シロアリと家は切っても切れない関係で、新築の家でも古い家でも関係ありません。シロアリは木を求めて家にやって来るため、何もしないと家の敷地内の木をかじられ、気付いた時には被害に遭っていることもあります。
また、家を建てる時にシロアリ予防をする方も多いでしょう。古い家でも"前にシロアリ予防をしたから"と安心していませんか?シロアリ予防は1度行ったからと言って安心はできません。
シロアリ被害に遭ったことがない方は、どこか他人事のように思う方もいるでしょう。でも、シロアリ被害は想像以上に恐ろしい存在です。シロアリに家を占領される前に『シロアリの予防方法10個』をチェックして、シロアリのいない家にしましょう!
シロアリ予防の必要性
シロアリは築年数に関係なく家を食べますが、新築の方がシロアリ被害に遭う確率は低いです。ほとんどの場合、新築の家は建てる際にシロアリ予防をしているため、約10年くらいはシロアリから家を守ることができるでしょう。
だからと言って、必ずしもシロアリ予防ができるわけではなく、場合によってはたった数ヶ月でシロアリ被害に遭う場合もあります。また築年数が増えるにつれ家は劣化していくため、シロアリ被害に遭う確率は増していくのが通常です。
新築の家でも古い家でもシロアリ予防対策をしている方もいますが、シロアリ予防できる期間は大体5年~10年程度で効果がなくなります。シロアリ予防効果を継続させるには、定期的に予防対策を行うことが必要です。
シロアリの生態と特徴
シロアリには様々な種類がいますが日本の家に被害をもたらすのは、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」で、中でもヤマトシロアリとイエシロアリによる被害が目立ちます。アメリカカンザイシロアリは輸入家具にくっついていることが多く、乾燥している木を好みますが木であれば何でも食べるのが特徴です。
シロアリは条件が揃うと物凄い勢いで増殖して巣を大きくしていきます。そして、顎の力が強く、柔らかい素材~硬い素材まであらゆるものを食べるため、意外なものを食べられていることもあるでしょう。また、シロアリは腐った木材ににもよく反応します。
シロアリ予防方法7つ
シロアリは人前に姿を現すことはほとんどないため、知らない間にシロアリ被害に遭っていたケースは多いです。シロアリ被害を防ぐためには予防することが大事ですが、自分でシロアリ予防をする場合は7つの方法を実践しましょう。
■①切り株や根から抜いてシロアリ予防
あなたは家の敷地内にある木を切った後、切り株を放置していませんか? シロアリ予防をするなら切り株は根から抜きます。切り株を自分で抜く時は木の根元周りをできるだけ深く掘り、バール等で木を掘り起こして抜きましょう。
そこまで大きくない切り株や腐っている切り株は道具さえあればわりと簡単に根元から抜くことができます。でも、大きい切り株や腐っていない場合は、自分で抜くのは少し大変かもしれません。切り株を自分で抜く作業は体力が必要なため、手間をかけずに楽に切り株を抜くなら業者にお願いするのも良いでしょう。
切り株は放置していると腐っていきシロアリがやって来ますが、腐っていない切り株を食べる種類のシロアリもいるため、木を伐採した後は根元から抜く必要があります。つまり、放置している切り株はシロアリにエサを与えているようなものです。自宅の敷地内にある木を伐採した後は、シロアリ予防に必ず切り株も抜きましょう。
■②ウッドデッキをやめてシロアリ予防
おしゃれな家にするためにウッドデッキにしている方もいますが、実はシロアリを寄せ付ける原因です。シロアリ予防を徹底するならウッドデッキはやめた方が無難でしょう。地面についている状態でウッドデッキを作ることがありますが、シロアリの種類によっては土の中に巣を作るため、地面にウッドデッキの木材が触れている状態はシロアリにとっては好都合です。巣の近くにエサがあるため、いつでもウッドデッキを行き来できます。
また地面から離してウッドデッキを作ってもウッドデッキがあれば食べるために寄って来ます。さらに、ウッドデッキを支える柱も木で作ることが多いでしょう。また、柱を支える土台の下に巣があればシロアリが登ってきます。
