ドクダミは取っても取っても、すぐに再び生えてくるのでうんざりしますよね。増えるとドクダミ独特の、くさいにおいがしてくるのが苦手な方も多い雑草です。
他の植物が育たないような、半日陰や日かげでも元気に育ちますし、コンクリートの間や庭石の間からも生えてきます。あまりの元気さに怒りを覚えることも。
ここでは除草剤を使わない方法と、除草剤を使う方法を解説します。薬や道具を持っていなくても、家にあるものだけですぐに駆除できる方法もありますよ。
ドクダミは放置しておくと爆発的に増えるので、気になったらすぐに駆除しましょう。
ドクダミの特徴
ドクダミは地下茎で増えるので、地上に出ている葉や茎だけ取っても再び生えてきます。根まで丸ごと取らない限り、繁殖力旺盛なので再生するのです。
ドクダミは多年生の植物なので、冬に茎や葉が枯れても春になれば再び増殖します。花が咲いて種はできますが、不稔性の種なので撒いても芽が出ません。増えないために大切なのは、根を残らず取り去ることです。種ができないように花を摘むことではありません。
ドクダミという名前ですが、毒はありません。むしろ10種類の薬効があるので十薬(じゅうやく)とも昔は呼ばれていた漢方薬です。ドクダミのにおいが手につくと気になりますが、においの元はペニシリン以上ともいわれる殺菌物質です。臭いですが、むしろ身体に良いものなので心配はいりません。
ドクダミの駆除対策方法7つ
■1 ドクダミは地下茎を徹底的に抜いて駆除
ドクダミを茎や葉だけでなく、根の部分も掘って駆除しましょう。根が残っていると、そこから生えるので、根が途中で切れてしまったら土の中を掘って探してください。
ドクダミの根は横に伸びる傾向があるので、下に掘るより横に掘ったほうがちぎれた根が見つかります。
春に葉の周辺が赤い芽が出てきたら、ドクダミの可能性が高いので早めに根ごと抜き取ってください。特に去年までドクダミが無かった場所に、赤い縁取りの葉が出てきたら要注意です。早めに対処すれば根の長さも短いので、駆除しやすいですよ。
毎年、ドクダミに悩まされていたら、春になる前に全ての土をふるってドクダミの根を取り除くのも一つの方法です。土ふるいをするとイモムシや害虫も取り除けます。
まずは芽が出てきたのを発見したら即時に処理してください。新芽のうちはまだ駆除が可能です。花が咲いてしまったらもう手が付けらません。新芽のうちに摘み取ってしまうのがコツです。
生い茂ってしまったら、下記でご紹介する、熱湯をかける、塩をまくなどの方法を試してみましょう。
それでもだめなら液状の除草剤が効果的です。葉っぱに日を置いて2,3回まいて様子を見ましょう。
■2 熱湯でドクダミを駆除
ドクダミに熱湯をかけると、すぐに弱って数日後には枯れてしまいます。手元に何の道具が無くても、とりあえずお湯をかければすぐに駆除が可能です。
近くに畑や実のなる木があって、殺虫剤が使えない場合も熱湯でドクダミを駆除しましょう。コンクリートやブロックの間から出てきたドクダミも、根を掘り出すことができないので熱湯をかけて枯らすことができます。
ドクダミに限らず植物は熱湯に弱いので、ドクダミの隣に他の花が咲いていると、それまで枯らしてしまう場合があるので気をつけてください。
あまったお湯を有効活用
ドクダミに熱湯をかけても、根までは届かないのでしばらくすると再び芽が出てきます。ドクダミを駆除するためだけにお湯を沸かすのは大変なので、野菜の湯で汁など捨ててしまうお湯をドクダミにかけるようにすると良いでしょう。
■3 芝生を枯らさず、除草剤でドクダミを駆除
ドクダミを駆除したいけれど芝生はそのまま生かしたい場合は、芝生(イネ科)には効かず広葉雑草に効く除草剤を使いましょう。例えば住友化学園芸の除草剤「シバニードシャワー」は、芝生は枯らさずドクダミは枯らしてくれます。
