蚊取り線香は夏になると、家の中でも屋外でも大活躍です。蚊取り線香の独特の香りがどこからかしてくると、夏がやってきた感じがしますよね。30日や60日など長期間使用できるタイプの、電源を入れて使用する液体蚊取りが流行っている一方で、昔ながらの蚊取り線香も根強い人気があります。
特に屋外では電源が無いので、火をつけるだけの蚊取り線香がよく使われます。地面に置くだけでなく、携帯用の蚊取り線香入れもあり、バーベキューや農作業、雑草取りや植木の剪定など、外の作業では蚊取り線香が欠かせません。
蚊取り線香は根強い人気がある一方で、本当に効いているのか疑問に思う時もありませんか?ちゃんと蚊取り線香を焚いていたのに蚊に刺されてしまった、という人も多いのではないでしょうか?蚊取り線香に入っているどのような成分で、蚊は寄ってこなくなるのでしょうか?ペットには影響は無いのでしょうか?
ここでは知っているようで知らない蚊取り線香について調べてみました。
ポイント1 蚊取り線香の成分

■安全性の高い殺虫成分
蚊取り線香には「ピレスロイド系殺虫成分」が含まれています。金鳥でもアースでもフマキラーでも、どの蚊取り線香にも入っている成分です。「ピレスロイド系殺虫成分」は、昆虫や両生類、爬虫類の神経に効く殺虫剤です。熱帯魚や金魚にも効果があるので注意が必要です。
そして、蚊やカエル、イモリ、カメなどに効果がある一方で、鳥や犬、ネコ、そして人間にはほとんど影響が無いので比較的安心して使用できる殺虫剤として知られています。
ピレスロイドの元となっているピレトリンは、除虫菊(じょちゅうぎく)という白い菊に入っている成分です。蚊取り線香の老舗メーカーである金鳥(正式名称は大日本除虫菊)の創始者である上山英一郎は、アメリカから除虫菊の種が送られたことがきっかけで、渦巻型の蚊取線香を発明しました。
最初から渦巻き形だったのではなく、最初は粉の状態で販売され、ノミ取り粉として使われていました。これが成功したことで、棒状の蚊取り線香を開発しましたが、棒の形では40分程度しか持続できないため、渦巻き状の蚊取り線香を1902年に作ることに成功しました。
■現在多くは化学合成によるもの
今から約半世紀ほど前にピレトリンが化学合成できるようになりましたが、それ以前は除虫菊を主な原料として蚊取り線香が作られてました。現在は蚊取り線香も大量生産の時代になったので、天然成分を使用した蚊取り線香は少なくなってしまいましたが、ライオンケミカルでは「かえる印のナチュラルかとり線香 」や「昔ながらの天然除虫菊蚊取りせんこう 」を製造販売しています。
これは、天然の除虫菊から取り出した成分で作られた100%天然素材の蚊取り線香です。着色料や防腐剤は使っていないのも安心できますね。化学的に製造された蚊取り線香よりも、煙のニオイが強くないので一日中つけていられると好評です。
昨今の天然素材ブームにあわせて、蚊取り線香の老舗である金鳥も、昔ながらの除虫菊で作った蚊取り線香を販売しています。天然だと効かないのではと思われがちですが、有効成分のピレスロイドはこちらの「天然除虫菊 金鳥の渦巻」は1.0%、化学的に合成されたピレスロイドの普通の「金鳥の渦巻」は約0.3%なので、この製品のほうが効果が高くなっています。
ポイント2 蚊取り線香が効く範囲と時間

■蚊取り線香が効く範囲。野外は効く?
一般的には、蚊取り線香の効き目は半径2メートルくらい。タタミ6畳分くらいだと考えるとわかりやすいでしょう。蚊取り線香の香りは遠くまでしますが、遠くになるにつれて蚊を殺す威力は弱まって、蚊を寄せ付けない程度の効き目になっていきます。
蚊取り線香の火がついている1センチほど手前の部分から、有効成分が出ています。有効成分ピレトリンが熱で気化することで蚊を殺すので、煙自体が蚊を殺すわけではありません。ただ、目安として煙が漂っている範囲にはピレトリンも気化してただよっていると考えられます。ピレトリンの濃度が濃ければ蚊は死にますし、濃度が薄ければ蚊が近寄ってこない効果があります。
■蚊取り線香の燃焼時間の目安は7時間以上
1902年に蚊取り線香が金鳥から発売された当時は6時間でしたが、現在看板商品である「金鳥の渦巻」は7時間の燃焼時間があります。アース製薬の「アース渦巻香」も7時間で、「アース渦巻香ジャンボ」に入っている蚊取り線香は11.5時間持ちます。フマキラーの「蚊とり線香本練りレギュラータイプ」も通常サイズは7時間で、「フマキラー蚊とり線香 本練り ジャンボ50巻函入」に入ってるタイプは11時間持続します。
ポイント3 効果的な蚊取り線香の置き場所

蚊取り線香は、風上に置くのが基本です。風下に置いてしまうと、せっかくの有効成分が自分のほうではなく遠くに流れていってしまいます。必ず風が吹いてくる方向に置きましょう。蚊取り線香の基本的な使い方ですが、風上に1つ置きます。
もしも複数個置けるのであれば、3メートルから4メートル程度離して次の蚊取り線香を置きます。あまり広い範囲だと1個ではカバーしきれません。蚊取り線香の効果は、約半径2メートルなので、それを目安に広さにあわせて置くようにします。
蚊取り線香1個で、だいたいタタミ6畳分をカバーできると言われています。
【オススメの蚊取り線香!】ベスト12

■①金鳥の渦巻 蚊取り線香 3種の香り 30巻 缶 (アロマローズ・ラベンダー・森の香り)
最近は緑色のおなじみの蚊取り線香だけでなく、さまざまな香りの蚊取り線香が販売されています。こちらの金鳥の製品は、ローズの香り、森の香り、ラベンダーの香りの3種類の香りが楽しめるセットになっています。香り入りの蚊取り線香は、効果が普通のものよりも落ちると言われがちですが、香り入りの中では金鳥の蚊取り線香は、効果も高いとAmazonの口コミでも好評です。
■②アース渦巻香 アロマセレクションジャンボ 50巻缶
アースの香り入り蚊取り線香です。金鳥の香り入り蚊取り線香と、ラベンダーの香りとバラの香りは同じですが、アースのほうはカモミールの香りが入っています。燃焼時間は約12時間で、ラベンダーとバラは各20巻、カモミールは10巻入っています。アース渦巻香のカモミールの香りは好評で、カモミールの香りだけの缶も販売されています。