エアコンから異音がすること、ありませんか?そんな時は、虫がいる可能性があります。エアコン内部には、ドレンホースやエアコン付近の壁穴を伝い、虫が侵入してしまうことがあるのです。
そんな時に大切なのは、早めに虫を追い出して、これからは侵入されないように予防すること。残念ながら、勝手にいなくなることはありません。
本記事では、自分でできる駆除方法や注意点、虫の侵入を防止できる方法を解説していきます。虫が苦手な人には、業者に依頼するコツも紹介していきます。
エアコンに虫が入る原因とルート
エアコンにゴキブリや小さな虫が入る理由は、主に3つ。それぞれの理由を知れば、対策することができます。虫が侵入する前に侵入ルートをチェックして、快適な生活を送りましょう。
■ドレンホースから入る
ドレンホースとは、室外機で発生する水を外に出すホースのこと。ドレンホースがあることで、エアコンの室外機の水漏れが防がれています。しかし、この先端は、地面にむき出しで接していて、虫が入る原因になります。
ドレンホースは内径14~20㎜程度なので、侵入するのは小さい虫です。カナブン(コガネムシ)や蜂、チャタテムシ、小型のゴキブリならば通れてしまうので、警戒する必要があります。特に、卵を産むことがあるチャタテムシ、ゴキブリは要注意です。
■貫通穴から入る
貫通穴(スリーブ穴)とはエアコンを設置した際に、エアコン本体近くの壁に開ける穴です。住宅の高気密・高断熱性を守ることができます。
貫通穴は、配管やドレンホースが通る場所で、配管と穴の空いた隙間から虫が侵入してきます。こちらからもカナブン(コガネムシ)やチャタテムシ、ゴキブリが侵入して、室内で増えていくことがあります。
貫通穴とホースの間は、通常穴埋め用のパテで埋まっています。しかし、一度すき間を埋めても、劣化によってふたたび穴が開いている場合もあるので、こまめなチェックが必要です。
■内壁・外壁の間から入る
エアコンを設置する時に、壁に穴をあけたままの状態になってしまうことがあります。こうしてできた隙間から、ゴキブリなどの虫が侵入してきます。
この穴ができる原因は工事業者の不手際であり、自分では確認できません。「ドレンホース・貫通穴の周辺に異常はないのに、虫が入ってくる」といった場合には、依頼をした業者に連絡して不備がないか確認しましょう。
こういった不手際を起こす業者に引っかからないためには、下記の点を確認するのがおすすめです。
工事業者を見極めるポイント
・建設業法の許可業者で所在がハッキリしている
・各種保険に加入している
・口コミ・リピーターが多い
エアコンに虫が入った時の対処法・対策4個
エアコンに虫が入ってしまった時、エアコンの中で虫を殺すのは、死骸が腐ってしまうので不衛生です。どうにか外に追い出してから駆除しましょう。主なおすすめの方法は以下の4つです。
■送風機能で除湿する
エアコンの中に虫がいる気がする。それでも生きた虫の姿を見たくない。そんな人は、エアコンの送風機能を使うのがおすすめ。送風機能を使うと、発生した風を嫌がり、ゴキブリなどの虫が外に出ていきます。
送風の際にミント系のアロマを吹きかけておくと、より効果的です。エアコンの奥までミントの香りが届くと、ミントの香りを嫌がる虫が勝手に出て行ってくれます。
さらに、送風機能を1時間ほど使えば、エアコンの内部が乾くので、湿気を除去することができます。
実は冷房・除湿を使用すると、エアコン内部に水分がたまるようになっています。すると、内部の湿度があがり、フィルターの汚れ・カビが発生してまい、虫が過ごしやすい環境になってしまいます。
エアコンを使わない時期にも、定期的に送風機能を使うようにしましょう。電気代は冷房の利用に比べて安い上、虫対策だけでなく、カビによる悪臭対策にもなります。
■フィルターを掃除する
エアコンの内部に虫が侵入してしまった場合は、フィルターの掃除も重要です。内部に侵入した虫は、フィルターに卵を産み付けている可能性があるからです。
■フィルター掃除の手順
1.エアコンの電源を切る
2.フィルターを外す
3.汚れ・目に見えない卵を掃除機で吸い取る
4.汚れがついていない面から水を当てる
5.水で洗い流す
6.タオルで拭いた後に乾燥させる
なお、掃除機で吸い込んだゴミを掃除機にためてはいけません。すぐにビニール袋に入れておきましょう。フィルター内部に卵が植え付けられていた場合、今度は掃除機内部で卵が孵化してしまうかもしれないからです。
もしも水を当てただけでは汚れが落ちない時には、歯ブラシなどでこすって落とします。この時、周囲にホコリが散らばってしまうことがあります。掃除の前、床に新聞紙やビニールを敷いておけば、そのまま捨てることができます。
