誰でも恐怖するスズメバチですが、意外に沢山の天敵がいることを知らない人も多くいるのではないでしょうか。
スズメバチの天敵を知ることで、スズメバチ自体の習性などをより深く理解することができるでしょう。
本記事ではスズメバチの天敵10種類の紹介から、実際にスズメバチ対策にはどのようなことが有効なのかを詳しく紹介しています。
本記事を参考にスズメバチのことを理解して、適切な対策をしましょう。
スズメバチの天敵は駆除に使える?
スズメバチには多くの天敵がいますが、実際にスズメバチの駆除に天敵を利用することができるのでしょうか。
■野生動物なのでコントロールできない
スズメバチの天敵の多くは野生の虫や動物であり、中には人間によって飼育ができない動物もいます。そのため野生の虫や動物にスズメバチを駆除する目的で捕食させるのは大変困難です。
基本的には、意図的にスズメバチを野生の虫や動物を使用しての駆除はできないと考えた方が良いでしょう。
また意図的にスズメバチを駆除することで野生動物の生態系を崩してしまうという懸念もあるので、本来人間が自然の虫や動物を意図して駆除するのはあまり良くないことだと言えます。
■寄生虫での駆除は研究中
自然界のスズメバチを駆除してしまうのは生態系を崩す恐れがあるのでおすすめはできませんが、民家の近くに巣を作ってしまったスズメバチなどは駆除する必要があります。
そのような場合には、プロに依頼するなど適切な方法で駆除する方法が安全で確実に駆除できるため効率的です。
また現在では寄生虫を使用した駆除が研究されています。特に内側からスズメバチを捕食するのでは無く、センチュウのように排卵機能を停止してしまうという方法が最も効率的だと研究されています。
嬢王バチは生涯で1,000個程度の卵を産むので、それを抑えることでかなりの効果があると考えられています。
スズメバチの天敵の虫7種類
強い毒を持つスズメバチですが、多くの虫が天敵と認定されています。その意外な関係を知ることでスズメバチの特性を知ることができるでしょう。
■1.アブ
ムシヒキアブ
スズメバチを捕食する種類のアブは2種類います。ムシヒキアブは飛んでいる獲物の頭上にある木や草などに隠れて待ち伏せをして敵を奇襲します。
ムシヒキアブは動体視力と運動能力が大変高く、飛んでいる獲物を捕食することも可能です。スズメバチだけではなく、日本最大種のオニヤンマも捕食されます。
ベッコウハナアブはスズメバチの巣に卵を産み、卵からかえった幼虫がスズメバチのふんや死骸などを食べて成長します。
そして大きくなったベッコウハナアブの幼虫は生きたスズメバチの幼虫や蛹も餌にします。このようにしてベッコウハナアブの幼虫はスズメバチの巣で大きく育って巣立ちます。
■2.オニヤンマ
オニヤンマの雌
オニヤンマは基本的に昆虫を餌にして生活をしています。また飛行能力に優れるオニヤンマは、その驚異的なスピードでスズメバチを捕食します。
スピードに翻弄された場合、スズメバチが捕食されることがほとんどです。しかし、実はスズメバチもオニヤンマを捕食する側に回ることもあります。
それぞれが捕食者となりうる関係がスズメバチとオニヤンマの関係です。
また、オニヤンマの捕食者としてのアドバンテージは飛行能力だけではなく、鋭く強力な顎もその一つです。強靭な顎で一噛みすれば、例えスズメバチと言えど一撃です。
オニヤンマはその体格と飛行能力を生かしてガやセミ、ハエやアブなども捕食します。
■3.クモ
蜘蛛の巣を張ったクモ
クモは基本的にクモの巣で獲物となる昆虫などを捕獲し捕食します。クモの種類によりますが強力な粘着性のクモの巣の場合は、スズメバチも簡単に捕獲することが可能です。
スズメバチは飛行能力に優れており、力も強いので作りかけのクモの巣などは簡単に通り抜けてしまうでしょう。またクモの巣に捕獲されている他の昆虫を横取りすることもあります。
■4.オオカマキリ
オオカマキリ
オオカマキリは個体によっては最大10センチほどの大きさに成長します。オオカマキリの主食は昆虫のため、さまざまな昆虫を捕食します。
