ブルックリンスタイルは、ニューヨークのブルックリンから生まれたインテリアの呼び方です。かつてのブルックリンは工場・空き倉庫が多い土地柄で、アパートを改装するアーティストがたくさんいました。彼らの生み出したレンガ・コンクリート・木材・アイアンをまぜて作る武骨な印象がブルックリンスタイルの特徴です。
本記事では、ブルックリンスタイルの部屋作りのコツや家具・小物の選び方のポイントについて、実例を見ながら解説していきます。
ブルックリンスタイルインテリアの特徴と部屋作りのコツ
ブルックリンスタイルとは、ニューヨーク州のブルックリンをイメージしたインテリアのこと。ブルックリンは東海岸に面した工業地帯で、工場・空き倉庫が多い地域です。そこから発展した武骨ながらおしゃれなインテリアが今注目を集めています。
■NYの古いアパート・倉庫などをイメージしたインテリア
ブルックリンスタイルの特徴は、ニューヨークの古いアパートや倉庫をイメージしたインテリアであること。アンティーク感のあるレンガ壁やコンクリートが代表的なアイテムで、観葉植物もよく飾られています。これらの異なる素材をあえて混ぜることで、クリエイターやアーティストが集まるブルックリンの町の雰囲気を表現していることが特徴です。
ブルックリンスタイルの家具や小物はアンティーク調の褪せた色合いで構成されています。「完璧ではない」「あえて古さを残す」ことが重要になる男前なインテリアです。オープン棚を活かしたカフェ風インテリアや、工業的なアイテムで作るインダストリアルインテリアと相性が良いです。
カリフォルニアスタイルとも似ていますが、こちらはアメリカの西海岸をイメージしたインテリアです。使う家具・小物は似ていますが、こちらは海を連想させる白・青を中心にしています。
■配色はダークトーン
ブルックリンスタイルの配色は、黒やグレーのダークトーンの色が中心です。色を追加したい時には、明度を抑えた色がおすすめ。パステルカラーや明るい色は、インテリアの雰囲気を崩してしまいます。
【黒】
机・椅子の足をアイアンバーにするのがおすすめです。ハンガーの素材など、大きすぎない箇所がいいでしょう。
【グレー】
コンクリートの壁やブリキ・スチールの植木鉢で取り入れることができます。明るすぎない錆びたような色味がおすすめです。
【ブラウン】
レンガの壁や古木風の床で取り入れることができます。机や椅子の天板として取り入れるのも可能です。ソファをレザー生地にして、ダークブラウンにするのも王道の組み合わせです。
【青・緑】
明るすぎないスモーキーな色合いをアクセントとして使うのがおすすめです。青ならばジーンズ生地のような色合いが、緑ならば観葉植物がいいでしょう。観葉植物を選ぶ時は、若葉を避けて濃い緑のものを選びます。サボテンや多肉植物も相性がいいです。
アンティーク調・ビンテージな雰囲気+暗くクールな色合いを選んでいくと、自然とブルックリンスタイルが完成していきます。
ダサくならない!ブルックリン風インテリアの選び方のポイント
ブルックリンスタイルは、少し間違うとダサいインテリアになってしまいます。そうならないためのポイントを四つに分けて解説していきます。
■壁紙・床の選び方
壁紙は工業地帯を思わせるレンガ調や、武骨なコンクリート風がおすすめです。「賃貸なのでリフォームできない」という時は、100均のリメイクシートを活用しましょう。整然としていると不自然ですので、あえてバラバラに張り付けたり、ランダムなレンガ調を選ぶのが大切です。アイアン棚で壁を隠すという方法でも同じ効果が狙えます。
■家具の選び方
椅子・机は木目とアイアンバーを組み合わせたものを選びましょう。木目の色はダークブラウンなど暗い色を選ぶことで、ブルックリンスタイルを演出してくれます。
ソファは革張りが定番です。木目でも構いません。どちらもファブリックは使わず、ダークトーンのクッションを合わせるのがポイントです。
家具と一緒に小物を置く時に注意したいのが、置きすぎです。ごちゃごちゃするとおしゃれな印象がないし、ほこりがたまりやすいです。特にフェイクグリーンはホコリがたまりやすいので、注意してください。
