笹や竹が駆除しにくい3つの特徴
笹が駆除しにくい特徴|その1 ■①駆除の時期が9月~12月と限られる
笹の駆除に適した時期は1年の中でも9月~12月。この時期は生命力が強い笹でも生育が遅くなるため駆除しやすいです。
しかし寒くなるにつれて外での作業がおっくうになるため、実際に駆除作業しやすいのは気候が良い9月10月がメインになるでしょう。
一般的に庭木の手入れをしやすい6月~8月は笹の生育が1年で最も活発になる時期で、駆除してもすぐに再生する可能性がありおすすめできません。
笹が駆除しにくい特徴|その2 ■②繁殖の本体は目に見えない地下茎
笹が繁殖する本体は、青々と茂る葉っぱではなく土の中にある地下茎です。
笹の地下茎は生命力が強く、土の中の栄養を求めて地中深くにどんどん根を張ります。「笹の地下茎を掘って駆除しようとしたけど、1m以上深くなるのであきらめた」という人もいるほど。
地上に出ている笹の葉や茎をいくら駆除しても笹が減らないどころか、違う場所から笹の芽が出てくるのはこの地下茎が原因。
放っておけばおくほど地下茎は深く根をはるので、庭に笹の芽やタケノコを見つけたら早めの対策が必須です。
笹が駆除しにくい特徴|その3 ■③地下茎が硬くて切れない
笹の繁殖力の本体である地下茎ですが、地中深くに根をはると同時に非常に硬いという特徴があります。地下茎を切って駆除しようと思っても一般的な枝切バサミでは切れない可能性も。
笹がまだ狭い範囲だけに芽を出しているときは地下茎を根こそぎ駆除することも可能ですが、笹の地下茎を全て駆除するには鋤や鍬などの農耕具が必要です。
笹を放置しすぎて地下茎が入り組んでいる場合は、ユンボなどの重機を使わないと駆除できないケースもあります。
笹の駆除方法5つ!簡単なものから紹介
笹の最も簡単な駆除方法 ■①除草剤で根まで枯らす
除草剤を使えばしっかりとした駆除効果が得られます。自分でできる最も簡単な駆除方法なので化学成分に抵抗がない方にはおすすめですよ。
除草剤は生育の止まっている9月〜12月にていねいに笹の葉に散布して笹の根まで枯らしましょう。
笹の葉はツルツルしており除草剤がすべりやすいため注意が必要。細かい霧状の方が葉の表面に残りやすいのでジョウロは使わず噴霧器で霧状にして笹の葉にまんべんなく噴霧しましょう。
雨が降ると除草剤が流れ落ちてしまうため散布したあとの天気にも注意が必要です。なるべく散布後2,3日は雨が降らない日を選んで実施してください。
除草剤を散布したあとに出てくるタケノコには除草剤の成分が含まれている可能性が高いです。除草剤をまいた笹より半径15m以内のタケノコは食用しないようにしてくださいね。
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新しく噴霧器を買うなら電動タイプが断然おすすめ!広範囲にもラクに散布できるので女性1人でも簡単に笹を駆除できます。
アイリスオーヤマの噴霧器はポンプを逆回転させて不要な薬品を排出する洗浄モード付きなので、水やりもOK!1台あれば重労働になりがちな庭仕事が楽になること間違いなしですよ。
費用はかかるが簡単かつ確実な笹の駆除方法! ■②駆除業者に依頼する
すでに笹が群生していると素人では太刀打ちできない可能性が高いです。笹を根絶させるには地下茎を全て取り除く必要がありますが、地下茎の作りは実に複雑。
放置していた笹の地下茎は無数に入り組んでカーペットのようになり、硬く強固なので鍬や鋤などの道具でも切断するのは難しいでしょう。
プロの業者であれば重機なども使用できるため、確実に根絶やしが可能です。
ただし笹の伐採に関してあまり専門知識のない業者に依頼してしまうと地下茎が残ってしまい、また元に戻ってしまう可能性があります。笹の駆除は植物の知識のある業者を選んで依頼しましょう。
植物を育てるのが好きな人におすすめの笹駆除方法 ■③駆除したい範囲が狭いなら蕎麦もおすすめ
蕎麦は雑草の生育を妨げる制圧作物として知られています。実際に「蕎麦を植えた畑に雑草が生えない」というのは蕎麦農家では一般的な話。
蕎麦が制圧作物になる理由は、蕎麦の根から出る没食子酸やピペリジンアルカロイドという物質が他の作物の成長を阻害するから。この蕎麦の作用はアレロパシーと呼ばれています。
笹が生えている場所に蕎麦を植え、蕎麦のアレロパシーを利用して笹を駆除することが可能です。笹の数が少ない場合や成長が遅い時期は、かなりの効果が期待できるでしょう。
蕎麦は小ぶりで白く可愛らしい花をつけ、蕎麦の実は炒ってお茶にすることもでき実用的。
蕎麦はどんな気温や気候でも比較的育ちやすい植物なので、地域によらず取り入れやすい方法ですね。
注意点としては、すでに大量の笹が茂っているような場合は蕎麦のアレロパシーでも効果が出ない場合があります。伐採や間引きである程度笹の数を減らしてから試すようにしてください。
専用の道具と体力があれば笹も駆除できるかも ■④根から掘り起こして駆除
「どうしても除草剤は使いたくないし、業者にも依頼せず自力で笹を駆除したい」という場合は、根から掘り起こして駆除するしかありません。
