ヤモリが大好きでたまらない愛好家は、ペットとして飼っている方もいます。確かに、良く見ると可愛らしい顔をしているかもしれません。ですが、ヤモリや爬虫類が苦手な方にとっては、ただただ気持ち悪い存在です。
ヤモリは夏になると見かけるようになりますが、"天井からヤモリが降ってきてビックリした! "といった声もあります。ヤモリ嫌いの方にとっては見るだけでもゾッとしますが、天井から降ってきたら相当な恐怖ですよね。
最悪の場合はヤモリが家に住み着いてしまい、糞尿被害に見舞われることもあります。もちろん、衛生的にもよくありません。では、どうすればヤモリを駆除できるのでしょうか? 『ヤモリの駆除方法』等をご紹介します。
ヤモリの生態の特徴
あなたは、ヤモリの生態や特徴についてどれくらい知っていますか? ヤモリ対策を闇雲に行って失敗する前に、ヤモリの生態や特徴を把握して敵を理解しましょう。では、ヤモリの生態や特徴をご紹介します。
■ヤモリは家にいる虫を食べてくれる
ヤモリはトカゲの仲間(爬虫類)で、漢字で書くと『家守』と書きます。見ての通り家を守るという意味で、ヤモリは家の中にいる害虫を食べてくれる存在です。
ヤモリ嫌いの方にとっては気持ち悪い存在かもしれませんが、人間に害を与える生き物ではありません。性格は臆病でおとなしく神経質ではありますが、攻撃的な部分も低いことから昔は駆除しないで放置している家が多かったそうです。
つまり、家の中や周辺にヤモリを見かけたらエサとなる害虫がいます。ヤモリは害虫がいると家の隙間から侵入し、不快な害虫達を食べることも珍しくありません。言ってみればヤモリは、殺虫剤いらずの"天然の掃除屋さんのような存在"です。
■日本に生息しているヤモリは10種類
ヤモリは約650種類いますが、日本に生息しているヤモリは10種類とそう多くありません。10種類のヤモリは以下の通りです。
・二ホンヤモリ
・オンナダケヤモリ
・ミナミヤモリ
・ヤクヤモリ
・タワヤモリ
・ニシヤモリ
・オキナワヤモリ
・ホオグロヤモリ
・オガサワラヤモリ
■ヤモリは夜行性で暗くて狭い場所が好き
ヤモリの体長は10cm~12cm程度で、暗くて狭い場所を好みます。ヤモリは温度に敏感で寒い場所が苦手です。18度~30度の場所は快適に過ごせる環境を好み、寿命は大体10年あります。
ヤモリは東北地方以南の日本各地に生息しており、山や森等といった自然が多い場所にいます。ヤモリの行動時間は夜です。都会にいるヤモリは夜になると照明に集まってくる虫を狙うため、外灯がある公園・コンビニ・神社・住宅・橋の欄干等で見かけます。
■ヤモリは足裏の細い毛のおかげでスムーズに歩ける
ヤモリは足の裏が特徴的です。足の裏には1㎡につき10万本~100万本の細い毛が生えており、さらに毛の先は枝毛のように割れています。合計で1㎡につき10億本以上という、尋常ではない数の毛が生えているそうです。
足の裏にある毛のおかげで、ヤモリはどこでも走り回ることができます。木・壁・天井・ガラス等、凸凹している場所やツルツルしている場所を安定して歩くことができるのは、足の裏に毛が生えているからです。
ヤモリ駆除方法5つ
家の中や庭でヤモリを見かけたら焦りませんか? 特に、爬虫類やヤモリが嫌いな方は"一刻も早くヤモリを駆除してどうにかしたい! "と思うでしょう。ですが、肝心なヤモリの駆除方法を知らなければどうすることもできません。
いざという時のために知っておきたい、ヤモリの駆除方法は以下の5つ。順番にご紹介します。
- 粘着シート:設置や処理がラク
- 蚊取り線香:室内のヤモリ駆除に効果的
- ピレスロイド系殺虫剤スプレー:1本は常備しておきたい
- ヘビ用の忌避剤:ヤモリの姿すら見たくない人におすすめ
- 木酢液:できるだけ薬品を使いたくないならコレ