小物として黒板・ポスターが人気ですが、そこに書いてある英語が分かりやすいとややダサい印象があります。自分では分からない文字のものを選ぶか、無地の下地を用意して英単語シールやステンレスでDIYしていきましょう。
■照明の選び方
ブルックリンスタイルは照明も暗めのタイプがおすすめです。暗い電球のほんのりとした明るさが部屋の雰囲気をアップさせてくれます。
シェードは布ではなく、ワイヤー・アイアンタイプを選びましょう。裸電球も武骨な雰囲気を出すのにぴったりです。
あまり明るい照明を選ばず、ペンダントライトやスポットライトを使った間接照明を取り入れていくと、よりおしゃれなお部屋に仕上がります。
小さな照明をいくつも吊るして光源を確保しても良いでしょう。
■カーテンの選び方
ブルックリンスタイルのカーテンは、シンプルで素材を感じるものが合っています。ジーンズ生地・リネン生地などがおすすめです。
柄は無地が一番ですが、どうしても柄入りがお好きならばヘリンボーンストライプ柄か英字プリントならば雰囲気にマッチします。色はライトグレーなどのスモーキーカラーが良いでしょう。
レンガ調の壁にはブラインドカーテンがおすすめです。特にウッドブラインド・ダークブラウンのブラインドはレンガとの相性がばっちりです。
ブルックリン風インテリア実例6選【リビング編】
革のソファーと褪せた色合いのテーブルを合わせたリビングの例です。後ろにある英字ポスターもブルックリンスタイルにぴったりです。床をすべて木目にできなくとも、この実例のようにシートを敷けば雰囲気が出ます。
裸電球にガラスのシェードを合わせたリビング用の照明の例です。フェイクグリーンがからまったことによりブルックリンスタイルの特徴である異素材の特徴があるのもポイントです。
黒い革のソファを中心にしたクールなブルックリンスタイルのリビングの例です。家具は木目+アイアンの組み合わせで、基本的なブルックリンスタイルとなっています。クッションがジーンズ生地なのもポイントです。
洗い古したジーンズのような質感のソファと組み木のテーブルがポイントのリビングの例です。壁に這わせたフェイクグリーンや色あせた印象の時計、黒いアイアンの照明もブルックリンスタイルを演出しています。レンガ調の壁は賃貸では難しいですが、100均のリメイクシートを貼れば簡単です。
テレビの後ろだけをレンガ調の壁にしたブルックリンスタイルのリビングの例です。ソファ・テーブルのダークブラウンもシックでおしゃれです。小さめのスポットライトがいくつもあることで、間接照明としての役割を果たしています。
革張りのソファと紺色のクッションカバーのコントラストがおしゃれなブルックリンスタイルのリビングの例です。壁に置かれた英字の雑誌やステッカーもインテリアの良いアクセントになっています。
ブルックリン風インテリア実例6選【キッチン編】
ダークな木目とアイアンの組み合わせがかっこいいキッチンの例です。電磁調理器の黒さも、ブルックリンスタイルにはぴったり。調味料棚はアイアンバー+木材で自作することもできます。
スチールの調理台とアイアンと木材のレンジ台を中心にしたキッチンの例です。レンガの壁はリメイクシートを使えば再現できます。一部だけをレンガにすることで、クドくなるのを防ぐことができます。
シンプルな木材の食器棚も、ダークブラウンのペンキで塗ればこういったブルックリンスタイルにぴったりの色合いになります。そこにアイアンのバスケットをプラスすることで、和風な食器を置いていても東海岸のティストにまとまっているのがポイントです。
レンガの壁にライトグレーの調理台を合わせた本格的なブルックリンキッチンの例です。賃貸でここまで本格的にするのは難しいですが、色遣いはマネしていきましょう。
レンガの壁とステンレスを合わせたハッキリとしたブルックリンスタイルキッチンの例です。グレーで石作り風の床も相性が良いです。賃貸ならば、レンガ風のリメイクシートと石作り風のキッチンマットで再現できます。
カラーボックスをカウンターにDIYして、レンガのリメイクシートを貼った実例です。調味料入れが透明+シルバーなことで、おしゃれで武骨な印象に仕上がっています。
ブルックリン風インテリア実例6選【寝室編】
ヴィンテージな雰囲気のベッドを中心にした寝室の例です。ブルックリンスタイルの寝室の照明はこのように小さなオレンジ系の照明を集めて間接照明として使うのがおすすめです。
