芝生などの表面に土の山ができていませんか?土の山はモグラの仕業で地中のどこかに潜んでいます。最初は土の山の数が少なくても、何も対策をしなければ数は増えていくものと考えましょう。
モグラは地中で活動しており、地上に出て来ることはほとんどありません。滅多に姿を見ないからこそ、知らない間にモグラの被害に遭っていることもあります。
モグラはコロコロして可愛いイメージがありますが、迷惑な害獣として有名です。日本でも古くから作物や土壌に影響を及ぼす害獣として認知されています。モグラの被害を拡大させないためには早めに対策をとることです。モグラの対策方法、おすすめの対策グッズなどをご紹介していきます。
モグラの特徴や生態
モグラは可愛らしいですが土を荒らす厄介者です。モグラの特徴や生態を知り、弱点を突き止めて対策に生かしましょう。
【ずんぐり体形で体の一部はピンク色】
モグラは北海道を除く日本各地に生息しており、体長は約10cm~15cmでずんぐりした体形です。毛色は黒や茶でふんわりした短毛で覆われており、鼻、手、足はピンク色をしています。
【視力はほぼゼロ】
モグラは地中にいることが多いため視力は退化しており、光を感じるくらいしかできません。
【聴覚と嗅覚が優れている】
モグラは視力をカバーするために聴覚と嗅覚が発達しました。鼻にはアイマー器官と呼ばれているセンサーのようなものが備わっており、微振動を察知することが可能です。優れた聴覚と嗅覚のおかげで、エサの捕獲や行くべき方向へ進むことができます。
【モグラはよく食べる】
モグラはミミズなどの昆虫類やカエルなどを食べ、植物性のものをほぼ食べることはありません。1日で食べる量は体重の半分ほどで、胃の中に12時間以上何もないと餓死します。
【長くて複雑なトンネルを掘る】
モグラは地中を掘り約70m~300mのトンネルを作る動物です。トンネル内部は複雑で、食糧庫、休憩場所、水飲み場などがあります。
モグラによる害とは?
農家や家庭菜園を楽しんでいる方にとってモグラは迷惑者でしかないでしょう。モグラの特徴である地中にトンネルを作る行為は様々な害があり、例えば、作物の生育や収穫に影響を与えます。では、モグラによる被害例を3つ見ていきましょう。
■①芝生の見た目が悪くなり根が傷む
芝生の一部が土で盛り上がっている部分があれば、モグラが犯人で間違いありません。モグラは芝生の地中にミミズなどのエサがあればトンネルを掘り、いらない土を芝生に上に出しています。
結果、芝生の表面がデコボコになるため見た目が悪くなり、芝生を歩くと足を取られることもあるでしょう。また、芝生の根が傷みやすくなる被害も併発し、何かしらの対策をしない限りモグラによる被害は続きます。
■②畑や家庭菜園の地中にいるミミズを食べられる
ミミズは土壌の栄養状態を良くしてくれる益虫で、作物を栽培する方にとってありがたい存在でしょう。<モグラによる被害は、畑や家庭菜園の土壌にいるミミズを食べられてしまうことです。モグラにミミズを食べられてしまうと、土壌の栄養状態が悪くなり作物の根がダメになることもあります。
モグラにとって、畑や家庭菜園の地中にいるミミズを探し当てるのは簡単なことです。畑や家庭菜園の土壌にミミズがいることがわかると、ひたすら地中を掘りトンネルを作るため、土の表面もデコボコになります。
■④土砂崩れや陥没する可能性がある
モグラが畑の地中にトンネルを作ると、地盤が緩み危険な状態になることもあるでしょう。モグラによる被害の1つに土砂崩れがあり、特に水分を多く含んでいる土壌は地盤が緩みやすく、土砂崩れが発生しやすいです。土砂崩れが発生しなかったとしても陥没する可能性があります。
■③田んぼが水漏れする
米農家にとってモグラは憎い存在になることもあるでしょう。モグラは田んぼにも穴を掘り、穴から水が漏れ出す被害が報告されています。田んぼが水漏れすると、畦(あぜ)も突き破ることがあるためモグラによる被害は深刻です。