歯ブラシだけでは落とせない汚れがついていた場合には、重曹スプレーを使って掃除することもおすすめです。
■重曹でフィルターを掃除する手順
1水100㏄に対して重曹小さじ一杯を混ぜる
2.スプレーボトルに入れてフィルターの裏側にふきかける
3.フィルターの裏側を水洗いする
4.フィルターの表側にスプレーして歯ブラシなどで汚れを落とす
5.フィルターの裏側から水洗いする
フィルターが完全に乾いたことを確認してから、戻しましょう。
■ミントのアロマを活用する
エアコンに虫が侵入した時は、吹き出し口にミント系の香りをつけた紙やガーゼを置くのもおすすめです。ゴキブリなどの害虫は、ミントの香りを苦手にしているのです。
ただし、アロマオイルは動物にとって有害になることもあります。ペットがいる場合、この方法は止めるべきです。
この時注意したいのは、エアコン本体やスプレーにアロマオイルを塗ったり、ハッカ油をスプレーしたりしてはいけないということです。
ミントの香りがついていても、水分は水分。カビが生え、余計に虫が繁殖します。
エアコンフィルターにハッカ油のスプレーをした場合は、フィルターを溶かしてしまうリスクもあります。
エアコンの吹き出し口以外にも、エアコンの周りの壁にハッカ油など、ミント系の香りのスプレーをふきかけるのもおすすめです。
壁が湿ってしまうことも、住宅には良くないので、スプレーをした後には除湿・拭き取りが必要になります。
ミントの他にも、ゴキブリは下記の香りを嫌うことが有名です。
■ゴキブリが嫌う香り
・タイム
・ローズマリー
・キャラウェイ
・クミン
・レモングラス
反対に「バニラ系」「アニス系」などの甘い香りには、ゴキブリが好んで寄ってきます。もしもお部屋の芳香剤に使っている場合は、気をつけましょう。
■駆除業者に依頼する
エアコンから虫を追い出さないでいると、エアコンの中の異音が気にかかります。エアコンの中で繁殖してしまうし、寝室の場合は寝ている間に虫が落ちてくる可能性もあります。
とはいえ、エアコンの中の虫を自分で取り除くのは、虫嫌いの人には厳しいもの。
そんな時におすすめなのは、専門の業者に依頼することです。掃除だけではなく、除菌・消毒まで行ってくれるので、エアコン自体の寿命を伸ばすこともできます。
お掃除機能付きなら2年に一度程度。お掃除機能なしなら1~2年に一度、業者に依頼をすれば、虫を追い出すことができます。
業者を選ぶ時に大切なのは、事前に悪い評判がないか確認することです。いくつかの項目を確認することで、安心して依頼できる業者を見極めましょう。
■エアコン掃除業者を選ぶコツ
・相場と比較する
・口コミ・評判を確認する
・作業内容を確認する
特に、防カビ仕上げまでしてくれる業者がおすすめです。
■エアコン掃除の料金をお得にする方法
・5~8月の繁忙期を避ける
・おそうじ機能付きのエアコンを購入する
・複数台割引を利用する
エアコン掃除を依頼するというと、ハードルが高いように思えますが、掃除にかかる手間を考えれば、高い買い物ではありません。今後の防虫対策になることに加え、時間を有意義に使えて、虫を見ずにすむ。それが業者に依頼するメリットです。
エアコンの虫駆除おすすめ業者1|おそうじ本舗
おそうじ本舗
98%の医師が推奨したエアコン完全分解洗浄。一般的なエアコンクリーニングでは外さない「ドレンパン」や「送風ファン」まで分解して洗浄するため、虫の逃げ場はありません。
エアコンの虫駆除おすすめ業者2|害虫駆除110番
エアコンの近くだけでなくあっちでもこっちでもゴキブリと遭遇する!そんなときは害虫駆除専門業者にあなたの家で繁殖している虫を一掃してもらいましょう。「もお嫌だ…」という困った状況もプロに相談すればすぐに解決します。
エアコンに入った虫の対策の注意点
エアコンに入った虫を駆除する時には、3つの注意点があります。正しく対処して、エアコンとお部屋を守りましょう。
■エアコンのスイッチをオフにする
エアコンのフィルターを掃除したり、アロマオイルスプレーをエアコン付近に吹き付けたりする場合、エアコンのスイッチがオフになっていることを確認しましょう。電源ブラグまで抜いて、エアコンが作動しないことを確認してから作業することが大切です。
エアコンの電源が入ったままでは、漏電や感電を起こす危険性があります。駆除の途中でエアコンが作動しまった場合は、エアコンの中で虫がつぶれて余計に汚れてしまうかもしれません。
電源を切ると、ルーパーなどの可動部が閉じてしまいますが、ゆっくりと動かせば手動で動かすことができます。無理に動かすと壊れてしまうので、注意が必要です。
■直接殺虫剤を使うのはNG
エアコンの中に虫がいる状況にビックリしても、直接殺虫剤を吹きかけるのは絶対に止めてください。エアコン故障の原因になったり、エアコンで送る風に殺虫成分が含まれて健康被害を引き起こします。