ドクダミが一面にびっしり生えていて、残したい植物が無い場合は除草剤を使うと根絶やしにできます。
除草剤には「顆粒タイプ」と「液体タイプ」があり、もう生えているドクダミには「液体タイプ」を使います。葉に液体の除草剤がかかると、根まで薬が効いて駆除できます。
「顆粒タイプ」は、冬にまいておくものです。まいた土には、春になってもドクダミなどの雑草が生えてきません。
除草剤をかけたくない木には、板で仕切ったり、ビニールで覆うなどの養生をしてあげるとよいでしょう。
■4 塩でドクダミを駆除
植物に塩水をかけると数日で枯れます。塩は植物を脱水症状にするので、ドクダミに塩水をかけたり、ドクダミが生えている土に塩をまくだけで駆除できます。
塩でドクダミを駆除する時の注意点としては、塩をまいた部分の土地はドクダミ以外の植物も枯れてしまうことです。他の植物を植える場所には、塩は使わないようにしてください。
玉砂利が敷いてある庭や墓地、コンクリートの割れ目から出るドクダミには、塩を使うと良いでしょう。
■5 ミントでドクダミを駆除
ミントは大変育てやすいハーブで、繁殖力旺盛です。ミントを植えて、ドクダミが増殖するのを防ぐ方法もあります。ミントは植えるだけで肥料も特に必要なく、水だけで増えてくれるので手間もかかりません。
注意点としては、ドクダミがすでに地下茎を張りめぐらしている場合は、ミントを植えても効果が低いことです。今までドクダミが生えていなかった場所に、ドクダミの姿が初めて見られた時にミントを植えてください。ミントを植える前に、ドクダミを根から抜くのも忘れないようにしましょう。
■6 重曹でドクダミを駆除
ドクダミの茎を鎌などの刃物でカットして、切り口に重曹水をかけるとドクダミが枯れます。重曹を粉の状態のまま撒いたり、ドクダミを切らずに重曹水をまくだけでは効果が半減してしまいます。必ずドクダミをカットして、傷口に重曹を入り込ませる要領で重曹水を散布してください。
プロの除草処理業者は高圧洗浄機で勢い良く重曹水を出し、雑草を水圧で折りながら作業をします。重曹は除草剤よりもドクダミへの浸透性は遅く、浸透率も悪いので、確実に枯らしたい場合は除草剤をまくほうが効率的です。ペットの誤飲が心配で、除草剤のように強い薬は使いたくない場合は、重曹を使ってください。
■7 苦土石灰でドクダミを駆除
ドクダミが生えてきた土は、酸性になっています。逆にドクダミが苦手なのは、アルカリ性の土です。ドクダミが生えてきたら根から丸ごとドクダミを引き抜いて、その後に「苦土石灰(くどせっかい)」をまきましょう。土がアルカリ性になってドクダミが生えなくなります。
苦土石灰は、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムが主な成分です。苦土はマグネシウムのことで、石灰は炭酸カルシウムのことです。土が強いアルカリ性になるので、酸性が好きなブルーベリーやツツジを植えている場合は使用しないでください。
あとは除草剤などを上手に利用しながら、駆除しましょう。また防草シートと砂利でお庭を造ることも有効です。市販の防草シートでもDIYでできますし効果はあります。
ご自分でできない場合はプロに依頼しましょう。
ドクダミ駆除に必要なグッズ6選
■1 軍手やガーデニング用グローブ
枯れ枝や葉、石などで手を怪我したり切ることがあるので、ドクダミを駆除する時はグローブをしてください。軍手でも良いのですが、手首が保護されません。長めのガーデニンググローブが一つあると便利です。
除草剤を使う時は軍手では薬が滲みてきてしまうので、薄手の使い捨てのゴム手袋をしてから軍手をすると作業しやすくなります。
■2 スコップやシャベル
ドクダミは根を完全に除去しないと再生するので、土を深く掘り返すために大き目のスコップやシャベルが必要です。わずか3メートルほどの長さの庭でも、短い手持ちのシャベルだと手に豆ができてしまいます。
