ボウフラとは何者なのか、皆様はご存知でしょうか。夏になるとわたしたちを悩ませる「虫刺され」でおなじみの「蚊」。その 蚊の幼虫が、「ボウフラ」です。
ボウフラはちょっとした水たまりでも発生し、プラスティックの容器や植木鉢の水受け皿でも繁殖することがあります。しかも、卵が孵化してボウフラになるまではたったの3日、ボウフラが成虫(つまり蚊)になるまでたったの2週間と、驚異の成長スピードで、あっという間に蚊の大量発生という事態を引き起こします。
つまり、あなたの家のベランダなどでボウフラを見かけたら、すぐに対策をしておかないと、あなたの家に蚊が大量発生するという事態を引き起こす危険があるわけです。したがって、ボウフラを見つけたらすぐに退治をしておく必要があります。
この記事では、ボウフラを退治する8つの方法やボウフラの発生時期、発生を防止する方法について紹介していきます。
ボウフラを退治する8つの方法

まずはじめに、ボウフラが発生しているのを見つけてしまったら、わたしたちができる対策には
どのようなものがあるのかみていきましょう。ボウフラは見つけたらすぐに退治をしておかないと、あっという間に成虫になってしまいます。すぐに退治をすることがとても重要です。
■① 塩

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小さなお子さんやペットがいるご家庭でおすすめなのが、普段わたしたちが口にする食品である「塩」を使ってボウフラを退治する方法です。海岸に生息するトウゴウヤブカのボウフラは塩分濃度の高い水の中で生きられますが、家の周りで発生する蚊のボウフラは、水の塩分濃度を高めて退治できます。
ボウフラを死滅させるには塩分濃度をかなり高める必要がありますが、塩分濃度の高い水は周りの植物に悪影響を及ぼしますので、お庭に水を流さなければいけない場合はやめておいた方が無難です。お庭の植物の生態系を崩してしまう恐れがあります。
■② 銅

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ボウフラは、銅イオンを水中に含ませることで死亡し、駆除できます。従って、私達の血を吸う「蚊」にはなれません。
銅は、ホームセンターなどで手に入れることができる「銅板」を使うのがおすすめです。水中に泥が混じっていると銅イオンが溶けづらくなってしまいますので、泥が混じっている場合はしっかりと除去してから使用しましょう。また、銅板は使用する前に洗剤を使って洗い、表面に付着している油を落としておかないと、十分に効果を発揮することができません。
銅板は蚊が産卵する「水面付近」にくるようにしておくことで、より高い効果を期待することができます。孵化直後の小さな幼虫に対して効果が高いからです。
■③ 食器用洗剤

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食器用洗剤を水中に垂らすことで、ボウフラを退治することができます。ちょっとした水たまりや植木鉢の水受け皿などに繁殖したボウフラに対して高い効果を発揮します。
食器用洗剤は、実はボウフラを退治する成分が含まれているわけではありません。それなのになぜボウフラを退治することができるのかと言うと、食器用洗剤を水に垂らすことで、水面に膜を張れるためです。水面に膜が張られるとボウフラが呼吸をすることができなくなり、水中で死滅するというわけです。食器用洗剤はほとんどのご家庭のキッチンにあるものですので、手軽に挑戦できるのも良いですね。
■④ 塩素系漂白剤

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食器用洗剤でもボウフラを退治することはもちろんできますが、もっと早い効果を求めている方におすすめなのが、「ハイター」や「キッチンブリーチ」などでおなじみの「塩素系漂白剤」です。
食器用洗剤を使用したボウフラ退治方法では、ボウフラが死滅するまで数日かかりますが、塩素系漂白剤を使用したボウフラ退治方法では、約16時間後にボウフラが死滅したという実験結果もあります。こちらも食器用洗剤と同じでほとんどのご家庭のキッチンにあるものですので、手軽に、しかも速やかにボウフラ退治ができますよ。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では塩素系漂白剤に抵抗がある場合もあるでしょうから、食器用洗剤を使ったボウフラ退治方法をおすすめします。
■⑤ 錠剤・粒剤タイプの殺虫剤

