誰でも恐怖するスズメバチですが、意外に沢山の天敵がいることを知らない人も多くいるのではないでしょうか。スズメバチの天敵を知ることで、スズメバチ自体の習性などをより深く理解することができるでしょう。
本記事ではスズメバチの天敵10種類の紹介から、実際にスズメバチ対策にはどのようなことが有効なのかを詳しく紹介しています。本記事を参考にスズメバチのことを理解して、適切な対策をしましょう。
スズメバチの天敵の虫7種類
強い毒を持つスズメバチですが、多くの虫が天敵と認定されています。その意外な関係を知ることでスズメバチの特性を知ることができるでしょう。
■1.アブ
ムシヒキアブ
スズメバチを捕食する種類のアブは2種類います。ムシヒキアブは飛んでいる獲物の頭上にある木や草などに隠れて待ち伏せをして敵を奇襲します。ムシヒキアブは動体視力と運動能力が大変高く、飛んでいる獲物を捕食することも可能です。スズメバチだけではなく、日本最大種のオニヤンマも捕食されます。
ベッコウハナアブはスズメバチの巣に卵を産み、卵からかえった幼虫がスズメバチのふんや死骸などを食べて成長します。そして大きくなったベッコウハナアブの幼虫は生きたスズメバチの幼虫や蛹も餌にします。このようにしてベッコウハナアブの幼虫はスズメバチの巣で大きく育って巣立ちます。
■2.オニヤンマ
オニヤンマの雌
オニヤンマは基本的に昆虫を餌にして生活をしています。また飛行能力に優れるオニヤンマは、その驚異的なスピードでスズメバチを捕食します。スピードに翻弄された場合、スズメバチが捕食されることがほとんどです。
しかし、実はスズメバチもオニヤンマを捕食する側に回ることもあります。それぞれが捕食者となりうる関係がスズメバチとオニヤンマの関係です。
また、オニヤンマの捕食者としてのアドバンテージは飛行能力だけではなく、鋭く強力な顎もその一つです。強靭な顎で一噛みすれば、例えスズメバチと言えど一撃です。オニヤンマはその体格と飛行能力を生かしてガやセミ、ハエやアブなども捕食します。
■3.クモ

蜘蛛の巣を張ったクモ
クモは基本的にクモの巣で獲物となる昆虫などを捕獲し捕食します。クモの種類によりますが強力な粘着性のクモの巣の場合は、スズメバチも簡単に捕獲することが可能です。
スズメバチは飛行能力に優れており、力も強いので作りかけのクモの巣などは簡単に通り抜けてしまうでしょう。またクモの巣に捕獲されている他の昆虫を横取りすることもあります。
■4.オオカマキリ
オオカマキリ
オオカマキリは個体によっては最大10センチほどの大きさに成長します。オオカマキリの主食は昆虫のため、さまざまな昆虫を捕食します。スズメバチもその例外ではありません。オオカマキリはその持ち前の大きな鎌で素早くスズメバチを捉えます。その速さにほとんどの昆虫は太刀打ちすることができずに捕まるでしょう。
スズメバチも毒針で反撃する余裕も与えられずに捕食されてしまうほど、オオカマキリは強力です。しかし、スズメバチとの関係は常にオオカマキリが捕食者であるというわけではなく、時にはスズメバチが捕食者になることもあります。飛行が苦手なオオカマキリは上空から襲ってくるスズメバチに捕まることがあります。
■5.アリ

クロアリ
アリは単体でスズメバチを攻撃することは無いでしょう。しかし時と場合によっては集団でスズメバチを襲うこともありえます。集団になった場合は弱者であるはずのアリもスズメバチを捉える捕食者になってしまいます。
しかし、基本的にアリが飛行するスズメバチを攻撃することはできないので、なんらかの理由で地面に留まっているスズメバチなどがその対象になるでしょう。
■6.寄生虫
寄生虫もスズメバチに寄生することで住処としたり、寄生虫によっては捕食することもあります。代表的なのは、ネジレバネという寄生虫です。オス・メス両方共スズメバチに寄生します。しかし、オスは羽化するとすぐに離れます。メスは幼虫の姿のままスズメバチを住処にして寄生し続けます。
また、センチュウの中でもスズメバチタマセンチュウはメスの女王バチに寄生し、不妊化させて繁殖をストップさせてしまうという恐ろしい操作をする寄生虫です。モモイロシマメイガやギンモンシマメイガはスズメバチに寄生してスズメバチを捕食します。幼虫の内にはスズメバチの巣盤を食べ、成虫になってからは巣内のサナギや幼虫を食べ成長します。
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