空き巣などの被害に遭わないよう家の防犯には気を付けたいものですが、とくに重要なのが「窓の防犯」。警視庁が公表している統計データによると、侵入窃盗犯は窓から家に侵入してくるケースが多く、その割合は半数以上にも達します。
しかし、窓の防犯と言っても具体的にどんな方法があるかわからないという方もいるでしょう。本格的な対策としては防犯ガラスへの交換や面格子の利用などが有効ですが、もう少し手軽な方法や賃貸でもできる窓の防犯対策も気になります。
そこで今回は、窓の防犯対策を特殊!手軽なものから本格的なものまで8つの防犯対策をご紹介します。おすすめの防犯グッズも合わせて見ていくので、ぜひあなたのおうちに合う窓の防犯対策を考えるヒントにしてくださいね。
窓の防犯はクレセント錠や網入りガラスでOK? クレセント錠や網入りガラスでは防犯にならない
多くの窓には取っ手を回して施錠する「クレセント錠」が取り付けられていますがクレセント錠に防犯効果はほとんどないと考えられています。
もともとクレセント錠は防音や外気の侵入を防ぐことを目的として窓の密閉性を高めるために作られたもので、防犯性は考慮されていませんでした。そのため、外から窓ガラスを割って手を入れるとかんたんに解錠されてしまいます。
また、網入りの窓ガラスも一見防犯対策になりそうですが、網入りガラスは火災時の飛散防止を目的としたもの。ハンマーなどでたたくとかんたんに割れて空き巣の侵入を許してしまいます。
警視庁の資料によると、令和2年に認知された住宅の空き巣侵入のうち約3割がガラス破りによる侵入です。被害に遭わないためにはガラス破りに備え窓の防犯性を高める追加の対策が必要になります。
<参考>
警視庁『令和2年の刑犯法に関する統計資料』
窓の防犯対策は2階や小窓も必要? 2階や小窓からの侵入もある!忘れず防犯を
空き巣などの侵入口として狙われやすいのは1階居室・居間の窓ですが、2階以上の窓でも安心はできません。庭木など住宅周辺にある足場になるものを利用してよじ登り、ベランダに面した2階の窓から家に侵入するケースも見られます。
また、掃き出し窓など大きな窓だけでなく、トイレや浴室など防犯対策が手薄になりがちな小窓を狙って侵入する空き巣もいます。
2階や小窓だからと窓を開けっ放しにしたまま出かけるようなことは避け、しっかりカギをかけるとともに防犯グッズなどで対策を行うことが大切です。
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窓の防犯は「時間をかけさせること」がカギ 侵入に5分以上かかると犯人は犯行をあきらめる
財団法人都市防犯研究センターが行った調査では、侵入に手間取り5分かかると侵入者の約7割が犯行をあきらめるというデータが報告されています。窓の防犯では、侵入しにくい工夫をして5分以上時間をかけさせることが重要です。
たとえば賃貸住宅などで本格的な防犯対策ができない場合でも、窓の防犯対策グッズを使い、場合によっては複数組み合わせて時間をかけさせることで一定の防犯効果が期待できます。
また、防犯対策をしているとアピールするのも効果的。「侵入に時間がかかりそう」と思わせることができれば、空き巣などの犯人を近づけにくくなりますよ。
窓の防犯対策①補助錠【賃貸OK】 ①補助錠を追加で取り付ける
多くの窓に備え付けられているクレセント錠は、ガラスを割って手を差し込めばかんたんに解錠できてしまいます。そこでおすすめなのが「補助錠」の利用。クレセント錠と2カ所ロックすることで窓が開けにくくなり防犯性が高まります。
補助錠は安価なものなら100円均一ショップでも入手が可能。また、カギを取り外して2重ロック状態にできる防犯性の高いものも販売されています。
窓の防犯におすすめの補助錠① ■サッシに締め付けてダブルロック!カギも外せる
ノムラテック
ウインドロックZERO 3P
サッシのレール部分に締め付けて設置するタイプの補助錠です。両面テープで設置するタイプの防犯グッズではないため、取り外したときにベタベタが残る心配もなく原状回復が必要な賃貸アパートなどでも気軽に導入できます。
カギを回してロックする仕組みですが、カギ部分が取り外せるようになっているのがポイント。二重ロックでより高い防犯効果が期待できるので、しっかり防犯したいという方におすすめです。
窓の防犯におすすめの補助錠② ■施錠・解錠は押すだけ!手間がなく導入しやすい
和気産業
ワンタッチシマリ
窓枠に両面テープで取り付けるタイプの補助錠です。施錠も解錠もワンタッチでラクラク。頻繁に開け閉めする窓でもこれなら無理なく使い続けられるでしょう。
価格もリーズナブルなので、家中の気になる窓に設置することができそうですね。
窓の防犯におすすめの補助錠③ ■窓を開けて換気をしているのとき防犯にも
ノムラテック
ツインロック
窓のガラス面に貼り付けて使うタイプの補助錠です。ロック板が2個付いていて、少しだけスキマを開けた状態の換気用ロックとしても使えるのが魅力。窓を開けて換気をしているときの防犯が気になるという方におすすめの商品です。
外から見ると警告シールが見えるようになっているのもポイント。抑止効果も期待できますよ。
窓の防犯対策②窓用防犯ブザー【賃貸OK】 ②窓用防犯ブザーを設置する
