粘着力のある細長いテープを、天井から吊るした駆除用品をハエ取り紙と言います。古典的なようで、コバエが飛び回る季節には大活躍するグッズです。
ハエ取り紙は、殺虫剤や有毒な薬品は使っていないので安心安全な害虫駆除グッズです。ハエが出て来るたびに殺虫剤を使っていたのでは、自分や家族、ペットの身体への影響も心配になりますよね。
ここでは古くて新しいハエ取り紙の成分や効果についての説明と、売れ筋のハエ取り紙をご紹介します。
ハエ取り紙の成分
■元は主成分は「ロジン」と「ひまし油」
ハエ取り紙に塗られている成分は、最初はロジンとひまし油でした。
ロジンは松脂のことで、野球のロジンバックとしてすべり止めに使われたり、弦楽器の弓線や琴線に塗るのに使われているものです。
ひまし油はトウゴマから取れる油で、石けんや医薬品に使われることもあります。
現在のハエ取り紙は、不織布や紙に、石油系油にゴムを溶かし込んでつくった粘着剤を塗ったものです。
■誘引剤は塗っておらず、粘着剤だけ
ハエ取り紙にはハエが好きなものが塗ってあったり、ハエを引き寄せるフェロモンに似た薬品が入っていると思いがちですが、ハエ取り紙は、各社とも殺虫剤は一切使用していません。
ハエはどこにでも止まる性質があるので、その習性を利用してハエ取り紙が作られているのです。
薬品を使っていないので、殺虫剤を使用できない食品を扱うキッチンや厨房、工場などでも使われています。身体に優しい駆除方法として、子どもやペットがいても安心して使うことができますね。
■ハエ取り紙では「カモ井加工紙」と「桐灰化学」が世界的に有名
海外では平らな紙に粘着性をもたせてハエ取り紙にしていましたが、天井からリボン状の粘着紙をぶら下げるタイプのハエ取り紙は、日本で発明されました。現在はイラスト入りの紙テープやマスキングテープで有名になったカモ井加工紙が、1930年に最初に製造しています。
カモ井加工紙と桐灰化学のリボン式ハエ取り紙は世界的にも人気があり、アメリカやオーストラリアなどに輸出されています。
ハエ取り紙の効果
■ハエの習性を生かしている
ハエは場所を選ばず、どこにでも止まる習性があります。
色としては、茶色や黄色の場所によく止まるので、ハエ取り紙の色は飴色をしているのです。
また、他のハエが止まっていると安心して止まる習性もあり、それを生かしてハエ取り紙にあらかじめハエの絵を描いている製品もあります。
■設置する場所が大切
ハエを誘引する薬品は、どこのハエ取り紙も一切使っていないので、ハエ取り紙を使う時には設置する場所が大切です。
地面や床から1.5mから2mの高さがハエがよく飛ぶので、ハエ取り紙もそれに合わせてぶら下げましょう。
部屋の真ん中に吊り下げるよりも、ドアや窓などの出入り口に近い場所のほうが捕獲率は高くなります。
また、暗い場所よりも照明の近くに設置したほうがハエが集まりやすいです。
ハエ取りリボンの下には、皿状のものが付属しています。リボンから落ちたハエが床に落ちないように、皿で受け止めるためです。風でハエ取りリボンが舞ってしまわないための受け皿でもあるので、切り捨ててしまわないようにしてください。
■殺虫剤が使用できない場所に
ハエ取り紙は薬品を一切使わないので、身体にも環境にも優しい害虫駆除製品です。
妊婦や新生児がいる家庭や、アレルギーがある家族のいる家庭では、特に殺虫剤の使用は気になります。
また、食べ物を扱う場所や工場もハエ取り紙が活躍します。現在でもハエが来ないように食品加工工場や魚屋、鶏舎、豚舎、牛舎などで使われています。
