っているあいだに劣化することがあります。定期的に点検し、亀裂などがある場合は交換しましょう。
おしゃれな湯たんぽおすすめ4選
湯たんぽというと古臭いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、近年はおしゃれな湯たんぽもたくさん売られていて手に取りやすくなっていますよ。思わず使いたくなるデザイン性の高い湯たんぽを5つ紹介します。
湯たんぽおすすめ1 ■北欧デザインがインテリアに映える!
LAPUAN KANKURIT/ラプアン カンクリ
ESKIMO 湯たんぽ
北欧フィンランドのテキスタイルメーカー、LAPUAN KANKURIT(ラプアン カンクリ)のウールカバー付き湯たんぽ。中身はヨーロッパの厳しい安全基準をクリアしたドイツのFashy(ファシー)社のものとなっています。
リビングやソファに置いてあっても絵になり、どこまででも持って行きたくなるおしゃれアイテム。湯たんぽを使うのが楽しくなりますよ。
湯たんぽおすすめ2 ■スタイリッシュな陶器の湯たんぽ
Ceramic Japan/セラミック・ジャパン
yutanpO
「湯たんぽ?」と疑いたくなるようなスタイリッシュな商品。布団の中に入れたときに不快感を感じないよう、薄く滑らかな形状に仕上げてあります。
素材の陶器は保温性に優れ、じんわりとした温かさが朝まで続くのもうれしいポイント。キャップを外せば電子レンジでも温めることができ便利です。
湯たんぽおすすめ3 ■癒される!アニマルモチーフの蓄熱式湯たんぽ
スリーアップ
蓄熱式 ハグ湯たんぽ nuku2(ぬくぬく)Hug
面倒なお湯の入れ替えがいらない蓄熱式湯たんぽ。1回約15分の充電で、最大8時間温かさが持続します。
かわいいアニマルモチーフで癒やし効果も!寝るときはもちろん、デスクワークやリラックスタイムのお供にもぴったりです。
湯たんぽおすすめ4 ■コロンとかわいい!トタンの湯たんぽ
土井金属化成
トタン製湯たんぽ『miniまる』
コロンとした形状とビビットなカラーがかわいいトタン製湯たんぽ。薄型で持ち運びがラクなので、キャンプなどアウトドアで使いたい方にぴったりです。
色はイエロー・ブルー・ピンクの3色。また、同一デザインで直火での使用が可能なシルバーもあります。