スズメバチもその例外ではありません。オオカマキリはその持ち前の大きな鎌で素早くスズメバチを捉えます。その速さにほとんどの昆虫は太刀打ちすることができずに捕まるでしょう。
スズメバチも毒針で反撃する余裕も与えられずに捕食されてしまうほど、オオカマキリは強力です。
しかし、スズメバチとの関係は常にオオカマキリが捕食者であるというわけではなく、時にはスズメバチが捕食者になることもあります。飛行が苦手なオオカマキリは上空から襲ってくるスズメバチに捕まることがあります。
■5.アリ
クロアリ
アリは単体でスズメバチを攻撃することは無いでしょう。しかし時と場合によっては集団でスズメバチを襲うこともありえます。
集団になった場合は弱者であるはずのアリもスズメバチを捉える捕食者になってしまいます。
しかし、基本的にアリが飛行するスズメバチを攻撃することはできないので、なんらかの理由で地面に留まっているスズメバチなどがその対象になるでしょう。
■6.寄生虫
寄生虫もスズメバチに寄生することで住処としたり、寄生虫によっては捕食することもあります。代表的なのは、ネジレバネという寄生虫です。
オス・メス両方共スズメバチに寄生します。しかし、オスは羽化するとすぐに離れます。メスは幼虫の姿のままスズメバチを住処にして寄生し続けます。
また、センチュウの中でもスズメバチタマセンチュウはメスの女王バチに寄生し、不妊化させて繁殖をストップさせてしまうという恐ろしい操作をする寄生虫です。
モモイロシマメイガやギンモンシマメイガはスズメバチに寄生してスズメバチを捕食します。幼虫の内にはスズメバチの巣盤を食べ、成虫になってからは巣内のサナギや幼虫を食べ成長します。
スズメバチの天敵の鳥・動物3種類
スズメバチよりはるかに大きな鳥や動物は時としてスズメバチを襲う天敵になります。スズメバチが恐れる天敵の鳥・動物を紹介します。
■1.野生のニワトリ
野生のニワトリ(雄・雌)
野生のニワトリは草むらに生息する小さな昆虫などを餌としています。基本的に野生のニワトリは雑食のため、昆虫であれば何でも食します。
そのためスズメバチも例外ではありません。スズメバチの幼虫は特にたんぱく質が豊富なためニワトリの好物になります。幼虫だけでなくサナギや卵も捕食するので、覚えておくと良いでしょう。
飼育されているニワトリは積極的にスズメバチを捕食することはほとんどありません。理由は、飼育されているニワトリはスズメバチよりももっと栄養価の高い餌を与えられているからです。
そのためわざわざスズメバチを捕食する必要がなくなります。しかし積極的に捕食しなくても与えれば餌として食べるでしょう。
■2.ハチクマ
ハチクマのオス
ハチクマとはハチを主食とするタカです。ハチクマは子育てのためにスズメバチの巣を丸ごとくわえて巣まで運びます。
そして巣盤ごとヒナに与えます。ハチクマのヒナは主に幼虫やサナギを食べ、そして幼虫やサナギが抜き取られたスズメバチの巣は捨てられてしまうでしょう。
またこのときハチクマはいつも同じ場所に空になったスズメバチの巣を廃棄すると言われています。
ハチクマは積極的にスズメバチの巣を襲います。もちろんそれに応戦する形で、スズメバチはハチクマを刺して応戦をします。
しかしハチクマは硬い羽毛で覆われており、しかも密集しているためスズメバチの針をなかなか通さないようになっているという特徴があります。
■3.クマ
クマは雑食のためスズメバチ自体を捕食するだけでなく、巣を丸ごと食べつくします。本来は年間を通してどんぐりなどの木の実から昆虫、魚、動物の肉などあらゆるものを食べます。
しかし夏になると昆虫が増えることから昆虫を探して食べることが多くなるでしょう。スズメバチが繁殖する季節になると、スズメバチの巣を探して歩きます。
また、クマが冬眠の準備をする時期とスズメバチの繁殖期が一致することから、冬眠の準備にスズメバチの巣を襲うことが多くあります。
クマもハチクマ同様硬い毛皮で覆われているので、スズメバチの針を簡単に通さずに防ぐことができるでしょう。
スズメバチに人間ができる対策6選
