電気毛布は、寒い冬の時期には毎日使用するという人も多いのではないでしょうか。しかし、電気毛布を汚した際や、就寝時に肌に触れるため汗や皮脂を落としたいと考えた際に、どのように洗えば良いのか迷う人もいるでしょう。
電気毛布は自宅で洗濯することが可能ですが、注意点やあらかじめ確認しておかなければならないポイントも多いです。そこで、電気毛布の正しい洗い方と、洗う前のチェックポイント、注意点などを詳しく解説します。
電気毛布を洗う前に
これまで販売されてきた電気毛布は自宅で洗濯できない商品が多かったものの、近年販売されている電気毛布の多くは自宅で洗濯することが可能です。まずは説明書をチェックし、水を使用して洗っても良いのかを確認します。
次に、洗濯表示をチェックしてみましょう。洗濯表示には洗濯をする際の温度や洗い方などが明記されているので、電気毛布を選択する前に必ず確認する必要があります。
洗濯表示を確認し、自宅で洗濯しても問題ない場合には、コントローラーを取り外してから洗濯しましょう。コントローラーが汚れている場合には、食器用洗剤を希釈したものでコントローラーの汚れを拭き取ります。
また、洗濯表示で「洗濯可」となっていた場合でも、ドラム式洗濯機を使用しないことが重要です。ドラム式洗濯機は、洗濯物を叩くようにして汚れを洗い流すため、電気毛布のコネクタや配線が壊れるリスクがあります。
そのため、自宅の洗濯機がドラム式洗濯機の場合には、手洗いをしなければなりません。
電気毛布の洗い方5ステップ【洗濯機】
電気毛布を洗濯機で洗濯する際には、電気毛布をコンパクトにまとめるための洗濯ネットもしくは紐と、洗濯用洗剤を用意しましょう。また、電気毛布を洗えるだけの容量がある洗濯機を使用することが大切です。
■①電気毛布洗濯前に使う洗剤を決める
まず、洗濯に使う洗剤を決めましょう。電気毛布を洗濯機で洗濯する際には、可能な限り液体洗剤を使う方法が有効です。
粉末タイプの洗剤は洗浄力が高いことがメリットですが、一方で電気毛布を傷めるリスクや粉末が溶けずに残る可能性があります。
そのため、販売されている洗剤の容器に記載された表示をチェックし、洗剤の特徴や使用用途、成分などを確認しましょう。
洗濯洗剤には、蛍光増白剤、漂白剤などが記載されています。電気毛布の素材がウールやアクリルの場合は、おしゃれ着用中性洗剤が最適です。素材が綿であれば一般的な洗剤でも良いですが、漂白剤を使えるかどうかを確認することが大切です。
また、これまでの洗濯表示には中性洗剤を使えることを意味する「中性」のマークがありましたが、現在の洗濯表示には「中性」マークがありません。そのため、電気毛布の素材と、素材に適した洗剤を十分チェックする必要があります。
■②電気毛布の汚れをチェックする
まずは、電気毛布を手洗いするための準備をします。物干し竿に電気毛布を掛けたら、力を入れずに軽くたたきましょう。目に見えていない沢山のホコリをはらえます。
また、髪の毛といったゴミもしっかり取り除くことが大切です。ゴミを落としたら、シミといった汚れがないかどうかも確認します。
電気毛布に汚れが付着しているのであれば、少量の洗剤を付けたブラシで擦り洗いをしましょう。あらかじめ目立った汚れを落としておくことで、仕上がりがきれいになるためです。
汚れがこびりついており、ブラシでは落とせないようであれば、洗剤を浸透させて数分放置し、ブラシや布で叩いて汚れを落としましょう。
■③電気毛布を折りたたむ
電気毛布に付着した汚れやホコリを大まかに落としたら、電気毛布を折りたたみます。自宅で洗濯可能な電気毛布のコネクタは、防水仕様です。
しかし、洗濯槽の内部で衝撃を受けて傷つく場合があるため、コネクタの部分は内側に折り込みましょう。電気毛布を折りたたんだら、大きめの洗濯ネットに入れます。電気毛布が入る洗濯ネットがない場合には、紐で結ぶ方法でも問題ありません。
■④電気毛布を洗濯する
電気毛布を洗濯ネットに入れる、もしくは紐でまとめたら、洗濯機に入れます。自宅で使用しているのが縦型洗濯機であれば、特に汚れが気になる箇所を洗濯槽の底の部分に向けて入れることで、汚れを落としやすくなることがポイントです。
電気毛布と洗剤を洗濯機に入れたら、洗濯しましょう。30度程度のぬるま湯を使用して洗濯すれば、電気毛布の素材が傷むことを予防できます。
なお、洗濯コースは毛布洗い、大物洗い、手洗いなどのコースを選びましょう。可能な限り刺激を与えずに洗うことが大切です。
