”ブロッコリーを茹でたら幼虫のような気色悪い虫が浮いてきた”、という方もいるでしょう。虫が付いていないように見えるブロッコリーでも、実は害虫の巣窟になっているかもしれません。
ブロッコリーに虫が付きやすい理由は、葉の裏、つぼみの隙間、茎など身を潜めやすい場所がいくつもあるからです。なお、ブロッコリーに付く虫は様々な種類がおり、人体に悪影響を与える害虫もいるため軽視することはできません。
いびつな形で洗いにくい野菜ですが、虫や汚れを落とす上手な洗い方があります。ブロッコリーに付いている虫や汚れを落とすために、正しい洗い方を知りましょう。清潔にする洗い方のコツ、洗う際の注意点などをご紹介していきます。
ブロッコリーに隠れている虫の種類
ブロッコリーを切った時などに、虫を見つける方もいるのではないでしょうか?ブロッコリーは形状的なことや、撥水する野菜であることから様々な虫が付きやすいです。では、ブロッコリーに付きやすい虫を3つご紹介します。
【1】ヨトウムシ
ヨトウムシはハスモンヨトウなどの幼虫で、体長は約3cm~5cmと大きめです。見た目はふっくらしている毛虫のようで、夜になるとブロッコリーの葉を食べます。見た目が気持ち悪い虫で、ブロッコリーに付いていると不快に感じる方は多いでしょう。
【2】コガネムシ
コガネムシは緑色の甲虫で晴れている日は飛び、体長は約1.7cm~2.3cmあります。幼虫は芋虫のような見た目でブロッコリーの根に潜んでおり、成虫は葉を食べるのが特徴です。
【3】アオムシ
アオムシは緑色の体が特徴で体長は約3cm~4cmあります。モンシロチョウなどの幼虫で、ブロッコリーの葉の裏で見つけることが多いでしょう。
ブロッコリーについた虫の洗い方 ・取り方
ブロッコリーを洗う時、水でサッと洗うだけで済ませていませんか?ブロッコリーはつぼみの間や葉と葉の間などに虫が付いており、軽く洗うだけでは落とすことができません。
また、ブロッコリーにアブラムシが付いている場合、生で食べるとカビやウィルスが体内に入る可能性があります。安心してブロッコリーを食べるために、虫などを落とす洗い方を見ていきましょう。
■ふさをふり洗いする
ブロッコリーに付いている虫は水に弱いため、ブロッコリーを水に沈めてふり洗いすると落とすことができます。ふり洗いは遠心力と振動を利用して虫を落とす方法で、簡単にできるのがメリットです。
【洗い方】
1.)ブロッコリーが入る大きさのポリ袋に、ふさを下にして入れましょう。茎があれば取り、ふり洗いをしている時に袋が破れないようにします。
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2.)ブロッコリーのふさがしっかり被るまで水を注ぎ、少し空気を入れてから口を閉じてふりましょう。しばらくふり洗いを続けてブロッコリーに付いている虫を落とします。
■ふさをつけ置き洗いする
ポリ袋を使わないでブロッコリーの虫を落としたい時は、つけ置き洗いをしましょう。ブロッコリーをつけ置き洗いすると時間はかかりますが、つぼみが開くため虫やゴミもしっかり落とすことができます。
【洗い方】
1.)ブロッコリーのふさが余裕で入る大きめのボウルを用意しましょう。ボウルの中にブロッコリーのふさを下にして入れたら、ふさにしっかり水が被るまで注いで約20分待ちます。
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2.)20分ほど経つとブロッコリーに付いていた虫やゴミなどが、水面に浮いているかもしれません。さらに、虫やゴミを落とすためにブロッコリーの茎を持ち、ボウルの中でふり洗いします。
■カットして洗う
ブロッコリーの細部に潜んでいる虫やゴミをしっかり取りたい方は、一口サイズほどにカットするといいかもしれません。ただし、ブロッコリーをカットして洗う時は、つけ置きを避けて短時間で虫やゴミを落としましょう。
カットしたブロッコリーを長時間水に浸すと、切断したところから栄養が流れ出てしまいます。虫やゴミと一緒に栄養を洗い流さないために、洗浄は素早く行うのがポイントです。
【洗い方】
1.)太い茎から生えているブロッコリーを切り落とし、サイズが大きい場合は一口サイズくらいにカットします。
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2.)ボウルの中に水を注ぎ、カットしたブロッコリーを入れて手で混ぜるなどして洗いましょう。水洗いする時間は最長で約30秒です。
■塩で洗う
生きている虫を確実に駆除する方法として塩を使うやり方があります。ブロッコリーのつぼみの間や、葉と葉の間に潜んでいる虫などを苦しめて追い出す作戦です。
【洗い方】