窓用防犯ブザーは、窓が開けられたり窓ガラスが割られたりした際に大きな警告音を発して犯人を威嚇する防犯グッズ。窓に取り付けるだけでかんたんに設置でき、価格も比較的リーズナブルなので窓の防犯対策に導入しやすいアイテムです。
犯人の侵入を遅らせる効果はありませんが、防犯センサーが取り付けてあるというだけでも一定の抑止効果が期待できるでしょう。
おすすめの窓用防犯ブザー ■オン・オフがひと目でわかるから使いやすい
ELPA/エルパ
スリムアラーム
窓ガラスに貼るだけでかんたんに設置できる防犯アラーム。厚さわずか8mmのスリム設計で、ほとんどの窓で開閉に支障なく使用できます。
窓が開けられたときと窓ガラスに衝撃が加わったときに検知してアラームが鳴る仕組みですが、警戒中は赤、解除中は青と状態がひと目で分かるのがポイント。電源を切り忘れてうっかり鳴らしてしまう心配が少なく使い続けやすいでしょう。
窓用防犯ブザーおすすめ② ■スマホ連動可!外出先でもおうちの異常を知れる
Panasonic/パナソニック
開閉センサー KX-HJS100
窓が開いたことを感知すると報知音で知らせてくれる開放検知型の防犯ブザーです。専用アプリでスマホと連動させておくことで、窓が不正に開けられたときに通知を受け取ることもできます。
使用には別売りホームユニットも必要になりますが、外出先でもおうちの安全を確認したいという方におすすめです。
窓の防犯対策③防犯フィルム【賃貸OKの場合も】 ③窓用防犯フィルムを貼る
窓ガラスに防犯フィルムを貼るのも有効です。窓ガラスの強度が上がり、叩き割ろうとすると大きな音が出るため泥棒が侵入を諦める可能性が高くなります。また、地震など災害時のガラスの飛散防止に役立つのもメリットです。
プロの業者に施工を依頼すると安心ですが、費用を抑えたい場合はかんたんに貼れるタイプのものを選んでDIYするのもいいでしょう。
その際、クレセント錠付近だけをカバーするものだとフィルムが貼られていない部分から手を伸ばしてカギを開けられるおそれがあります。最低でもA3サイズ以上あるものを選ぶのがおすすめです。
また、防犯フィルムは強力できれいにはがせないことが多いため注意が必要。賃貸住宅の場合はあらかじめ大家さんや管理会社の方に許可を取ってから取り付けるようにしましょう。
窓の防犯におすすめの防犯フィルム ■保険付き!コスパのいい防犯フィルム
ノムラテック
保険付・透明ガラス専用防犯フイルム 360ミクロン A3 2枚入
フイルム総厚360ミクロンとしっかりとした厚みがある防犯フィルム。A3サイズなので窓全体はカバーできませんが、クレセント錠の近くに貼ることで窓の防犯性を高めることができます。
万が一の際にお見舞金が出る保険付きで価格も手ごろ。コスパのいい防犯フィルムを求めている方におすすめです。
窓の防犯対策④防犯ガラス【本格】 ④防犯ガラスに交換する
一戸建て住宅などで本格的に窓の防犯対策をしたいという場合は、防犯ガラスに取り替える方法がおすすめです。
通常の窓ガラスは一枚のガラス板になっていますが、防犯ガラスは2枚のガラス板の間に強度と柔軟性に優れた中間膜を挟んで圧着させた合わせガラスになっていて、かんたんに穴が開かないようになっています。
防犯性の高い建物部品だけが表示できる「CPマーク」や防犯ガラスマークのステッカーが貼られた防犯ガラスは抑止効果も働くため、泥棒を近づけにくくなりますよ。
窓の防犯対策面⑤面格子【本格・後付けも可】 ⑤面格子を取り付ける
窓に面格子を設置すれば、かんたんに取り外せないため空き巣や泥棒に狙われにくくなります。浴室やトイレなど、人目に付きにくい場所や施錠を忘れがちな場所の小窓は面格子による防犯対策をしておくといいでしょう。
防犯だけでなく目隠しとしても役立ちます。
窓の防犯対策⑥室内面格子【本格・後付けも可】 ⑥室内側に面格子を取り付ける
室内面格子とは、窓の内側に取り付けるタイプの面格子。ガラスを破っても中の面格子に阻まれるため、空き巣などの侵入を防ぎやすくなります。
室内面格子は部屋の中に取り付けるタイプなので、外開きの窓やすべり出し窓など従来の面格子が取りつけできない場所にも設置が可能です。
外開き窓の防犯におすすめの室内面格子 ■約1時間でかんたんに後付けできる
LIXIL/リクシル
室内面格子(固定式)
室内側に設置するタイプの面子。窓枠にかんたんな施工で取り付けできるので、DIYで面格子を後付けしたい方にもおすすめです。
窓の防犯対策⑦シャッター【本格・後付けも可】 ⑦シャッターを取り付ける
窓にシャッターが設置してあると、侵入に時間がかかるだけでなく外から中の様子が伺いにくくなるため泥棒に狙われにくくなります。スペースがあれば後付けも可能なので、防犯がとくに気になる窓には設置を検討してみるといいでしょう。
窓の防犯対策⑧ホームセキュリティ【本格】 ⑧ホームセキュリティを利用する
窓の防犯対策としてホームセキュリティに加入するのもいいでしょう。各種センサーが侵入者などの異常を感知すると、警備員が駆けつけてくれます。
窓や玄関にホームセキュリティ会社のステッカーが貼ってあるだけで抑止効果も働くため、空き巣などの犯人に狙われにくくなるでしょう。