小さいころどんぐりを無心で集めて持って帰ったら次の日に大量の白い幼虫がいてびっくりしたという経験を持っている人も多くいるでしょう。どんぐりの季節になると自分で、もしくは自分の子供がどんぐりを大量に拾ってくることがあります。
どんぐりから出てくる虫の正体はゾウムシという甲虫の仲間。外敵から卵を守るためにどんぐりの実の中に産卵するので「どんぐりから虫が出てきた!」というショッキングな現象を引き起こします。
本記事ではどんぐりから出てくる白い虫の詳しい正体と、その対策について詳しく紹介しています。こちらを参考に楽しく虫の出ないどんぐり拾いができるようにしっかりと重要なポイントを確認しましょう。
どんぐりの中にいる虫の名前・正体とは?
どんぐりの中にいる虫の正体とは、実はゾウムシの仲間です。具体的には、クヌギシギゾウムシやコナラシギゾウムシです。クヌギシギゾウムシはクヌギ、クヌギシギゾウムシはコナラの木になるどんぐりに産卵します。他にも、ハイイロチョッキリや蛾の幼虫が稀にどんぐりに産卵します。卵とその幼虫を外敵から守るための手段としてこのような産卵方法を取ります。
どんぐりがまだ青く熟していない状態のときに穴を開けてどんぐりの内部に産卵します。その後木の枝を切断してどんぐりを木から落とします。木の周りで枝の付いたどんぐりが落ちていた場合はハイイロチョッキリの産卵後である確率が高いと言えるでしょう。どんぐり内で孵った幼虫はどんぐりの中身を食べながら成長し、大きくなると殻を破って外へ出ます。
成虫になると、鼻の長いカブトムシのような体になります。しかし成虫でも1センチに満たないのが基本で、大変小さい「甲虫目」の虫です。クヌギやコナラの木に住み着き、また時期が来たら木になるどんぐりに産卵をします。鼻のように見える口吻の先端はノコギリのようにギザギザしており、これでどんぐりに穴を開けることが可能になります。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法5個
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法|その1 ■①鍋で茹でる
一番昔ながらの方法は、拾ってきたどんぐりをまとめて沸騰したお湯で煮るという方法になります。どんぐりを沸騰したお湯に直接入れるとその急激な温度変化にどんぐりが耐えられず、割れてしまったり変形してしまう原因となります。水が沸騰する前にどんぐりを入れ、沸騰が始まってから5分から10分ほど煮ます。
煮終わったら新聞紙の上などに出し、陰干しします。日干しをしてしまうとどんぐりが割れてしまうことがあるので注意が必要です。湿気が原因でカビてしまうこともあるので、完全に乾燥させましょう。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法|その2 ■②塩水に漬ける
塩水に漬ける方法は時間は掛かりますが一番簡単な方法です。漬ける塩水は大体海水と同じ程度でOK。水1Lに対して、大さじ2杯くらいの塩を入れれば大体3%程度の塩分濃度になります。
すでに幼虫が出て行って空洞になっているどんぐりは浮いてくるので、作った塩水に入れて浮いてきたどんぐりは捨てましょう。
塩水にどんぐりがしっかりと沈んだら、軽く棒などでかき回して、塩分のバランスを整えます。この状態で2日~3日ほど漬けておけば完了です。
漬け終わったどんぐりは、新聞紙などの上に置いて、陰干しで2日~3日ほど乾燥させれば完全に乾きます。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法で使えるアイテム① あると便利なアルミ皿
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)
アルミ角型プレート
どんぐりを「茹でる」「塩水に浸ける」方法で処理するときにあると嬉しいのがアルミ皿!「外から持ってきたどんぐりをいつも使っている鍋やお皿に入れるのは気が引ける」という時に活躍します。
余ったアルミ皿はグラタンなど普段のお料理にも使えるので、最後までムダなく使い切ることが可能ですよ。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法|その3 ■③冷凍庫で冷凍する
冷凍する場合はビニール袋などに入れて冷凍庫に放置します。大体1週間~10日程度放置すれば十分でしょう。
大切なのはどんぐりを中までしっかりとカチカチに凍らせること!しっかり凍らせるために扉の開け閉めが頻繁に行われる入り口付近には置かないようにしましょう。冷凍が終われば陰干しして乾燥させて完成です。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法で使えるアイテム② コスパばつぐん!マチ付きポリ袋
Pack Do!