正式名称は、足をかけられるタイプがシャベルで、足をかける部分が無くなで肩になっているのがスコップですが、店舗によって呼び方がバラバラなので写真を見てから購入してください。
■3 熊手(レーキ)
ドクダミの地下茎を土の中から探す時に、あると便利なのが熊手です。英語の「レーキ」とも呼ばれているものです。シャベルやスコップで掘り返した土を、熊手で再び掘ると短く切れたドクダミの根が出てきます。
熊手を初めて使うのであれば、先が「扇形」の鉄製熊手が便利です。扇形の熊手は軽いのが特徴で、女性や体力のあまり無い方でも作業することができます。ツメの1本1本が細いので曲がりやすいので注意してください。
先のツメの部分が「90度」になった熊手は力を入れやすく、硬い土も掘り返すことができます。刃が12本あるものや、8本あるものがありますので、作業する場所によって選ぶようにしましょう。
熊手で土をほぐすだけでもドクダミの根が取れて、土の中に空気がはいるので土が健康な状態になります。熊手よりも、もっと丁寧にドクダミの根を探したい場合はフルイを利用してください。
■4 噴霧器
芝生や畑に生えたドクダミなど、広い範囲に除草剤をまきたい時は、噴霧器があると便利です。水で薄めるタイプの除草剤は、ジョウロでもまくことができますが基本は噴霧器で散布します。
ジョウロは水の粒が大きいので、ドクダミの葉に染み込まず、水滴がはねて落ちてしまうことがあります。噴霧器であれば細かい霧状になるので、ドクダミの葉によくくっつきます。
あまり広くない場所に除草剤を噴霧したい場合は、100円ショップで霧吹きを買うと良いでしょう。ファブリーズやリセッシュといった消臭剤の空いたボトルも、中の液体が細かくスプレーできるので便利です。
■5 虫除け
ドクダミは強烈なにおいがするので、ムシはほとんどつかない植物です。しかしドクダミが生えている場所は半日陰や日かげが多いので、ヤブ蚊がいることも。
ドクダミ駆除をする前に、携帯用の蚊取り線香を持ち歩いたり、虫よけスプレーをしておきましょう。
■6 帽子
ガーデニングや家庭菜園での作業は、ちょっとのつもりでも日に焼けます。熱中症にならないように帽子はかぶるようにしてください。
顔が焼けないように、前に長いツバのついたものを選びましょう。日に焼けるだけで体力を消耗しますし、目も疲れてしまうからです。
首の後ろも日焼けしたくありませんよね。耳から首の後ろの部分を、布でガードしてくれる帽子は農家の方も使っています。
ドクダミを駆除するタイミング
ドクダミの芽を出したくない場合は、1月から2月の間に顆粒タイプの除草剤を土にまいてください。3月になると、緑に赤い縁取りの小さなドクダミの芽が出てくるので、寒い冬のうちにまくのばポイントです。
顆粒の除草剤をまく前に、スコップやショベルで土を掘り返して、去年のドクダミの根が残っていないか見ておくと、より効果的です。
すでにドクダミの芽がでてしまっている場合や、花が咲いてしまっている場合は、雨が降っていない時に液体の除草剤をまいてください。
熱湯や塩、重曹といった除草剤以外の方法も、晴れている時のほうが作業もしやすく効果もアップします。
まとめ
ドクダミの駆除は、地下茎の根を徹底的に取らなくてはいけません。
除草剤を使わない方法としては、シャベルやスコップで土を掘り返し、熊手やふるいでドクダミの根を見つけて除去します。土に空気を入れれば、冬の間の土づくりにもなりますね。
粒の除草剤は冬に土にまくもので、液体の除草剤は春から秋にかけて葉や茎にかけるものです。どちらもドクダミの根まで浸透して駆除できますが、他の植物にまで除草剤がかからないようにしてください。
熱湯や重曹は1回では完全には駆除できませんので、繰り返しドクダミにかけるようにしましょう。