■有効期限は書かれていないが、粘着力があるかぎり持つ。一年もつことも。
ハエ取り紙には有効期限は書かれていませんが、粘着力がある限り使用することができます。ハエ取り紙の口コミを見ると、1年間同じハエ取り紙をぶら下げて使うことができたという書込みもありました。
製品によっては撥水加工してあるので水に濡れても大丈夫ですが、長持ちさせるために、なるべく風雨にさらされる場所は避けたほうが良いでしょう。
おすすめハエ取り紙ランキングTOP10
■1 農機具通販ヒラキ 吊るしてGET虫
虫とりシート 吊るしてGET虫(10枚入り)
「吊るしてGET虫」は縦33センチ、横22センチの強力ハエ取り紙です。撥水加工がしてあるので、水に濡れても紙が破れてしまうことがありません。
天井から吊るしたり下に敷いたりして使えるため、ハエ以外にも、ねずみ取りやナメクジ取りに応用できます。無農薬にこだわっている農家や、殺虫剤が使えない家庭菜園で使われています。
名刺大の大きさにカットして植木鉢の真ん中に立てたり、細長い短冊形にカットしてプランターの脇に置いておくと、コバエや害虫を捕獲できます。
■2 三共消毒 吊るし式ハエとり 虫とりカレンダー
吊るし式ハエとり /虫とりカレンダー 1袋(10枚綴)
殺虫剤が使えない場所でも、大量のハエをキャッチしてくれる大きなハエ取り紙です。
カレンダーのように吊るして使う大きなハエ取り紙で、縦65センチ、横40センチあります。10枚のシートが重ねられているので、カレンダーをめくるように剥離紙をはがして使ってください。
粘着力のある面には、小さなハエの絵が描かれているので、仲間かと思ってハエが止まりやすい仕組みになっています。牛や豚、鶏を飼っている酪農家が畜舎に吊るしていることで、知られるようになりました。
粘着力が無くなるので、雨に当たる場所では使用しないでください。
■3 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 ピタットボックス
【送料無料】ロール式ハエトリ ピタットボックス 10m
大量にハエ取り紙が必要な時に便利なのが、カットして好きな長さで使えるロール式ハエ取り紙です。幅30センチのハエ取り紙が10m分巻かれて入っているので、キッチンで使うラップのように引き出して使用します。
片面だけに粘着力があるので、壁にピン留めしたり、ガムテープで貼ったりして使うことができます。粘着性のある部分には、あらかじめハエの絵が描かれていますので、ハエが誘われて止まりやすくなっています。
■4 カモ井 リボンハイトリ
カモ井 リボンハイトリ(ハエとり) 5本入
ハエ取り紙の元祖のカモ井「リボンハイトリ」です。カモ井加工紙株式会社は80年以上の歴史がありますが、その中でも代表的な商品です。日本だけでなくアメリカやオーストラリアにも輸出されています。
化学薬品は一切使用していないので、殺虫剤を使えない場所に最適です。また、アレルギーがある方や子ども、ペットがいる家庭でも安全に使えます。
ハエは人の頭くらいの高さを飛ぶ性質があります。そのため「リボンハイトリ」を設置する時には、床から1.5mから2m程度の高さに粘着紙が来るように吊り下げると効果的です。1個の長さは70センチ、幅4センチです。
リボンの下の部分に紙製の受け皿があるので、リボンからポロッと落ちてしまったハエも地面に落とさずキャッチします。
■5 カモ井 粘着式ハエ取り 吊るすだけ!