マチ付ポリ袋 エンボス加工 230枚入
ポリ袋は生ゴミを入れたり食品を保存したり、毎日何かと使うことが多いのでコスパの良さは重要視したいアイテムです。230枚入りの大容量ならどんぐりの冷凍処理でも使いやすいですよね。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法|その4 ■④オーブンで加熱
オーブンで加熱する際は高温で焦がしてしまわないように注意しましょう。オーブンを80度程度の余熱で温めてから、そのまま30分ほど加熱します。
ときおり扉を開けてどんぐりが焦げたり破裂していないか確認する必要があります。お子様と実践する場合は扉を開ける際に注意しましょう。
どんぐりにいる虫の殺し方・処理方法|その5 ■⑤電子レンジで加熱
電子レンジで加熱することも可能ですが、どんぐりの表面が破裂しないように十分注意して行う必要があります。
一度に長時間加熱せずに、短時間で扉を開けて中身を確認しながらゆっくりと過熱しましょう。時間がない場合の緊急処置として使用できます。
虫食いどんぐりの見分け方・虫食いの確率
どんぐりの中身が虫食いされる確率は、その木の種類にもよります。どこにでも見かけるクヌギのどんぐりが、一般的に多くの割合で虫食いされています。クヌギの木の周辺に落ちているどんぐりの80%程度が虫食いである場合があります。そのため、クヌギの木の下でどんぐりを採取する場合にはよく確認し、産卵痕があるかどか、または幼虫の脱出口があるか確認しましょう。
クヌギのどんぐりに対して、またこちらも一般的などんぐりの木であるコナラはその分布の割合に対して、虫食いの割合はそこまで多くないのが一般的です。もちろん何割かは虫食いのどんぐりもありますが、クヌギほどではないのでどんぐりの採取に適しています。
マテバヤシやアラカシのどんぐりは虫食いされていることがあまり多くないことで有名です。しかしその分布数が場所によっては多くないので見つかりにくいこともありますが、もし見つけることができたならどんぐり採取に最適な木と言えるでしょう。
どんぐりの中に虫がいるのはなぜ?
どんぐりは木の実なので、比較的沢山の養分があります。どんぐり内部の種子部分の大半は、子葉が多くのでんぷんを蓄えているため、ゾウムシの仲間や蛾などの幼虫にとっては最高の養分となります。他の幼虫もこういったでんぷんなどの栄養が必要ですが、ゾウムシなどのように尖った口吻を持ち合わせていないため、どんぐりに産卵することができないのです。
また、どんぐりはひとたび茶色く硬くなれば、人間でも素手で割ることができないほどの硬度になります。これは卵から幼虫になり、ある程度の大きさに育つまでに外敵や自然環境から守る大変重要な住処となります。ある程度の大きさになったら幼虫はどんぐりから出て地中に潜るので、外敵から身を守ることが可能となります。
どんぐりは食べられる?
どんぐりは木の実なので、基本的に全て食べることが可能です。しかし生で食べる場合には、食べられる種と食べられない種があるので注意が必要です。食べられる種というのはタンニンの含有量が少ない、または全くないものとなります。そしてタンニンの含有量が多いどんぐりは大変渋くそのまま食べることはなかなかできないので注意が必要です。
タンニンを含有していない種で有名なものはスダジイの木になるどんぐりです。甘みが強く皮をむいて実の部分をそのままかじってもおいしいどんぐりです。またタンニンの含有量が少ないどんぐりは、ツブラジイ、マテバジイが有名です。これらは多少の渋みがあるものの、生食でもおいしくどんぐりの自然な味わいを感じることができるでしょう。
クヌギやコナラなどのどんぐりはタンニンが多いので生食は向かず、フライパンで一度炒るなどをすると渋みが減り、香ばしさが高まっておいしく食べることが可能です。
どんぐりは食べられる? ■秋の味覚をおいしくいただく
【IH対応】スキレットコートパン 20cm ブラック
どんぐりを秋の味覚としておいしく調理するのにおすすめなのがスキレットコーティングのフライパンです。
鉄製のスキレットの良さはそのまま、より扱いやすく加工されたのがスキレットコートパン。特殊なコーティングでフライパン全体に油がなじみ簡単にムラなく炒め物が完成します。
鉄製のスキレットはとてもサビやすいので丁寧なお手入れが必要ですがスキレットコートパンならいつものフライパンと同じお手入れでOK。
おしゃれな見た目のスキレットコートパンでお料理映えも間違いなし。どんぐりやきのこなど秋の味覚をたくさん味わいましょう。
まとめ
どんぐりがたくさん落ちているのを見つけるとついつい拾い集めてしまいますが、どのようなどんぐりに虫がいて、どのように処理をすれば良いかが分かっていれば何も心配はいりません。本記事を参考に、安全に楽しくどんぐり拾いをしましょう。