天敵を使用する以外のスズメバチ対策を紹介します。こちらで紹介する方法でスズメバチ対策をしっかりと行いましょう。
■1. スズメバチ最大の天敵は人間
たまたま飛んできただけのスズメバチならハチ除けなどの予防グッズでもかまいません。
しかしすでに軒下や庭に巣を作っているのなら、あなた自身や家族だけでなくご近所に迷惑がかかる前に最大の天敵であるスズメバチ駆除業社に依頼してください。
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■2. スズメバチの嫌いな匂いをつける
基本的にスズメバチには近寄らなければ襲われる心配は無いでしょう。そのためにはスズメバチが近寄りたがらない匂いを身にまとうことが大変有効です。
もっとも効果的な臭いは木酢液です。木酢液は炭を作るときにできる液体です。
かなり強烈で焦げ臭さのある匂いのため、人によっては苦手な場合もあるので注意が必要です。スズメバチを寄せ付けたくない場所に塗りましょう。
また、スズメバチの巣が存在する可能性のある場所へ行かなくてはいけない場合は、自分の服などに付けておくと近寄ってこないでしょう。
大体1、2週間程度で効果が無くなりますので継続的に塗っていく必要があります。同じようにハッカ油もスズメバチが嫌い近寄らなくなる匂いの一つです。
ハッカ油は木酢液に比べるとさほどきつい匂いではないので使いやすいのではないでしょうか。
■3. 殺虫剤を使う
スプレータイプの殺虫剤はスズメバチの駆除や忌避効果があるため大変有効です。ベランダや屋根裏のスズメバチが巣を作ってしまいそうな場所に散布しておくだけで1、2週間は効果があります。
また、このタイプの殺虫剤は部屋に侵入したスズメバチなどの駆除も可能です。しかしスズメバチに近づいて吹きかけなくてはいけないので慣れていない場合には注意が必要です。
燻煙剤の使用も忌避効果と、既に完成しているスズメバチの巣駆除に役に立ちます。
完成された大型のスズメバチの巣の場合は専門の業者に頼む必要がありますが、小さい巣や少量のスズメバチであればこのタイプの殺虫剤で十分駆除が可能です。
■4. 食べ残し・生ゴミを放置しない
スズメバチは幼虫に、その栄養価の高さから小さな虫や動物の肉を与えることがあります。そしてスズメバチは必要に駆られて動物を襲うこともあります。
タンパク質が豊富な動物の死肉を肉団子にして持ち帰ることもあるほど、スズメバチにとって必要な栄養なのです。
以上の理由から、食べ残しや生ごみなどを放置した際に発する匂いにおびき寄せられて、スズメバチが寄ってくる場合があります。
そうならないためにはゴミなどを放置せずに処分をして、清潔を保ちましょう。
■5. 巣を作りづらい環境を作る
スズメバチが数匹紛れ込んだだけではそれほど大事にはなりにくいですが、もし巣を作られてしまっては大変危険です。
そのため巣が作られやすい場所には、対策を講じる必要があります。基本的にハチが巣を作り始めるのは4月~5月頃になります。その時期には特に注意をしましょう。
方法としては、上述したような殺虫剤などをスズメバチが巣を作りやすい場所に定期的に散布するなどです。
スズメバチは外敵から身を守るために屋根裏や軒下などに巣を作ります。また雨風にさらされない場所も要注意です。定期的に確認して、巣を作られる前に駆除しましょう。
■6. 衣服に気を遣う
黒い色はハチに刺されやすいということを聞いたことがある人も多くいるのではないでしょうか。実際にスズメバチが攻撃態勢になった場合、最初に攻撃を仕掛けるのは黒い動く的です。
黒い動く的に毒液を吹きかけてマーキングします。マーキングをしたらその対象を狙い続けます。
スズメバチに最初に的にされないためには、明るい色の服を着ると良いでしょう。
過去に行われた実験で、黄色い服が一番攻撃を受けにくかったという報告もありますので、黄色が一般的に一番安全と言われています。
まとめ
スズメバチの習性や特性をしっかりと理解することで、スズメバチ駆除や対策を正確に行うことができます。天敵を知ることでスズメバチへの理解を深めましょう。