カモ井の粘着式ハエ取り吊るすだけ!3枚入り
カモ井の粘着式ハエ取り「吊るすだけ!」は、「リボンハイトリ」よりも幅が1.5センチ広く5.5センチあります。長さは55センチあり、リボンを広げた中央部分を床から1.5mから2mの高さに調節して吊るしてください。
幅広タイプなのでコバエだけでなく、イエバエ、ヒメイエバエ、ニクバエなどの大きなハエもしっかりキャッチします。リボン同士で巻きついてしまうことも無く、ぶら下げる作業中は手や顔にもつきにくいので設置も以前と比べて楽になりました。
■6 桐灰化学 ハエ取りリボン
桐灰化学 桐灰のハエ取りリボン 5個入
昔ながらのハエ取りリボンです。1個につき長さが78センチ、幅は約4センチのリボンが入っています。リボンには石油系の油に、ゴムを溶かした粘着剤が塗られています。ハエ用の誘引剤は使用していないので、身体にも安全安心です。
1パックに5本入りで400円以下と非常に安く、小さなハエから大きなハエまでしっかり取れます。
■7 シーラケース ハエとり神
ハエとり神【関東当日便】
昆虫標本や、カブト虫やクワガタ用のエサやり器、昆虫用の観察箱など昆虫好きのためのグッズを販売している会社が開発したハエ取り紙です。ハエ取り紙が剥き出しだと、人や物にくっついてしまうため、開発されたグッズで、設置する時も捨てる時も手を汚しません。
購入すると強力両面粘着シート3枚と、四角い専用ケースが入ってくるので、自分で組み立てましょう。縦25.5センチ、横7.2センチ、奥行き7.2センチの立方体が出来上がります。
■8 株式会社SHIMADA 小型捕虫器Luics(ルイクス)
SHIMADA luics Cシリーズ(6w) ピアノブラック ※取寄品 LC-PB
天井からぶら下げるハエ取り紙は、ひと目で効果がわかりますが、あまり格好良いものではありません。お客様が来る部屋や飲食店でも使いやすいのが、株式会社SHIMADAの小型捕虫器「Luics(ルイクス)」です。
「Luics(ルイクス)」は、ハエ取り紙にハエが好きな光をプラスした新しい捕虫器で、1台で約20平方メートルをカバーします。カバーも、ホワイト、シルバー、ブラック、レッドと選べるので、お部屋の中にマッチするデザインになっています。
地面から1.5mから2mほどのハエが飛ぶ高さに設置して、中のハエ取り紙は1ヶ月に一度交換、誘虫ランプは半年から1年で交換してください。
■9 株式会社SHIMADA キャッチしてぽいっ!シート
SHIMADA キャッチしてぽいっ!シート 10枚入り
株式会社SHIMADAの「キャッチしてぽいっ!シート」は、畑やビニールハウスなど、農家で大活躍の捕虫グッズです。柱や木と木の間にぶら下げて、コバエやハモグリバエ、アザミウマ、アブラムシ、コナジラミをキャッチします。
本体は縦25センチ、横10センチの両面に強力な粘着力があるシートです。超強力ハエ取り紙なので、間違って人や物をくっつけてしまったら、小麦粉やベビーパウダーをつけた後にサラダオイルを塗って、その後で石鹸で洗ってください。
設置も紙をはがして附属のフックで吊り下げるだけなので、安全に誰でも取り付けられます。10枚入りで1枚約80円程度と安いので、温室や家庭菜園など、気になる場所にぐるっと設置できますね。
■10 ベンハーはかり株式会社 ムシポン
【送料無料】捕虫器ムシポン MPX2000
ベン・ハーはかり株式会社は、飲食店や食品工場、博物館などの専門施設で使用する捕虫器を製造しています。
ハエなどの昆虫が来ないようにする窓ガラスに貼るフィルムや、グッドデザイン賞を受賞したインテリア性に優れた捕虫器など、大型のものや小型のものまで多彩な防虫グッズを販売しています。
ベン・ハーはかり株式会社の製品の中で、ハエ取り紙を進化させた製品「ムシポン」があります。
「ムシポン」は青い光で虫を集める誘蛾灯に、ハエ取り紙をつけたものです。ハエは光に集まってくるという習性を生かしているので、通常のハエ取り紙よりも2倍の捕獲力があります。
まとめ
今回は、エコな害虫駆除製品として見直されているハエ取り紙についてご紹介しました。
ハエ取り紙はどこの会社のものを購入しても、有毒な殺虫剤やハエを誘引する薬品などは一切使用していないので、無農薬の作物を作っている農家や、食品を扱う場所で使われています。アレルギーを持っている家族がいたり、子どもがいる場合にも、ハエ取り紙なら安全ですよね。
リボン式のハエ取り紙は80年以上前に日本のカモ井加工紙が発明したもので、今や世界中に輸出されています。
リボン式以外にも、幅が広いタイプや、ハエの絵が描かれていてハエが止まりやすくしているタイプ、ハエが好きな光と一緒に設置して捕獲量を増やしているニュータイプなど、様々なハエ取り紙製品が販売されています。