モグラ駆除の前にやるべきこと
モグラの駆除や対策を行う前に居場所をリサーチしましょう。モグラの居場所を突き止める際は、『モグラ塚』、『本道(生活道)』、『支道(探餌道)』がポイントになります。
【モグラ塚の下は巣がある】
モグラの駆除や対策をするために、モグラ塚を探すところから始めましょう。モグラ塚は地面の表面が盛り上がっているため見つけやすいです。
モグラ塚とは、穴を掘り巣を作る時に地上へ排出した土のことを言います。なお、モグラ塚の下は巣になっており、雨水が浸透しにくい場所(植物の根や丘など)にあることが多いです。
【モグラ駆除や対策をするなら本道(生活道)を探す】
モグラのトンネルである本道を探します。本道は、エサの捕獲やトンネルを修繕する際に使うメイン通路で、モグラがいる可能性が高いです。
本道を見極める方法は、モグラ塚を掘り土を被せて平らにしましょう。モグラは本道が壊れると直すため修復済みであれば本道です。
【モグラが支道(探餌道)を通ることはほぼない】
支道は、エサを探して捕獲するために必要な通路ですがほぼ通ることはありません。なお、全く通らないことも多く、モグラがいないと考えて罠を仕掛ける対象から外します。
自作やおすすめのモグラの対策・撃退方法6つ
”モグラ退治の方法を知りたい!”、”おすすめのモグラ対策は?”など、何かしらの手段でモグラを撃退したい方は多いでしょう。モグラを撃退する方法はいくつかありますが、自分で簡単にできる方法をはじめ、おすすめの対策・撃退方法を6つご紹介します。
■①ガム
低コストで簡単にモグラ対策ができるのがガムを使った方法です。モグラはガムが消化することができず、最終的には腸に詰まって死亡します。ガムによるモグラ対策の効果は数日~10日ほどでわかるでしょう。
【ガムによる対策方法】
1.)オレンジ味などの甘いガムを噛んで形を崩します。ガムを噛む理由はアリに食べられないようにするためで、噛み過ぎると匂いが飛ぶため注意してください。
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2.)手袋をした手で噛んでいるガムを取り出し、モグラの出現場所や本道に入れます。モグラがガムを食べるまで数日~10日ほど待ちましょう。
モグラがガムを食べると地中の中や地面で死亡しています。日数が経過してモグラ被害が止んだ場合は、ガムによる対策が成功した証拠です。モグラの死骸を地上で見つけた時は埋葬しましょう。
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3.)日数が経過してもモグラ被害が続く場合や死骸を発見できない時は、ガムのフレーバーを変えます。
■②彼岸花
植物が好きな方は、モグラ対策に彼岸花を植えてもいいかもしれません。彼岸花は鱗茎(りんけい)で地下茎の一種であり、有毒性のある物質を含んでいるのが特徴です。昔の人は、毒性のある彼岸花をあえて田んぼや土手などに植えて、モグラなどの忌避剤として活用していました。
また、彼岸花が植えてある周辺は益虫であるミミズも好みません。地中に大好物のミミズがいないため、モグラが近寄らないと言われています。
■③ペットボトル風車
ペットボトル風車はモグラの聴覚や嗅覚を利用した手作りグッズです。風車が回ると、モグラが嫌いな音や振動が地中に伝わるため近づきません。
【ペットボトル風車の作り方】
1.)ペットボトルを、3:2(飲み口側:底側)になるようにカットしましょう。飲み口側と底側、それぞれ縦に6つ切り込みを入れて風車の羽を作ります。切り込みの目安は、飲み口部分の下8cmほど、底から8cmほどです。切り込みを入れたら外側に向かって広げて折り曲げましょう。