コースを選んでボタンを押した後、洗濯槽に水が溜まったら1度洗濯機を停止し、手で電気毛布を押し込みます。手で電気毛布を押し込み、洗剤にしっかり浸けることで、より綺麗に電気毛布を洗えるためです。
また、綺麗に洗うためにも、電気毛布と他の洗濯物を一緒に洗わず、電気毛布のみで洗います。ほかにも、電気毛布を洗濯する際、通常の洗濯同様に脱水しないようにしましょう。電気毛布に負担がかかり劣化するため、脱水する際には30秒程度の短時間で行うこと、脱水時にも洗濯ネットに入れた状態で行うことが大切です。
■⑤電気毛布を干して乾かす
洗濯可能な電気毛布の洗濯表示タグには、日陰干しもしくは日向干しのどちらかできしているかが明記されて居ます。
例えば、日陰干しが推奨されている電気毛布を日向で干すと、紫外線の影響で色褪せたり傷んだりするため注意が必要です。電気毛布を干す際には、再度洗濯表示を確認して、明記されている方法に沿って干しましょう。
また、電気毛布を干す際にはM字になるように干すことが大切です。物干し竿を2本使用し、電気毛布がMの字になるように干します。M字干しをすれば、電気毛布に満遍なく風が当たるので効率的に乾かすことが可能です。
物干し竿が1本しかないときには、数個のハンガーを物干し竿に掛けて、上から電気毛布をかぶせてほしましょう。ハンガーで浮かせることによって電気毛布の生地同士が密着せず、スピーディーに乾かせます。
電気毛布の洗い方4ステップ【手洗い】
電気毛布の洗濯表示に「洗濯不可」の表示がある場合には、手洗いをする必要があります。また、洗濯表示には洗濯機で洗っても良いと記載されていても、電気毛布は家電製品であり、洗濯機や電気毛布が故障するのではと不安を抱く人も多いのではないでしょうか。
洗濯不可、もしくは洗濯機を使用するのは不安であるという場合は、優しく手洗いをしましょう。電気毛布を手洗いする場合は、大きめの容器、洗剤を用意します。電気毛布が入るような大きさの容器がない場合には、湯船で洗う方法が有効です。
■①電気毛布を折りたたむ
電気毛布の長い辺と辺を合わせて半分に折り、次は短い辺と辺を合わせて折ります。手洗いに使用する容器の大きさに合わせて、折りたたむ回数を調整しましょう。
電気毛布を折りたたんだら、容器の中に電気毛布と洗剤を入れます。洗剤は、「洗濯機での洗い方」と同様の方法で選んでおきましょう。
■②電気毛布を数回押し洗いする
電気毛布の押し洗いは、押して浮かせ、再度押すという作業を繰り返し行います。電気毛布を押す際には、電気毛布を沈めるようにして丁寧に押すことがポイントです。
20~30回程度繰り返し押し洗いを行います。20~30回繰り返しても汚れが落ちない場合には、一旦押し洗いを中断し、1時間程度漬け置き洗いをしてから再度押し洗いをするのも良いでしょう。
電気毛布の押し洗いが終わったら、ぬるま湯を交換します。なお、容器の中の水が汚れていたり、目立った汚れが落ちたことを確認できた際には、押し洗いの途中でもぬるま湯を交換することが大切です。
新しいぬるま湯に交換したら再度洗剤を溶かして電気毛布を押し洗いし、ぬるま湯が濁らなくなるまで押し洗いします。
■③電気毛布の洗剤を洗い流す
ぬるま湯が濁らなくなったら、電気毛布が吸収した洗剤を洗い流します。電気毛布が吸収した洗剤が少量でも残っていると、不快な臭いやカビの発生につながるため注意が必要です。
また、コネクタの接合部分は洗剤が残りやすく、洗剤が残ると故障するため注意しなければなりません。洗剤を洗い流す際も、押し洗いと同様の方法で作業を行います。すすぐ際の水が濁らなくなるまでしっかりすすぎ、洗剤を落としましょう。洗剤を洗い流したら、水気を切ります。
湯船を使用していた場合には、湯船のぬるま湯を抜いてから電気毛布を押すようにして水気を切りましょう。電気毛布の絞れる箇所は手で絞ると、電気毛布がスピーディーに乾くうえに電気毛布の重さが少し軽減されるため干しやすくなります。
■④電気毛布を乾燥させる
電気毛布の水気を切ったら、物干し竿にM字干ししましょう。2本の物干し竿を使用して電気毛布を掛け、電気毛布の中心部分が沈むようにして干します。
横から見るとM字になるように干すことで、風通しが良くなり、重くて大きな電気毛布でもスピーディーに乾かすことが可能です。
電気毛布の洗い方【洗濯不可の場合】
電気毛布の洗濯表示に洗濯不可と表示されている場合には、付属品のシーツやカバーだけでも洗濯しましょう。