殺虫剤をふりかけるのは、虫が通りそうな場所、エアコンの周辺がおすすめ。
部屋にくん煙タイプの殺虫剤をたくのも効果的です。もしゴキブリが侵入している場合、春~初夏には卵があるかもしれません。部屋中に煙を充満させて、ゴキブリと卵を駆除しましょう。
■死んだ虫を中に放置しない
虫を上記の方法で駆除したら、エアコンの中に死骸が残っていないことを確認しましょう。エアコンの内部に虫の死骸があると、雑菌の発生や悪臭の元になります。
自分でフィルターを開くか、業者に依頼してしっかりと掃除することが重要です。
丁寧な掃除は、死骸を残さない他にも、汚れやカビを除去して、虫が侵入・発生するのを防ぐことにつながります。フィルターは2週間に一度。本体は1~2年に一度掃除して、エアコンを長持ちさせましょう。
エアコンへの虫の侵入の予防方法
エアコンの虫を駆除する方法を紹介してきましたが、案外面倒ですよね。なにより、虫はなるべく見たくないものです。そのために必要なのが、侵入ルートをつぶすこと。
こちらで紹介する4つの方法を試せば、ゴキブリなどの嫌な虫の侵入を防げます。
■ドレンホースの先端をふさぐ
エアコンのドレンホースの先端を防ぐと、虫が侵入することを防ぐことができます。しかし、完全にふさいでしまうと、水も排出できずにエアコンが故障してしまいます。網目のあるフタで塞ぐ必要があるので、専用のキャップや排水溝ネットを用意しましょう。
専用キャップはamazonなどの通販や、ホームセンター、家電量販店、100均ショップで買うことができます。
キャップの網があまりに細かいと、他のゴミがつまる時があるので、注意が必要です。
ストッキングを巻き付けることでも虫の侵入は防げますが、破れやすいためあくまで応急手当として使うのがおすすめです。
また、ドレンホースを数センチ短くして、地面から浮かべると、地面を這う虫の侵入は防げます。飛ぶことができるゴキブリ、バッタなどは防げないので、こちらはホースの先に蓋をすることと組み合わせて使いましょう。
■定期的に掃除する
エアコンに虫が侵入するのを防ぐためには、定期的な掃除も大切です。虫を追い出すことに加え、虫の卵を発見して繁殖を防げます。
フィルターは2週間に一度。本体は1~2年に一度掃除すれば、エアコンを長持ちさせることにもつながります。
エアコンを使う時期が終わったのなら、電源をオフにしてから電源ブラグを抜き、掃除機を使ってしっかりと掃除しましょう。使わない時期にもたまに送風機能を使い。風で虫を掃除することも大切です。
エアコンを使っていても、使っていなくとも、エアコンの内部はホコリやカビがたまりやすい環境です。室内にあるため、冬場もある程度の温かさがあり、虫が繁殖するにも絶好の環境です。
これを防ぐためには、こまめな掃除と除湿、定期的な送風が重要になるのです。
■壁穴を埋める
エアコンの侵入口は、ドレンホースだけではなく、壁穴の場合があります。パテを使用すれば、壁穴を埋められます。
パテとは、建築用の粘度のことで、Amazonなどの通販や、ホームセンター、セリア・ダイソーなどの100均ショップでも購入できます。
しかし、パテは劣化するので、再び穴が開くことがあります。その場合、虫が侵入してしまう上、雨漏りの原因になってしまいます。自分で購入したパテは、どうしても劣化しやすいです。専門の業者に頼み、穴を完全に塞ぐことがおすすめです。
ただし、賃貸物件の場合は、壁穴の修理を自分でしたり、業者に頼むと、契約違反になることがあります。賃貸物件の壁穴を埋めたい場合は、大家さんや管理会社を通して業者に依頼しましょう。
■室外機の周りに虫除け対策を行う
虫の侵入を防ぐためには、室外機の周りに虫対策をほどこすことも有効です。室外機の周りの雑草を刈り取ったり、殺虫剤をまいて、虫が近づけない環境を作りましょう。
殺虫・虫除け効果がプラスされた除草剤もあるので、amazonなどの通販で購入しましょう。口コミを参考にすることが、扱いやすい殺虫剤や除草剤を選ぶポイントです。
室外機の周囲に殺虫剤を使う時の注意は、室外機本体に殺虫剤がかからないようにするということです。故障・火災の原因になってしまいます。
室外機に虫が寄ってくる理由は、虫が繁殖するのにほどよい温度がある上に、雑草に覆われていると日光が遮られるためです。この条件が重なると、害虫の代表格、ゴキブリが寄ってきやすい環境が完成してしまうのです。
まとめ
エアコンに虫が侵入した場合は、送風機能や掃除、専門業者への依頼で早めに虫を追い出して、二度と発生しない対策を行いましょう。虫が侵入しにくい環境とは、室外機周りの対策や、こまめなエアコン掃除です。