グレーの壁と木目のベッドにデニム生地を合わせた寝室の例です。ブルックリンスタイルながら温かみのある色合いが、寝室にぴったりの組み合わせです。
コンクリート風の壁とモノトーンのベッドを合わせた寝室の例です。実写のアニマルも、どこか東海岸の雰囲気を演出しています。シンプルな寝室に、裸の電球が良く似合うこともポイントです。
寝室におすすめの色である白を中心とした例です。通常、ブルックリンスタイルは黒・グレーがおすすめです。しかし、照明にスポットライトを使うことや、壁をグレーにしてアイアン+木目の机を置くことで、白いベッドでもブルックリンスタイルを実現しています。
レンガの壁にアイアンベッドを合わせた寝室の例です。コルクボードと壁のアートもブルックリンスタイルにぴったりです。壁に絵がたくさんあっても、雰囲気を統一することですっきりと見せています。
レンガの壁に黒い革のベッドを合わせた寝室の例です。星形やサボテンもブルックリンスタイルと相性がばっちりです。
ブルックリン風インテリア実例6選【カーテン編】
グレーの無地のカーテンの例です。シンプルで素材感が残っている、ブルックリンスタイルにぴったりのタイプです。無地はどんな床・壁にも相性がいいのがポイントです。
リネン生地で爽やかなカーテンの例です。スモーキーなグリーンがブルックススタイルによく似あっています。透けるような素材なので、夏でも爽やかです。
うっすらとストライプが入ったカーテンの例です。下地も柄もグレーで、シンプルさが大切なブルックリンスタイルと相性が良いです。レンガにもコンクリートにも似合う万能のカーテンだと言えるでしょう。
英字のプリントがにぎやかなカーテンの例です。色は濃い紺なので、ブルックリンスタイルの武骨な雰囲気を崩さずにすみます。柄にレンガを合わせると派手すぎるので、コンクリート系か無地の壁紙と合わせるのがおすすめのカーテンです。
木のブラインドカーテンがシンプルでおしゃれな例です。観葉植物が多い部屋にも、少ない部屋にも似あいます。ブルックススタイルには、明るい色よりこういったダークブラウンの方が相性良好です。
黒のブラインドカーテンの例です。黒を使うことが多いブルックリンスタイルですので、黒いカーテンを使うと全体の印象にまとまりがでます。もしも「暗い印象になってしまうのでは?」と心配ならば、周りに薄いグレーなどを合わせるのがおすすめです。
ブルックリン風インテリア実例6選【小物編】
ブルックリンスタイルの小物としておすすめなのは、観葉植物です。この例では観葉植物に素焼きの植木鉢を合わせています。
和風の素材ではありますが「異素材を融合させる」というブルックリンスタイルの特色には、こういった組み合わせもおすすめです。色も彩度が低く、クールに仕上がっています。
ダークウッドの棚に観葉植物と扇風機などを合わせたインテリアの例です。適度なスペースと控えめな色合いの観葉植物がブルックリンスタイルにぴったりです。
アメリカらしい小物を飾ったブルックリンスタイルのインテリアの例です。濃く明るすぎない色の小物を集めると、カラフルでも落ち着いた印象になります。
ダークな色合いの組み木を組み合わせて星などを飾ったインテリアの例です。ベージュのドライフラワーがシックな印象で、ブルックリンスタイルにはよく合っています。
ワイヤーバスケットにサボテンを飾った小物の例です。ワイヤーバスケットはブルックリンスタイルと相性が良く、そこに植木鉢を入れることでおしゃれな印象にしあがります。ワイヤーバスケットはセリアなどの100均で購入することができます。
ワイヤーバスケットを吊るした小物の例です。白い棚に黒板を飾ることで、メリハリがありおしゃれな印象に仕上がっています。レンガの色合いと棚の色合いが似ていることも、統一感を出すポイントです。
ブルックリン風インテリア実例6選【ワンルーム編】
アイアンベッドが中心になったワンルームの例です。布団カバーは明度の低い柄物なので、ブルックリンスタイルに最適です。ワイヤーネットにからませたフェイクグリーンも、お部屋におしゃれな印象をプラスしています。