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ボウフラと同じ排水溝や側溝などに発生することがあるユスリカやチョウバエ幼虫に効果的なのが、錠剤・粒剤タイプの殺虫剤です。
代表的なものとしては、「デミリン発泡錠」や「ボンフラン」、「ハイカプシン粒剤」などがあげられます。これらの殺虫剤は業務用ではあるものの、ホームセンターやインターネットで簡単に入手することができます。錠剤タイプの殺虫剤の良いところは、その手軽さと駆除効果の高さです。雨が降った後は、再度投入するのが良いでしょう。
■⑥ 熱湯
ボウフラは熱湯をかけることで死滅します。熱湯によるボウフラ退治方法は手っ取り早く、しかも高い効果を期待できますので、大変おすすめの方法ではありますが、熱湯が冷めてしまうとまたその場所はボウフラが繁殖しやすい水たまり…これでは意味がありません。
熱湯でボウフラを退治したあとは、その場所にまたボウフラが発生してしまわないよう、徹底して予防策を実行することが大切です。
■⑦ 油
ボウフラが発生した水の中に油を入れることで、ボウフラを簡単に退治することが可能です。なぜ油を水に垂らすだけでボウフラを退治できるのかと言うと、実は前に紹介した「食器用洗剤」を使った方法と同じメカニズム 。油を垂らすことで水面に油の膜が張られ、ボウフラが呼吸をすることができなくなるために死滅するというわけです。
油を使ったボウフラ退治方法は、ボウフラ対策したい場所が大きかったり広かったりする場合でも比較的簡単に、高い効果を期待できます。水面に広がって油膜ができる程度の油の量を垂らしましょう。
ただし、油膜が次第に少なくなってくるとまた蚊が産卵するようになりますし、縁に油が溜まるようになってくると見た目もよくありません。さらに、油は放置してしまうと落としづらくなってしまいますので、縁に油が溜まるようになったら早めにお掃除をする必要があるでしょう。
■⑧ メダカを飼う
メダカを飼育することも、ボウフラ退治方法としてあげられます。メダカはボウフラを捕食しますので、ボウフラを退治することができるというわけです。「ヒメダカ」や「クロメダカ」が、ボウフラ退治に活躍してくれるでしょう。
ボウフラの発生する時期

次に、ボウフラの発生する時期についてみていきましょう。ボウフラの発生時期を理解しておくことで、ボウフラを発生させないための予防や、ボウフラが発生してしまったあとの対策をスムーズにし、蚊の大量発生を防ぐことにつながります。
■① ボウフラが発生する条件
ボウフラが発生するためには、「水」「25度程度の温度」「雌と雄の蚊」の3つの条件が揃う必要があります。ボウフラはちょっとした容器の水たまりや植木鉢の水受け皿など、わたしたちが普段意識をしないような水たまりでも繁殖してしまいます。25度程度の温度を保つことができるような暖かい季節で、水が少しでも溜まっている状態であれば、ボウフラが簡単に繁殖してしまうということですね。
■② 発生時期は4月〜9月
ボウフラの発生時期は、4月〜9月頃の暖かい季節です。この時期は雨が降ることも多いため、あらゆる場所に水が溜まりやすく、さらに蚊にとって最も活動しやすい気温であるため、蚊はあらゆる場所に卵を産んで繁殖していきます。
■③ 最近では発生時期が早まっている!
従来ボウフラの発生時期は、上記に記載した通り「4月~9月」ですが、最近では温暖化の影響で蚊の発生時期が早まっていると言われています。
このままでは将来的に、蚊の活動時期が長くなることで、さまざまなウイルスを媒介するリスクが増えてしまうことが懸念されています。 地球温暖化が及ぼす影響の大きさがうかがえますね。
ボウフラの発生を防止する方法

ボウフラの発生を防ぐために、本当は水が溜まった場所を作らないようにしたいところですが、排水溝、雨水マスなど、わたしたちが生活していく中でさまざまな水の溜まり場所が発生してしまうもの。水が溜まった場所を生活から完全に除去することは難しいでしょう。
それでは、そのような水が溜まった場所にボウフラが発生してしまわないよう、わたしたちができる予防策にはどのようなことがあるのでしょうか。ボウフラの発生を防止する方法についてみていきましょう。
■① 水中に10円玉を入れる
水中に10円玉を入れておくと、銅イオンが水中に溶け込み、ボウフラが成虫(蚊)になる前に死んでしまいますので、結果的にボウフラの発生を防ぐことにつながります。
ボウフラ対策に必要な10円玉の量は、1リットルの水に対し10円玉20枚です。ボウフラの対策をしたい箇所の水が少なめである場合は、10円玉をポチャンと入れるだけとお手軽な方法です。反対にボウフラの対策をしたい箇所の水が多い場合は、たくさんの10円玉が必要になりますので、現実的ではないかもしれません。そもそもなるべく水たまりをつくらないことを心がけた方が、ボウフラ対策に効果的と言えそうです。
■② 水たまりをつくらない工夫をする
ボウフラは、全て水の中にいるので、水たまりをなくせば蚊は発生しません。まずは、蚊の発生源である水たまりをなくす対策が基本になります。側溝や雨どいは水が溜まらないよう詰まりを清掃しましょう。排水溝もゴミなどでつまっていると、うまく水が流れてくれません。そのため、日頃から掃除をしておくようにしましょう。
まとめ
ボウフラ自体は汚れた水を浄化してくれますので、実はわたしたちにとって「益虫」です。しかし、成虫になると人間の血を吸い、アレルギーの原因となったり、ウイルスを媒介したりする立派な「害虫」になってしまいます。
ボウフラの退治方法には、特別な薬剤などを必要としないものも多くあり、案外手軽に駆除作業を行うことができます。重複にはなりますが、ボウフラはあっという間にやっかいな「蚊」に成長してしまいますので、ボウフラを見つけたら「蚊」に成長してしまう前に速やかに退治しておくことがとても大切。
そして、なるべく水たまりをつくらないこと、そもそもボウフラを発生させないような環境づくりを心がけることも大切です。