1.)ブロッコリーを下に向けた状態でポリ袋に入れて、水と小さじ1杯の塩を入れます。水はふさがしっかり被るまで注ぎ、茎はポリ袋が破れる恐れがあるため取り除きましょう。
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2.)ポリ袋に少し空気を入れてから口を閉じてふります。しばらくふり洗いを続けた後、ブロッコリーを流水でよくすすぎます。
■重曹で洗う
ブロッコリーは農薬が使われていることがあり、虫と薬品が気になる方は食用の重曹で洗いましょう。食用の重曹はパンやクッキーなどに含まれており、口に入れても害はありません。
【洗い方】
1.)ブロッコリー全体を水で浸すために、ボウル、鍋、ポリ袋などを用意します。ボウル、鍋、ポリ袋などにブロッコリーを入れたら、たっぷりの水と小さじ1杯の重曹を入れましょう。ポリ袋を使う場合は茎を切り落とし、少し空気を入れて口を縛ってください。
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2.)約15分待ってからゴム手袋をして手を保護します(重曹は手荒れしやすいため)。容器の場合はブロッコリーをゆすり洗い、ポリ袋の場合はふり洗いしてから流水でよくすすぎます。
■野菜用洗剤で洗う
野菜用洗剤も農薬や虫を落とすことできるため心配な方は使いましょう。野菜用洗剤の種類はパウダーや水溶性があり、ホタテ貝やホッキ貝などの貝殻で作られています。自然界にあるもので作られているため、安心して使えて除菌ができるのもメリットです。
【洗い方】
1.)ブロッコリーが余裕で入る大きめのボウルに、たっぷりの水と野菜用洗剤を入れて溶かします。ブロッコリーのふさを下にして数分つけ置きしましょう。なお、茎も食べる場合はブロッコリー全体を浸してください。
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2.)数分間つけ置きすると農薬が落ちて虫やゴミも浮いてきます。最後にブロッコリーを流水でよくすすぎましょう。
■ゆでる・レンチンで加熱する
ブロッコリーを殺菌して虫も落としたい時は茹でるかレンチンします。ただし、ブロッコリーは茹でると栄養が流れやすいため、できれば電子レンジを使いましょう。電子レンジは、ブロッコリーを蒸しながら殺菌するのが特徴で栄養が流れにくい です。
【茹でる洗い方】
鍋に水を入れて沸騰させたら、ブロッコリーを入れて約30秒ゆすり虫を落とします。最後に流水で軽くすすぎましょう。
【電子レンジによる洗い方】
ブロッコリーを一口サイズにカットして耐熱皿や耐熱ボウルに入れます。次に、容器をサランラップでふんわり覆い約3分30秒温めましょう(500Wの場合)。最後に、水を張ったボウルにブロッコリーを入れて、約30秒ゆすり軽く水洗いします。
ブロッコリーを洗う時の注意点
ブロッコリーを洗って虫やゴミを落とすなど、洗浄する際の注意点をまとめました。今まで知らなかったブロッコリーの情報や、正しい情報を知ることができるかもしれません。ブロッコリーを美味しく頂くためにも、注意点をチェックしておきましょう。
■白い粉は食べられる
ブロッコリーを洗った後、白い粉が付いていたことはありませんか?白い粉の正体は『ブルーム』と呼ばれている天然成分で、有害な物質ではありません。ブルームは野菜や果物に起こる自然現象であり、水分の蒸発を防ぐなど防御反応として現れるものです。
なお、ブルームは新鮮な野菜や果物に現れるため、洗った後のブロッコリーに白い粉があれば鮮度がいいと言えます。味や栄養に影響を与えることはなく食べても問題ありませんが、気になる方はキッチンペーパーなどで拭きましょう。ブルームは軽く拭くだけで簡単に落とすことができます。
■茹でたブロッコリーは2日程度で食べきる
茹でたブロッコリーは2日ほどで食べきるようにしましょう。茹でたブロッコリーは時間が経つにつれて水分が出てきますが、自ら排出した水分で傷んでしまう野菜です。
ただし、水分コントールしながら保存すると、傷みの進行を緩やかにすることができます。茹でたブロッコリーはキッチンペーパーを敷いた保存容器に入れて、野菜室や冷蔵庫で保存しましょう。キッチンペーパーがブロッコリーから出た水分を吸収するため傷みにくくなります。
なお、キッチンペーパーが水分で濡れていたらマメに取り替えましょう。新しいキッチンペーパーに交換すると水分の吸収率が良くなります。
まとめ
ブロッコリーに付いている虫は水や熱でダメージを与えたり、ふり洗いをするなどして落としましょう。ブロッコリーは洗い方を意識すると、小さな虫や隙間に入り込んでいる虫も落とすことができます。虫の存在に気が付かないまま食べないために、正しい洗い方を行い清潔にしましょう。