ウッドデッキに使う木に防腐剤やシロアリ予防の薬剤を注入して使うこともありますが、予防効果は永遠ではありません。防腐処理やシロアリ予防の薬剤は期間が経つにつれて効果は弱まり、最終的にウッドキはシロアリに食べられてしまいます。
■③生け垣の枯れ枝は根から抜いて予防
生け垣に枯れ枝がある場合は根から抜いてシロアリ予防をしましょう。生け垣の枯れ枝もシロアリにとっては豊富な栄養源となり、さらに生け垣がある土の中に巣を作る原因にもなります。生け垣に枯れ枝があるとわかっていても、1本づつ根から抜いていく作業はそれなりに大変です。
そのため、放置している方もいるかもしれませんが、そのままにしているとシロアリ予防ができるどころかシロアリがやって来る原因になります。家の床下や柱等、家のあらゆる部分をシロアリに食べられると思いましょう。また、シロアリの種類にもよりますが、生け垣の枯れ枝を食い尽くすと床下や天井裏等、別の場所に移動して巣を作り家の木を食べます。
家の中が外から見えないようにするために生け垣を植えたり、植物が好きな方は家を緑や花で彩るために植えている方もいるでしょう。生け垣は季節に関係なく枯れない木を植えることが多いですが、生け垣に向いていない木を植えたり手入れを怠たると枯れる場合があります。
生け垣が枯れ枝だらけになれば見栄えが悪くなるだけでなく、シロアリ予防の妨げになるため、根から抜いてシロアリを寄せ付けないようにすることが大事です。
■④木の柵をやめてシロアリ予防
家の周りを木の柵で覆ったり庭の一部分に木の柵を使うと、素敵な外観になりますがシロアリが寄って来ます。シロアリ予防のことを考えるなら木の柵を使うのはやめましょう。木の柵は家をおしゃれに見せるアイテムとして人気がありますが、キリ株やウッドデッキのようにシロアリに食べられたり、土の中にシロアリの巣を作られる原因になります。
木の柵は雨に濡れる環境のため腐敗は避けられず、数年経てば腐るのは確実です。また、腐った木はシロアリがたかりやすいことで有名ですが、シロアリの中には新しい木を好むシロアリもいます。木の柵を設置して間もなくシロアリが寄ってくる場合もあるため、木が腐っていようがいまいが関係ありません。
大切な家をシロアリから守るためにはしっかり予防をして、シロアリが寄り付かない家にすることが重要です。シロアリの種類によって好む木は違いますが、木があるところにシロアリは寄って来ます。木の柵を使えばおしゃれに見えますが、シロアリ予防をするなら別の素材で柵を設置しましょう。
■⑤使わない材木やダンボールは捨てて予防
DIYが好きな方は木材を使うことも多いですが、余った木材を外に置いていませんか? もし、放置している木材があれば捨てましょう。また、引越し等で使ったいらないダンボールもシロアリ予防のために捨てます。
木材を外に置きっぱなしにしているとシロアリを寄せ付ける原因になることは、ご紹介してきた流れで察することができるでしょう。シロアリ予防をするには、シロアリのエサになるものや巣を作る原因をできるだけ排除することが大切です。木材をどうしても保管したい場合は、地面から木材を離して湿気がこもらない風通しの良い環境に置きましょう。
もう1つ、シロアリ予防をするならダンボールも見逃せません。理由は単純で、シロアリはダンボールを食べることもあるからです。シロアリを目の前で見ることはほとんどありませんが、ダンボールを保管していると、無数のシロアリがたかっているところを見るかもしれません。
また、シロアリの数が多ければ、ダンボールがボロボロになるまで食べられてしまうこともあります。シロアリはコンクリート等の硬い素材をガリガリ噛める顎を持っているため、ダンボールをかじるのは簡単です。木材やダンボールがシロアリのエサになる前に処分して、シロアリ予防をしましょう。
■⑥床下の通気口を掃除してシロアリ予防
ここまで木やダンボールのシロアリ予防をご紹介してきましたが、床下の通気口もシロアリ予防には欠かせません。床下の通気口は湿気をためないようにするためにあり、通気口が塞がっていると湿気がこもります。
