花を栽培するのも楽しいですが、果樹を育てるのが好きな方もいるでしょう。果樹の中でもブルーベリーは、育てやすいため挑戦する方も少なくありません。
また、ブルーベリーを栽培している方の多くは果実の収穫が目的で、生で食べるのはもちろん、自家製ケーキやジャムなどを作っています。ただし、自分で栽培して食べることもできるブルーベリーは剪定が欠かせません。
ブルーベリーの剪定は初心者の方でもできることで知られており、やり方やコツがわかればスムーズにできるでしょう。ブルーベリーを栽培している方や、栽培を検討している方は必見です。ブルーベリーの剪定時期や剪定方法、挿し木から育てる方法などをご紹介していきます。
ブルーベリーの基本的特徴

ブルーベリーは濃い紫色の小さな果実が特徴で、初心者の方でも栽培しやすいことから人気があります。また、樹高は約1m~3mと、場所を取りにくいのも支持されている理由の1つです。
ブルーベリーの原産国は北アメリカで、4月~5月は白やピンクの花が咲き、6月~9月になると果実を収穫することができます。ブルーベリーの種類は大きくわけると『ハイブッシュ系』と『ラビットアイ系』があり、果実を実らせるためには受粉が欠かせません。
ハイブッシュ系のブルーベリーは1本だけでも受粉することが可能ですが、大きな果実を収穫したい場合は、もう1本ハイブッシュ系のブルーベリーを栽培しましょう。また、果実の実りを良くしたい場合もハイブッシュ系を2本栽培して受粉しやすくします。
一方のラビットアイ系のブルーベリーは、自身で受粉することが難しい種類です。受粉させるためには、ラビットアイ系のブルーベリーを同時に栽培する必要があります。
ブルーベリー剪定の目的とメリット

”ブルーベリーは剪定しないといけないのか?”など、剪定の必要性に疑問を抱いている方もいるでしょう。ブルーベリーは剪定をしなくても栽培することはできますが、様々な弊害があるため剪定は欠かせません。では、剪定を行う目的やメリットをご紹介していきます。
【剪定の目的】
1.)たくさんの果実や大きな果実を実らせる
2.)病気や虫から守り健康な樹木に育てる
3.)定期的な剪定で生長を促す
4.)樹形の維持や大きくなり過ぎないようにする
ブルーベリーの剪定の目的は良い状態を保ち、健康維持や果実の収穫を行うためにすると考えましょう。
【剪定のメリット】
1.)十分生育させるための栄養を蓄えることができる
2.)毎年安定して果実を収穫することができる
3.)見た目が美しい樹木をキープすることができる
植物は手をかけるほど応えてくれる存在でブルーベリーも例外ではありません。ブルーベリーの剪定を行うと、目でも舌でも楽しむことができます。
ブルーベリーの適切な剪定時期はいつ?

他の樹木と同様にブルーベリーも剪定が必要で、最も適している時期は夏と冬です。では、ブルーベリーの具体的な剪定時期をご紹介していきます。
【夏の剪定時期は初夏が最適】
ブルーベリーの剪定時期は7月や8月は不向きで、『5月中旬くらい~6月上旬くらい』の初夏に行うのが最適です。ブルーベリーは夏本番を迎える頃から花芽をつけるのが特徴で、7月や8月に剪定を行うと収穫に影響を及ぼします。
また、ブルーベリーは冬の休眠に向けて春~秋に栄養を蓄えるのが特徴で、夏は大きく生長する樹木です。夏に太くまっすぐ伸びた枝を剪定をすることで、株本が大きくなり過ぎず健康な樹木をキープすることができます。
【冬に剪定して休眠明けの生長を促す】
ブルーベリーの冬剪定は休眠時期である『12月~2月』に行い、いらない枝や混み合っている枝を切るのがコツです。冬は葉がないため枝の状態がわかりやすく、初心者の方でも剪定しやすいでしょう。
ブルーベリーは葉が落ちる前にたっぷり栄養を蓄えてから休眠に入り、春になると休眠から目覚めて生長をするサイクルです。冬の剪定は休眠明けの生長を促したり、たくさんの果実を実らせるためには欠かせません。
ブルーベリーを剪定する枝の選び方

剪定に詳しくない場合、”切るべき枝がわからない”と答える方も多いのではないでしょうか?切るべき枝を簡単に説明すると、ブルーベリーの生育や収穫に悪影響を及ぼす枝は剪定対象です。剪定するべき枝の名称や種類などをご紹介します。
【剪定する枝】
・ひこばえ:株元の根本に生える細い枝
・交差枝:枝同士が交差している
・下がり枝:枝が下に向かって伸びている
・徒長枝(とちょうし):幹や太い枝から伸びており天に向かって垂直に伸びている
・胴ぶき枝:幹の途中から伸びている細い枝
・逆さ枝:枝が内側(幹)に向かって伸びている
・車枝:1つの枝や幹から複数の枝が生えている
・樹形を乱す枝
・30cm以上の枝
・細くて貧弱な枝
・枯れている枝
・折れている枝
・混み合っている枝
・病気になっている枝
・5年以上の主枝
ブルーベリー剪定の仕方の基本4ステップ

ブルーベリーの基本的な剪定方法を4つの流れでまとめました。ブルーベリーの剪定時期は冬がメインであることや、樹齢に合わせた剪定がポイントです。剪定は生育や実りに影響を与えるため、ポイントを抑えてお手入れをしましょう。
■①夏剪定:ブルーベリーの年数に関係なく徒長枝を剪定する
ブルーベリーの夏の剪定は、『樹齢に関係なく徒長枝(とちょうし)』を切ります。徒長枝の剪定をしないで放置していると、樹形が乱れる、花芽がつきにくくなる、冬の休眠に備えるための養分を蓄えにくくなる、生育不良を起こすなどの弊害があります。
ただし、ポイントはあくまでも徒長枝の剪定に限り、葉数が減り過ぎる枝の切り方はやめましょう。葉数が減ると株の生育に影響を及ぼす可能性があります。
■②冬剪定:1年~2年のブルーベリーは花芽を全て剪定する
1年~2年のブルーベリーは、冬に『全ての花芽』を剪定しましょう。花芽がついている枝先を数cm剪定して生育や実りを促します。花芽を剪定する理由は、余計な栄養をとられてしまい生育や実りに悪影響を及ぼすからです。
若いブルーベリーは人で言うところの成長期にあたり、まさに大きくなるための大切な時期と言えます。多くの方は果実の収穫を目的に栽培していますが、1年~2年のブルーベリーは実りのことよりも生長させることを優先にしましょう。
■③冬剪定:一部のひこばえを剪定する
ブルーベリーの冬剪定では『一部のひこばえ』を切りましょう。ひこばえとは株本に次から次へと生えてくる枝のことで、休眠していた芽が生えることを言います。栄養の吸収力がいいため生育スピードが早く、枝が混み合って樹形が崩れたり、株本が弱ることもあるため注意が必要です。
ただし、一部のひこばえだけを剪定するのがポイントで、ある程度ひこばえを残すことで枝葉がほど良く生い茂ります。結果的に毎年ブルーベリーの実を収穫することができたり、樹高が高くなり過ぎないようにセーブすることが可能です。
なお、残しておくひこばえも新しい枝の発育を促すために、枝先の約1/4~1/5を剪定する必要があります。