■①粘着シート
高儀 TAKAGI
粘着ねずみとりシート 防水ブック型 10枚入
ヤモリを駆除するなら粘着シートを使ってみてはどうでしょうか? 粘着シートを使った駆除方法は設置や後処理も楽です。粘着シートはゴキブリホイホイや、ネズミ用粘着シートを使います。
どちらもヤモリが触れると、強力な粘着剤が身体にくっついてしまい離れることができません。焦ったヤモリはもがきますが身体を動かすほど粘着剤が絡み付き、次第に体力を奪われ餓死します。
ヤモリがよく出没する場所や出没しそうな場所に、粘着シートをできるだけ多く置きましょう。粘着シートの数は多い方がヤモリの駆除率が高まります。粘着シートでヤモリの駆除をしたら、そのままゴミ袋に入れて縛り燃えるゴミに出しましょう。
■②蚊取り線香
アース渦巻香
蚊取り線香 [12時間長持ち ジャンボ50巻缶入] 単品 ジャンボ50巻缶入り ビャクダン
家の中に潜むヤモリを駆除したい時は、室内で蚊取り線香を焚けば殺すことができます。でも、蚊取り線香は爬虫類ではなく虫の駆除に効くのでは? と思っている方もいるでしょう。
確かに、蚊取り線香は虫の駆除に使われるアイテムですが、ヤモリも駆除できるのは成分に秘密があります。
蚊取り線香は除虫菊の成分が含まれていますが、この成分はヤモリの神経にダメージを与えるのが特徴です。ヤモリの神経に作用すると、麻痺して呼吸ができなくなり死にます。
■③ピレスロイド系殺虫剤スプレー
ライオンケミカル
ピレキラ 虫よけパウダー 550g1個
ヤモリを駆除したい時はピレスロイド系殺虫剤スプレーを、ヤモリに直接噴射しましょう。ピレスロイド系殺虫剤スプレーも蚊取り線香と同じように、ヤモリの神経を麻痺させて殺すことができます。
そして、蚊取り線香よりも即効性があるため、すぐにでもヤモリを駆除したい時はピレスロイド系殺虫剤スプレーがおすすめです。
多くの殺虫剤スプレーはピレスロイド系が含まれています。商品の背面に書いてある成分表記を見ると、ほとんどの商品がピレスロイド系と書いてあるでしょう。ピレスロイド系が含まれている殺虫スプレーなら何でも構いません。例えば、自宅にあるゴキブリ駆除用の殺虫剤スプレーがピレスロイド系なら、ヤモリの駆除にも使えます。
■④ヘビ用の忌避剤
レインボー薬品
ヘビ用忌避剤 ヘビレスお徳用 900g
ヤモリは爬虫類のためヘビ用の忌避剤で駆除することも可能です。"レインボー薬品のヘビレス粒剤"や、"金太郎忌避王"等を使ってヤモリを駆除しましょう。
レインボー薬品のヘビレス粒剤は、ニオイでヤモリを含む爬虫類を駆除するアイテムで、4つの成分が粒の中に配合されています。使い方も簡単でヤモリがいた場所や、ヤモリが侵入しそうな場所にヘビレス粒剤を帯状に撒くだけです。雨や水に強く効果は約1ヶ月持続します。
金太郎忌避王もニオイでヤモリを駆除するアイテムです。室外のヤモリを駆除する時は、2mおきに金太郎忌避王を大さじ一杯のせて撒きます。室内にいるヤモリを駆除する場合は、プラスチック容器等に土や砂を入れて、さらに金太郎忌避王を大さじ一杯入れて混ぜましょう。屋根裏等に2mおきに置きます。やはり、雨や水に強く効果は2ヵ月です。
■⑤木酢液
トヨチュー
備長炭 木酢原液 1000ML
木酢液は火事のニオイがするため、動物や昆虫が寄り付きません。火事のニオイがすると、ヤモリを含む動物や昆虫は命の危険を感じます。
木酢液は様々な種類があり値段もピンキリです。あまりにも安い木酢液は、人体に良くない成分が含まれていることもあるため値段だけで決めてはいけません。木酢液によっては人体に悪影響を及ぼす成分が含まれているため、成分表記を確認してから購入しましょう。
木酢液でヤモリの駆除をする時は水で薄めてから使います。1ℓの水に対して木酢液は小さじ1杯です。スプレーボトルに入れて、住宅の周辺や庭等に噴射します。