湿気がこもっている状態は家にも悪く、さらに湿気を好むシロアリにとっては最高の場所です。すると、シロアリは通気口から床下に侵入して、家の基礎を食べたり土の中に巣を作ります。
床下の通気口周りに雑草が生えていたり、ゴミがたまっていれば掃除をしてシロアリ予防をしましょう。雑草を抜いた後は生えてこないように除草剤を撒いたり、除草シートで生えてこないようにすれば雑草を抜く手間が省けます。
通気口周りをキレイに掃除をして空気の通りが良くなると、湿気がこもりやすい床下も湿度が変わるはずです。また、住宅事情にもよりますが、床下の通気口周りが何もない状態は太陽の光りを遮る物がなくなるため、日も当りやすくなり湿気予防に役立ちます。
■⑦家の壁や床の隙間をふさいでシロアリ予防
シロアリはとても小さいため、家の壁に亀裂が入っていたり床に隙間があると侵入してきます。シロアリの体が通れる隙間をすべて確認するためには目を凝らして家の壁の亀裂や床の隙間を探さないといけません。正直プロに任せた方が無難な作業と言えそうです。
床に隙間があればシロアリが侵入してきて、床をかじって穴を開けたりします。もし、床に隙間があれば細い棒等を入れて中身を掻き出してみましょう。シロアリの排泄物や木屑が出てくるはずです。
また、家の壁に亀裂があるとシロアリは顎で噛み砕いて、何が何でも家の中に侵入しようとするため亀裂も必ずチェックしましょう。新築の場合は家の壁に亀裂が入ることは少ないですが、築年数が経っている家は亀裂が入っていることが多いです。家の中にシロアリを入れないために、隙間や亀裂をパテ等で塞いでシロアリ予防をしましょう。
薬剤を使うシロアリ予防方法3つ
シロアリ予防をするなら薬剤も使いましょう。シロアリに効く薬剤を使うと駆除しながら予防もできるのが特徴で、現在シロアリ被害に遭っている方は被害を大きくさせない効果があります。また、シロアリがいない家でも予防するために薬剤を使いましょう。3つの予防方法をご紹介します。
■①ベイト剤を床下にまいてシロアリ予防
ベイト剤はゴキブリ駆除に使う毒エサと同じで、床下にまけばシロアリ予防に効果的です。使うベイト剤はシロアリ用で、床下面積を調べてから必要な量を用意します。
シロアリ予防にベイト剤をまくやり方はいくつかありますが、一番簡単なやり方はシロアリのエサとなる木と一緒にベイト剤を設置する方法です。床下に蟻道(ぎどう)があれば近くに木とベイト剤を置いたり、もしくはシロアリが通りそうな場所に置きます。
ベイト剤を設置したら1年に1回は床下やベイト剤の状況を点検しましょう。シロアリはベイト剤を巣に持って帰ると、巣にいる仲間もベイト剤を食べるため巣を壊滅することができますが、即効性はありません。
また、シロアリは脱皮をして成長していく生き物でベイト剤には脱皮をさせない成分が含まれており、最終的にはシロアリの成長を止めて殺します。そのため、脱皮をしない生き物には安全で、人を含む哺乳類等に悪影響を与えることはありません。
ベイト剤は薬剤散布のように匂いがすることもなく、人やペットにも優しいですが値段が高いのがネックです。床下面積が広ければ必要となるベイト剤も多くなるため、コストはそれなりかかると考えておきましょう。
■②くん煙剤をまいてシロアリ予防
シロアリ被害に遭っている場所や、床下にくん煙剤をまくとシロアリ予防ができます。くん煙剤は煙でシロアリを駆除するため、人の目が届きにくい場所にいるシロアリも駆除できるのが特徴です。使うくん煙剤はバルサンなどで構いません。
シロアリ予防の効果はくん煙剤にもよりますが、大体1年~2年です。継続してシロアリ予防をしたい場合は1年に1回くん煙剤をまきましょう。
ただし、くん煙剤にも弱点があります。目の前にいるシロアリは駆除できますが、木の中に入り込んでいるシロアリには効きません。土の上や蟻道にいるシロアリ・木の表面にいるシロアリを駆除して予防したい時には最適な方法です。くん煙剤でシロアリ予防をする時は、メリットとデメリットを理解した上で使いましょう。
■③スプレー剤をまいてシロアリ予防
スプレー剤は手軽にできるシロアリ予防で、『フマキラー シロアリジェットプロ』や『住化エンビロサイエンス株式会社 エバーウッドS-400』等があります。スプレー剤は、できるだけ簡単にシロアリ予防をしたい方におすすめです。