アイアンベッドに収納スペースをつけたブルックリンインテリアの例です。グレーのシーツを合わせることで、よりかっこよく仕上がりました。枕元のサボテンも存在感がありインテリアの完成度がアップしています。
アイアン系の家具でまとめたワンルームの例です。椅子・スポットライトのサビたような質感がブルックリンスタイルにピッタリです。収納棚もスチール製で、こだわりが感じられます。
ベッドの布団・枕を革でカバーしたブルックリンスタイルのワンルームの例です。あえて室内に飾ったスニーカーやアウトドアテーブルが、異素材の融合を表現しています。
紺色でまとめることで男前な印象に仕上がったワンルームの例です。ブラインドカーテンは木ではなく竹ですが、こげたような色合いなので、ブルックリンスタイルにも似あっています。
革張りのソファとグレーの寝具がクールなワンルームの例です。ポスターとサーフボードがアクセントになったかっこよい部屋に仕上がっています。スポットライトによる控えめな照明は、ブルックリンスタイルの王道です。
ブルックリン風インテリア実例6選【玄関編】
モンステラを飾ったブルックリンスタイルの玄関の例です。椅子の脚がアイアンであることや、ワイヤーバスケットがあることがブルックリンスタイルの雰囲気を強めています。スリッパ掛けも黒いアイアンでかっこいいです。
一部分にレンガのリメイクシートを貼った玄関の例です。ハンバーもアイアンの質感で、ブルックリンスタイルな雰囲気が良く出ています。
玄関のディスプレイ部分にレンガの壁のリメイクシートを貼った例です。さりげなく吊るされた小物は錆びた質感で、黒板も併せてブルックリンスタイルの雰囲気を演出しています。
アイアンバスケットに食品やタオルを飾った玄関の例です。食品は輸入雑貨店で購入できますし、ワイヤーバスケットや英字のペーパーアイテムは100均で購入できます。
タオルの代わりにハンカチを飾れば、玄関にぴったりのアイテムになります。
コンクリートの玄関に自転車や観葉植物を飾った本格的なブルックリンスタイルの例です。広いスペースがないと難しい例ですが、入りの組み合わせや雰囲気は賃貸でもマネできます。
革の靴を並べることでブルックリンスタイルの雰囲気を出した玄関の例です。さりげなくそえられたフェイクグリーンもおしゃれな雰囲気を演出しています。
ブルックリン風インテリア実例3選【洗面台編】
レンガと木材を合わせた明るめのブルックリンスタイルの洗面台の例です。照明はオレンジ色で小さいタイプであることが、ブルックリンスタイルの雰囲気を演出しています。
アイアンのシンクの脚と白いシンクを合わせたの洗面台の例です。むき出しの水道管はブルックリンスタイルの雰囲気を出すのにぴったりです。
インダストリアルなテイストの洗面台を探さないと実現させにくい例ですが、配色の組み合わせはすぐにマネできます。
黒と白の洗面台にさらに黒いタオルハンガーを追加した洗面台の例です。照明も控えめな豆電球で、ブルックリンスタイルを演出しています。
小さいスペースでも、色遣いを工夫すればレイアウトを楽しめる実例になっています。
ブルックリン風インテリア実例3選【トイレ編】
リメイクシートでコンクリートの壁を表現したトイレの例です。英字のポスターを張ることで、より一層ブルックリンスタイルの雰囲気を演出しています。100均で簡単に作れるレイアウトの例です。
レンガのリメイクシートを貼ったほかにも、レンガ風のディスプレイを張り付けたトイレの例です。デコボコとした質感が表現され、まさにブルックリンスタイルという印象に仕上がっています。
レンガの無骨さの中に絵を取り入れることで、無骨とアートの異質感が面白いレイアウトになっています。
モノトーンのチェック柄とフェイクグリーンがポイントのトイレの例です。やや明るめの色合いですが、トイレットペーパーを収納したワイヤーバスケットが黒でキリっとしたブルックリンスタイルの雰囲気を醸し出しています。
ブルックリン風インテリアのまとめ
ブルックリンスタイルのインテリアのポイントは、レンガ・木目・コンクリート・アイアンをうまく組み合わせることです。色は黒・グレー・ダークブラウンやカーキ・ネイビーが向いています。金属をそのままにしたり、サビた色合いを活かす男前なインテリアを作っていきましょう。