洗濯不可の電気毛布は洗えないため、しっかり絞ったタオルで水拭きをしたり、ブラッシングをして汚れを落としたりしたうえで掃除機をかけたりすることが大切です。また、除菌スプレーを使用して雑菌の繁殖を予防しましょう。
電気毛布を洗うときの注意点
電気毛布を洗う際には、洗濯ネットもしくは紐で束ねること、脱水の時間を短くすることが重要です。電気毛布を洗濯機で洗う場合、洗濯用ネットに入れたり紐で束ねたりしなければ、配線が切れる可能性があります。
また、コネクタが衝撃を受けて故障しないように、コネクタ部分が電気毛布の内側に入りように折りたたむことも忘れないようにしましょう 。コネクタや配線に注意しながら、汚れが目立つ箇所は外側になるように工夫する必要があります。
さらに、脱水を短時間で行わなければ、配線に圧力がかかったりねじれたりすることで故障する場合があるため注意しましょう。洗濯機を使用する方法だけではなく、手洗いをする際に配線をねじるようにして絞ると断線するため、水を切る際に注意が必要です。
ほかにも、電気毛布を乾燥させる際には乾燥機能を使わないで外干しする必要があります。乾燥機を使用すると、電気毛布に長時間熱が加わり故障する場合があるためです。乾燥機は使用せず、風通しが良い場所でM字になるように干しましょう。
電気毛布の毎日のお手入れ方法3個
毎日使用する電気毛布は、普段からお手入れをして清潔な状態を保つことが重要です。電気毛布を使用した後に乾燥させることや、ダニ対策をすること、重曹を使用することなど、毎日行うべきお手入れの方法を紹介します。
電気毛布を洗濯すると、正しい方法で洗っていても必ず配線や生地に負担がかかるので注意が必要です。そのため、洗濯以外のお手入れも行い、洗濯の回数を減らしましょう。
■①日中に陰干しする
布団が汗を吸収した状態のままにすると、ダニやカビが発生するため注意が必要です。電気毛布を使用した後はそのまま畳まず、広げて風通しがよい場所で日陰干しをしましょう。除菌スプレーを併用すると、ダニやカビ菌も除去することが可能です。
なお、長時間紫外線を当てると電気毛布が熱くなり危険なため、日陰干しをすることが大切です。
■②布団クリーナーでゴミを除去する
天候の関係で日陰干しできない日が続く場合には、布団クリーナーを使ってゴミやダニを除去しましょう。毛布や衣服に使用するブラシで仕上げると、滑らかで肌触りが良い状態になります。
■③重曹を振りかける
重曹は弱アルカリ性の性質があり、汗や皮脂といった酸性の成分を中和する作用があります。重曹を粉末のまま使用する際には、電気毛布を広げて重曹の粉末を振りかけて数十分放置しましょう。最後に重曹を掃除機で吸い取って完了です。重曹を掃除した後に陰干しします。
重曹を溶かして使用する場合には、250mlほどのお湯に重曹大さじ1杯を入れてしっかり混ぜたうえで、スプレーボトルに入れて電気毛布に吹き付けましょう。スプレーした後は陰干しをしてしっかり乾燥させることが大切です。
ただし、重曹スプレーを吹き付けすぎると電気毛布が水分を吸収してカビやダニが発生する可能性があるため、電気毛布の表面に少し吹き付ける程度にします。
電気毛布のオフシーズンの保管方法
電気毛布には、ダニが発生している場合があります。保管方法を誤るとダニが繁殖するため、ダニ対策をしてから保管することが大切です。電気毛布を洗濯、もしくは陰干し・布団クリーナーで掃除などの手入れして可能な限りダニを除去したら、密閉できる箱や袋に入れて保管します。
電気毛布と一緒に防虫剤を入れると、コントローラ-やヒーター部分が傷む可能性があるため、箱や袋に防虫剤を入れないようにしましょう。電気毛布を入れた袋や箱の周辺に防虫剤を置く方法が有効です。
また、ダニを除去しきれなかった場合やダニが侵入した場合を想定し、ダニが繁殖しないように湿度が低い場所で保管しましょう。
まとめ
電気毛布が吸収した汗や皮脂を取り除き、清潔な状態を維持するためには、自宅で洗濯をすることが大切です。汗や皮脂の汚れは酸性の性質があるため、洗濯をする際にはアルカリ性の洗剤を使用するとより高い効果が期待できます。
自宅で電気毛布を洗濯する際には電気毛布の洗濯表示を確認し、手洗い可能か、洗濯機を使用できるかをチェックすることが重要です。洗濯機を使用する際には、手洗いモードや布団モードといった弱い水流で洗います。
洗濯した後は物干し竿を2本使用してM字になるように干し、日ごろからお手入れをして電気毛布を清潔な状態に保ちましょう。