笹の地下茎が少しでも残っていると再び増殖してしまうので、全ての地下茎を取り除く必要があります。
地下茎があるのは深さ40cm付近の場所で地形に対して水平に走っているのが一般的。しかし壁や他の植物の根など障害物があると避けるように伸びるために、どんどん地中に潜っていくことも珍しくありません。
1m以上掘らないと地下茎を取り除けないケースもあることを覚えておいてください。
笹の根や地下茎は1日でも放っておくと成長を続けます。根から駆除する場合は連日作業のできる日数を確保して一気に駆除しましょう。
簡単なようであまり効果がない残念な笹駆除方法 ■⑤熱湯での駆除は現実的じゃない
笹に限らず植物に熱湯をかけるとタンパク質が変性して枯れるため駆除することができます。しかし笹の駆除に熱湯を使うことはおすすめできません。
すでに紹介しているように笹を完全に駆除するには土の中の地下茎を根絶させることがポイントです。目に見えない部分である地下茎に、枯れるのに十分な量の熱湯をかけるのはとても現実的な方法とはいえませんよね。
熱湯での駆除が有効なのは、根を深く張らない植物やコンクリートから生えている雑草などにとどまります。
笹を塩で駆除するのが危険な理由2つ
「笹に塩をまくと枯れる」と聞いたことがあるかもしれません。確かに塩をまくと笹を駆除できますが、庭や畑に塩をまくのは想像以上に危険な行為です。その理由2つを解説します。
笹を塩で駆除するのが危険な理由1 ■①塩をまくとどんな植物も育たなくなる
塩は水分を強く引き寄せます。そのため笹を始めとする生命力の強い植物でも、葉や根に塩がつくとそこからどんどん水分が奪われ最終的に枯れていくのです。
しかし塩は土の中で分解されず、塩が残った土では雑草だけでなく植物を育てること自体が不可能となります。
畑や庭に塩をまくというのは「今後植物が育たない土壌にしてしまう」可能性があるため、絶対にやめておきましょう。
笹を塩で駆除するのが危険な理由2 ■②建物基礎や配管の腐食など予想外の被害も
塩は建物の土台や配管を腐食する作用もあります。作物や建物が塩によって枯死・腐食することを「塩害(えんがい)」と呼ぶほど、塩には強いマイナスの要素もあるのです。
建物や配管から離れた場所に塩をまいたとしても、雨でどこに流れていくかは予測できません。
塩をまくという行為は、自宅だけでなく近所に思いもよらない迷惑をかける可能性が高いです。
笹につく虫を駆除する方法2つ
全ての毛虫が毒を持っているわけではありませんが、毒針毛を持つ毛虫に刺されると赤く痒みの強い発疹がたくさん出ます。
特に竹や笹の葉をエサにする毛虫がタケノホソクロバで、黄褐色をして体の節に4個ずつ黒いコブを持ちます。
成虫に毒はなく幼虫の黒いコブに生える毛が有毒です。年に2回初夏と秋に発生し幼虫は笹の葉の裏に集団で生息するため、初夏と秋の両時期に以下で紹介している方法で駆除しましょう。
毛虫を駆除する場合は服装にも注意が必要。毒針毛は毛虫の体から離れても毒は無くなりません。抜けた毒針毛が肌に付着しないよう長袖・長ズボンで作業。手袋やゴーグル、帽子なども装着しましょう。
笹につく虫を駆除する方法|その1 ■①熱湯で駆除する
毛虫の毒は50℃以上のお湯で無効化します。
毛虫が生息している葉ごと切り落とし、毛虫がついたまま50℃以上のお湯につけることで駆除と無毒化を同時に行うことが可能です。
毛虫がついている葉全てを処理する必要があるので初夏と秋には笹の葉の裏を頻繁にチェックし、毛虫の発生を見つけたらすぐ駆除を行うようにしましょう。
笹につく虫を駆除する方法|その2 ■②殺虫剤を使う
殺虫剤は毛虫に噴射できるスプレータイプを選びましょう。どんな殺虫剤でも毛虫に効果があるというわけではないので「毛虫に適応」と表示のある殺虫剤を選ぶようにしてください。
スプレータイプの殺虫剤は遠くからでも笹の葉の裏につく毛虫に噴霧できるので、虫が苦手な人におすすめな方法です。
笹の駆除を業者に依頼する際の費用
笹の駆除にかかる費用を作業ごとに紹介します。
■伐採・抜根
笹の伐採は一般的には1㎡あたり3,000円が相場です。地下茎まで取り除いてもらう抜根となると1㎡あたり20,000円程度になります。
■重機の使用
1.5tの油圧ショベルの使用料は1日20,000円、7tでは1日35,000円ほどかかります。駆除する場所に重機が入れることが前提なので、一般的な家庭のお庭であれば1.5tの油圧ショベルが現実的でしょう。
■駆除後の笹の処理
産業廃棄物として処理場へ持ち込む場合1kgあたり25円ほど。この値段だと安く感じますが、生えている笹の量によっては大量になる場合もあります。
上記は一般的な金額なので、笹の生育状況によりお値段は上下します。良心的な業者であれば作業の前に無料見積もりを行うのが一般的。作業内容と金額の内訳をしっかりと確認しましょう。また、全ての業者が駆除後の笹の処理まで請け負ってくれるとは限りません。見積もりの段階で処理が可能か、また処理にかかる金額も確認しておきましょう。