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2.)キャップと底側の中央を、キリで針金ハンガーが貫通するくらいの穴を開けます。次に、飲み口側の羽と底側の風車の羽を重ねてホチキスで留めます。
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4.)針金ハンガーのフック部分をペンチでほどき、L字型に折り曲げましょう。キリで開けた穴に針金ハンガーを通し、底側に出ている針金の先端部分を曲げて固定します。塩ビパイプに風車をセットして、モグラが出現する場所や本道に設置しましょう。
■④忌避剤
忌避剤は手間をかけずにモグラ対策ができるアイテムです。モグラの嗅覚を利用するのが特徴で、不快に感じる臭いを放ち退散させることができます。
なお、モグラを死に追いやることはないため、死骸を見たり処理したくない方にもおすすめです。忌避剤の種類などは下記をご覧ください。
【忌避剤の種類】
・地面にかけるタイプ(スプレー、粉末、液体など)
・地面に挿し込むタイプ
・地面に置くタイプ
・地面に埋めるタイプ
【地面に埋めるタイプがおすすめ】
モグラが現れる場所や本道(生活道)には、地面に埋める忌避剤を使いましょう。地面に埋める忌避剤は雨や水に強く、成分が流出しにくいためモグラ対策を強化することができます。
地面にかけるタイプ、置くタイプ、挿し込むタイプも、比較的雨や水に強いでしょう。ただし、設置場所や土壌によっては忌避剤の成分が流出しやすく、補充や交換を定期的に行う必要があります。
■⑤捕獲器
モグラを捕えて処分したい方は捕獲器を使いましょう。ただし、捕獲器による退治の方法を選択する時は、人間の臭いと警戒心に注意しないといけません。
モグラの鋭い嗅覚で人間のニオイを察知されないために、手袋をして捕獲器に土を擦りつけてから設置します。また、できれば捕獲器の中にミミズを入れて、モグラの警戒心を緩める作戦も効果的です。
【捕獲器の種類】
・筒タイプ
・挟むタイプ
【捕獲器の使用は申請許可が必要】
モグラが苦しんでいる姿を見たくない方は筒タイプを使いましょう。挟むタイプは強力なバネでモグラの体を挟むため、痛々しい姿を目にする可能性があります。捕獲したモグラを12時間以上放置して死亡したことを確認したら、責任を持って処分しましょう。
なお、モグラは鳥獣保護法により守られており、捕獲器を設置する際は自治体への許可が必要です(絶滅危惧種や半絶滅危惧種いるため)。自治体によっては無料で捕獲器の貸し出しも行っています。
■⑥音波
モグラを傷付けないで対策したい方は、音波装置を設置してみてはいかがでしょうか?音波装置はモグラの聴力を利用した退治の方法で、音波による微妙な振動を感知させて追い出す作戦です。モグラが嫌がる音波を発生させる仕組みで、継続して設置するとモグラの侵入対策もできます。
【音波の種類】
・ソーラー式
・電池式
【手間がかからないのはソーラー式】
ソーラー式も電池式も本道に挿し込んで設置しましょう。ソーラー式は太陽光で充電し稼働するため、日当たりがいい場所に置いて充電できるようにします。ただし、梅雨時、曇、雨が多い日は充電することができないため、音波機能に支障をきたすことがあるでしょう。
一方で電池式は気候に関係なく設置できるのがメリットです。電池交換の手間はありますが、電池式なら日陰の本道でも問題ありません。
なお、ソーラー式や電池式の音波装置は、モグラが慣れないように様々な音波を発生させるタイプもあります。
まとめ
ある日突然、モグラは芝生や家庭菜園などの地中にやって来てトンネルを掘ります。土が盛り上がっていたら、モグラ対策をするためにモグラ塚と本道を見つけることです。また、できるだけ早くモグラ対策を行い被害を最小限に食い止めましょう。