フマキラー シロアリジェットプロは、シロアリ駆除業者も使う殺虫成分であるトラロメトリンが含まれており、羽アリやシロアリに直接スプレーすればすぐに駆除できます。さらに、届きにくい場所でも強力噴射のおかげで約6m先まで殺虫成分が届くのも特徴です。
隙間や木の割れ目にスプレーすれば深くまで浸透していくため、隠れているシロアリも駆除できます。また、木を腐らせない成分も含まれているため腐った木が好きなシロアリを寄せ付けません。
住化エンビロサイエンス株式会社 エバーウッドS-400も、シロアリ駆除や予防もできるスプレーです。シロアリに食べられた場所やシロアリの巣・蟻道(ぎどう)・目の前にいるシロアリに、専用ノズルでしっかり濡れるまでスプレーしましょう。スプレーすると殺虫成分が奥深くまで浸透して、木の腐食を防ぎながらシロアリ予防ができます。
シロアリ予防の注意点3つ
シロアリ予防をするなら万全にしないと意味がありません。シロアリが好む環境にしない予防対策や薬剤を使う方法は効果がありますが、シロアリに対する思い込み等が引き金になり、上手くいかないことがあります。シロアリ予防を成功させるなら3つの注意点をチェックしましょう。
■①薬剤を加圧注入した木材もシロアリの被害に
シロアリ予防の薬剤を加圧注入すれば安心する方も多いですが、決して"シロアリ予防対策をした"とは言えません。理由は、木材の中心部分には薬剤が行き届かないからです。そのため、木材にシロアリ予防の薬剤を加圧注入してもシロアリ被害に遭います。薬剤が浸透する範囲はせいぜい数cmです。木材の切り口を見ればわかりますが、外側だけ薬剤が浸透しているのがわかります。
かと言って、薬剤の加圧注入は意味がないわけではありません。加圧注入後に、木材の切り口に木材用防腐防蟻剤を塗ればシロアリが予防ができます。つまり、2段階で作業を行えばシロアリ予防ができる仕組みです。少し手間がかかりますが、木材を使う時はシロアリ予防のために2段階で行いましょう。
■②鉄筋鉄骨の家も石膏ボードや断熱材にシロアリが!?
シロアリは木をよく食べる害虫ですが、鉄筋鉄骨の家・石膏ボードや断熱材もシロアリも食べます。鉄筋鉄骨の家に住んでいる方の中には、"うちは鉄筋だからシロアリには食べられない"と思っている方もいますが全てが鉄筋で作られているわけではありません。土台・梁・柱・間仕切り壁等、部分的に木材は使われているため、シロアリに狙われます。
石膏ボードも同じです。シロアリはコンクリートもかじることができる強い顎を持っているため、石膏ボードもガリガリ食べます。また、家に欠かせない断熱材もシロアリは食べますが、中でも発泡ウレタンは大好物です。シロアリを含む害虫の多くは何でも食べる雑食性で、このように木材以外のものも食べてしまいます。
■③寒い地域もシロアリ予防は必要?
寒い地域に住んでいる方は"シロアリはいない"と思っていたり、暖かい地域に比べるとシロアリ被害のスピードが遅いため、"シロアリは寒くなるといなくなる"と思っている方もいるでしょう。でも、寒い地域にもシロアリはいて越冬もできるため、シロアリ予防は必要です。シロアリは6度以下になると動きが鈍くなりますが、家のどこかに潜んでいて12度以上になると再び活発に動きます。
寒い地域でもシロアリ予防をする必要があるのは屋内環境は昔に比べると変わり、快適に過ごすために空調が完備されている家は多くなったからです。また、地球温暖化も関係しています。つまり、寒い地域もシロアリが活動しやすい状況になったため、シロアリ予防をすることは欠かせません。
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まとめ
家をシロアリから守るためには、家の敷地内にシロアリを侵入させないことです。シロアリ被害に遭っている家は早急に駆除して予防をしましょう。シロアリ予防にはエサとなる木材やダンボールは処分したり、木材を使う時は薬剤を加圧注入するだけでなく防腐防蟻材を塗布して予防します。
そして、定期的にシロアリ予防対策を行って、家の敷地内にシロアリを寄せ付けないようにしましょう。