ヤモリとイモリの違い
ヤモリとイモリがどこが違うのか? よくわからない方もいるでしょう。ヤモリとイモリはよく似ていますが両者は仲間でありません。ヤモリは爬虫類でトカゲの仲間ですが、イモリは両生類です。両生類で有名なのはカエルやサンショウウオになります。
また、ヤモリは外灯のある住宅や公園等にいますが、イモリは水がある場所が好きです。イモリは漢字で書くと『井守』となり、見ての通り井戸にいることが多く、他には水田や用水路等にいます。
■ヤモリに毒はないがイモリは毒がある
ヤモリとイモリの違いは毒も関係しており、中には、"イモリに噛まれると毒が回る"と聞いたことがある方もいるでしょう。全てのイモリに毒があるわけでなはいですが、アカハライモリには毒があり毒の成分はフグと同じです。でも、イモリの毒は少ないため死亡することはないと言われています。とは言っても、素手で触れて粘膜に毒が付着すると炎症を起こすため、触れない方が良いです。
一方、ヤモリには毒はありません。
ヤモリを寄せ付けない方法
ヤモリは闇雲に家や家の周辺に出没するわけではありません。ヤモリを家で目撃する理由は、ヤモリにとって魅力的な環境だからです。そうなれば、必然的にヤモリを駆除することになりますが、できれば駆除しないでどうにかしたいと思う方もいるでしょう。
ヤモリの駆除をする必要としない家にするためには、ヤモリを寄せ付けない家にするのが一番です。では、ポイントをご紹介します。
■ヤモリのエサとなる虫が来ないように掃除をする
ヤモリはゴキブリ等の害虫をエサにして食べますが、そもそも家の中や家の周辺に害虫がいなければヤモリはやって来ません。つまり、ヤモリを見かける家は害虫がいる証拠です。反対に、ヤモリを見かけない家はヤモリのエサとなる害虫がいません。
ヤモリを寄せ付けないようにするなら、家の中や家の周辺を掃除しましょう。定期的に掃除をしていない家は、ゴミやホコリ等が溜まり不衛生な状態です。
目に見える場所はもちろん、家具や家電もできるだけ動かして隅々まで掃除をしましょう。どうしても動かすことができない場合は、隙間や狭い場所も掃除できるグッズを使ってキレイにします。
■家の周辺に置いてある不要な物は処分する
家の周辺も掃除が欠かせません。ベランダ・庭・玄関等を掃除しましょう。ダンボール・古紙・いらない物等を家の外に置いている場合は、すぐにどかして処分します。不要な物をどかしたら、家の周辺もキレイに掃除をしましょう。
家の外に不要な物を置きっぱなしにしていると害虫が住み着いたり、卵を産む原因になります。また、外にダンボール等を置いたままの状態は害虫を寄せる原因です。家の周辺に害虫がいれば当然ヤモリがやって来て、家の中にまで侵入してくるでしょう。
■ヤモリの侵入口となる隙間を塞ぐ
虫塵すき間侵入防止シールテープ エアコン効率アップ D型 ホワイト(3m x 2本)
ヤモリは隙間があれば家の中に侵入してきます。つまり、ヤモリが入ってこないように、隙間を塞いでしまえば侵入することはできません。ゴキブリは3mmの隙間があれば侵入できますが、ヤモリは約1cmの隙間があれば侵入することができます。
ヤモリを侵入させないために、家の隙間を探してみましょう。1cmの隙間を探してみると意外とあるものです。例えば、換気扇の隙間や網戸の破れた部分等があります。隙間があれば隙間テープ等を使って塞ぎましょう。
まとめ
ヤモリが可愛くて仕方がない方にとっては、ヤモリの駆除はあり得ない話でしょう。ですが、世の中には大のゴキブリ嫌いもいれば、ヤモリを見るだけで鳥肌が立つくらい嫌いな方もいます。ヤモリには酷ですが駆除するのも選択肢の1つです。ヤモリを家の中や家の周辺で見つけたら、ご紹介した5つの駆除方法を実践しましょう。